妊娠中の食事には食べても良いもの・控えた方が良いものがありますが、“鳥刺し”は妊婦さんでも食べることができるのでしょうか?妊娠中に鳥刺しを食べる危険性の有無について解説いたします。
- 鳥刺しは妊娠中でも食べられる?
- 鳥刺しは食中毒が危険?
- 妊婦が食中毒になるとどうなるの?
これらのテーマについて紹介いたします。
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目次
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鳥刺しってどんな食べ物?
“鳥刺し”は、鳥のお肉を生で食べる料理です。新鮮な鶏のモモ肉やむね肉を醤油に付けて食べる、鹿児島県の郷土料理です。
鹿児島県以外では宮崎県でも食べられていますが、それ以外の地域で鳥刺しを食べる文化はあまりありません。
鳥刺しの歴史は江戸時代に遡ります。当時、盛んに闘鶏を行っていたことが起源となっています。戦いで負けた際、その場で鳥をさばいて食べていたことが、鳥刺しを食べるきっかけとなりました。
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鳥刺しは妊娠中でも食べられる?
妊娠中、鳥刺しは食べないほうが良い食材です。その理由は、お肉が持つ菌によって食中毒となることがあるからです。馬刺しは完全な生肉料理なので馬刺しに潜む食中毒菌や、それによる影響にはどのようなものがあるのでしょうか?
鳥刺しによる食中毒症状
鳥刺しは鳥肉の美味しい食べ方の一つですが、生肉なので食べると食中毒を起こす可能性があります。その原因菌は、トキソプラズマ菌やリステリア菌によるものです。
妊娠中は、免疫力が低下して食中毒や感染症にかかりやすくなります。万が一トキソプラズマ菌食中毒となると胎児が『先天性トキソプラズマ症』となり、先天性障害や流産を起こすリスクがあるので、妊娠中はより注意する必要があります。リステリア菌に関しても、下記のような危険性があります。
- 治療に必要な薬が制限される
- 繰り返す下痢によって子宮収縮が起こる
- 子宮収縮によって酸素や栄養が届きにくくなる
- 酷い場合は流産に繋がる可能性もゼロではない
鶏肉に多く含まれる主な5つの栄養素
妊娠中の鶏肉の生食は危険ですが、加熱すれば高栄養なので妊婦さんにとって良い食材です。その理由には、鶏肉に含まれる“たんぱく質”、“鉄分”、“ビタミンB6”があります。それぞれの妊婦さんへの効果について詳しく見てみましょう。
妊娠中期以降はタンパク質量を増やして
タンパク質は体を作る上で欠かせない栄養素ですが、妊娠中は妊娠前よりも摂取量を増やす必要があります。妊娠初期・中期・後期それぞれの摂取目安量はこちらです。
- 妊娠前の成人女性…50g/1日
- 妊娠初期…50g/1日
- 妊娠中期…60g/1日
- 妊娠後期…75g/1日
妊娠中期以降、胎児の成長に合わせて摂取すべきたんぱく質量がアップします。1日50gだった妊娠前・妊娠初期よりも+10g必要量が増えて1日60gを、後期には1日75gを目安に摂ることが望ましいとされています。
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妊娠中は貧血になりやすい
妊娠すると赤血球が多くつくられるようになり、胎盤や胎児形成のためにお腹に送られていきます。血液量も増えるため、より多く鉄分を摂らないと貧血になりやすくなります。
特に妊娠初期は貧血が起こりやすく、 鉄分が不足することで動悸や息切れが起こり、つわりがより一層辛くなる 方も多いです。また、貧血状態が酷くなると『鉄欠乏性貧血』となることもあります。
鶏肉には鉄分が多く含まれているため、妊娠中の鉄分不足を解消する効果を期待することができます◎ 葉酸と鉄分がセットになったサプリもありますが、食品からも摂るようにしましょう。
ビタミンB群の各効果とは?
