6月に旬を迎える梅は、「梅仕事」をする上で欠かせないものです。梅仕事にはいろいろな種類がありますが、中でも梅シロップを漬けたことはありますか?
完成した梅シロップは、飲み物や料理、スイーツにもアレンジできる優れものですが、梅シロップができあがるまでの過程で梅が茶色に変色することがあるります。経験はないでしょうか?
私は梅酒を漬けた時にこの経験をしたことがあります。漬ける前は青かったのに!と思ったのですが、一体この現象はなんなのでしょうか?
今回は、梅シロップの梅が茶色く変色する原因について詳しくご紹介します。
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目次
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梅シロップの作り方
引用:梅のある生活
容器の殺菌・乾燥が終わったら、いざ梅の準備です!
1.梅を洗ってあく抜きする
まず流水で梅を洗います。ゴシゴシ擦らず丁寧に洗いましょう。表面の汚れが取れたら、たっぷりめの水に1〜2時間程度漬けてアク抜きをします。
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2.水気をしっかりとる
アク抜きができたら水気をしっかりと拭き取ります。キッチンペーパーや柔らかい布でよく拭き取ってください。容器同様、水気を残さないことが重要ポイントです。
3.青梅のヘタをとる
梅にはヘタが付いていますので、串や爪楊枝を使って一つ一つ取っていきましょう。ヘタはえぐみの原因となりますので、残さないことが大切です。ポロポロと取っていく作業は気持ち良いですよ。
4.容器に梅と砂糖を入れる
梅の下準備が終わったら、いよいよ容器に入れていきます。ここでポイントなのが、梅と砂糖を交互に入れることです。
容器の一番したに梅を並べ、敷き詰めたら砂糖を入れます。これを満タンになるまで繰り返してください。
5.冷暗所で1週間保存
飲み頃まで冷暗所で1週間ほど寝かせてください。
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6.弱火で煮てアクがとれたら完成!
アク抜きしても漬けている間にアクが出てきますので、鍋に移して弱火で15分程煮立たせます。出てきたアクを取れば完成です!
茶色く変色した梅は腐っている?
新鮮な青梅を漬けたはずが茶色くなっている、数日前までは青かったのに…という経験をされた方もいるかもしれません。
腐ってしまったのか?梅が傷んでいるのか?自分で漬けるとなぜだか梅に対して愛着が湧きますので不安になりますよね。茶色くなった梅は大丈夫なのでしょうか?
腐っていないので大丈夫
梅が茶色く変色しても心配はいりません。腐っているわけではないんです。早ければ漬けた翌日から梅の色が変わっていきます。
もし腐っていないかどうか心配な方は、匂いと青カビ・黒カビが生えていないかチェックしてみてください。どちらかのカビが生えていたらそれは腐敗してしまっている証拠ですが、それが無ければ問題ありません。
時々白カビのようなものが生えることがありますが、これは元々梅が持っている「天然酵母」によるものです。発酵している状態で、白いものは食べても害はありません。
そんな時はシロップだけを弱火にかけ、浮いている白いものを取り除いてから再び容器に戻せば問題ないですよ。
梅シロップは冷暗所で保存するのが良いのですが、できるだけ腐敗しないように冷蔵庫に入れておくのがベストです。
梅シロップができていく経過の色
梅シロップ作りの過程では、ほとんどと言っていいほど茶色く変色するものです。青梅と完熟梅、どちらかを使って漬けますが、青梅を使った場合最初の色は青々とした緑色です。
それを漬けていくと、緑色→黄緑色→黄色→茶色と大きく分けて4段階で変色していきます。毎日容器を覗くようにしていると、この変化に気付きますよ。茶色くなっているのは変色の最終段階なのです。
茶色くなった梅からは、ほぼエキスが出きったと考えられます。もしも梅がしわしわと萎んでいればエキスが出ていった証拠です。
砂糖と合わさることで梅から水分が出ていくので、水気が抜けて萎んでいる状態です。なので茶色く変色していても過度に心配しなくても大丈夫なのです。
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梅が茶色く変色する原因
梅の変色は、作成過程での通り道ということはわかりましたが、そもそもの原因は何にあるのでしょうか?それには2つの理由が考えられます。
梅が熟した
まず一つ目は、青梅だった梅が「熟してきた」ということが挙げられます。時間が経ったため実が熟してきたということもあるのですが、シロップ漬け真っ最中の熟しには「ガス」が関係しているのです。
梅からは果物を成熟されるエチレンガスというものが出ています。梅以外の果物や野菜もこのエチレンガスを持っているものがあるのですが、植物ホルモンの一種で果物が自分自身を熟すために出しているガスです。
梅から出たエチレンガスは、密閉された容器の中に高濃度で充満します。充満することによって成熟が促され、梅が熟し変色するのです。
梅ははじめはこのような緑色をしていますが、
成熟が始まるとオレンジ色味がかった黄色になり、
最終的に茶色くなる、というわけです。
梅と砂糖の化学反応
2つ目の原因として、「梅と砂糖が化学反応を起こした」ことが考えられます。梅の実からエキスが出て、梅が十分にシロップに漬かっている状態で茶色くなった時にこの理由が当てはまります。
この時茶色くなるのは「ヒドロキシメチルフルフラール」という成分によるものなのですが、これには梅が持つ「クエン酸などの有機酸とポリフェノール」と、砂糖が持つ「糖分」が合体することで誕生します。
梅の実だけでなくシロップも茶色くなっている場合も、このヒドロキシメチルフルフラールが作用した結果です。
ちなみに、梅シロップを作る時にお酢を入れる作り方もあるのですが、お酢と梅が触れることによって茶色く変色する場合もあります。変色にはいくつかの理由があるのですね。
まとめ
梅シロップの梅の変色についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?変色したことで心配になってしまうかもしれませんが、作る過程でほとんどのシロップが変色するものですので安心してください。
梅からエキスが出てシロップができてきている証拠ですので、そのまま様子を見てみましょう。自家製で作った梅シロップには特別感を感じるものです。冷蔵庫で保管すれば1年ほど持ちますので、ぜひ自分のオリジナル梅シロップに挑戦してみてくださいね。
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