ニンジンの西洋種と東洋種の違いとは?栽培期間・育てやすさ・栄養成分で比較

みなさんは、にんじんに種類があることを知っていますか?何種類のにんじんを食べたことがありますか?にんじんって一種類じゃないの?と思ったかもしれませんが、にんじんにはいくつか種類があります。

私はこれまで一般的なオレンジ色の、みなさんが一番よく知っているにんじんしか知らなかったのですが、海外旅行でヨーロッパに行った際、地域のスーパーで色々な種類のにんじんを見てびっくりした経験があります。

にんじんはヨーロッパに伝わった「西洋種」と、アジアに伝わった「東洋種」に分類されるのですが、今回はこの2つのにんじんの種類についてご紹介します。

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にんじんの西洋種とは

「西洋種」、その名の通り西洋であるヨーロッパで流通したにんじんの種類です。ヨーロッパに行かずとも、みなさんも一度は西洋種のにんじんを見たことがあるはずです。

というのも、日本で一番手に入りやすいオレンジ色のお馴染みのにんじん、カレーやサラダに使っているいつものにんじんは、西洋種の一つです。

日本で西洋種が好まれる理由

なぜ日本で食べているものが西洋種なのか?西洋種にんじんは、日本では17世紀に中国から伝わったと言われています。

元を辿れば、にんじんの原産地はアフガニスタン周辺とされています。そこから東西2つのルートに分かれて、日本に2系統のにんじんが渡来することになりました。

先にやって来たのが東洋種にんじん、後に西洋種にんじんです。西洋種は12~13世紀にヨーロッパに伝わり、江戸時代末期に直接長崎へ渡ってきたものと、ヨーロッパからアメリカ経由で19世紀に渡ってきた2パターンがあります。

私たちが普段食べているのは「五寸ニンジン」

現在日本で流通しているオレンジ色の西洋にんじんにもいくつかの種類があり、私たちが普段食べているにんじんは「五寸にんじん」と言います。その名の通り五寸(約15cm)サイズのにんじんです。では、東洋種とはどのようなものなのでしょうか? 

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にんじんの東洋種とは

13世紀に中国に広まり16世紀末から17世紀に日本に伝わった東ルートの東洋種です。色は赤、白、黄、紫など多彩で細長いことが特徴でした。

西洋種に比べて栽培しにくい東洋種

西洋種が一般的となった後は、赤い色の金時にんじんなど、一部のにんじんしか東洋種は残っていません。西洋種に比べ栽培しにくいことがネックになったことが原因と言われています。

東洋種にんじんは細くて長いシルエットが特徴です。お正月の時期に金時にんじんを見たことはありませんか?色は西洋種よりも濃く紅色をしていて、スーッと細長いにんじんです。

香川や京都で生産されている金時にんじんですが、現在は京にんじんとも呼ばれ、京料理ではよく使われています。

 金時にんじんはお正月の時期にしか出回らないことも多く、入手が難しいにんじんではありますが、通販で購入できるサイトもありますので気になった方は調べてみてください。

 他に、沖縄県の伝統野菜の一つで黄色い「島にんじん」「チデークニー」と呼ばれるにんじんや、アフガニスタン原産の「黒にんじんも東洋種にんじんに含まれています。

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西洋種と東洋種の違い

①栽培期間が違う

西洋種と東洋種には様々な違いがあります。まず栽培期間とその手間の違いです。東洋種である金時にんじんは、寒い環境を好みます。

そして生育期間が東洋種は西洋種に比べて1.5倍も長く、お正月料理に使われる年末の出荷を目指すには8月に種をまかなければなりません。西洋種は9月に入ってからの種まきでも十分に間に合います。

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②育てにくい

 東洋種は細く長いことが特徴ですが、栽培中は地中に向かってぐんぐんと伸びていきます。にんじんが伸びやすくなるよう、土を柔らかく深くまで耕す必要もあります。土が硬いと伸びづらく、まっすぐとした綺麗な形にならないのです。

また、西洋種と比べ水やりもこまめにする必要があるのですが、水をあげすりぐと割れてしまい育たなくなるといった特徴もあります。

上記のような理由があり、東洋種よりも西洋種の方が生産しやすく、現在の日本では西洋種が一般的なにんじんとして流通するようになったのです。 

③栄養成分が違う

栽培方法だけではなく、成分にも大きな違いがあります。一般的な西洋種にんじんはβカロテンが豊富に含まれており、健康や美容、病気予防としても栄養満点のにんじんです。

これに対し東洋種である金時にんじんはリコピンが豊富に含まれています。濃い紅色をしているのはリコピンの色なのです。同じにんじんでも主な栄養素が異なるのですね。

まとめ

にんじんの西洋種・東洋種についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。私たちが一般的によく食べているにんじんは西洋種ですが、東洋種が多く流通しない理由はその生育期間と手間の多さにありました。

かつて東洋種の方が先に日本へやってきた経緯など、にんじんにも歴史があることがわかりました。にんじんを食べる時、このお話をちょこっと思い出してみてください。いつものにんじんが少し特別なものに見えるかもしれません。

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