サラダ油が体に悪いというのは本当?健康のための正しい知識

炒め物や揚げ物など、料理をする際には欠かせないサラダ油。「サラダ油は体に悪い」と言われているのをご存じですか?そこで今回は

  • なぜサラダ油が体に悪いと言われているのか
  • サラダ油は本当に体に悪いのか
  • サラダ油に代わる油にはどんなものがあるのか
これらのテーマについて説明していきたいと思います。

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サラダ油が体に悪いと言われる理由

まず「サラダ油」の定義をご紹介します。

サラダ油とは「アブラナ」「ひまわり」「大豆」「とうもろこし」「ごま」「落花生」「綿実」「米」「サンフラワー」と言った9種類の植物のどれか1つでも原料とした油の事を指します。

2種類以上を使用したものは「調合サラダ油」と言います。また、サラダ油はドレッシングやマヨネーズの材料としても使用されており、低温でも固まったり白濁したりしない油がサラダ油と呼ばれます。

私たちの生活に身近なサラダ油がなぜ体に悪いと言われているのか説明したいと思います。

化学物質が使われている

サラダ油は原料である種子を絞るため「圧搾」と呼ばれる製法で作られています。この圧搾製法は必ず10~20%程度、絞り切れない部分が残ってしまいます。

その残った部分の油を取りやすくするために「ノルマヘキサン」と言う石油溶剤を使用します。このノルマヘキサンは、「皮膚」「呼吸器」「生殖器」「胎児」への悪影響が指摘されている非常に危険な物質です。

製造の過程でノルマヘキサンは除去されているとは言われていますが、不安は残りますよね。

またノルマヘキサン以外にも、油の臭いや色を消すために添加物も使用されているため、サラダ油は体に悪いというイメージがついたのかもしれません。

トランス脂肪酸が含まれる

サラダ油の精製の過程で熱を加える事で、天然で存在している「シス型」の不飽和脂肪酸が「トランス型」のトランス脂肪酸に変化します。

トランス脂肪酸の過剰摂取は、「悪玉コレステロールの増加」「動脈硬化」「心疾患」「がん」「喘息」「アトピー」等の様々な健康被害があると指摘されています。

トランス脂肪酸の使用はアメリカでは全面的に禁止されています。

遺伝子組み換えの可能性

スーパーなどで売られているサラダ油の原料となる大豆やトウモロコシは、多くが輸入されたものです。そのほとんどに遺伝子組み換え作物が使用されている可能性が高くなります。

サラダ油には遺伝子組み換え作物が使われていても表示義務が無いため、消費者は知る術がありません。

遺伝子組み換え物質の安全性は、現状ではまだ証明されていないため、健康へのリスクを考えると遺伝子組み換え食品を摂取する事は避けたいですよね。

ヒドロキシノネナールで認知症に

「サラダ油が認知症に悪影響」だと言う話を聞いた事があるかもしれません。これはサラダ油に多く含まれる「リノール酸」と言う物質が危険だと言われているからです。

リノール酸は200度以上に加熱される事で「ヒドロキシノネナール」を生成します。このヒドロキシノネナールは人間の体の中で細胞膜の構成要素の一つであるリン脂質を酸化させる作用があります。

リン脂質の酸化が全身の細胞に悪影響を与えるため、ヒドロキシノネナールが認知症を引き起こすと言われているのです。

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サラダ油は体に悪くないという意見

実はサラダ油は、大正13年に日清オイリオから発売されたのが始まりです。なぜ「サラダ油」と言う名前を付けられたのかと言うと、その当時の日本には生の野菜を食べる習慣がほとんどありませんでした。

そこで生野菜のサラダ料理に合わせるために開発されたのが「サラダ油」なのです。このように聞くと、サラダ油は体に悪いイメージは持ちませんよね。サラダ油は体に悪くはないと言われる理由を紹介したいと思います。

化学物質は製造過程で除去される

上記でも述べたように、ノルマヘキサンは製造の過程で除去されています。

適量ならトランス脂肪酸は害じゃない

国立の研究機関でも、「家庭用のサラダ油に含まれるトランス脂肪酸は僅か」だと明言されています。WHOのトランス脂肪酸の一日の上限値は、「約2g未満」と言われています。

