伊達政宗の家臣と言えば、片倉景綱こと片倉小十郎。しかしもう一人「腹心」と呼ばれた家臣がいて、それが伊達成実(だてしげさね)です。「伊達」の名字で解る通り、成実は政宗の従兄弟で、知略で政宗を支えた小十郎に対し、成実は数々の武勲をあげて政宗に尽くしました。その成実ですが、「家紋」をめぐって政宗ともめたことがあるそうです。
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目次
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「竹に二羽飛雀」はもともと上杉家の家紋
伊達家では多くの家紋を所有していましたが、中でも特に有名なのが「竹に二羽飛雀」です。「仙台笹」「伊達笹」とも呼ばれていますね。政宗が使っていた家紋の中で、もっともよく知られているものです。
雀は、日本人にとって古くから馴染みのある鳥でした。四国や和歌山県では、雀のことを「イタクラ」とも呼び、巫女(イタコ)と同じように予言する小鳥(クラ)を意味しています。家紋としては雀と竹や稲補を併せたものが多く、特に神奈川や東京、埼玉、京都で使用されました。武家では柳生氏が、公家では柴山家が使用しています。雀一羽を用いた吾木香に雀、飛び三羽雀、特徴的な輪に囲まれ雀が向かい合う雪輪に向かい雀、羽を広げた飛び三羽雀、丸の中に一羽の雀が入った丸に飛び雀などがあります。このようにバリエーションは様々あるものの、家紋として用いるのは珍しかったようです。
竹に雀は元々は上杉家が所有していた
この家紋は伊達家が特に大切にしている家紋で、今では商標登録もされており、使用には許可が必要なほど。そしてこの家紋の前身となる紋は、もともと越後(新潟)の上杉家が所有していたものでした。この家紋を伊達家が所有することになった経緯には、成実の父・伊達実元が大きく関わっています。
上杉家が実元の勇気を買い養子を申し出る
実元は戦国時代には欠かせない「勇気」を十分に備えた逸材で、その評判は伊達家周辺の国にも伝わるほどでした。それを知った上杉家が、「ぜひ実元を養子に欲しい」と伊達家に申し入れをしてきたのです。それを伊達家も了承し、実元と上杉家の娘を婚姻させる約束をしました。
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婚姻の証に竹に雀を譲る上杉家
その時に、上杉家が「婚姻の証」として伊達家に譲った家紋が「竹に二羽飛雀」です。正確に言うと、伊達家では上杉家に家紋を譲ってもらった後に改良を加えて今の形にしていますが、発祥は上杉家の家紋です。上杉家と実元の婚姻は残念ながら実現されませんでしたが、家紋は伊達家に残りました。ちなみに上杉家の家紋はこちらです。
伊達家が所有しているものと確かによく似ていますね。
自分と同じ家紋を使っている成実を咎めた政宗
この「竹に二羽飛雀」は上杉家と実元の婚姻話が発端になって伊達家が所有することになってので、実元の子である成実が使用していてもなんら不思議はありません。しかし、後に伊達家の当主となった政宗は、自分と同じ家紋を家臣の成実が使用していることを咎めたそうです。
政宗まで謝罪させた成実
これに成実は怒り、「もともとはうちの父がもらい受けたもの。そちらに渡す時にこちらも使い続けることは伝えているはず」と言い返しました。それを聞いて反省した政宗は、成実に謝罪しています。成実の父がきっかけで上杉家から来た家紋が、形を変えて伊達家の象徴的なものになっているところに、戦国時代の不思議な縁が見えます。
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戦国武将117名の家紋一覧をまとめてチェックしよう
織田木瓜 |
大一大万大吉 |
太閤桐 |
水色桔梗 |
| 石田三成 | 豊臣秀吉 | 明智光秀/山県昌景 |
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竹に二羽飛び雀/上杉笹 |
武田菱 |
真田六文銭 |
竹に雀/仙台笹 |
| 上杉謙信/上杉景勝/伊達成実 | 武田信玄/武田信繁/武田勝頼/安国寺恵瓊 | 真田幸村/真田昌幸 | 伊達政宗 |
蛇の目 |
徳川葵 |
黒田藤巴 |
向い蝶 |
| 加藤清正 | 徳川家康/徳川秀忠 | 黒田官兵衛/黒田長政 | 大谷 吉継 |
![]() 前田梅鉢/剣梅鉢 |
