妊娠中の食事には食べても良いもの・控えた方が良いものがありますが、海藻の“昆布”は妊婦さんでも安全に食べられるのでしょうか?昆布が持つ栄養素や、危険性の有無について着目しました。それでは、
- 昆布は妊娠中でも食べられる?
- 妊娠中のヨウ素は大丈夫?危険?
- 昆布を使った料理には何がある?
- おしゃぶり昆布の食べ過ぎはダメ?
これらのテーマについて紹介いたします。
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目次
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昆布ってどんな食べ物?
英名 | Tangle,Kombu |
別名・和名 | 昆布 |
エネルギー(100gあたり) | 138kcal |
糖質量(100gあたり) | 25.1g |
昆布は、海の中で成長する海藻の一種です。5〜7mほどの比較的浅い場所に生息し、太陽の光を浴び光合成をして成長します。そのため、深い海で生息することはありません。
昆布の一般的な大きさは2mほどですが、大きいものは10mほどにまで成長することもあります。旨味成分が多いので、味噌汁などの出汁として利用されています。
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昆布は妊娠中でも食べられる?
昆布は色々な栄養素が含まれている海藻で、妊娠中でも食べることができます◎ しかし、『妊娠中の食べ過ぎはあまり良くない』とされています。その理由は、昆布に“ヨウ素”含まれているためです。ヨウ素が体内に短期間で大量に入った場合、このような影響が出ると言われています。
- 発熱
- 下痢
- 嘔吐
- 興奮
- 脱毛
しかし、普段食べているような昆布の量で上記のような症状が出ることはないので安心しましょう◎ 妊娠中はできるだけ危険性のある食べ物を避けた方が良いため、たくさん食べるのは控えた方が無難です。
どれくらいなら大丈夫?
妊娠中に食べる昆布の摂取量ですが、1日に20〜30gが目安と言われています。この量であれば毎日食べても体に影響が出ることはないので安心しましょう。昆布は出汁を取るのにも使える海藻ですが、昆布でとっただし汁程度では体への害は出ません。
おしゃぶり昆布の食べ過ぎは?
昆布を使ったおやつに『おしゃぶり昆布』がありますが、塩分量が多いので食べ過ぎには注意しましょう。妊娠中に塩分を過剰摂取すると、『妊娠高血圧症候群』という病気になることもあります。この病気を発症する確率は、妊婦さん20人に対し1人と言われており、妊娠中の食生活が原因で引き起こされます。
妊娠34週(妊娠9ヶ月)未満で引き起こした場合は重症化リスクが高く、胎児発育不全(赤ちゃんが育たない)・常位胎盤早期剥離(赤ちゃんに酸素が届かない)・胎児機能不全(赤ちゃんの状態悪化)となる可能性があります。
酷い場合は胎児の命に関わることもあるので、食事には注意が必要なのです。
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昆布に含まれる主な5つの栄養素
昆布には、体の組織を構成するミネラルが豊富に含まれており、牛乳と比較するとカルシウムは7倍、鉄分は39倍にもなります。
また、昆布の魅力である旨味成分はグルタミン酸というアミノ酸の一種です。この成分により、昆布が美味しく感じるのです。
- グルタミン酸:グルタミン酸は体内で脳内物質のGABAの生成に関わっており、緊張をほぐす効果があります。体内では有害なアンモニアの分解する力を持ち、血圧を下げる効果があると言われています。肌を構成するケラチンの材料でも知られており美肌効果も持っています。
- 鉄分:鉄分は、人間の血液を運ぶ赤血球に含まれるヘモグロビンの材料として使用されます。加えて、体内に存在する酵素の材料にもなりエネルギー代謝や肝臓での解毒の働きに関わっているミネラルです。
- カルシウム:カルシウムは骨や歯の主成分のリン酸化カルシウムの材料でもあり、人間の体内の筋肉や臓器の収縮に関わるミネラルです。神経伝達の正常化にも大きな働きを持ち、体の酵素の働きをサポートします。血液凝固やホルモンの分泌等、多用な働きを持ちます。
