カツオの寄生虫アニサキス･テンタクラリア!たたきは危険?食べても大丈夫?

カツオはたたきや刺身･お寿司など生で食べると美味しい魚ですが、寄生虫が潜んでいることがあります。カツオに付く寄生虫は主に2つあり、食中毒を引き起こるものと、そうでないものがあります。今回は、

これらのテーマについて紹介いたします。

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カツオ(鰹)ってどんな魚？

特徴

“カツオ(鰹)”は20度前後の温かい海に生息し、日本では太平洋側を回遊している魚です。マグロと同じように泳ぎ続けていないと死んでしまう魚で、24時間問わず常に泳ぎ続けています。大きいものは全長1mちょっとにまで成長し、市場に出回っているものは50cm前後のものが多いです。

カツオは季節によって回遊する海を変える習性があり、春は黒潮にのって三陸沖に北上し、秋口になると南に帰ってきます。この秋のカツオは『戻り鰹』と呼ばれ、脂がのっていて一番美味しいと言われています。

また、1年で一番最初に食べられる『初鰹』もありますが、栄養を十分に蓄える前の状態なので脂は少なくさっぱりとした味わいが特徴です。

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旬の時期

カツオの旬の時期は年に2度あることが有名で、『初鰹』と呼ばれるカツオの旬の時期は3〜5月、『戻り鰹』の旬は8〜9月となります。

生産地

カツオの生産地はカツオが季節によって生息する海を変えるため、初鰹と戻り鰹によって異なります。

カツオは広い範囲で漁れる魚ですが、脂がのっていて美味しいと言われる戻り鰹に関しては高知県が有名です。全体としての生産量は、静岡県･東京都･宮城県の順に水揚げされています。特に、静岡県の中でも焼津(やいづ)がカツオの生産量NO.1となっています。

カツオにはどんな寄生虫がいる？

カツオは生で食べることの多い魚ですが、そこで気になるのが“寄生虫”です。寄生虫は魚が死んでも内臓部分や筋肉部分に寄生したまま生きていることが多く、そのまま食べると食中毒を起こす原因となることがあります。

カツオには、どんな寄生虫が潜んでいる可能性があるのでしょうか？

カツオには、“アニサキス”と“テンタクラリア”という寄生虫が寄生している可能性があります。アニサキスに関しては、食べると激しい腹痛･嘔吐･下痢などの 食中毒症状を引き起こす危険なもの です。

それに対しテンタクラリアは、万が一食べてしまっても人に害を加えるものではありません。米粒のような見た目なので、捌いた時に見つけられることもあります。

カツオに寄生する2つの寄生虫については、記事の後半で詳しく紹介しています。

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カツオのどんな食べ方･料理法が危険？

アニサキスは、魚が死んでいてもアニサキスを生きた状態で食べると下痢や腹痛などの食中毒症状が現れます。カツオは生で食べることも多く、注意すべき食べ方･調理法がいくつかあります。

カツオを生食するバリエーションは多く、お刺身やお寿司などオーソドックスなものから、細かく刻んで和えるたたき、お洒落なカルパッチョなどがあります。

一度冷凍処理したカツオであれば、万が一混入しているアニサキスも死滅しているので食べても問題ありませんが、一度も冷凍せずそのままの状態で調理した場合はアニサキスが生きたまま混入している可能性が高いです。

たたきに関しては外側は焼いていますが、中心部には火を通さないので注意が必要です。

では、カツオに寄生するアニサキスとテンタクラリアについて詳しく見ていきましょう！

テンタクラリアってどんな寄生虫？

“テンタクラリア”はカツオに寄生しやすい寄生虫で、春から夏にかけての報告事例が多いものです。カツオ以外には、東シナで漁獲されたマアジへにごく稀に潜んでいることがあります。

見た目･大きさ

テンタクラリアは、米粒サイズで小さな楕円形のような見た目をしています。長さ5mmほどで目視でも確認することができます。色は白く、カツオのような赤身魚に寄生している場合は見つけやすいです。

食中毒･害は？

テンタクラリアは、 万が一食べてしまっても食中毒になることはなく無害の寄生虫 です。

見つけ方

テンタクラリアは元々白いので見つけやすいですが、冷凍することや時間経過と共に半透明に変化するので肉眼だと見つけにくくなります。

冷凍処理していない生のカツオであれば、赤身に白いテンタクラリアがよく目立つでしょう。食べても害のないものですが、見た目が気持ち悪いので見つけ次第取り除いた方が無難です。1匹のカツオに対し何匹ものテンタクラリアが寄生していることもあります。

テンタクラリアの発生率が多い部位

テンタクラリアはカツオの筋肉部分に寄生していることが多く、他の寄生虫と違って内臓部分にはあまりいません。筋肉部分＝私たちが食べる部分なので、自分で捌く際は注意して確認しましょう。

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アニサキスはどんな寄生虫？

魚の体内に潜んでいる寄生虫の中でも代表的なものは“アニサキス”です。アニサキスが人間の体内に入ると様々な食中毒症状を起こすわけですが、そもそもアニサキスはどんな特徴を持つ寄生虫なのでしょうか？