鶏肉にはビタミンB群が豊富に含まれています。ビタミンB群の中でも、鶏肉に含まれるB1・B2・B6・B12それぞれには、妊婦さんにとってこのような効果があります。
- ビタミンB1…糖質をエネルギーに変える時に必要
- ビタミンB2…タンパク質の代謝に働き成長を促進
- ビタミンB6…鉄分の合成を高めてつわりの吐き気を軽減
- ビタミンB12…DNAの合成を助ける働きがある
どれもビタミンBですが、それぞれに異なる働きがあります。特に、鶏肉にはビタミンB6が豊富に含まれています。
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妊娠中にどの食材を食べればよいのか?どの食材を控えれば良いのか?というのは非常に気になるところです。代表的な60食材でまとめました。 妊娠中に積極的に摂りたい食材には、どんなものがあるのでしょうか?その食材が含む、妊娠中に摂りたい栄養素とあわせてチェックしてみましょう! 妊娠前から必要と言われている葉酸やビタミン類、妊娠中に不足しがちな食物繊維やカルシウムなどのミネラル類を補える食材には、上記のようなものがあります。妊娠中に食べたい食材・控えたい食材・食べてはいけない食材60選まとめ
妊娠中に積極的に摂りたい食材
これらの食材を妊娠中の食事にバランス良く加えることで、ママの体や胎児の発育に良い効果をもたらします。妊娠中は食べ物の嗜好が変化することもありますが、できる範囲で色々な食材を食べるようにしましょう!
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妊娠中に少量に控えたい食材
妊娠中の食事は栄養素のバランスが大切ですが、中には控えておくべき食べ物がいくつかあります。食中毒リスクや、食べると胎盤を通じて胎児に届き、成長に悪影響を及ぼすものなど様々です。妊娠中に控えたい食材について、確認していきましょう。
食中毒や感染症のリスクのあるもの
- お刺身
- 生卵
- ローストビーフ
- 生ハム
- ナチュラルチーズ
- 肉・魚のパテ
メチル水銀を含むもの
- 金目鯛:1回80gを週に1度まで
- メカジキ :1回80gを週に1度まで
- メバチマグロ:1回80gを週に1度まで
- 本マグロ:1回80gを週に1度まで
- エッチュウバイ貝:1回80gを週に1度まで
- くじら:1回80gを週に1度まで
- きだい:1回80gを週に2度まで
- インドマグロ:1回80gを週に2度まで
- マカジキ:1回80gを週に2度まで
- くろむつ:1回80gを週に2度まで
ヨウ素・ヒ素を含む食べ物
- 昆布 :1日1回少量
- ひじき:小鉢2杯程度を週に2度まで
カフェインを含む飲み物
カフェインを含む主な飲み物と、100mlあたりのカフェイン量は下記となります。
- コーヒー …約60mg
- 紅茶 …約30mg
- 緑茶 …約20mg
- ほうじ茶 …約20mg
- ウーロン茶 …約20mg
- ココア …約10mg
糖分を多く含むお菓子やジュース
糖分を多く含むお菓子や、甘いジュースなども妊娠中には控えたい食べ物です。甘いものを過剰摂取することで、妊娠前は糖尿病を持っていなくても妊娠期間中に糖尿病を発症することがあり、『妊娠糖尿病』と呼ばれています。
より多くの栄養を胎児に与えようとする体の自然な働きと考えられていますが、妊娠糖尿病になると胎児に合併症が出る危険性があります。
ビタミンAを多く含む食べ物(妊娠初期)
“動物性ビタミンA”を妊娠初期に摂取し過ぎると、胎児の形成異常の原因となると言われています。ビタミンAを多く含む食べ物には、下記のようなものがあります。
- レバー
- うなぎ
- あなご
塩分を多く含む食べ物
妊娠中に塩分を過剰摂取すると、『妊娠高血圧症候群』という病気になることもあります。この病気を発症する確率は、妊婦さん20人に対し1人と言われており、妊娠中の食生活が原因で引き起こされます。
妊娠34週(妊娠9ヶ月)未満で引き起こした場合は重症化リスクが高く、胎児発育不全(赤ちゃんが育たない)・常位胎盤早期剥離(赤ちゃんに酸素が届かない)・胎児機能不全(赤ちゃんの状態悪化)となる可能性があります。酷い場合は胎児の命に関わることもあるので、食事には注意が必要なのです。
妊娠中に食べてはいけない食べもの
- 生肉(ローストビーフ・ユッケ・馬刺し・お刺身・パテなど)
- アルコール
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まとめ
この記事をまとめると
- 鳥刺しは妊娠中、食べるのを控えた方が良い!
- その理由は食中毒リスクが高いため
- 食中毒の原因菌①:リステリア菌 ②トキソプラズマ菌
- 万が一食中毒となると胎児に影響が出る可能性も高い
鳥刺しは完全な生肉なので、食中毒リスクの高い食べ物です。万が一妊婦さんが食中毒になると十分な治療ができない他、赤ちゃんへのリスクもあるので、妊娠中は食べないようにしましょう。
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