王滝カブの特徴・旬の時期まとめ|信州伝統野菜!王滝村で育てられる赤い色付きカブ

気軽に運動として始められることや、自然のパワーを感じられるなどじわじわと人気が高まる登山。一昔前までは山岳部などの経験者がほとんどでしたが、近年では「山ガール」などの言葉が登場したように老若男女に人気があります。

そんな登山好きの方・登山に馴染みがない方でも、御嶽山(おんたけさん)は富士山に次ぐ標高を誇ることからご存知の方が多いのではないでしょうか。2014年には噴火したこともある活火山で、眺望の良さだけでなく美しい滝があることでも有名です。今回は自然豊かな御嶽山の麓にあり、おんたけスキー場があることでも知られる王滝村の特産物・王滝かぶについて詳しくみていきますよ。

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王滝かぶってどんなかぶ? 

読み方 おうたきかぶ
旬の時期 10月中旬~11月中旬
主な生産地 長野県木曽郡王滝村
種類 赤カブ

読み方

王滝(おうたき)かぶと読みます。王滝とは長野県王滝村の地名を指します。

王滝村内に残る約300年前の古文書によると、尾張藩への年貢として王滝かぶが出されていた記録があります。また、元禄時代には俳諧師・松尾芭蕉の開いた連句会においても「木曽の酢茎(すんき)に春もくれつつ」と連句が詠まれており、この酢茎が現在の王滝かぶの原型ではないかと考えられています。

王滝かぶの歴史は古く、現在でも信州の伝統野菜として知られています。

特徴(サイズ、味、形状など)

王滝かぶは、表皮が赤紫色をした赤カブの1種で、葉は太めで根が長円形・偏円形などをしています。様々な形状でも肉質は緻密で柔らかいのが特徴です。葉質が硬く小葉がよくつき、あまり高く伸びないことからも葉の部分も「すんき漬け」として食べられています。王滝かぶの遺伝的には、山形県の温海かぶと近縁とも言われています。

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王滝かぶの旬の時期と主な生産地 

ここからは王滝かぶの旬の時期と主な生産地について詳しく見ていきます。王滝かぶは、長野県が認めた信州の伝統野菜の1つです。特に長野県の木曽地方だけで作られてきた、王滝かぶを使った「すんき漬け」という独自の食文化は、長野県の味の文化財としても認定されており注目されています。

旬の時期はいつ?

王滝かぶの旬は10月中旬~11月中旬です。

木曽地方で栽培されている赤カブには王滝かぶをはじめ、開田(かいだ)かぶ・細島(ほそじま)かぶ・吉野(よしの)かぶ・三岳黒瀬(みたけくろせ)かぶ・芦島(あしじま)かぶの6種類とされています。それぞれが古くから木曽川の上流に沿う村で受け継がれてきており、伝統野菜となっています。

主な生産地はどこ?

王滝かぶは、長野県の木曽地方にある高冷地の王滝村で主に栽培されています。王滝村は、御嶽山のふもとに位置する村で、西側は岐阜県と接しています。

王滝村はかつては林業が盛んなことで知られ、伊勢神宮の建築材に使用されるほどの高級材木の伐採がされていました。現在でもおんたけスキー場(現・おんたけ2240)があることや、薬草のキハダを主成分とした「御嶽百草丸」という胃腸薬の製造などでも有名です。

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王滝かぶの価格相場ってどのくらい? 

ここからは、王滝かぶのカブ価について詳しく見ていきます。王滝かぶは主に王滝村で栽培されており、生産量は少なく限定的です。栽培されたほとんどが地元で消費されており、お漬物用として工場などに出荷されています。旬の時期に地元の直売所などで並ぶ程度なので、全国的に流通されていません。

スーパーだと

王滝かぶは栽培地域が限定的で、生産量が少ないため全国的にスーパーで購入することは困難でしょう。また王滝かぶを使って加工されるお漬物も、生産量がわずかなことから全国的には販売されていないようです。

そのため生産地の王滝村周辺の道の駅・農家さん直売所・ファーマーズショップなどで、収穫シーズンになると販売されている場合があるので、是非一度王滝村へ行ってみてくださいね。

