伊予緋カブの特徴・旬の時期まとめ|江戸時代から栽培されている愛媛県の伝統的な色付きカブ

早速ですが皆さんは、愛媛県産の有名な食べ物と聞かれたら何を思い浮かべますか?伊予柑(いよかん)・温州(うんしゅう)みかん・レモンなどの柑橘類果物や、全国トップクラスの生産量を誇るブリ、宇和島(うわじま)のじゃこ天などが大変知られていますよね。

今回は、美味しいものがいっぱいの愛媛県で栽培されている「緋のかぶ・緋のかぶら」の呼称で知られる伊予緋のかぶについて詳しく見ていきますよ。

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伊予緋かぶってどんなかぶ?

読み方 いよひかぶ
旬の時期 12月~1月頃
主な生産地 愛媛県松山市石井、高井、堀江、北条など
種類 赤かぶ

読み方  

伊予緋(いよひ)かぶと読みます。伊予とは昔の愛媛県の名称で、緋とは濃い紅色のことを指すことから、伊予緋かぶは名前の通り愛媛県産の濃い紅色が特徴的なかぶです。正式名称は伊予緋かぶですが、緋の蕪(ひのかぶ、ひのかぶら)と呼ばれる方が一般的です。

愛媛を代表する歌う事が難しいとも知られている民謡の1つ、伊予節の中でも「緋のかぶら」と歌われていたり、愛媛県松山市を代表する俳人・正岡子規の俳句でも「緋の蕪や膳のまわりも春景色」と詠われるほど、昔から沢山の人々に愛されているカブです。

特徴(サイズ、味、形状など)

伊予緋かぶは、その名にあるように濃い紅色が特徴的なカブです。茎部分まで赤くなり、偏球形をしています。

伊予緋かぶの原種は、滋賀県日野市で栽培されている滋賀県の伝統野菜の1つである日野菜という赤カブとされていて、松山藩・二代藩主の蒲生忠知が日野からカブを取り寄せ栽培させたのが始まりと言われています。その後、松山藩主の手厚い保護と改良をされ続け、現在でも愛され続けている伊予緋かぶが栽培され続けています。

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伊予緋かぶの旬の時期と主な生産地 

ここからは伊予緋かぶの旬の時期と主な生産地について詳しく見ていきます。伊予緋かぶの発祥は約400年前の江戸時代まで遡り、愛媛県松山の有名な俳人・正岡子規が俳句に残すほど愛され、また伊予節の中でも唄われてもいるほど地元では有名です。

伊予緋かぶの「緋の蕪漬け」は四国・松山名産にもなっており、全国的にも知られていますよ。 

旬の時期はいつ?

伊予緋かぶの旬は、12月~1月頃とされています。地元では、伊予緋かぶの緋色が冴えている年は「良い1年となる」という言い伝えがあるほど、縁起ものの野菜として愛されています。そのため、昔からおせち料理でも良く使われています。

伊予緋かぶが生育する適温は15~20度と言われ、9月上旬頃に種を播き70~80日程度後の11月頃から収穫が始まります。

主な生産地はどこ?

伊予緋かぶは主に、愛媛県松山市の石井、高井、堀江、北条などです。

古くから、松山城の天守閣が見える場所でないと栽培できない・日招神社の太鼓の音の聞こえる地域でないと生育しないなどと言われ、松山城が見える範囲の地域が栽培敵地と言われていたため、栽培地域がとても限られているそうです。

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伊予緋かぶの価格相場ってどのくらい?

ここからは、伊予緋かぶのカブ価について詳しく見ていきますよ。伊予緋かぶは、生産地域が松山市内でもとても狭い範囲でしか栽培されていないことに加え、その殆どが名産の「緋の蕪漬け」にされることから、一般市場で出回ることはほぼ無いとされています。

松山地方のおせち料理には欠かせない伊予緋かぶは、地元を中心に食べられているので希少性の高いカブと言えるでしょう。

スーパーだと

伊予緋かぶは農家さんの殆どが契約栽培をしているため、一般市場に出回ることはほぼありません

古くから伊予緋かぶは一般的な白カブに比べてかなり硬い肉質なことから、お漬物で食べられることが主流でした。そのため現在でも、栽培された殆どが「緋の蕪漬け」に加工されています。

そのためお漬物ではない伊予緋かぶは、年末頃の松山のごく一部の商店で地野菜として並ぶことがある程度だそうです。

ネット通販だと

近年、手軽にネットで全国名産など購入できるようになったため、伊予緋かぶのお漬物「緋の蕪漬け」は購入することができますよ。

昔から自家栽培が主流だったことと、肉質の硬さからお漬物として食べられてきたので、栽培された殆どが「緋の蕪漬け」に加工されています。松山名産「緋の蕪漬け」として多く販売されていますので、ぜひ一度探してみてくださいね。

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かぶの主な栄養成分と期待できる6つの効果

根の部分だけではなく、葉も美味しく食べることができるかぶ。ただ後で調理しようと置いておいたら葉っぱがしなびてしまって使い物にならない、なんて勿体ないことにならいないようにきちんと保存しておきたいですよね。
かぶを美味しく食べられる保存方法と冷蔵・冷凍・常温の3種類の目安期間をお伝えしていきます。

かぶの主な栄養成分表(100g当たり)

エネルギー 20kcal
水分 93.9g
たんぱく質 0.7g
炭水化物 4.6g
灰分 0.6g
ナトリウム 5mg
カリウム 280mg
カルシウム 24mg
リン 28mg
0.3mg
亜鉛 0.1mg
ビタミンB1 0.03mg
ビタミンB2 0.03mg
ビタミンC 19mg
食物繊維総量 1.5g

食品成分表(可食部 100gあたり)

