妊娠中の食事には食べても良いもの・控えた方が良いものがありますが、海藻の“めかぶ”は妊婦さんでも食べられるのでしょうか?めかぶが持つ栄養素や、危険性の有無について着目しました。それでは、
- めかぶは妊娠中でも食べられる?
- 妊娠中のヨウ素は大丈夫?危険?
- めかぶを使った料理には何がある?
これらのテーマについて紹介いたします。
スポンサードリンク
目次
|
|
めかぶってどんな食べ物?
英名 | Wakame |
別名・和名 | 若布 |
エネルギー(100gあたり) | 16kcal |
糖質量(100gあたり) | 2.0g |
“めかぶ”は、わかめの根元部分のことを指します。めかぶとワカメは同じ海藻なのです。ワカメは、海の中で成長する栄養豊富な海藻の一つで、海水の塩を吸収しながら成長するためミネラル類が豊富に含まれています。
生の状態では褐色をしていますが、加熱することでお馴染みの緑色に変化します。日本では岩手県・宮城県での生産が盛んで、その地域で収穫される「三陸ワカメ」が全体の9割を占めています。
スポンサードリンク
めかぶに含まれる主な6つの栄養素
海苔は海水の中で成長しますが、めかぶは海面すれすれで太陽光を浴びて成長するため、ビタミンやたんぱく質・ミネラルなどを含んでいます。
アルギニン酸やフコダインといったアミノ酸も含まれており、このアミノ酸が旨味成分なので美味しく感じるのです。
- アルギン酸:アルギン酸は、天然の食物繊維の一種で、海藻類に含まれる多糖類です。アルギン酸は、体内で吸収されると、高血圧の予防や高コレステロール血症の改善効果があります。また、腸内環境を整え胆石の予防効果もある栄養素です。
- フコイダン:フコイダンは、褐藻類に含まれる多糖類で、海藻の中でもぬめりがある成分です。このぬめりは、海藻が傷をついた時の怪我や身を守るための防御成分です。免疫力の向上や抗アレルギー作用、ウイルス・細菌の増殖予防と言った働きや胃粘膜の保護に向いている栄養素です。
- 不溶性食物繊維:不溶性食物繊維は、食物繊維の中でも水に溶けることが出来ないため腸内まで届きます。腸まで消化されないため、便として排出されるのが不要姓食物繊維です。腸管を適度に刺激をするため、蠕動運動が活発化し食べ物の吸収や消化を助ける働きがあります。善玉菌の栄養にもなるため腸内環境もよくなることが知られています。
- カリウム:カリウムは、細胞の水分量及び、体内の水分の排出に関わるミネラルで、細胞の中に主に存在しています。ナトリウムとセットで、体内の水分量を調整し、体内にある過剰な水分の排出を促進させます。むくみや冷え性と言った不調の改善効果があります。
- カルシウム:カルシウムは骨や歯の主成分のリン酸化カルシウムの材料でもあり、人間の体内の筋肉や臓器の収縮に関わるミネラルです。神経伝達の正常化にも大きな働きを持ち、体の酵素の働きをサポートします。血液凝固やホルモンの分泌等、多用な働きを持ちます。
- マグネシウム:マグネシウムは、健康な骨を作る上でビタミンDを活性型にする働きや、エネルギー代謝、たんぱく質の合成を担います。マグネシウムは、体内の酵素の要になる触媒や酵素反応を助ける働きを含めると300種類以上サポートしています。血圧の調整機能もあり、片頭痛や冷え性の改善にも効果があるとされています。
スポンサードリンク
めかぶは妊娠中でも食べられる?
めかぶは色々な栄養素が含まれている海藻で、妊娠中でも食べることができます◎ しかし、『妊娠中の食べ過ぎはあまり良くない』とされています。その理由は、めかぶに“ヨウ素”含まれているためです。ヨウ素が体内に短期間で大量に入った場合、このような影響が出ると言われています。
- 発熱
- 下痢
- 嘔吐
- 興奮
- 脱毛
しかし、市販されているめかぶ1パックで上記のような症状が出ることはないので安心しましょう◎ 妊娠中はできるだけ危険性のある食べ物を避けた方が良いため、たくさん食べるのは控えた方が無難です。
めかぶ料理には何がある?
妊娠中にたくさん食べるのは控えたいめかぶですが、どんな風に食べることができるのでしょうか?栄養満点のめかぶの使い方を、いくつかご紹介いたします。
海藻サラダ
めかぶを含む海藻は、ミネラルを始めとする様々な栄養が含まれています。お酢を使って、サッパリとしたサラダを作ってみましょう。
ねばねば丼
納豆やとろろ・オクラや納豆など、ねばねば系の食材をご飯の上にのせたネバネバ丼は、手軽で栄養価満点の一品です。とろろには妊娠中に摂りたい食物繊維や鉄分が含まれており、妊娠中になりやすい便秘解消や貧血予防に効果的です。
納豆には妊娠中に摂りたいタンパク質が多く含まれる!
スポンサードリンク
妊娠中に食べたい食材・控えたい食材・食べてはいけない食材60選まとめ
妊娠中にどの食材を食べればよいのか?どの食材を控えれば良いのか?というのは非常に気になるところです。代表的な60食材でまとめました。
妊娠中に積極的に摂りたい食材
妊娠中に積極的に摂りたい食材には、どんなものがあるのでしょうか?その食材が含む、妊娠中に摂りたい栄養素とあわせてチェックしてみましょう!
