二十四節気の中でも比較的知名度が高い夏至。
昼間が1年でもっとも長い日としても有名です。今回は夏至についての情報をまとめてみました。
旬の食材などもご紹介しますので参考にしてみてくださいね。
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目次
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夏至とは?
夏至は「げし」と読み、24節季の中で10番目の節季です。
季節 | 季節の気配 | 七十二候の分類 |
仲夏 | 虹 | 初候:乃東枯 |
次候:菖蒲華 | ||
末候:半夏生 |
ちなみに英語では「the summer solstice」です。
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意味
一般的に夏至は、1年でもっとも日が長い日をさします。当時と比べると昼の長さは約5時間も長いです。
田植えがひと段落し農家の方も落ち着くころですが、梅雨の真っ最中であり夏の盛りを迎えようとしているので油断のならない時季と言えます。
夏至の候
「夏至の候」は6月下旬に使われる時候の挨拶です。
「夏至の候、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」などの文言で使用します。時候の挨拶は時期を外すと不適切ですので、夏至の時期に注意して用いることが大事です。
俳句と季語
夏至は夏の季語です。俳人・小説家として有名な高浜虚子は「夏至今日と思ひつつ書を閉ぢにけり」という句を残しています。夏至は暦の上で夏季のちょうど真ん中に当たる日です。俳人の心をくすぐるのかもしれませんね。
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今年の夏至はいつ?
夏至は、太陽黄経が90度の時をさします。期間としては毎年6月21日〜7月6日ごろです。
夏至 | 2020年 | 6月21日 |
2021年 | 6月21日 |
夏至の日にちは、年によって違いがありますので、詳しくは下記のカレンダーをご参照ください。夕立が降りやすい時季であり、虹を見かけることもあります。
二十四節気の詳しい日程がわかる年間カレンダーは下のまとめからチェックしてくださいね。
24節気・72候のまとめカレンダー
太陽の動きをもとに、1年を二十四に分けた「二十四節気」は、季節の指標となる大切な暦であり、古代中国が発祥です。
立春、立夏、立秋、立冬を区切りに4つの節気を設定し、それぞれの季節を更に6等分することで、正しく季節を把握するために使われてきました。
24節気 | 2021年 | 72候 |
立春 | 2月3日 | 東風解凍,黄鶯睍睆,魚上氷 |
雨水 | 2月18日 | 土脉潤起,霞始靆,草木萠動 |
啓蟄 | 3月5日 | 蟄虫啓戸,桃始笑,菜虫化蝶 |
春分 | 3月20日 | 雀始巣,桜始開,雷乃発声 |
清明 | 4月4日 | 玄鳥至,鴻雁北,虹始見 |
穀雨 | 4月20日 | 葭始生,霜止出苗,牡丹華 |
立夏 | 5月5日 | 蛙始鳴,蚯蚓出,竹笋生 |
小満 | 5月21日 | 蚕起食桑,紅花栄,麦秋至 |
芒種 | 6月5日 | 螳螂生,腐草為蛍,梅子黄 |
夏至 | 6月21日 | 乃東枯,菖蒲華,半夏生 |
小暑 | 7月7日 | 温風至,蓮始開,鷹乃学習 |
大暑 | 7月22日 | 桐始結花,土潤溽暑,大雨時行 |
立秋 | 8月7日 | 涼風至,寒蝉鳴,蒙霧升降 |
処暑 | 8月23日 | 綿柎開,天地始粛,禾乃登 |
白露 | 9月7日 | 草露白,鶺鴒鳴,玄鳥去 |
秋分 | 9月23日 | 雷乃収声,蟄虫戸,水始涸 |
寒露 | 10月8日 | 鴻雁来,菊花開,蟋蟀在戸 |
霜降 | 10月23日 | 霜始降,霎時施,楓蔦黄 |
立冬 | 11月7日 | 山茶始開,地始凍,金盞香 |
小雪 | 11月22日 | 虹蔵不見,朔風払葉,橘始黄 |
大雪 | 12月7日 | 閉塞成冬,熊蟄穴,魚群 |
冬至 | 12月22日 | 乃東生,麋角解,雪下出麦 |
小寒 | 1月5日 | 芹乃栄,水泉動,雉始 |
大寒 | 1月20日 | 款冬華,水沢腹堅,始乳 |
夏至と冬至
夏至は1年のうちで昼が一番長く夜が一番短い日、反対に冬至は1年のうちで昼が一番短く夜が一番長い日です。夏や冬が本格化する頃ですので、対比的に用いられることがよくあります。
日の入りと日の出
