妊娠中というのは非常に食べ物に気を使う期間ですよね。ものによってはお母さんや赤ちゃんに影響を与えてしまう食品もあります。それも特別なものではなく私たちが普段食べているような身近にある食品が、体に悪影響を与えてしまうこともあるのです。
今回の記事では妊娠中に「数の子」を食べると危険なのかについて紹介していきたいと思います。
スポンサードリンク
目次
|
|
数の子ってどんな食べ物?
数の子は何の卵?
数の子はニシンの魚卵および卵巣を「塩漬け」または「天日干し」にしたものを言います。卵の粒は非常に細かいですが、相互に結着しているため全長10cm、幅2cm程の卵の塊となっています。
詳しくはこの記事をチェック!
市場に流通しているのは高級な順に「干し数の子」「塩蔵数の子」「味付け数の子」です。「数の子は音を食うもの」と言うほど歯ごたえと咀嚼時のプチプチという音が特徴的です。縁起物としてお正月や結納の席でよく出されます。
数の子の意味とは?
数の子はおせち料理には欠かせない食材のひとつになっています。どうして数の子がおせち料理に欠かせないのかと言うと、数の子は粒が非常に多いため「子孫繁栄」や「子宝の象徴」として扱われることが多かったからと言われています。古くから数の子は縁起物として重宝されてきた歴史を持っているのですね。
数の子は塩抜きをしておこう
数の子はそのままだと潮がきつく、しょっぱいと感じることがあります。そこで食べる前に必要になるのが「塩抜き」作業です。
スポンサードリンク
数の子は妊娠中に食べても良い?
数の子とはどのような食品なのかについて紹介したところで次は今回のメイントピックである「妊娠中にかずのこを食べて良いのか」について解説していきますね。
妊娠中は数の子は控えたほうが良い食材
結論から言うと妊娠中は「数の子を食べない方が良い」と言えます。数の子を食べてしまうと少ない確率ではありますが、お腹の中の赤ちゃんに悪影響を及ぼす可能性があります。
どうして食べてはいけないの?
なぜ妊娠中に数の子は食べない方が良いのかと言うと、「リステリア菌」という食中毒を引き起こす細菌が含まれている可能性があるからです。
このリステリア菌は「加熱処理」すればすぐに殺菌されるのですが、数の子は先ほども説明した通り加熱処理の工程を含みません。塩漬けにされるか天日干しにされるかのどちらかで加工されていますので、数の子の中にリステリア菌が含まれていた場合、リステリア菌を殺菌することなく口に入れることになってしまいます。
数の子を加熱処理しない食べ方は全てNGですので、数の子わさびなども控えたほうが良いです。
スポンサードリンク
リステリア菌は妊娠中でなければ食べてもOK
リステリア菌は妊娠中や療養中などの免疫力が落ちているような状態の人にとっては非常に危険な食中毒菌ですが、健常な大人の場合はリステリア菌に感染しても症状を起こさないため、全く気づかないことがほとんどです。ですので数の子を食べても問題ありませんし、他にリステリア菌が含まれている可能性があるナチュラルチーズや、生の肉や魚類を食べても問題ありません。
ですが妊娠中の場合だと健常な大人に比べて約20倍も感染リスクが高まると言われています。
リステリア菌に感染すると?
妊娠中にリステリア菌に感染してしまうと「早産や流産、死産」の可能性が高まります。赤ちゃんにとっては命に関わる可能性のある感染症なのです。その他にも赤ちゃんが生まれてから髄膜炎や敗血症などの非常に重い病気にかかる可能性があると言われています。
ですので妊娠中には加熱していない数の子などの食べ物は控えたほうが良いということですね。
スポンサードリンク
どうしても妊娠中にかずのこを食べたい場合
ここまで数の子にはリステリア菌が含まれている可能性があるので、妊娠中は食べない方が良いという説明を行いました。ですが絶対に食べてはいけないかと言うと、そうではありません。もし妊娠中にかずのこを食べるなら「加熱調理する料理に使う」ことで数の子を食べることができます。
例えば数の子をバターで炒めたり、パスタやチャーハンなどに加えると数の子に含まれるリステリア菌を殺菌できるので食べることができます。
数の子には妊娠中に摂取したい栄養素が豊富に含まれている
危険性のある数の子わざわざ食べなくても良いのではないか、と思われる方も多いと思いますが数の子にはDHAやEPAなどの妊娠中に積極的に摂取することで、お母さんの健康を守ったり、赤ちゃんの成長を助けてくれる成分が豊富に含まれています。
特にDHAは脳の発達に関与する栄養素ですので、妊娠中に積極的にとりたい成分です。 EPAに関してはアレルギー症状を出にくくする効果もあることが分かっています。
DHA(ドコサへキサエン酸)
DHA(ドコサヘキサエン酸)は、脳や血管、加えて代謝にも関わる多くの健康効果を持つ栄養素です。脳の栄養素としての働きは特に有名で、脳の発達や神経の機能維持に使われています。眼精疲労の解消や情報伝達にも使用され、疲労を軽減します。血液の脂質を減少させ、脂肪燃焼も助ける栄養素です。
IPA/EPA(イコサペンタエン酸)
IPA(イコサペンタエン酸)はEPAにとも呼ばれ、人間の血管性の病気を予防する働きが特に強く、ドロドロになっている血液をサラサラにする力が強い脂質です。そのため、心筋梗塞や脳梗塞と言った病気や高血圧の改善効果があります。最近の研究ではアレルギー症状の改善も報告されている栄養素です。
スポンサードリンク
数の子の日持ちについて
数の子は松前漬けにしたり、塩抜きしたり、味付けにしたりと様々な方法で加工されています。お正月には良く食べる人も多いですが、おつまみとしての松前漬けも個人的にはすごく好きです。
日持ちに関する記事をまとめておきますのでお好きなものがあればチェックしてみてください。
詳しくはこの記事をチェック!
スポンサードリンク
数の子の保存方法
塩数の子の保存方法や保存期間について紹介していきたいと思います。
数の子の常温保存
基本的に数の子は冷蔵保存で保存しておくべき食品です。ただ塩数の子は不安が進まないように塩漬けされていますので、よほど暖房の効いた部屋でない限り常温で置いておいても1~2日程度なら問題なく食べることができます。
数の子の冷蔵保存
数の子の基本の保存方法は冷蔵保存です。保存期間の目安は「1~2カ月程度」です。塩抜きした状態だと「1週間程度」に短縮されますので、塩抜きした状態で保存する際は早めに消費する意識を持ちましょう。
数の子の冷凍保存
塩抜きしていない数の子に関しては冷蔵庫でも数ヶ月持ちますので、冷凍する必要はないのですが塩抜きした数の子はあまり日持ちがしなくなってしまいますので、冷凍保存を併用するとよいでしょう。冷凍保存することで「約一か月」保存することができます
スポンサードリンク
まとめ
いかがでしたでしょうか?基本的に数の子は妊娠中には控えたほうが良い食品ですが、妊娠中に積極的に摂取したい栄養素が豊富に含まれているので、しっかり火を通した状態で数の子を食べるのはむしろ推奨レベルである食品だということがわかりましたね。
この記事をまとめると
- 数の子はリステリア菌を含む危険性があるので妊娠中は控えたほうが良い食材
- リステリア菌は妊娠中に感染すると流産や死産のリスクを高める
- 数の子に含まれるDHAやEPAは脳の発達を促進してくれる
今回のように食品についての様々な知識を紹介しています。他にもたくさんの記事を掲載していますので、ご興味のある方は是非ご覧になってみてください。
スポンサードリンク