幾何紋まとめ15選!家紋の種類一覧で解説

糸輪

糸輪はモチーフの周りに黒い輪をほどこしたもので、輪の太さによって厚輪、太輪、中太輪、丸輪、中輪、細輪、糸輪、毛輪など、輪といっても多様な種類がありました。

糸輪のみで使われることはほとんど無く、中にはたいてい他の紋のモチーフが入っており、糸輪はそれを囲む外の輪として用いられました。

特に戦国時代に人気のでた紋で、それまで輪が存在しなかったことで注目が集まったとされています。

中のモチーフも多様で、糸輪に蔦、糸輪に桔梗、糸輪に蟹、糸輪に向かい鳩、糸輪に十字杵など、植物や動物、道具などあらゆるものが用いられました。

鱗紋は、三角形を組み合わせた幾何学模様の紋です。この模様が魚や蛇、龍の鱗に見えたことから鱗紋と呼ばれるようになりました。 この模様は世界の古墳壁画や土器などにも描かれています。日本では弥生時代の土器にも見られ、死者を悪霊から守り、残された家族を守護する願ったと考えられています。 三角形を3つ並べた「三つ紋」は、鎌倉時代に権力を握っていた北条家の家紋として有名ですが、『太平記』には家紋とした伝説が書かれています。 北条時政が、子孫繁栄を祈って江ノ島の岩屋に籠った際に海から美女が現れ、子孫の栄華を告げ大蛇となって海の中に消えました。その時大蛇が落とした3枚の鱗を持ち帰り、家紋としました。

角紋(かくもん)は、方角からなる幾何学的な紋です。同じ漢字の紋に「角紋(つのもん)」がありますが、これは鹿の角を表す動物紋で全くの別物になります。

角は、四角・六角・八角などの角のある図形を指し、他のモチーフを囲むための輪郭として用いられました。しかし、中には角紋だけを使用したシンプルな家紋もあったそうです。

角紋の種類は非常に豊富で、隅立て角、隅切り角、丸に垂れ角、違い隅切り角、八つ組角、太夫角、違い角、隅入り蔓角、持ち合い代わり隅入り角などがあります。

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亀甲

亀甲は六角形の模様で、亀の甲羅に似ていることから付けられました。亀は長寿であり吉兆の生き物とされ、亀甲紋は縁起の良い紋として扱われていました。また亀の甲羅を焼き、その割れ方によって神の意向を占うこともありました。

紋としては亀甲のみで使用することは少なく、中に他の紋を入れ組み合わせて使われていたようです。今でも馴染みのあるのは醤油で有名なキッコーマンです。キッコーマンのロゴは、亀甲の中に「鶴は千年亀は万年」ということから「萬」の字が用いられています。

かつての使用家には直江氏、東氏、三上藩の遠藤氏、近江の片桐氏などがあります。亀甲紋とは別に亀紋がありますが、亀甲紋の方が多く使用されてきました。

源氏香

源氏香は、5種類の香木を並べて楽しむ香道の中で用いられる特殊な記号から発生したもので、他の家紋とは異なる特殊な紋です。

江戸時代初期に考案され、更に後に家紋に用いられるようになったものの、家紋として使用が確認できるのは8種類しかありません。

源氏香という名は源氏物語の54帖に由来し、それぞれの図形には意味があると言われています。

家紋の種類としてはそれぞれよく似ていますが、胡蝶、玉鬘、野分、桐壺、若紫、花散里など名前が似たものは無く、清和源氏流の佐竹氏や佐竹氏が使用していました。

七宝

七宝とは仏教で、金・銀・瑠璃・瑪瑙・珊瑚・シャコ・水晶の7つを指します。紋としては円形を4つ重ねた連続模様です。

正倉院の所蔵品にも見られる文様で、七宝文様は平安時代に考案されたと言われています。そして、貴族の牛舎の紋として用いられるようになり、その後室町幕重臣の高師直が旗印に用いたことで家紋として定着しました。

四方に無限に広がる様子を描き、吉祥の意味を持ちます。この「四方」が「七宝」に変化していったとされています。

七宝紋には、陰七宝、七宝に花角、持ち合い三つ七宝などがあります。西日本各地で多く用いられ、使用者は武家では小堀氏や、藤岡支流の大岡氏などがあります。

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蛇の目

蛇の目は、予備の弓弦を巻いておく輪である「弦巻」を表したもので、生き物の蛇の目に似ていることから「じゃのめ」と名付けられました。

蛇の目紋は成り立ちに尚武的な意味合いがあることから、武家に多く用いられました。シンプルな紋ではありますが、複数個を合わせて描いたものも多く、バリエーションは様々です。

三つ寄せた三つ盛りの蛇の目、その間に剣を入れた三つ剣蛇の目、一つの蛇の目を複数の蛇の目が取り巻く蛇の目九翟、黒と白の蛇の目が重なった比翼蛇の目などがあります。

使用者は、藤原氏流の長谷川氏や、清和源氏流の林田氏や花房氏、戸沢氏や加藤氏などです。また、加藤清正が替紋として蛇の目を使用したことも有名です。

巴は古代から世界各国に似たような文様があり、発祥は定かではないものの日本では縄文時代から存在していました。

巴は元々弓を弾く際に腕を保護するための武具で、それが後に渦を巻く文様として浸透しました。文様として使われ始めたのは平安時代で、戦国時代には武家によって多く使用されます。特に現在の栃木県である下野宇都宮の一族に多用されていました。そして江戸時代になると約350の家が巴紋を使用し、全国各地で見られるようになります。

