【家紋】提盤紋(ちょうばん)の意味・由来を解説!レア?珍しい器物紋の一種

かつて禅寺などの合図に呼び鈴として使われていた「堤盤(ちょうばん)」という道具があります。

文様として用いられた後、家紋にも用いられるようになりましたが、あまり普及しなかったレアな家紋です。

今回は、「堤盤紋」の由来・意味・種類や、同じく楽器をモチーフとした家紋についてご紹介いたします。

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提盤紋の意味・由来とは?

読み方 ちょうばんもん
家紋の分類 器物紋
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提盤は青銅製の楽器で、鎌倉時代に中国から伝来しました。「打板」「朝板」「雲板」とも書きますが、家紋としては提盤打板と記載されることが多いです。

禅寺では起床や就寝、食事の合図の呼び鈴として使用されていました。 提盤紋は左右対称なのが特徴で、はじめは衣服の文様として使用され、やがて家紋にも用いられるようになります。

しかし、家紋としての使用例は少なく、あまり普及しませんでした。使用者には桓武平氏流の杉原氏、、藤原氏流の安藤氏や松波氏、清和源氏流の小菅氏などがあり、地域としては山梨県や長野県などの甲斐地域に見られます。

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提盤紋の種類いろいろまとめて解説

提盤

丸に提盤

割り提盤

陰提盤

三つ盛り提盤

浮線提盤

輪に提盤菱

小菅提盤

堤盤紋は、雲のようなもくもくとしてデザインで、基本的には1つのみ描かれていました。

家紋では白抜きしたものを「陰(かげ)」と呼んでおり、「陰堤盤」がその例です。アレンジのきいた堤盤紋は他に、「割り堤盤」「三つ盛り堤盤」「糸輪に堤盤菱」などがあります。

また、清和源氏流の小菅氏が使用していたものは「小菅堤盤」と言い、小菅家のオリジナル家紋でした。中心下部に桜の文様が入っていて可愛らしいデザインですね。

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楽器を描いた紋には何がある?

堤盤は呼び鈴などとして使用されていた青銅製の楽器ですが、楽器を描いた家紋はほかにどのようなものがあるのでしょうか?

楽器の家紋は少ないのですが、このようなものが家紋化されています。

小さな太鼓を描いた「鼓紋」

鼓は飛鳥時代に百済から伝来し、その後江戸時代には歌舞伎などの場で使用されていた小さな太鼓です。

この鼓を描いた「鼓(つづみ)紋」は、使用家は不明とされているものの、いくつかの種類がわかっています。

下記の記事ではその種類などについてご紹介していますので、合わせてチェックしてみましょう。

詳しくはこの記事をチェック!

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琴の音階調整アイテムを描いた「琴柱紋」

琴は綺麗な音色の出る楽器の一つですが、その音色を調整するための道具が家紋化されています。琴そのものではなく、「琴柱(ことじ)」というものです。

「琴柱紋」は主に東北地方に見られる家紋で、室町時代中期頃に馬に押す印の紋章として使われるようになり、その後家紋になったと言われています。

琴は有名な楽器ですが、琴柱という道具はどのようなものなのでしょうか?

上記の記事では「琴柱紋」について詳しくご紹介していますので、合わせてチェックしてみましょう。

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まとめ

鎌倉時代に伝来した青銅製の楽器を描いた「堤盤紋」についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

堤盤とは禅寺での食事などの合図として使われていた呼び鈴で、現代にはない特殊な道具でした。

楽器をモチーフとした家紋は珍しいので、ぜひ「琴柱紋」「鼓紋」についても合わせてチェックしてみてくださいね。

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