かぶの主な栄養素:根部分

  • ビタミンC:抗酸化作用があり、ビタミンEと協力して有害な活性酸素から体を守る働きがあります。また、コラーゲンの合成には必須で、鉄分やカルシウムなどのミネラル吸収を高める効果もあります。水溶性のため、汁物にすると効率よく摂ることができます。
  • 分解酵素アミラーゼ(ジアスターゼ):体が栄養を十分に吸収するために食べた物を消化する働きをする消化酵素の1つです。特に、炭水化物の1つであるデンプンの消化を行う働きをします。
  • イソチオシアネート:口にした時に感じる辛みのもとで、消化機能を高める働きがあります。殺菌作用があるので、発がん物質の毒性を解毒して排出するとも言われています。免疫力を高める効果もあります。

かぶの主な栄養素:葉

  • β-カロテン人間の体の酸化を防ぐ抗酸化作用が強く、免疫力を高めます。またビタミンAが足りない時には変換されることでビタミンAの働きも担います
  • カリウムナトリウムとともに、神経刺激の伝達や心臓機能や筋肉機能の調節、酵素反応の調節などの働きをします。必須ミネラルの1つで、体内にある余分な塩分を体外に排出する効果があります。
  • カルシウム:骨や歯などを作るだけでなく、筋肉収縮のコントロールや神経興奮の抑制、血液凝固作用の促進効果があります。
  • ビタミンB1ブドウ糖をエネルギーに変換する際に、必要な栄養素で疲労回復効果が高いです。
  • 葉酸「造血のビタミン」とも呼ばれ、ビタミンB12とともに血液の赤血球生産を助けたり、細胞の生まれ変わりに関わる働きがあります。特に胎児・乳幼児期・成長期の子どもの発育に必要不可欠な成分であるとされています。
  • 人間の血液を運ぶ赤血球に含まれるヘモグロビンの材料として使用されます。加えて、体内に存在する酵素の材料にもなりエネルギー代謝や肝臓での解毒の働きに関わっているミネラルです。
  • ビタミンE強い抗酸化作用、加えてコレステロールの酸化を防ぎ血流を良くする働きを持っています。また、毛細血管の収縮を抑制することで、細くなった血管が広がることで血流の悪化による体の不調改善効果もあります。

 カブを食べて期待できる6つの効果・効能

実際にかぶを食べるとどのような効果が期待できるのでしょうか。代表的なものをまとめてみました。

  1. 高血圧の予防
  2. 便秘の予防・改善
  3. 老化の抑制
  4. 貧血の予防・改善
  5. 骨粗鬆症予防
  6. 抗がん作用

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かぶの保存方法|冷蔵・冷凍・常温の保存期間の目安

根の部分だけではなく、葉も美味しく食べることができるかぶ。ただ後で調理しようと置いておいたら葉っぱがしなびてしまって使い物にならない、なんて勿体ないことにならいないようにきちんと保存しておきたいですよね。

かぶは腐るとどうなる?どこまで食べられる?

かぶを見極める上で大切なポイントはコチラです。腐っているのかセーフなのか、臭いや見た目・感触などをよくチェックしてみてくださいね。

このかぶ腐ってる?見分け方

食べても大丈夫な状態

  1. 触感:多少柔らかくなっている程度であればOK
  2. 見た目:少しだけ萎んでいる程度ならOK

腐っているので食べるとダメな状態

  1. 臭いで判断:腐った臭いがする
  2. 見た目で判断:茶色・黒・青色に変色している
  3. 感触で判断:ぶよぶよして柔らかくなっている

カブの保存期間の目安を解説

かぶを美味しく食べられる保存方法と冷蔵・冷凍・常温の3種類の目安期間をお伝えしていきます。

  • 冷蔵での保存期間の目安:根は1週間、葉は2〜3日間
  • 冷凍での保存方法の目安:1ヶ月
  • 常温での保存方法の目安:1ヶ月

もちろん保存期間は、あくまでも目安になるのでできるだけ早く食べると美味しいです。上手に保存して根の部分も葉の部分も美味しくいただきましょう。

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おすすめの食べ方

伊予緋かぶは、地元・松山の名産「緋の蕪漬け」にもあるようにお漬物として食べると美味しいですよ。

伊予緋かぶの肉質の硬さが、お漬物のパリッとした食感となります。また漬ける時に使われている橙酢(だいだいす)は柑橘王国・愛媛を感じさせる・口やわらかな酢で、伊予緋かぶに含まれている抗酸化物質アントシアニンが橙酢と反応することで、着色料を使用せずとも鮮やかな緋色に発色し、見た目もとても美しいお漬物です。

柑橘薫る甘酸っぱい香味と、歯ごたえある食感がとても美味しい「緋の蕪漬け」をぜひ一度食べてみてくださいね。

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まとめ

今回は、伊予緋かぶについて詳しく見ていきました。

伊予緋かぶは、愛媛県松山市石井・高井・堀江・北条など松山城の見える地域でのみ栽培されているカブで、江戸時代頃に滋賀県日野市で栽培されている滋賀県の伝統野菜の1つである日野菜と呼ばれるカブが持ち込まれ栽培されたことが発祥と言われている赤カブで茎部分まで赤くなり、偏球形をしています。

旬は12月~1月と言われており、その多くはお漬物用に契約栽培されています。伊予緋かぶのお漬物は「緋の蕪漬け」と呼ばれ、松山名産品としても知られており、地元では縁起の良い野菜として重宝されており松山地方のおせち料理にも使われています。

「緋の蕪漬け」は肉質の硬さからお漬物でも食感がよく、橙酢と呼ばれる柑橘酢が使用されることが多いため、柑橘の香りよい甘酸っぱさとパリッとした食感に、松山を代表する俳人・正岡子規も愛したとされています。

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