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丸に剣片喰(片喰紋)について解説!由来や意味・戦国武将一覧

   

片喰紋

片喰紋

 

「日本十大家紋」と呼ばれる有名な家紋のひとつに「片喰紋(かたばみもん)」というものがあります。この片喰紋から派生した家紋が丸に剣片喰紋です。

片喰紋は長宗我部元親や宇喜多秀家、酒井重忠などの戦国武将が使用して家紋で、主に武家に愛されていました。今回は「丸に剣片喰」を中心に片喰紋の由来・意味から様々な片喰紋の種類、そして片喰紋を使った戦国武将や歴史的な著名人についても解説していきます。

 

「丸に剣片喰」の由来・意味

片喰紋の由来とは

「片喰紋」は、道にある「片喰」という植物をそのまま家紋にしたもの。

 

片喰 片喰を知っていますか?よく野原にある、小さなハートの形をした葉をつけている草です。こちらがその片喰の草です。葉の形が可愛らしいでしょう?日本のあちこちに生えている草なので、誰もが一度は見たことがあるはずです。

一度その土地に根付くと、払っても払っても新しい芽を出すことから「子孫繁栄」の意味があり、武将たちに大変好まれました。また、その形の美しさも大変な人気があったようです。

鎌倉時代にはこの片喰の文様が車などに使用されていたそうで、長い歴史がある紋であることもわかりますね。

 

剣片喰紋は武家の剣をイメージした

「剣片喰」は、武家がより「武」をイメージしやすいように「剣」を組み合わせたものだそうです。
片喰の葉の形の優雅さに、刀の切れ味の鋭さが加えられた武将らしい家紋に仕上がっています。

 

片喰紋は10大家紋の一つ

その数は240種以上、5000紋以上ともいわれており、名家の流派等も含めると20000紋以上あるという研究者も存在する。日本には20000種類以上もの家紋が存在すると言われていますが、その中でも特に多くの人に使用され、有名な10個を「10大家紋」と呼んでいます。

 

片喰紋は10大家紋中で2番目

この「10大家紋」に、片喰紋も入っています。しかも、10大家紋の中でも二番目に多く使用されているほど有名な家紋で、日本人と片喰という植物がいかに深い関係にあったのかが解るでしょう。
どこにでも生える草だからこそ日本人にとって身近で、形が可愛らしいことが人の心を惹きつけたのかもしれません。

 

10大家紋について

10大家紋の種類は以下の通りです。
家紋 説明 家紋 説明
丸に違い鷹の羽鷹の羽紋 鷹の羽をモチーフにしたもので江戸時代に武士の間で流行した家紋。
丸に違い鷹の羽・並び鷹の羽など約70種類ある。
片喰紋片喰紋 片喰紋(かたびら)は、カタバミをモチーフにした植物紋。
子孫繁栄を願って作られた家紋。
剣片喰・丸に片喰・片喰蝶など約120種類がある。
丸に横木瓜木瓜紋 木瓜紋(もっこうもん)は、瓜の切り口や瓜自体をモチーフにしたとする説、
鳥の巣とする説など由来が諸説ある家紋。
織田信長が使った織田木瓜・四方木瓜・庵木瓜など 約50種類
下がり藤藤紋 藤の花、藤の葉をモチーフにした家紋で、源流は藤原家。
現在は名前に「藤」のある苗字(佐藤、加藤、斉藤、伊藤など)で
使われている家紋。
上がり藤・下がり藤・九条藤・六条藤・黒田藤巴など
約130種類が存在する
五三桐紋桐紋 桐の花や、桐の葉をモチーフにしたもの。
菊紋と同様で皇室で使われる家紋である。
豊臣秀吉が使った太閤紋(五七桐)も桐紋の家紋。
五三桐・五七桐・秀吉の太閤桐など約150種類ある。
柏紋蔦紋 古来より文様して使われてきた蔦をモチーフにした家紋。
戦国武将の松永久秀が使った。
藤堂蔦・鬼蔦・三河蔦など約80種類ある。
茗荷茗荷紋 縁起の良い植物とされる冥加(ミョウガ)をモチーフにした家紋。
抱き茗荷、立ち茗荷などが有名で種類も豊富な家紋。
抱き茗荷・立ち茗荷など約60種類ある。
沢瀉沢瀉紋 水辺に自生おり、夏に白くきれない花が咲く沢瀉(おもだか)
という植物をモチーフにした家紋。毛利家や福島正則が使用した。
福島沢瀉・立ち沢瀉・水野沢瀉など約80種類ある。
橘橘紋 柑橘類の橘(たちばな)をモチーフにした家紋。
葛城王が当時の天皇から与えられた「橘」という姓が使った家紋。
薬師寺、小寺、井伊家が使用した。
丸に橘・薬師寺橘など約80種類ある。
蔦紋柏紋 申請の木とされてた柏をモチーフにした家紋。
柏の葉を司った家紋は神職家で使われていた。
戦国武将島左近が使用した。
三つ柏・丸に三つ柏など約120種類ある。
この中でも、特に有名なのは「桐紋」でしょう。桐紋はかつて天皇家が使用していた家紋でもありますし、あの豊臣秀吉が愛用しており、現在の日本政府も使用しているなど見かける頻度は非常に多くなっています。