ネット通販だと

王滝かぶの大手ネット販売はされていませんが、JA木曽王滝や木曽の名産を取り扱う地元のファーマーズショップのオンライン購入は可能です。近年では地元で、木曽赤かぶまつりと言った6種類の木曽を代表する赤カブの販売やお漬物販売がされる企画もあるようです。

王滝かぶの殆どが、赤カブ漬け・すんき漬けにされて販売されています。そのため、加工前の王滝かぶの購入を希望する場合は現地へ出向くことが必要と言えます。

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かぶの主な栄養成分と期待できる6つの効果

根の部分だけではなく、葉も美味しく食べることができるかぶ。ただ後で調理しようと置いておいたら葉っぱがしなびてしまって使い物にならない、なんて勿体ないことにならいないようにきちんと保存しておきたいですよね。
かぶを美味しく食べられる保存方法と冷蔵・冷凍・常温の3種類の目安期間をお伝えしていきます。

かぶの主な栄養成分表(100g当たり)

エネルギー 20kcal
水分 93.9g
たんぱく質 0.7g
炭水化物 4.6g
灰分 0.6g
ナトリウム 5mg
カリウム 280mg
カルシウム 24mg
リン 28mg
0.3mg
亜鉛 0.1mg
ビタミンB1 0.03mg
ビタミンB2 0.03mg
ビタミンC 19mg
食物繊維総量 1.5g

食品成分表(可食部 100gあたり)

かぶの主な栄養素:根部分

  • ビタミンC:抗酸化作用があり、ビタミンEと協力して有害な活性酸素から体を守る働きがあります。また、コラーゲンの合成には必須で、鉄分やカルシウムなどのミネラル吸収を高める効果もあります。水溶性のため、汁物にすると効率よく摂ることができます。
  • 分解酵素アミラーゼ(ジアスターゼ):体が栄養を十分に吸収するために食べた物を消化する働きをする消化酵素の1つです。特に、炭水化物の1つであるデンプンの消化を行う働きをします。
  • イソチオシアネート:口にした時に感じる辛みのもとで、消化機能を高める働きがあります。殺菌作用があるので、発がん物質の毒性を解毒して排出するとも言われています。免疫力を高める効果もあります。

かぶの主な栄養素:葉

  • β-カロテン人間の体の酸化を防ぐ抗酸化作用が強く、免疫力を高めます。またビタミンAが足りない時には変換されることでビタミンAの働きも担います
  • カリウムナトリウムとともに、神経刺激の伝達や心臓機能や筋肉機能の調節、酵素反応の調節などの働きをします。必須ミネラルの1つで、体内にある余分な塩分を体外に排出する効果があります。
  • カルシウム:骨や歯などを作るだけでなく、筋肉収縮のコントロールや神経興奮の抑制、血液凝固作用の促進効果があります。
  • ビタミンB1ブドウ糖をエネルギーに変換する際に、必要な栄養素で疲労回復効果が高いです。
  • 葉酸「造血のビタミン」とも呼ばれ、ビタミンB12とともに血液の赤血球生産を助けたり、細胞の生まれ変わりに関わる働きがあります。特に胎児・乳幼児期・成長期の子どもの発育に必要不可欠な成分であるとされています。
  • 人間の血液を運ぶ赤血球に含まれるヘモグロビンの材料として使用されます。加えて、体内に存在する酵素の材料にもなりエネルギー代謝や肝臓での解毒の働きに関わっているミネラルです。
  • ビタミンE強い抗酸化作用、加えてコレステロールの酸化を防ぎ血流を良くする働きを持っています。また、毛細血管の収縮を抑制することで、細くなった血管が広がることで血流の悪化による体の不調改善効果もあります。

 カブを食べて期待できる6つの効果・効能

実際にかぶを食べるとどのような効果が期待できるのでしょうか。代表的なものをまとめてみました。

  1. 高血圧の予防
  2. 便秘の予防・改善
  3. 老化の抑制
  4. 貧血の予防・改善
  5. 骨粗鬆症予防
  6. 抗がん作用

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かぶの保存方法|冷蔵・冷凍・常温の保存期間の目安

根の部分だけではなく、葉も美味しく食べることができるかぶ。ただ後で調理しようと置いておいたら葉っぱがしなびてしまって使い物にならない、なんて勿体ないことにならいないようにきちんと保存しておきたいですよね。

かぶは腐るとどうなる?どこまで食べられる?