これは市販のサラダ油を使用して調理した場合、トンカツ約10枚分にあたる量です。コロッケでは20枚分です。揚げ物はトランス脂肪酸が多いイメージでしたが、意外に少ない事が分かります。

もちろん、揚げ物の食べ過ぎは体に良くはありませんが、普通の食生活ではサラダ油でトランス脂肪酸を過剰摂取する事は難しい事が分かります。

体内に入るヒドロキシノネナールは僅か

認知症などの病気の原因であると考えられているのは、酸化した油から発生するヒドロキシノネナールです。

しかし、ヒドロキシノネナールが生活習慣病や認知症の一因であると言う研究結果はありますが、人体への直接的な影響は明らかになってはいません。

また、ヒドロキシナールは一般的な食生活において害が及ぶ量を摂取する可能性は低いと考えられています。「油の使いまわし」「長時間の加熱」と言う条件では、ヒドロキシノネナールの発生量が増加する事は分かっているので、酸化しにくい油を使う事がお勧めです。

酸化しにくいサラダ油とは、菜種油のみが使用されたサラダ油ですが、菜種は遺伝子組み換えがほとんどですので注意してください。オリーブオイルやごま油も加熱に強く、酸化しにくい油です。

販売されている生のサラダ油には、ヒドロキシノネナールは含まれていないと、食品安全委員会での実験でも検証されているので、ヒドロキシノネナールの人体への影響は心配しなくても良さそうです。

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サラダ油のおすすめ代用品

サラダ油が体に悪いわけでは無いと分かっても、少しでも体に良い油を選びたい方には、サラダ油に代わるおすすめの油をご紹介します。

オリーブオイル

オリーブオイルは「一番搾り製法」で製造されており、溶剤を使用しない油です。またオリーブは遺伝子組み換え作物として輸入が認められていないので、安心して摂取する事ができます。

しかしサラダ油の代用品としては、素材の独特な風味が料理の邪魔をしてしまうかもしれません。

ごま油

ごま油も「一番搾り製法」で製造されている事が多い油です。しかし、中には溶剤を使用した抽出方法で製造する企業もあるため注意が必要です。オリーブオイルと同様に遺伝子組み換えの点でも安心して使用できます。

ごま油も独特な香りが特徴ですので、料理に合わせて使い分けてください。

菜種油

国産の菜種油であれば遺伝子組み換えや抽出方法の面でも、安心して取り入れる事ができます。

またサラダ油の代用品としても、独特な風味を感じさせずに万能に使用する事ができます。注意していただきたいのが、「キャノーラ油」です。キャノーラ油は、品種改良によって有害物質を含まない菜種の品種から生成された油で、「菜種油」とは異なるものになります。

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米油

加熱に強く、酸化しにくい油です。またクセのない油ですので、様々な料理に活用する事ができます。米油に含まれる「γ‐オリザノール」は抗酸化作用があり、生活習慣病やガンの予防効果が期待できます。

えごまオイル

えごまオイルは熱に弱いため、サラダ油の代用品として使用する事は難しいです。サラダや料理の仕上げに使うようにしてください。また、えごまオイルには日本人の食生活に不足しているオメガ3脂肪酸を多く含んでいるため、積極的に取り入れていただきたい油として注目されています。

まとめ

「サラダ油が体に悪いと言われているのは何故か、サラダ油は体に悪くない理由とは何か、サラダ油に代わるお勧めの油とは」についてご紹介させていただきました。いかがでしたでしょうか。この記事をまとめると

この記事をまとめると

  • サラダ油は圧搾製法で製造され、ノルマヘキサンという石油溶剤を使用している
  • サラダ油にはトランス脂肪酸が含まれていたり、遺伝子組み換え作物が使用されている
  • サラダ油に含まれるヒドロキシノネナールが認知症の原因と言われている
  • 化学物質は製造過程で除去されおり、悪影響とされているその他の成分も、普通の食事では悪影響は受けない程度
  • サラダ油に代わる代用品には、「オリーブオイル」「菜種油」など、様々な油があり、用途によって使い分けるのが良い

サラダ油は選び方次第で安心して摂取していただけます。私たちの生活に油は無くてはならない存在です。上手に選んで、安心して摂取していただけたらと思います。

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