 

「片喰紋」の種類!どんなものがあるのかを解説

片喰紋→剣片喰紋→丸に剣片喰紋

日本で数多く使われている片喰紋だけに、形のバリエーションも豊富。中には「これが本当に片喰紋?」と思ってしまうものもあり、日本人の発想の幅広さが見て取れます。
まずは片喰紋から派生して丸に片喰紋に変化するまでを見ていきます。

 
片喰紋片喰紋 シンプルな片喰紋。すべての片喰紋の
基本になるのがこちらの紋です。
実際の片喰と比較すると解りますが、
片喰の葉をとても忠実に図にしたもので、
一目で片喰と解りますね。
kenkatabami (1)剣片喰紋 この片喰に、剣を加えたものが
「剣片喰」と呼ばれる家紋です。
kenkatabami (2)丸に剣片喰紋 「丸に剣片喰」は多くの武士たちが
愛用していました。片喰の葉の間から、
剣が顔を覗かせているのが解るでしょう。
ちょっと厳かな雰囲気を感じることが
できる家紋ですね。
 

その他の剣片喰紋

剣片喰紋と言っても宗家や分家、広がりに応じて様々な家紋が生まれております。剣片喰紋や離れ剣片喰紋といった見た目ではそれほど大きな変化が無いものから、藤紋や木瓜紋、亀甲紋とも交わっている剣片喰紋もあります。
kenkatabami (1) kenkatabami (14) kenkatabami (2) kenkatabami (11) kenkatabami (3)
剣片喰 離れ剣片喰 丸に剣片喰 丸に離れ剣片喰 三つ盛り剣片喰
kenkatabami (4) kenkatabami (5) kenkatabami (6) kenkatabami (12) kenkatabami (7)
五瓜に剣片喰 二重輪に剣片喰 藤輪に剣片喰 丸に四方剣片喰 丸に四方木瓜に剣片喰
kenkatabami (8) kenkatabami (9) kenkatabami (10) kenkatabami (13) kenkatabami (15)
丸に出剣片喰 丸に二つ剣片喰 浮線剣片喰 雪輪に剣片喰 亀甲に剣片喰
 

おもしろい片喰紋

他にもこんな片喰紋もあります。

片喰枝丸

片喰枝丸
今までの片喰紋に比べて、優雅な形をしていると思いませんか?この家紋は「片喰枝丸」という家紋で、片喰の葉のほかにつぼみも描かれています。
片喰のかわいらしさはどこか女性の柔らかさを連想させますが、この家紋はより優雅な印象を与えますよね。

 