巴紋の種類は豊富で、渦を巻く向きの違いや巴の数、大きさなどに違いがあります。具体的には右一つ巴、左渦巻き巴、右五つ巴、台巴などです。人気の家紋であるため、使用者は多数います。

引き両

引き両は「引き」とも呼び、横に惹かれた太い直線を一本から三本描いたものです。発祥についてははっきりしたことがわかっておらず、「龍の姿を表したもの」や「霊を表したもの」など諸説あります。

太い線の引き両紋は力強さを表現し、武家の間で好まれていました。戦場の場で旗印として使用したのが始まりで、やがて家紋として定着します。

使用地域は関東かた東北地方で多く見られますが、有名なのは足利一族の「丸に二つ引き」や、新田氏の「新田一つ引き」です。

直線は横に配置したものが一般的ですが、中には縦に配置したものもあり、丸に竪三つ引きや、丸に竪二つ引きなどがあります。また、互い違いに描いた喰い違い七引もあります。

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菱紋は、菱形の幾何学的な紋の総称です。古代から世界中で見られた文様で、植物であるヒシの実に由来していると言われていますが詳細は不明です。土器にも鱗と同様刻まれていることから、呪術的な意味もあったと考えられています。

家紋としては人気があった代表的な紋で、一つから最大で十六個の菱を組み合わせ、バリエーションは様々ありました。また、配列や向きを変えたものなどがあり、江戸時代には幕臣約150の家紋に用いられたと言われています。

有名なものは、甲斐源氏や信濃源氏一族に用いられた「割菱」、小笠原家の「三階菱」などです。武家の使用者は他に、高杉晋作、松前氏、武田氏、市橋氏、三好氏、大内氏、山口氏などです。

松皮菱

松皮菱は、通常の菱の上下に小さな菱を重ねたデザインです。その形状が松の木の皮に似ていることから松皮菱という名前が付きました。

松皮菱は日本特有の紋様であり、日本では知られているものの世界的に見ると珍しいものとなっています。

松皮菱紋は一つの松皮菱を使用したものもあれば、複数の松皮菱を組み合わせたもの、向きや色が異なるものなどアレンジは豊富にあります。

具体的には、丸に松皮菱、三つ松皮菱、四つ松皮菱、六つ内に三つ松皮菱、中陰松皮菱、陰四つ菱に松皮菱などがあります。

村濃

村濃は、布を染める際に同じところで濃い部分を作ってその周りをぼかす染め方のことや、その模様のことを指します。

グラデーションで綺麗なことから、家紋にも用いられるようになったと言われています。

村濃紋では、そのグラデーションや濃淡の違いはわかりませんが、二階堂氏が使用していた「二階堂村濃」や、畠山氏が使用していた「畠山村濃」があり、人気のある家紋でした。

二階堂村濃は長方形の中にギザギザ模様のようなデザインをしており、畠山村濃はドットの入った二階堂村濃とは全く異なるデザインとなっています。

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目結

目結とは、布を染める時に布を糸で縛り、染料に浸しても染まらずに白く残る部分を指します。

平安時代に文様として人気となった後、鎌倉時代に家紋に転じて多用されました。江戸時代には、「鹿子斑」や「鹿子染」とも呼ばれています。

目結紋はこれを図案化したもので、正方形の中に一つ小さな穴が空いた姿で描かれています。一つのみ描かれることは少なく、複数の目結によって構成された紋が多数あり、三つ目、隅立て四つ目、など様々です。

近江源氏の佐々木氏が四つ目結を家紋に用いたことで全国的に広まったとされています。江戸時代には大名家や旗本を問わず、あらゆる家で使用されました。飯田氏や椎名氏が代表的な使用者です。

輪紋はその名の通り輪の形をした紋で、幾何学的な意匠の総称を指します。輪と言えど太さや大きさ、輪の数などに違いがありバリエーションは多く、太輪、細輪、糸輪、厚輪、雪輪、菊輪、竹輪、唐草輪、子持ち輪など様々です。

輪紋は単体で使用されることはあまり無く、たいていは他のモチーフを中に入れて組み合わせて使用されていました。そのような家紋は「輪に◯◯」や「丸に◯◯」と言った表現をします。

モチーフを輪で囲むのには、家紋をバランス良く見せることや、本家と分家と区別するためなどの意図があります。輪は家紋としてアレンジが多いため、松平氏、安倍氏、和田氏などを始めとする様々な家で用いられました。

輪違い

輪違い紋は、二つ以上の輪を重ねた幾何学的な紋様の総称です。輪が一つの場合は「輪紋」で、輪違い紋とは別物になります。

一般的には二つの輪が重ねて描かれ、金剛界と胎蔵界の両界曼荼羅を表していると言われています。輪を二つ以上使用した紋も多くあり、三つ輪違いや四つ輪違い、五つ輪違い、また輪に別のモチーフをプラスした剣三つ輪違い、花輪違い、丸と四角の輪を絡めた角輪違いなどがあります。

江戸時代にはいくつかの大名家が使用した他、幕臣の間にも人気があり、高階氏、脇坂氏、妹尾氏などが使用者となっています。

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