- ナトリウム:ナトリウムは、細胞の水分量及び、体内の水分保持に欠かせないミネラルです。人間の体内の水分を留める働きを持ち、普段は細胞外液に多く存在しています。ナトリウムとカリウムはセットで働き体内の水分調節とともに、老廃物の排出や栄養の取り込み、血圧に関わるミネラルです。
- アルギニン:アルギニンは、代謝、ホルモン分泌、組織の修復や成長に関わるアミノ酸です。代謝面では、老廃物のアンモニアの除去に関わっています。ホルモン分泌では成長ホルモンの分泌を促進させるため、筋肉を増やし、骨を太くする効果があります。血流も改善するため体を若くするアンチエイジング効果が高いアミノ酸です。
これらの栄養素は妊婦さんに対し、どのような効果があるのでしょうか?特に着目したいのは、カルシウムと鉄分です。
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妊娠中は貧血になりやすい
妊娠すると赤血球が多くつくられるようになり、胎盤や胎児形成のためにお腹に送られていきます。血液量も増えるため、より多く鉄分を摂らないと貧血になりやすくなります。
特に妊娠初期は貧血が起こりやすく、 鉄分が不足することで動悸や息切れが起こり、つわりがより一層辛くなる 方も多いです。また、貧血状態が酷くなると『鉄欠乏性貧血』となることもあります。
昆布には鉄分が多く含まれているため、妊娠中の鉄分不足を解消する効果を期待することができます◎ 妊娠初期から必須とさせる栄養成分の葉酸と鉄分がセットになったサプリもありますが、食品からも摂るようにしましょう。
妊娠中不足しがちなカルシウム
妊娠中は、カルシウムが不足しやすいと言われています。葉酸のようにサプリで補う必要はありませんが、カルシウムは骨や歯の材料となります。乳製品や小魚・大豆などに含まれる栄養素ですが、昆布にもカルシウムが含まれています◎
昆布料理には何がある?
妊娠中にたくさん食べるのは控えたい昆布ですが、妊婦さんにおすすめの昆布の使い方は出汁です。コクと旨味を出すために、昆布からこんな汁物を作ってみませんか?
お茶漬けの出汁に
市販でお茶漬けのモトはありますが、家庭で出汁からとったお茶漬けは格別です。上に焼いたブリをのせたり、鯛のお刺身をのせたり、アレンジ法は沢山あります◎ちょっと手間はかかりますが、お酒を飲んだ翌日のおうち茶漬けは感動モノですのでオススメです!
豚汁の出汁に
具沢山で温まる豚汁の出汁のベースを、昆布でとると美味しく仕上げることができますよ。味噌のみでも作ることができますが、深みやコクのある豚汁に仕上げるには出汁をとるのがオススメです。
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妊娠中に食べたい食材・控えたい食材・食べてはいけない食材60選まとめ
妊娠中にどの食材を食べればよいのか?どの食材を控えれば良いのか?というのは非常に気になるところです。代表的な60食材でまとめました。
妊娠中に積極的に摂りたい食材
妊娠中に積極的に摂りたい食材には、どんなものがあるのでしょうか?その食材が含む、妊娠中に摂りたい栄養素とあわせてチェックしてみましょう!
- 豚肉 …たんぱく質+ビタミンB群
- 鶏肉 …たんぱく質
- 牛肉 …たんぱく質+鉄+亜鉛
- 青魚 …DHA・EPA
- 鮭 …たんぱく質+ビタミンB6+ビタミンD
- ぶり …鉄
- かつお…鉄
- 白身魚…たんぱく質
- 貝類 …鉄+亜鉛
- 桜エビ…カルシウム
- 卵 …たんぱく質
- ブロッコリー…葉酸+カリウム
- 青菜 …葉酸+鉄+カリウム+カルシウム
- ヨーグルト …たんぱく質+カルシウム
- 納豆 …葉酸+ビタミンE
- 大豆(大豆製品) …たんぱく質+鉄+ビタミンE+カルシウム
- いちご …葉酸
- アボカド …ビタミンE+カリウム
- トウモロコシ …葉酸+ビタミンE
- グリーンアスパラガス …葉酸
- 枝豆 …葉酸
- そら豆 …葉酸
- トマト …カリウム
- もずく …ミネラル+食物繊維
- きのこ …食物繊維+ビタミンD
- 切り干し大根 …食物繊維
- もち麦 …食物繊維
妊娠前から必要と言われている葉酸やビタミン類、妊娠中に不足しがちな食物繊維やカルシウムなどのミネラル類を補える食材には、上記のようなものがあります。
これらの食材を妊娠中の食事にバランス良く加えることで、ママの体や胎児の発育に良い効果をもたらします。妊娠中は食べ物の嗜好が変化することもありますが、できる範囲で色々な食材を食べるようにしましょう!