剣片喰飛び蝶

剣片喰飛び蝶
一見すると「片喰とは解らない」という家紋がこちらの「剣片喰飛び蝶」という紋です。よく見ると、蝶の触角の部分が剣の形になっていて、蝶の羽が片喰の葉になっているのがわかるでしょう。このように、ひとつの家紋から思いがけない生き物の家紋が生まれることも、日本の家紋の面白さです。
片喰の葉が蝶になるなんて、素敵ですよね。

 

片喰桐

片喰桐
一件「桐紋」に見える「片喰桐」という家紋もあります。これは、「五七の桐」という家紋に非常によく似ていますね。

 

光臨片喰

光琳片喰 ここまでくると、言われないと片喰紋とは解りません…。

 

「丸に剣片喰」や「片喰紋」を使っていた戦国武将・著名人

それでは、「丸に剣片喰」の家紋を使用していた武将や、著名人を紹介します。

戦国武将の酒井重忠は「丸に剣片喰」

sakai
有名なのは、酒井重忠ですね。酒井重忠は、徳川家康の重臣として非常に有名な武将です。

 

戦国武将の酒井忠次は「丸に片喰紋」

酒井忠次
酒井忠次は、家康の父・松平広忠の代から徳川家の家臣であった人物です。弘忠の家臣であった忠次は、弘忠の息子である竹千代(のちの家康)が今川家に人質に行く時も同行しており、家康が小さいころから傍らにいて守りました。
詳細はこちら→ 酒井忠次の家紋について

長曾我部元親は「七つ片喰」

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長曾我部元親は、1539年に土佐(現在の高知県)に生まれました。「岡豊城(おこうじょう)」というお城の主だった長曾我部国親の息子です。
詳細はこちら→ 長曾我部元親の家紋について
 

 

宇喜多秀家は「剣片喰」

宇喜多秀家
宇喜多秀家は、1572年に備前(びぜん)の藩主の子として生まれました。父は宇喜多直家、岡山城の城主です。
詳細はこちら→ 宇喜多秀家の家紋について
 

サツマイモ栽培に尽力した青木昆陽は「丸に剣片喰」

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もう一人、「青木昆陽」という人を挙げておきましょう。彼は、日本においてサツマイモの栽培に尽力した人です。今と違い、昔は天候の影響でいつ飢饉がくるか解らない世の中でした。

飢饉の際に人々が苦しむことを防ぐために、時の将軍徳川吉宗(徳川8代目将軍)はサツマイモの栽培を思いつきました。吉宗に命じられて、実際にサツマイモの栽培を行ったのがこの青木昆陽です。

彼がサツマイモの栽培を成功させたことで、関東地方にサツマイモの栽培が広がり、実際に飢饉から人々を救いました。

 

作家の坂口安吾は「丸に剣片喰」

sakaguchi
そして、作家の坂口安吾。太宰治や織田作之助と同じ時代に、文豪として活躍した小説家ですね。「墜落論」が有名です。

 

映画監督の黒澤明は「丸に剣片喰」

kurosawa
日本映画界の巨匠・黒澤明監督の家紋も「丸に剣片喰」でした。スティーブン・スピルバーグをはじめ、世界を代表する映画監督に影響を与えた日本を代表する監督です。

 

森田必勝は「剣片喰」

morita
余談ですが、丸のない「剣片喰」の家紋を使用していた人物に森田必勝という人物がいます。この森田必勝は、かの有名な文豪・三島由紀夫の介錯をした人物。

三島由紀夫は、自衛隊駐屯地で演説を繰り広げたのちに切腹してこの世を去りますが、その時に三島の介錯を担当したののが森田でした(介錯=首を斬り落とすこと・厳密に言うと森田自身は完全に斬り落とすことが出来ず、別の人物が行っています)。三島と一緒に、この日に森田も切腹して果てています。

画像でもわかる通り、必勝は25歳と非常に若かったため、三島も「君は生き残れ」と止めたとか。それでも、敬愛する三島と共に死ぬ道を彼は選びました。
思いがけない人物も、剣片喰の家紋を使用していたのです。

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