アニサキスとは？

アニサキスは海に生息する小さな寄生虫で、クジラやイルカなどの体内で生まれます。アニサキスの始まりは卵の状態で、クジラやイルカの排泄物と共に海に放出されます。

その後、アニサキスは海中で幼虫のような形状に羽化します。この時点でのサイズは大きくても長さ3cmほどです。その小さなアニサキスの幼虫は最初の住処として甲殻類などの動物プランクトンに寄生し、そこから生まれる食物連鎖によって寄生を繰り返します。

アニサキスが寄生している小さな甲殻類を小魚が食べ、その小魚を大きな魚が食べ…その魚を私たち人間が食べることによって、アニサキスによる食中毒を発症することとなります。

アニサキスの色は半透明の白色で、幼虫のサイズは2〜3cmの糸状なので、気づかず食べてしまうことも多いです。

魚など宿主の体内では成虫に成長しますが、人間の体内はアニサキスにとって環境が合わないため成虫にはならず、1週間以内に死滅します。しかし、その際アニサキスが胃や腸内の粘膜に潜り込むことによって激しい激痛などの食中毒症状が起こります。

アニサキスの見つけ方｜目視は可能？

アニサキスは半透明の白色なので見にくいですが、大きさは幼虫でも長さ2〜3cmなので目視で確認することはできます。白身魚の場合は色が同化しているので発見しにくいですが、赤身魚であれば目に付くことが多いです。

アニサキスの発生率が多い部位

アニサキスの発生率が多い場所･部位は下記になります。アニサキスが寄生しやすい魚を捌く時は、この部位に注意してみてください。

1. 内臓　
2. 筋肉の部分
3. 卵

アニサキスは魚の内臓部分を好んで寄生します。付着したら魚の体液をエサとして住み着くのですが、これは寄生している魚が生きている時の寄生場所です。その魚が死ぬと、アニサキスは魚の筋肉部分に移動していきます。

私たちは魚の内臓を生で食べることはないので魚が新鮮なうちはアニサキスを食べずに済むことが多いですが、 魚が死んでから時間が経っていると私たちが食用としている魚の筋肉部分に移動しているので、食べてしまう可能性が上がる のです。また、魚の卵に寄生していることもあります。

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なぜアニサキス(寄生虫)を食べると食中毒になるの？

なぜ食中毒になるの？

アニサキスによる食中毒は、みぞおちや腸の激しい痛みや嘔吐を生じます。これはアニサキス幼虫が胃壁や腸壁に刺入して食中毒(アニサキス症)を引き起こすからです。

どんな症状になる？何時間後から症状がでる？

アニサキスが胃の粘膜に刺入した時はみぞおち辺りに激しい痛みを生じ、腸の粘膜に刺入した時は下腹部に激しい痛みを生じします。痛みが出るのは主に胃・腸ですが、そのほとんどが胃のケースであることが多いです。

アニサキスの症状が出る確率はどのくらい？

アニサキスの症状が出る確率は、あるレポートによると 『1,000万円の宝くじが当たる確率と同じくらい』 と言われています！

その理由というのは、アニサキスによる食中毒の年間発生件数と全国民が1週間に1度お刺身を食べると仮定して計算した数値です。診療報酬明細書から計算した年間のアニサキス発生件数は、約7,000件にも及ぶと言われています。

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寄生虫(アニサキス)から確実に予防する6つのステップ

食べると激しい腹痛や下痢などの食中毒症状を引き起こすアニサキスですが、確実に予防できる方法はいくつかあります。予防するための6つのステップは下記になります。

アニサキスによる食中毒を起こさないポイントは、主に鮮度･加熱･冷凍です。アニサキスは加熱や冷凍すれば死滅し、死滅したものは食べてしまっても体に害はありません。

新鮮な魚を食べるに越したことはないお刺身やお寿司ですが、一度冷凍することでアニサキスが死滅するので安全に食べることができます。また、アニサキスが死滅する加熱温度が決まっているので生焼けにも注意が必要です。

確実にアニサキスを殺す2つの方法には

確実にアニサキスを殺すには冷凍と加熱処理が確実です。

冷蔵庫の温度・低温調理には要注意

冷凍と加熱処理で確実に撃退することが可能ですが、以下の2点の注意が必要です。

1. 家庭用の冷蔵庫・冷凍庫ではアニサキスが死ぬくらいの温度にならないので死滅しない
2. 流行りの低温調理は温度が足りずアニサキスが死滅しないので注意！

食中毒などにならないためにも確実な対策をしておきましょう。

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アニサキスを食べてしまった後の対処方法

まずは病院で内視鏡検査を！

アニサキスによる食中毒が起きて病院に行った場合、どの消化器官に刺さっているのか内視鏡検査が行われます。粘膜に刺入していることが激しい痛みの原因であるため、アニサキスを取り除く処置をされることが多いでしょう。

軽度で病院に行かない場合

アニサキスによる食中毒は、場合によっては病院に行かなくても良いことがあります。

まとめ

カツオには2種類の寄生虫がいる可能性がありますが、テンタクラリアに関しては完全に無害、アニサキスに関しては冷凍処理か加熱処理することで無害となります。

そのまま生食すると生きたアニサキスが潜んでいる可能性があるので、自分で釣ったカツオを調理する際は特に注意しましょう。テンタクラリアは新鮮で生の状態だと白くて見つけやすいので、気になる場合は取り除いてから調理しましょう！

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