ムール貝はフランスでよく食べられている貝類ですが、海の寄生虫アニサキスはいないのでしょうか?また、ムール貝には貝類特有の食中毒性をもつ「貝毒」があるようですが、危険性は高いのでしょうか?今回は、
- ムール貝には寄生虫がいる?
- ムール貝にアニサキスがない理由
- 貝毒による食中毒症状・危険性
これらのテーマについて紹介いたします。
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目次
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ムール貝ってどんな魚介類?
英名 | Mussel |
別名・和名 | ムラサキガイ |
エネルギー(100gあたり) | 72kcal |
糖質量(100gあたり) | 3.2g |
特徴
“ムール貝”は、フランスなどのヨーロッパで一般的に食べられている雫型の貝です。「ムール貝」という名前はフランスから来ており、日本では「イガイ」や「ムラサキ貝」という名前が付いています。
貝殻は濃い紫色をしており、中身はオレンジ色で柔らかい身が特徴です。クセがないので食べやすく、食べ方としては酒蒸しや、パエリアにのせて食べるのが一般的です。
旬の時期
ムール貝の旬の時期は、日本では主に夏の時期です。産卵期に備えて栄養を蓄えるのがこの時期となっています。ムール貝の本場、フランスでは7月までが禁漁期間となっており、解禁から12月頃までの約半年間で漁が行われています。
生産地
ムール貝は、日本では牡蠣の生産が盛んな地域に生息しており、広島県・宮城県・愛知県などで穫ることが可能です。養殖もされていて、牡蠣などの養殖モノの副産物として獲れたものも多いです。
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ムール貝には寄生虫がいる?
ムール貝は海で獲れる貝類の一つですが、そこで気になるのが“寄生虫”です。寄生虫は魚が死んでも内臓部分や筋肉部分に寄生したまま生きていることが多く、そのまま食べると食中毒を起こす原因となることがあります。
しかし、ムール貝には寄生虫がいないと言われています。海を代表する寄生虫といえば『アニサキス』ですが、 ムール貝にはアニサキスを始めとする寄生虫が寄生していません 。しかし、貝類は『貝毒』という毒性を持つものがあります。
ムール貝にアニサキスがいない理由
ムール貝にアニサキスがいない理由は、エサが関係しています。プランクトンをエサとする二枚貝や、その二枚貝やゴカイ類などを食べる肉食の巻貝なども含め、総じて貝類にはその食性からアニサキスはいないと言えるのです。
ムール貝には貝毒がある可能性も
貝類には貝特有の「貝毒」という食中毒がある
アニサキスはいない貝類ですが、貝には貝特有の“貝毒”という食中毒があります。都道府県では有害プランクトンの発生状況を定期的に調査し、二枚貝について、都道府県や生産者により定期的な貝毒検査が行われています。そのため市販の貝類で貝毒による食中毒を起こすことはほとんどありません。
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貝毒とは?
ここで、貝毒について詳しく解説していきたいと思います。貝毒はムール貝以外の貝類にも存在し得る毒です。その特徴や食中毒症状は一体どのようなものなのでしょうか?
貝毒の特徴
ムール貝などの二枚貝が食べる可能性のある有害なプランクトンは毒性を持った植物プランクトンで、「貝毒プランクトン」と言われています。しかし、 この貝毒プランクトンは常に発生しているわけではなく、海中の環境などによって発生する ものです。
貝毒はムール貝だけではなく、ホタテや牡蠣・アサリ・しじみなどにも起こり得る食中毒です。
貝毒の食中毒症状
日本国内で発生しやすい貝毒は「下痢性貝毒」と「麻痺性貝毒」の2種類で、それぞれ原因となるプランクトンに違いがあります。
- 下痢性貝毒→ディノフィシス属 [毒成分:オカダ酸/ディノフィシストキシン]
- 麻痺性貝毒→アレキサンドリウム属 [毒成分:ゴニオトキシン/サキシトキシン]
難しい名前ですが、これらのプランクトンによって貝毒は起こります。麻痺性貝毒にはフグの毒に匹敵するほど強いものもあり、神経筋肉系を刺激して強い麻痺症状を発症します。また、下痢性貝毒は消化器系への刺激が強く下痢などの症状を発症します。
症状が出るまでの時間
貝毒による食中毒となる場合、食後30分には症状が出やすい傾向があります。
加熱すれば大丈夫?
残念なことに、貝毒の毒性は熱に強く、茹でる・焼く・煮るなどあらゆる加熱調理をしてもなくなるものではないのです。
貝毒は加熱してもなくなることはない!
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アニサキス・寄生虫を含む主な魚102種まとめ
アニサキスを含む可能性のある魚には、いくつか種類があります。その魚の住む場所や食べるエサが、アニサキスが寄生するかどうかと関係しています。
アニサキスが寄生しやすい魚の種類には、お刺身で食べると美味しいものが多いので注意が必要です!アニサキスやその他の寄生虫含む主な魚を102種類まとめました。
海の魚
アイナメ | アオハタ | アカハタ |
アカヤガラ | 鯵 | アンコウ |
イサキ | イシガレイ | 石鯛 |
イシナギ | イシモチ | イナダ |
鰯 | ウスメバル | ウマヅラハギ |
オオモンハタ | カサゴ | カタクチイワシ |
カツオ | カワハギ | カンパチ |
キジハタ | 金目鯛 | クエ |
クロソイ | クロダイ | コショウダイ |
コノシロ | ゴマサバ | コロダイ |
サバ | さより | サワラ |
サンマ | しめ鯖 | シイラ |
ししゃも | シマアジ | シロギス |
スケトウダラ | スズキ | 鯛 |
たら | タチウオ | チダイ |
トビウオ | ニシン | のどぐろ |
ハタハタ | ひらめ | ハマチ |
ハモ | ヒラスズキ | ヒラマサ |
ヒラメ | ふぐ | ブリ |
ヘダイ | ホウボウ | ホッケ |
ボラ | マアジ | マイワシ |
まぐろ | マゴチ | マダイ |
マダラ | マトウダイ | マナガツオ |
マハタ | メジナ | メジマグロ |
メバル | ワラサ |
川の魚
鮎 | うなぎ | アトランティックサーモン |
鯉 | サケ | サーモントラウト |
ワカサギ |
甲殻類
アメリカザリガニ | アオリイカ | ウニ |
エビ | ケンサキイカ | コウイカ |
スルメイカ | 生タコ | ヤリイカ |
海藻・貝類
わかめ | 海ぶどう | ケンサキイカ |
コウイカ | 生タコ | ヤリイカ |
エビ | ムール貝 | サザエ |
ホタテ |
まとめ
この記事をまとめると
- ムール貝には寄生虫アニサキスがいない!
- ムール貝にアニサキスがいない理由は、アニサキスを含むものをエサとしていないため
- ムール貝など貝類には貝毒という食中毒となる毒を持つことがある
ムール貝には基本的に寄生虫がいないものとされていますが、貝毒という貝特有の食中毒を持っていることがあります。都道府県では定期的に検査が実施されているので当たることはあまりありませんが、潮干狩りなど自分で獲った貝を食べる場合は注意しましょう。
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