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妊娠中に少量に控えたい食材
妊娠中の食事は栄養素のバランスが大切ですが、中には控えておくべき食べ物がいくつかあります。食中毒リスクや、食べると胎盤を通じて胎児に届き、成長に悪影響を及ぼすものなど様々です。妊娠中に控えたい食材について、確認していきましょう。
食中毒や感染症のリスクのあるもの
- お刺身
- 生卵
- ローストビーフ
- 生ハム
- ナチュラルチーズ
- 肉・魚のパテ
メチル水銀を含むもの
- 金目鯛:1回80gを週に1度まで
- メカジキ :1回80gを週に1度まで
- メバチマグロ:1回80gを週に1度まで
- 本マグロ:1回80gを週に1度まで
- エッチュウバイ貝:1回80gを週に1度まで
- くじら:1回80gを週に1度まで
- きだい:1回80gを週に2度まで
- インドマグロ:1回80gを週に2度まで
- マカジキ:1回80gを週に2度まで
- くろむつ:1回80gを週に2度まで
ヨウ素・ヒ素を含む食べ物
- 昆布 :1日1回少量
- ひじき:小鉢2杯程度を週に2度まで
カフェインを含む飲み物
カフェインを含む主な飲み物と、100mlあたりのカフェイン量は下記となります。
- コーヒー …約60mg
- 紅茶 …約30mg
- 緑茶 …約20mg
- ほうじ茶 …約20mg
- ウーロン茶 …約20mg
- ココア …約10mg
糖分を多く含むお菓子やジュース
糖分を多く含むお菓子や、甘いジュースなども妊娠中には控えたい食べ物です。甘いものを過剰摂取することで、妊娠前は糖尿病を持っていなくても妊娠期間中に糖尿病を発症することがあり、『妊娠糖尿病』と呼ばれています。
より多くの栄養を胎児に与えようとする体の自然な働きと考えられていますが、妊娠糖尿病になると胎児に合併症が出る危険性があります。
ビタミンAを多く含む食べ物(妊娠初期)
“動物性ビタミンA”を妊娠初期に摂取し過ぎると、胎児の形成異常の原因となると言われています。ビタミンAを多く含む食べ物には、下記のようなものがあります。
- レバー
- うなぎ
- あなご
塩分を多く含む食べ物
妊娠中に塩分を過剰摂取すると、『妊娠高血圧症候群』という病気になることもあります。この病気を発症する確率は、妊婦さん20人に対し1人と言われており、妊娠中の食生活が原因で引き起こされます。
妊娠34週(妊娠9ヶ月)未満で引き起こした場合は重症化リスクが高く、胎児発育不全(赤ちゃんが育たない)・常位胎盤早期剥離(赤ちゃんに酸素が届かない)・胎児機能不全(赤ちゃんの状態悪化)となる可能性があります。酷い場合は胎児の命に関わることもあるので、食事には注意が必要なのです。
妊娠中に食べてはいけない食べもの
- 生肉(ローストビーフ・ユッケ・馬刺し・お刺身・パテなど)
- アルコール
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まとめ
この記事をまとめると
- 妊娠中でも昆布は食べられる海藻!
- ヨウ素が含まれているため、たくさん食べるのは控えた方が良いとされる!
- 少量であれば影響が出ることはない◎
昆布にはヨウ素が含まれているため、食べ過ぎは控えた方が良いとされています。しかし、少量であればすぐに影響が出る可能性は少ないので安心しましょう。
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