一文字三星 |
池田蝶 |
足利二つ引き |
| 前田利家/前田慶次 | 毛利元就/毛利輝元 | 池田恒興/池田輝政 | 今川義元 |
丸に立ち葵 |
九枚笹 |
二頭立波 |
二つ雁金 |
| 本多忠勝 | 竹中半兵衛 | 斎藤道三 | 柴田勝家 |
丸に竪木瓜 |
三つ盛木瓜に剣花菱 |
福島沢瀉 |
井伊橘 |
| 滝川一益 | 直江兼続 | 福島正則 | 井伊直虎/井伊直政 |
鶴丸 |
丸に細桔梗 |
丸に七つ片喰 |
剣片喰 |
| 森蘭丸/森長可 | 太田道灌 | 長宗我部元親 | 宇喜多秀家 |
土佐柏 |
三つ柏 |
八咫烏 |
平四つ目結 |
| 山内一豊 | 島左近 | 雑賀孫一 | 尼子晴久/京極高次 |
ばら藤に井桁 |
丸に違い鎌 |
蔦 |
大友抱き花杏葉 |
| 片倉小十郎 | 小早川秀秋 | 藤堂高虎/松永久秀 | 大友宗麟/高橋紹運/立花道雪 |
中結び祇園守 |
祇園守 |
足利二つ引き |
対い鶴 |
| 小西行長 | 立花宗茂 | 足利尊氏/足利義昭 | 蒲生氏郷 |
七つ割り隅立て四つ目 |
細川九曜 |
笹龍胆 |
丹羽直違 |
| 佐々成政 | 細川忠興 細川藤孝 |
源頼朝 | 丹羽長秀 |
丸に片喰 |
榊原源氏車 |
三つ盛り木瓜 |
![]() 違い鷹の羽 |
| 酒井忠次 | 榊原康政 | 朝倉義景 | 片桐且元 |
下がり藤 |
黒餅 |
北条対い蝶 |
丸に二つ引き |
| 加藤嘉明 | 黒田長政 | 北条早雲 | 最上義光 |
三つ盛り亀甲に花菱 |
丸に十文字 |
蜂須賀卍 |
七曜 |
| 浅井長政 | 島津義弘/島津貴久/島津貴久/島津義久 | 蜂須賀 小六(正勝) | 高山右近/九鬼嘉隆 |
津軽牡丹 |
北条鱗 |
丸に上の字 |
右三つ巴 |
| 津軽為信 | 北条氏康/北条氏政 | 村上義清/村上武吉 | 結城秀康/清水宗治/山本勘助/小早川隆景 |
永楽銭 |
梅鉢 |
変わり十二日足 |
丸に三つ引き |
| 仙石秀久 | 筒井順慶 | 龍造寺隆信 | 吉川広家 |
丸に違い鷹の羽 |
五七桐 |
生駒車 |
九条下がり藤 |
| 浅野幸長/浅野長政 | 豊臣秀次/斎藤義龍/豊臣秀長 | 生駒正俊 | 本願寺顕如 |
丸に揚羽蝶 |
吾亦紅/地楡に雀 |
丸に三つ葵 |
輪違い |
| 平清盛 | 柳生宗矩 | 松平忠吉 | 脇坂安治 |
鍋島花杏葉 |
結城巴 |
揚羽蝶 |
唐花紋 |
| 鍋島勝茂 | 松平忠直 | 吉川元春 | 陶晴賢 |
抱き茗荷 |
五本骨扇に月丸 |
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| 堀尾吉晴 | 佐竹義重 |
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太閤桐
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武田菱
真田六文銭
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蛇の目
徳川葵
黒田藤巴
向い蝶
一文字三星
池田蝶
足利二つ引き
丸に立ち葵
九枚笹
二頭立波
二つ雁金
丸に竪木瓜
三つ盛木瓜に剣花菱
福島沢瀉
井伊橘
鶴丸
丸に細桔梗
丸に七つ片喰
剣片喰
土佐柏
三つ柏
八咫烏
平四つ目結
ばら藤に井桁
丸に違い鎌
蔦
大友抱き花杏葉
中結び祇園守
祇園守
足利二つ引き
対い鶴
七つ割り隅立て四つ目
細川九曜
笹龍胆
丹羽直違
丸に片喰
榊原源氏車
三つ盛り木瓜
下がり藤
黒餅
北条対い蝶
丸に二つ引き
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丸に十文字
蜂須賀卍
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北条鱗
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右三つ巴
永楽銭
梅鉢
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丸に三つ引き
丸に違い鷹の羽
五七桐
生駒車
九条下がり藤
丸に揚羽蝶
吾亦紅/地楡に雀
丸に三つ葵
輪違い
鍋島花杏葉
結城巴
揚羽蝶
唐花紋
抱き茗荷
五本骨扇に月丸








