笠紋の意味・由来を解説!器物紋の一種の家紋

現代にはあらゆる名字の人がいますが、「高橋さん」というのはポピュラーな名字ですね。その高橋氏にかつて使用されていた家紋の一つに「笠紋」があります。

雨などを避けるためのアイテムでしたが、藁などでつくられた帽子型の笠を指します。

今回は、「笠紋」の由来・意味・種類や、高橋氏が家紋にすることになった歴史的背景についてご紹介いたします。

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笠紋の意味・由来とは?

読み方 かさもん
家紋の分類 器物紋
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笠は日よけや雨よけのために頭に被るものを指します。一番多く用いられていたのは女性用の市女笠で、他に編み笠や花笠、陣笠などが使用されていました。ここで言う笠は、取っての付いた「傘」とは異なります。

はじめて笠のモチーフを家紋に用いたのは、物部氏属の末裔たちでした。その後、一族が神職として全国各地に移住したことで笠紋の使用地域も広がります。

笠紋を用いているうちの約7割を高橋氏が占めています。また、将軍家指南役である大和柳生家の紋は「吾亦紅に雀」でしたが、裏の家紋には柳生笠が用いられていたことも有名です。

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笠紋の種類いろいろまとめて解説

笠紋は1つや複数の笠をモチーフとして描かれたのですが、「1つ」「2つ」「3つ」それぞれの家紋をピックアップしましたので、見比べてみましょう。

「笠を1つ描いた」笠紋

中輪に房付き笠

丸に陣笠

建部笠

こうして見ると、同じ1つの笠ででも、それぞれ形が異なって面白いですね。

丸みがある基本の「」をはじめ、両端に房の付いた「中輪に房付き笠」、下級の兵が戦場でかぶとの代わりにかぶった笠を表す「陣笠」、建部氏が使用したオリジナルの「建部笠」などがあります。

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「笠を2つ描いた」笠紋

柳生笠

糸輪に房付二階笠

糸輪に二階笠

向かい笠

笠を2つ描いたものには、上下にかぶせるように配置したものと、向かい合わせになるように配置したものがあります。

その笠もデザインが異なっており、「柳生笠」に関してはあまりしっかりしていなさそうな笠なのですが、冒頭でもお話した将軍家指南役である大和柳生家の裏の家紋として用いられていたものでした。

「笠を3つ描いた」笠紋

三階笠

三つ寄せ笠

三つ寄せ笠

変わり三つ寄せ笠

笠3つとなるととてもボリュームがあります。上下に並べたものは紋として存在感があり、円形にしたものはまとまり良く見えますね。

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「笠紋」使用者の7割は高橋氏

笠紋には色々な種類あることがわかりましたが、その使用者の7割は「高橋氏」でした。というのも、神社に関係があったのです。

「笠」という字は「竹」に「立つ」と書きますね。かつて神社では、竹などの丈の長いものを立てて神を迎える習慣がありました。

高橋氏には神職の者が多く、竹を立てて神を迎えたことから「笠」に通じて、笠紋を用いたと言われているのです。

まや、家紋が全国的普及する原因の一つに「信仰心」があります。これは笠紋に限らず全ての紋に言えることなのですが、高橋氏一族が同じ者を進行していたという理由で、笠紋が全国的に広まり、その後代表紋の一つとして定着した流れが考えられるのです。

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まとめ

雨よけや日よけとして使用されていた笠を描いた「笠紋」についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

笠は現代の笠とは異なり、いくつかの種類が存在しました。高橋氏の家紋の一つであるように、現代でもたくさん存在する名字が出てくると親近感がわきますよね。

現代の名字を調べると、かつて使用されていた家紋がわかることもあるので、ぜひ興味のある方はご自身の名前に家紋があるかどうか見てみてくださいね。

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