昼が一番長い日と聞くと、日の入りと日の出も1年のうちで一番遅かったり早かったりするのではないかと考える方がいるかもしれません。しかし実際は、夏至の日が一番日の出が早いというわけではないのです。日の入りや日の出の時間は地域差もあります。夏至の日に日の入りや日の出を見たいという場合は、自分の住んでいる地域の予想時間をチェックすることが肝心です。
夏至の七十二侯
初候 乃東枯
初候は「乃東枯(なつかれくさかるる)」です。夏枯草(がごそう)が枯れる時季です。夏に向けて花々が開花しはじめる中で枯れていく不思議な草は、人々の関心を集めました。
次候 菖蒲華
次候は「菖蒲華(あやめはなさく)」です。読んで字のごとくあやめが花を咲かせる頃です。少々ややこしいですが、昔は菖蒲のことをあやめと読んでいました。現在のあやめをさすようになったのは江戸時代の頃からです。
末候 半夏生
末候 は「半夏生(はんげしょうず)」です。半夏とは、夏至の日から数えて11日目の雑節のことです。農作業の大切な節目の時季と考えられてきました。
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夏至の侯:手紙や挨拶状に時候の挨拶
書き出し
- 夏至のみぎり、お元気でお過ごしのことと存じます。
- 夏至を過ぎて、いよいよ夏本番を迎える時節となりました。
- 梅雨明けを心待ちにする今日このごろでございます。皆様いかがお過ごしでしょうか。
結びの挨拶
- 今しばらくのうっとおしい毎日ですが、お身体は大切になさってください。
- 空梅雨での水不足も心配ですが、お体を大切になさってください。
- 日増しに暑くなってきますが、お互い元気に爽快な夏を迎えましょう。
夏至の行事
夏越の祓(なごしのはらえ)
旧暦の6月末に行われる「夏越の祓」は、半年分のケガレを落とす行事で、この後の半年の健康と厄除けを祈願します。由来は神話の伊弉諾尊(いざなぎのみこと)の禊祓(みそぎはらひ)にまでさかのぼるそうですが、新暦に移った現在でも6月30日ごろに日本各地の神社で行なわれている伝統行事です。
厄落としの方法として「茅の輪くぐり」が行われます。
茅の輪とは、チガヤという草で編んだ輪のことをいいます。神社の境内に作られた大きな茅の輪の中を「水無月の夏越の祓する人は、千歳(ちとせ)の命延(の)ぶというなり」と唱えながら八の字を書くように、三度くぐり抜けをします。茅の輪をくぐることで病気や災いを免れることができるといわれています。
海開き
海水浴場を開設する季節です。
山開き
その年に初めて登山が許される行事のことです。
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旬の食材
さくらんぼ
中国では漢方薬としても用いられるさくらんぼ。ビタミンCなどが豊富で味もおいしく見た目も可愛らしいことから人気があります。
きゅうり
夏野菜の定番・きゅうり。みずみずしい味わいが暑い夏の中で重宝されます。主成分の95%は水ですが、ビタミンCやカロテンなども含んでいる野菜です。
しそ
大きく青じそと赤じそに分けられるしそ。青じそは薬味など、赤じそはしそ酢などに用いられます。葉だけでなく花も使える便利な食材です。
旬の植物
半夏生
半夏生は半夏のころに咲く花と言われています。他にも、上半分の葉が白くなってまるでお化粧をしているようなことから名前がつけられたとも言われているのです。
あやめ
花しょうぶやかきつばたと煮ているあやめ。見分け方のコツは、あやめには網目模様が入っていることです。
ネジバナ
花が螺旋状に咲くネジバナ。小さいですが、蘭の仲間です。面白い花のつき方をすることが特徴的と言えます。
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旬の生き物
かっこう
托卵をするかっこう。実は20種類以上の鳥に対して托卵をすることがわかっています。鳴き声はとても有名です。
あげはちょう
美しい見た目をも持つアゲハ蝶。田舎だけではなく都会でも目撃されています。幼虫は蜜柑科の植物にいることが多いです。
かんぱち
刺身などの調理方法が有名なかんぱち。ぶりの仲間で体調は1.5メートルになるものもいます。新鮮なかんぱちは体の黄褐色があざやかです。
まとめ
夏至は知名度が高いですが、いざ詳しく説明しようとすると難しい場合が多いです。今回ご紹介した知識を活かして見てくださいね。
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