- 豚肉 …たんぱく質+ビタミンB群
- 鶏肉 …たんぱく質
- 牛肉 …たんぱく質+鉄+亜鉛
- 青魚 …DHA・EPA
- 鮭 …たんぱく質+ビタミンB6+ビタミンD
- ぶり …鉄
- かつお…鉄
- 白身魚…たんぱく質
- 貝類 …鉄+亜鉛
- 桜エビ…カルシウム
- 卵 …たんぱく質
- ブロッコリー…葉酸+カリウム
- 青菜 …葉酸+鉄+カリウム+カルシウム
- ヨーグルト …たんぱく質+カルシウム
- 納豆 …葉酸+ビタミンE
- 大豆(大豆製品) …たんぱく質+鉄+ビタミンE+カルシウム
- いちご …葉酸
- アボカド …ビタミンE+カリウム
- トウモロコシ …葉酸+ビタミンE
- グリーンアスパラガス …葉酸
- 枝豆 …葉酸
- そら豆 …葉酸
- トマト …カリウム
- もずく …ミネラル+食物繊維
- きのこ …食物繊維+ビタミンD
- 切り干し大根 …食物繊維
- もち麦 …食物繊維
妊娠前から必要と言われている葉酸やビタミン類、妊娠中に不足しがちな食物繊維やカルシウムなどのミネラル類を補える食材には、上記のようなものがあります。
これらの食材を妊娠中の食事にバランス良く加えることで、ママの体や胎児の発育に良い効果をもたらします。妊娠中は食べ物の嗜好が変化することもありますが、できる範囲で色々な食材を食べるようにしましょう!
スポンサードリンク
妊娠中に少量に控えたい食材
妊娠中の食事は栄養素のバランスが大切ですが、中には控えておくべき食べ物がいくつかあります。食中毒リスクや、食べると胎盤を通じて胎児に届き、成長に悪影響を及ぼすものなど様々です。妊娠中に控えたい食材について、確認していきましょう。
食中毒や感染症のリスクのあるもの
- お刺身
- 生卵
- ローストビーフ
- 生ハム
- ナチュラルチーズ
- 肉・魚のパテ
メチル水銀を含むもの
- 金目鯛:1回80gを週に1度まで
- メカジキ :1回80gを週に1度まで
- メバチマグロ:1回80gを週に1度まで
- 本マグロ:1回80gを週に1度まで
- エッチュウバイ貝:1回80gを週に1度まで
- くじら:1回80gを週に1度まで
- きだい:1回80gを週に2度まで
- インドマグロ:1回80gを週に2度まで
- マカジキ:1回80gを週に2度まで
- くろむつ:1回80gを週に2度まで
ヨウ素・ヒ素を含む食べ物
- 昆布 :1日1回少量
- ひじき:小鉢2杯程度を週に2度まで
カフェインを含む飲み物
カフェインを含む主な飲み物と、100mlあたりのカフェイン量は下記となります。
- コーヒー …約60mg
- 紅茶 …約30mg
- 緑茶 …約20mg
- ほうじ茶 …約20mg
- ウーロン茶 …約20mg
- ココア …約10mg
糖分を多く含むお菓子やジュース
糖分を多く含むお菓子や、甘いジュースなども妊娠中には控えたい食べ物です。甘いものを過剰摂取することで、妊娠前は糖尿病を持っていなくても妊娠期間中に糖尿病を発症することがあり、『妊娠糖尿病』と呼ばれています。
より多くの栄養を胎児に与えようとする体の自然な働きと考えられていますが、妊娠糖尿病になると胎児に合併症が出る危険性があります。
ビタミンAを多く含む食べ物(妊娠初期)
“動物性ビタミンA”を妊娠初期に摂取し過ぎると、胎児の形成異常の原因となると言われています。ビタミンAを多く含む食べ物には、下記のようなものがあります。
- レバー
- うなぎ
- あなご
塩分を多く含む食べ物
妊娠中に塩分を過剰摂取すると、『妊娠高血圧症候群』という病気になることもあります。この病気を発症する確率は、妊婦さん20人に対し1人と言われており、妊娠中の食生活が原因で引き起こされます。
妊娠34週(妊娠9ヶ月)未満で引き起こした場合は重症化リスクが高く、胎児発育不全(赤ちゃんが育たない)・常位胎盤早期剥離(赤ちゃんに酸素が届かない)・胎児機能不全(赤ちゃんの状態悪化)となる可能性があります。酷い場合は胎児の命に関わることもあるので、食事には注意が必要なのです。
妊娠中に食べてはいけない食べもの
- 生肉(ローストビーフ・ユッケ・馬刺し・お刺身・パテなど)
- アルコール
スポンサードリンク
まとめ
この記事をまとめると
- 妊娠中でもめかぶは食べられる海藻!
- ヨウ素が含まれているため、たくさん食べるのは控えた方が良いとされる!
- 少量であれば影響が出ることはない◎
めかぶはヨウ素が含まれているため、食べ過ぎは控えた方が良いとされています。少量であればすぐに影響が出る可能性は少ないので安心しましょう。
スポンサードリンク