かぶを見極める上で大切なポイントはコチラです。腐っているのかセーフなのか、臭いや見た目・感触などをよくチェックしてみてくださいね。

このかぶ腐ってる?見分け方

食べても大丈夫な状態

  1. 触感:多少柔らかくなっている程度であればOK
  2. 見た目:少しだけ萎んでいる程度ならOK

腐っているので食べるとダメな状態

  1. 臭いで判断:腐った臭いがする
  2. 見た目で判断:茶色・黒・青色に変色している
  3. 感触で判断:ぶよぶよして柔らかくなっている

カブの保存期間の目安を解説

かぶを美味しく食べられる保存方法と冷蔵・冷凍・常温の3種類の目安期間をお伝えしていきます。

  • 冷蔵での保存期間の目安:根は1週間、葉は2〜3日間
  • 冷凍での保存方法の目安:1ヶ月
  • 常温での保存方法の目安:1ヶ月

もちろん保存期間は、あくまでも目安になるのでできるだけ早く食べると美味しいです。上手に保存して根の部分も葉の部分も美味しくいただきましょう。

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おすすめの食べ方

王滝かぶは、赤紫色の根部分を使った「赤カブ漬け」茎・葉・葉の付け根部分だけを使用し塩などの調味料を一切使わず様々な植物性乳酸菌によって発酵させる、日本だけでなく世界的にも極めて珍しい「すんき漬け」として食べられています。

古くから伝統食として地元で食べられてきた「すんき漬け」は、山間の木曽地方では塩が大変貴重だったため、厳しい冬を越すための無塩・乳酸発酵させた保存食とされていました。長野県選択無形民俗文化財の「味の文化財」国際スローフード協会の「味の箱舟」に日本発では15品目として認定もされているほどです。

またこの「すんき漬け」には古くから健康維持に効果があると言われ、最近の研究では「すんき」にはヨーグルトに匹敵するほどの乳酸菌があると報告されています。

更にはアトピー性皮膚炎・気管支喘息・花粉症・食物アレルギーなどが含まれる「Ⅰ型アレルギー」を引き起こす原因とされている「IgE抗体」の増加を抑制し、アレルギー性下痢症の予防や整腸作用などの効果が報告されています。

そのため、すんきに含まれる乳酸菌による免疫調整機能や疾病予防作用への注目がされており、最近では地元以外の方にも広く知られるようになりました。独特の酸味があるすんきは、そのまま食べる事もできますが木曽地方では味噌汁に具として入れた「すんき汁」としてや温そばに乗せた「すんきそば」として食べられています。

健康維持機能も高く、自然由来の乳酸菌が多く含まれた美味しい王滝かぶのお漬物を、是非一度疲れがちな冬の食事に取り入れてみてくださいね。

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まとめ

ここまで、王滝かぶについて詳しく見ていきました。王滝かぶは、長野県木曽地方にある御嶽山ふもとに位置する高冷地の王滝村で古くから栽培されており10月中旬~11月中旬に旬を迎える赤カブで、根は様々な形状をしていますが肉質は緻密で柔らかいのが特徴です。

信州の伝統野菜の1つで、特に王滝かぶの茎・葉・葉の付け根部分だけを使用し塩などの調味料を一切使わず様々な植物性乳酸菌によって発酵させる「すんき漬け」は、木曽地方の冬の保存食として古くから食べられてきています。

すんきに含まれる乳酸菌には、アトピー性皮膚炎・気管支喘息・花粉症・食物アレルギーなどのⅠ型アレルギーの原因となるIgE抗体の増加を抑制効果が報告されており、アレルギー性下痢症の予防や整腸作用などの効果も期待出来ます。

独特の酸味が美味しく健康食としても注目されるすんき漬けは、長野県選択無形民俗文化財の「味の文化財」国際スローフード協会の「味の箱舟」に日本発では15品目として認定もされています。

生産量が少ないことから全国的に流通することはなく希少なので、木曽地方へ出向かれるかJA木曽王滝や木曽の名産を取り扱う地元のファーマーズショップへお問い合わせされるのがベターです。

美味しく体に優しい王滝かぶの「すんき漬け」を温そばと一緒に・お味噌汁に入れて、是非一度食べてみてくださいね。

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