天王寺カブ(天カブ)の特徴・旬の時期まとめ|なにわの伝統野菜と言われる丸いカブ

関西地方にお住まいの方は、大阪市南部の開発エリアでもある天王寺をご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。ご存じない方でも、日本一高いビルとして知られる「あべのハルカス」がある場所として認知されているかもしれません。

天王寺エリアには古くから人気の天王寺動物園や串かつで有名な新世界エリアも近いため、大阪のシンボルともいえる通天閣も眺める事ができます。今回は、そんな天王寺の名がつく天王寺かぶについて詳しくみていきます。

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天王寺かぶ(天かぶ)ってどんなかぶ? 

 読み方 てんのうじかぶ(てんかぶ)
 旬の時期 11月頃~1月頃
 主な生産地 大阪府大阪市、堺市、河南町、千早赤阪村など
 種類 丸みが扁平

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読み方

てんのうじ(天王寺)かぶと読みます。また、てん(天)かぶと読みます。主に関西地域で栽培されているものを天王寺かぶと呼び、同じ品種でも関東地域で栽培されているものを天かぶと呼んでいます。天王寺とは大阪市天王寺区南部から阿倍野区北部を指す繁華街の地名で、天王寺付近が発祥とされているため名前に付いています。

特徴(サイズ、味、形状など)

天王寺かぶは大カブの1つで、直径は約10cmもあり大きいです。また、丸みのある部分がやや平たくなっているのも特徴的です。葉は、切れ込みのある葉と丸葉の2つの系統があり柔らかくて風味が良いです。また茎の部分は肉質なのにほんのりと甘みがあり、生食の場合はぬるぬるとした食感です。

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天王寺かぶ(天かぶ)の旬の時期と主な生産地

ここからは天王寺かぶ(天かぶ)の旬や生産地を見ていきます。江戸時代から栽培されている天王寺かぶは、なにわの伝統野菜の1つとしても認定されており、与謝蕪村や正岡子規の俳句でも詠まれているほど古くから親しまれてきました。また天王寺カブは長野県を代表する野菜の1つ「野沢菜」や福岡県を代表する「博多据りかぶ」などのルーツとも言われています。

旬の時期はいつ?

11月頃~1月頃までとされています。天王寺かぶは冬場になると多く出回るといえるでしょう。一時、発祥とされる天王寺付近で天王寺かぶの栽培は見かけられなくなっていて名前だけが知られている状態になっていましたが、周辺の商店や農家では絶えることなく栽培されていたため、再び大阪を代表する野菜として注目され始めました。

主な生産地はどこ?

大阪府大阪市、堺市、河南町、千早赤阪村などの大阪を中心とした関西エリアと、埼玉県、千葉県などの関東エリアで生産されています。同じ品種の天王寺かぶが栽培されていますが、一般的に関西エリアでは天王寺かぶと呼ばれ、関東エリアでは天かぶと呼ばれています。現在では、大阪産ブランド強化の動きもあり、大阪市内でも多く栽培されるようになっています。

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天王寺かぶ(天かぶ)の価格相場ってどのくらい?

大阪を代表するカブなだけにカブ価が気になりますよね。手に入れるのなら「栄養価が高くカブ価は安く」がありがたいですが、実際はどうなのでしょうか?ここからは、天王寺かぶの価格について詳しく見ていきますよ。

スーパーだと

1個あたり350円前後~で購入できそうです。ブランドかぶな事もありなかなか一般的なスーパーで頻繁に見かけられる機会は少ないと言えそうです。近年人気のある道の駅や農家さん直売所、野菜マルシェや大阪アンテナショップなどで購入できそうです。

ネット通販だと

大きいサイズや傷の無いものを購入することが出来るため、1個1kg程度の大きさで1000円程度~で購入できるでしょう。また家庭菜園用の種も多く販売されていて、種の場合は250円~購入可能です。また無農薬栽培や有機栽培で育った天王寺カブの場合は、もう少し高価になります。

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かぶの主な栄養成分と期待できる6つの効果

根の部分だけではなく、葉も美味しく食べることができるかぶ。ただ後で調理しようと置いておいたら葉っぱがしなびてしまって使い物にならない、なんて勿体ないことにならいないようにきちんと保存しておきたいですよね。
かぶを美味しく食べられる保存方法と冷蔵・冷凍・常温の3種類の目安期間をお伝えしていきます。

かぶの主な栄養成分表(100g当たり)

エネルギー 20kcal
水分 93.9g
たんぱく質 0.7g
炭水化物 4.6g
灰分 0.6g
ナトリウム 5mg
カリウム 280mg
カルシウム 24mg
リン 28mg
0.3mg
亜鉛 0.1mg
ビタミンB1 0.03mg
ビタミンB2 0.03mg
ビタミンC 19mg
食物繊維総量 1.5g

食品成分表(可食部 100gあたり)

