ムシムシと湿度の高い季節になると、同時に食欲も落ち込みがちですよね。そんなときは、シャッキリとした食感が魅力である瓜の粕漬けがおすすめです。瓜の持つ苦味と粕漬けの深い味わいは減退した食欲を呼び起こしてくれます。
- 瓜の粕漬けってどんな食べ物?
- 瓜の粕漬けの塩抜き方法を解説
- 瓜の粕漬けはどうやって作られる?
今回は、こちらについて詳しく解説していきます。
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目次
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瓜の粕漬けとは?
まずは、瓜の粕漬けについて詳しく見ていきましょう。
どんな食べ物?
瓜の粕漬けとは、文字通り野菜の瓜を塩抜きしたあと、粕漬けとして加工したものを指します。
瓜は、もともとはインドから北アフリカ周辺を原産地とし、日本においては縄文時代には既に栽培されていたという長い歴史を持つ果菜類です。
粕漬ってなに?
粕漬けとは、酒を作る工程で出る絞りカスである「酒粕」に野菜や魚を漬け込んで作る保存食のことです。その高い保存性は、食品の長期保存が難しかった平安時代には既に重宝されていました。
酒粕は、原料である米を発酵させて作るため栄養素が凝縮されており美容や健康にも最適な食材の一つとして知られています。
粕漬にするメリットは?
野菜や魚を粕漬けにすることで、様々な栄養面でのメリットが生まれます。
葉酸が豊富に含まれている
酒粕には、赤血球を作り出すために必要となる葉酸が多く含まれています。葉酸は体の発育にとっても非常に重要な栄養素であり、最近では動脈硬化の原因となるLDLコレステロールの分解にも役立つと研究が進められています。
ビタミン群
酒粕には、ビタミンB2やビタミンB6などのビタミン群も豊富に含まれています。ビタミン群が不足してしまうと肌のトラブルが起こりやすくなるだけでなく、ストレスを感じやすくなり心が不安定になってしまうリスクもあります。
様々な食材を粕漬けにして食べることで、素材の栄養に粕漬けの持つ栄養素を合わせて摂取することが出来るため、非常に合理的であると言えます。
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瓜の粕漬けの塩抜き方法
瓜の粕漬けを作る際には、一度塩漬けにした瓜を使用すると効率的です。しかし、塩漬け状態の瓜には塩分が多量に含まれているため、そのままの状態で粕漬けにすることが難しくなっています。
そこで重要になるのが、塩抜きと呼ばれる工程です。
塩漬けにしたものから塩を抜く工程
別名、脱塩とも呼ばれる工程であり、詳しい手順は以下の通りです。
- 食べられる分だけの瓜の塩漬けを用意する
- ボウルにたっぷりの真水を張り、瓜の塩漬けを投入していく
- 瓜全体が水に浸かるように調整しつつ、1〜2時間ほど待機する
- 水を入れ替え、瓜の上下を逆にして改めて漬け込む
- 水を入れ替える際に、少し味見をして少し塩味を感じる程度になるのを確認する
- 水を切った瓜の塩漬けの上にラップを敷き上から重石を乗せる
- 余分な水分が抜けきるまで30分程度待ち、軽く水洗いしたら水分を拭き取る
これで塩抜き工程は終了です。
酒粕に漬ける
塩抜きを行った瓜を粕漬けにするために、今度は酒粕に漬け込んでいきます。酒粕への漬け込みは回数が多いほどに酒粕の風味が瓜に移り、より美味しくなっていきます。
漬け込む際に使用する酒粕は、購入してすぐのものを使用しても美味しく粕漬けを作ることは出来ますが、よりこだわりたい場合は酒粕の段階から熟成を行うことがポイントです。
具体的な酒粕の熟成方法は以下の通りです。
- 瓜の旬の時期を見越して予め酒粕を購入しておく(2月〜3月頃がおすすめ)
- 酒粕をビニール袋に入れてしっかりと封をする
- 常温の冷暗所に移してそのまま瓜の粕漬けを作る時まで保存する
熟成の進み具合の目安としては、色の変化です。一般的な酒粕は見た目が白っぽい色をしていますが、熟成が進むことで全体的に茶色く変化します。変化が分かりづらい場合は、酒粕を購入してすぐにスマホなどで撮影をしておくと色の変化の比較が行いやすくなりますよ。
熟成させた酒粕を以下の材料と混ぜ込むことで調味かすを作っておきましょう。
用意するもの:酒粕4kg 砂糖800g 水あめ680g みりん風調味料200ml 料理酒200ml 塩120g 白だし150ml 味の素100g 保存容器
材料を全て全て良く混ぜて保存容器に移し替えれば、調味かすの完成です。
塩抜きしすぎると歯ごたえがなくなるので注意
瓜の塩抜きを過剰に行いすぎると、水分と旨味が全て抜け出てしまい、シャッキリとした歯ごたえがなくなっていしまうことに注意しましょう。
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瓜の粕漬けの工程とは?
瓜の粕漬けは、3つの工程を経ることで完成します。ここでは改めて工程の手順を解説します。
塩抜き
瓜の塩抜きの手順は以下の通りです。
- 食べられる分だけの瓜の塩漬けを用意する
- ボウルにたっぷりの真水を張り、瓜の塩漬けを投入していく
- 瓜全体が水に浸かるように調整しつつ、1〜2時間ほど待機する
- 水を入れ替え、瓜の上下を逆にして改めて漬け込む
- 水を入れ替える際に、少し味見をして少し塩味を感じる程度になるのを確認する
- 水を切った瓜の塩漬けの上にラップを敷き上から重石を乗せる
- 余分な水分が抜けきるまで30分程度待ち、軽く水洗いしたら水分を拭き取る
下漬け
塩抜きした瓜に対して下漬けを行います。
- 塩抜きした瓜の塩漬けと調味かすを用意する
- 容器の底に調味かすを敷き、瓜の塩漬けを詰めていく
- 瓜の腹側にかすをぬりながら横1段に平らになるように詰め込む
- 調味かすを瓜全体が浸かる程度かけ回す
- 3と4を容器に蓋が出来る程度まで繰り返す
- 最後に調味かすをかけて蓋をして1週間ほど冷暗所で保存する
本漬け
保存した瓜から水分が出てきたら下漬けは成功です。ここから本漬けに入ります。
- 下漬けした瓜を水洗いして水気を拭き取る
- 下漬け時と同様に容器の底に調味かすを敷き、瓜の下漬けを詰めていく
- 瓜の腹側にかすをぬりながら横1段に平らになるように詰め込む
- 調味かすを瓜全体が浸かる程度かけ回す
- 3と4を容器に蓋が出来る程度まで繰り返す
- 最後に調味かすをかけて蓋をして1ヶ月ほど冷蔵庫で保存する
以上で、瓜の粕漬けが完成です。なお、更にもう一度同じ工程を繰り返す「飾り漬け」と呼ばれる漬け込み方法もありますよ。
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まとめ
この記事をまとめると
- 瓜の粕漬けは、日本では古くから親しまれている瓜を酒粕に漬け込んで作る保存食のことを指す
- 瓜を粕漬けにする際は、一度塩漬けにしてから余分な塩分を抜く脱塩工程を行うことが大切
- 美味しい瓜の粕漬けを作るには、塩抜き・下漬け・本漬けの3工程を手順通りしっかり行うことが重要になる
いかがだったでしょうか。
市販の瓜の粕漬けも手軽で十分美味しいですが、やはり手作りには敵いません。手間暇かけて作る粕漬けの美味しさは、格別なので是非一度挑戦してみてくださいね。
この記事が、みなさんの参考になれば幸いです。
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