ナスは炒め物や揚げ物・煮物など料理のアレンジ幅が広い夏野菜の一つですが、『青ナス』や『白ナス』と呼ばれるものがあります。それぞれどんな特徴があるのでしょうか?そこで今回は、
- 青ナスと白ナスの違い
- 特徴・収穫期・生産地は?
- それぞれの詳しい品種
これらのテーマについて紹介いたします。
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目次
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青ナスと白ナスはどう違う?
夏に旬を迎える茄子には、いくつもの品種があります。その中でも「青ナス」と「白ナス」と呼ばれるものには、どんな違いがあるのでしょうか?
ナスを美味しく食べるためにも、詳しい特徴や違いについて知ってみませんか?それぞれの特徴について、早速確認してみましょう!
青ナスとはどんな茄子?
『青ナス』とは、皮が黄緑色や緑色をしているナスの総称です。緑色の皮は熟れていないのでは?と思うかもしれませんが、青ナスに分類されるナスは皮が緑でも食べられる状態です。『緑ナス』と呼ばれることもあります。
通常のナスは濃い紫色をしていますが、それは“ナスニン”というポリフェノールの一種である成分が含まれているためです。それに対し、青ナスにはナスニンを持たないため、皮が紫色になることはないのです。
青ナスに分類されるナスの品種には、色々な形のものがあります。丸みを帯びているものや長細いものなど、品種によって異なります。皮にツヤはなく、マットな見た目が特徴です。
青ナスは水分量が多いので、加熱調理するとトロトロ溶けるような食感になります。生の状態だと皮は固く、しっかりしています。
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白ナスとはどんな茄子?
『白ナス』とは、皮が白色をしているナスの総称です。青ナスと同じようにポリフェノールの成分ナスニンを持たないため、皮が真っ白なのが特徴です。
皮の色が白なのに対しヘタは緑色で、大きさは丸いものから細長いものまで品種によって様々です。大きなものは20cmにまで成長し、重さは500gとどっしりした品種もあります。
白ナスはアクや種が少ないので、調理しやすく見た目も綺麗なのが特徴です。
白ナスも水分量が多く実が柔らかいので、加熱調理するとトロトロ溶けるような食感になります。
旬の時期
青ナスの収穫期は、7〜9月の夏の時期です。白ナスの収穫期も7〜10月と夏の時期がメインとなります。
生産地
青ナスに分類される茄子の主な生産地には、埼玉県や鹿児島県があります。白ナスも埼玉県をはじめ、新潟県・千葉県などで生産されています。
青ナスに分類される茄子の品種
青ナスは皮が緑色をしたナスの総称ですが、その青ナスの品種には、このようなものがあります。
埼玉青大丸ナス
名前の通り埼玉県をメインに生産されている茄子で、明治時代から栽培されている歴史の長い品種です。巾着のような形で皮は鮮やかな緑色で、重さは300〜400gとどっしりしています。「埼玉青ナス」と短い名前で呼ばれることもあります。
実がしまっていて煮崩れしにくいので煮物・焼き物に!
薩摩白長ナス
鹿児島県をメインに生産されている薩摩白長ナスは、長さ30cmにまで成長することもある細長いタイプのナスです。実が柔らかくアクが少ないのが特徴で、クセもなく食べやすいです。
形が特徴的なので、カットして天ぷら・焼きなすに!
緑美(りょくみ)
緑美も長さ30cmほどに成長する細長いナスの品種で、甘みが強いのが特徴です。クセがないので食べやすく、野菜が苦手なお子様にも向いています。
万寿満(ますみ)
見た目は一般的なナスと同じ長卵型で、生でも食べることができる品種です。そのまま生食できるのはアクの量が極めて少ないからで、水分量も多いのでトロトロ溶けるような食感を楽しむことができます。皮は固いものの、加熱すれば一緒に食べることができます。
生食できるのでサラダや、トロトロ食感が美味しい煮物に!
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白ナスに分類される茄子の品種
白ナスは皮が白色をしたナスの総称ですが、その白ナスの品種には、このようなものがあります。日本名が多い青ナスと異なり、白ナスには『グレーテル』や『ホワイトベル』といった洋風の名前が付けられています。
グレーテル
グレーテル(Gretel)は、イタリアを原産地とするナスの品種です。長さ10cm〜15cm・重さ40〜50gと小さく、「ミニナス」に分類されます。
種は少なく実はしまっていて、ほのかな甘みがあるのが特徴です。皮にはツヤがあり、皮が白色なのに対しヘタは緑色をしています。
“ヘンゼルとグレーテル”というお話がありますが、白ナスには「ヘンゼル」という名前の品種もあります。ヘンゼルはグレーテルよりも大きく、グレーテルの拡大版のようなそっくりとして見た目です。
白ナスは炒め物や煮物にすると皮が白色から茶色に変色してしまうので、高温の油でサッと揚げるのがオススメ!