かぶの主な栄養素:根部分

  • ビタミンC:抗酸化作用があり、ビタミンEと協力して有害な活性酸素から体を守る働きがあります。また、コラーゲンの合成には必須で、鉄分やカルシウムなどのミネラル吸収を高める効果もあります。水溶性のため、汁物にすると効率よく摂ることができます。
  • 分解酵素アミラーゼ(ジアスターゼ):体が栄養を十分に吸収するために食べた物を消化する働きをする消化酵素の1つです。特に、炭水化物の1つであるデンプンの消化を行う働きをします。
  • イソチオシアネート:口にした時に感じる辛みのもとで、消化機能を高める働きがあります。殺菌作用があるので、発がん物質の毒性を解毒して排出するとも言われています。免疫力を高める効果もあります。

かぶの主な栄養素:葉

  • β-カロテン人間の体の酸化を防ぐ抗酸化作用が強く、免疫力を高めます。またビタミンAが足りない時には変換されることでビタミンAの働きも担います
  • カリウムナトリウムとともに、神経刺激の伝達や心臓機能や筋肉機能の調節、酵素反応の調節などの働きをします。必須ミネラルの1つで、体内にある余分な塩分を体外に排出する効果があります。
  • カルシウム:骨や歯などを作るだけでなく、筋肉収縮のコントロールや神経興奮の抑制、血液凝固作用の促進効果があります。
  • ビタミンB1ブドウ糖をエネルギーに変換する際に、必要な栄養素で疲労回復効果が高いです。
  • 葉酸「造血のビタミン」とも呼ばれ、ビタミンB12とともに血液の赤血球生産を助けたり、細胞の生まれ変わりに関わる働きがあります。特に胎児・乳幼児期・成長期の子どもの発育に必要不可欠な成分であるとされています。
  • 人間の血液を運ぶ赤血球に含まれるヘモグロビンの材料として使用されます。加えて、体内に存在する酵素の材料にもなりエネルギー代謝や肝臓での解毒の働きに関わっているミネラルです。
  • ビタミンE強い抗酸化作用、加えてコレステロールの酸化を防ぎ血流を良くする働きを持っています。また、毛細血管の収縮を抑制することで、細くなった血管が広がることで血流の悪化による体の不調改善効果もあります。

 カブを食べて期待できる6つの効果・効能

実際にかぶを食べるとどのような効果が期待できるのでしょうか。代表的なものをまとめてみました。

  1. 高血圧の予防
  2. 便秘の予防・改善
  3. 老化の抑制
  4. 貧血の予防・改善
  5. 骨粗鬆症予防
  6. 抗がん作用

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かぶの保存方法|冷蔵・冷凍・常温の保存期間の目安

根の部分だけではなく、葉も美味しく食べることができるかぶ。ただ後で調理しようと置いておいたら葉っぱがしなびてしまって使い物にならない、なんて勿体ないことにならいないようにきちんと保存しておきたいですよね。

かぶは腐るとどうなる?どこまで食べられる?

かぶを見極める上で大切なポイントはコチラです。腐っているのかセーフなのか、臭いや見た目・感触などをよくチェックしてみてくださいね。

このかぶ腐ってる?見分け方

食べても大丈夫な状態

  1. 触感:多少柔らかくなっている程度であればOK
  2. 見た目:少しだけ萎んでいる程度ならOK

腐っているので食べるとダメな状態

  1. 臭いで判断:腐った臭いがする
  2. 見た目で判断:茶色・黒・青色に変色している
  3. 感触で判断:ぶよぶよして柔らかくなっている

カブの保存期間の目安を解説

かぶを美味しく食べられる保存方法と冷蔵・冷凍・常温の3種類の目安期間をお伝えしていきます。

  • 冷蔵での保存期間の目安:根は1週間、葉は2〜3日間
  • 冷凍での保存方法の目安:1ヶ月
  • 常温での保存方法の目安:1ヶ月

もちろん保存期間は、あくまでも目安になるのでできるだけ早く食べると美味しいです。上手に保存して根の部分も葉の部分も美味しくいただきましょう。

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おすすめの食べ方

きめ細かい肉質とほんのり甘みのある天王寺かぶは、お漬物や煮物・炒め物など幅広い調理法で美味しく頂けます。特に煮物には向いており、柔らかいかぶは長時間煮ると煮崩れが気になりますが、天王寺カブの場合は身がしっかり詰まっていることから柔らかく仕上がるのに煮崩れしにくいですよ。食い倒れの町・大阪を代表する天王寺かぶを食べて、ぜひ貴方も食い倒れてくださいね。

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まとめ

以上、天王寺かぶ(天かぶ)について詳しく見てきました。天王寺かぶは扁平形をした大きなかぶで、大阪市内の天王寺付近が発祥でした。現在では全国的に栽培されており、東日本では天かぶと呼ばれ親しまれています。関西を中心に西日本では天王寺カブと呼ばれ、大阪産の野菜を代表するブランドかぶでもありました。また、野沢菜や博多据りかぶのルーツとも言われていて、江戸時代頃から盛んに栽培されてきた歴史があります。試したことのない方は是非一度ご賞味くださいね。

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