ホワイトベル
ホワイトベルも、ヨーロッパを原産地とするナスの品種です。見た目は日本の一般的なナスと同じ長卵型で、皮は白くヘタが緑色をしています。長さ15cm・直径は8〜9cmほどあるので、ぷっくりしているのが特徴です。
ヨーロッパ原産のナスは実が固いものが多いですが、ホワイトベルは比較的柔らかいのでどんな料理との相性も良いです。グレーテルと同様に、炒め物や煮物にすると茶色くなるので、サッと揚げるかサッとオリーブオイルなどで加熱するのがオススメです。
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なすの主な栄養成分の解説
ナスは水分が90%も含まれることから、低カロリーで栄養素がないと思われがちです。しかしナスにはナスならではの栄養素が含まれています。ナスが持っている栄養素についてまとめてみました。
なすびの主な成分表
ナスの栄養は他の野菜に比べるとそれほど多くないのですが、強い抗酸化作用があるナスニンやポリフェノールの一種であるクロロゲン酸も含んでいます。
エネルギー | 22kcal |
水分 | 93.2g |
炭水化物 | 5.1g |
タンパク質 | 1.1g |
脂質 | 0.1g |
パントテン酸 | 0.30mg |
カリウム | 220mg |
カルシウム | 18mg |
マグネシウム | 17mg |
ビタミンB1 | 0.04mg |
ビタミンB2 | 0.04mg |
ビタミンB6 | 0.06mg |
葉酸 | 19ug |
ビタミンC | 6mg |
食物繊維 | 2.2g |
可食部100gあたりの成分
注目すべき栄養素
- ナスニン
- クロロゲン
- 食物繊維
- カリウム
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ナスの保存方法:冷蔵・冷凍・常温・干す
日持ちしないと思われがちなナスですが、適切な方法で保存することでおいしいまま長持ちをさせることができます。
- 冷蔵:10日ほど
- 冷凍:1カ月
- 常温:4日ほど
- 干す:3日かけて干し、1ヵ月保存可能
是非、保存方法をしっかりと見ておいて残さず旬のナスを全部食べ切ってください!
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なすの主な5つの種類・43品種まとめ
ナスには様々な種類があります。本ページではナスを以下の5分類で全部で43品種紹介します。
- 代表的なナス5品種
- 青茄子・白茄子の2品種
- 地域の伝統ナス27品種
- 外国産6品種
- 交配で作ったナス3品種
是非お気に入りのナスを見つけてくださいね!また、43品種の人気ランキングも作っております。
詳しくはこの記事をチェック!
主な5品種のなす
千両なす | 長なす | 米なす |
小なす | ばってんなす |
地域の伝統なす27品種
赤なす | 水なす | 松山長なす |
賀茂なす | 十全なす | やきなす |
越の丸なす | 仙台長なす | 寺島なす |
下田なす | 民田なす | 小布施丸なす |
埼玉青大丸なす | ていざなす | 折戸なす |
大和丸なす | 吉川なす | 泉州水なす |
桐岡なす | 佐土原なす | 筑陽 |
くろわし | 式部なす | ヒゴムラサキ |
鳥飼なす | 山科なす | もぎなす |
青茄子・白茄子2品種
青なす | 白なす |
外国産6品種
ゼブラなす | フェアリー・テイル | カプリス |
ビオレッタ・ルンガ | トンダ・ビアンカ | ローザビアンカ |
交配で作ったナス3品種
ひもなす | 庄屋大長 | 万寿満 |
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まとめ
この記事をまとめると
- 青ナスは皮が黄緑色〜緑色をしたナスの総称
- 白ナスは皮が白色をしたナスの総称(ヘタは緑色のものが多い)
- 青ナス・白ナスにはナスニンが含まれていないので皮の色が紫にならない
- 白ナスの原産地はヨーロッパがメイン、青ナスは日本メイン
青ナスも白ナスもそれぞれ特徴的で、夏が旬となっています。ナスは加熱するととろけるような食感になるのが魅力なので、ぜひ機会があれば青ナス・白ナスの調理にチャレンジしてみてくださいね。
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