妊娠中(妊婦)にも豚汁はおすすめ!豚肉&野菜の栄養成分と効果

妊娠中の食事には食べても良いもの・控えた方が良いものがありますが、“豚汁”は妊婦さんにもオススメの料理です!

妊娠中は色々な栄養素を摂ることが理想的です。豚汁が妊婦さんにもオススメな理由を、妊娠中に必要な栄養素と共に解説いたします。

  • 豚肉が妊娠中にオススメな理由
  • 豚肉が含む主な栄養素
  • 妊娠中の食事のポイント

これらのテーマについて紹介いたします。

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豚汁は妊娠中にオススメ食材!

豚汁は、妊娠中にオススメの食材です!その理由には、豚肉に含まれる“たんぱく質”“鉄分”“ビタミンB群”があります。それぞれの妊婦さんへの効果について詳しく見てみましょう。

妊娠中期以降はタンパク質量を増やして

タンパク質は体を作る上で欠かせない栄養素ですが、妊娠中は妊娠前よりも摂取量を増やす必要があります。妊娠初期・中期・後期それぞれの摂取目安量はこちらです。

たんぱく質の摂取目安量
  • 妊娠前の成人女性…50g/1日
  • 妊娠初期…50g/1日
  • 妊娠中期…60g/1日
  • 妊娠後期…75g/1日

妊娠中期以降、胎児の成長に合わせて摂取すべきたんぱく質量がアップします。1日50gだった妊娠前・妊娠初期よりも+10g必要量が増えて1日60gを、後期には1日75gを目安に摂ることが望ましいとされています。

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妊娠中は貧血になりやすい

妊娠すると赤血球が多くつくられるようになり、胎盤や胎児形成のためにお腹に送られていきます。血液量も増えるため、より多く鉄分を摂らないと貧血になりやすくなります。

特に妊娠初期は貧血が起こりやすく、 鉄分が不足することで動悸や息切れが起こり、つわりがより一層辛くなる 方も多いです。また、貧血状態が酷くなると『鉄欠乏性貧血』となることもあります。

豚肉には鉄分が多く含まれているため、妊娠中の鉄分不足を解消する効果を期待することができます◎ 葉酸と鉄分がセットになったサプリもありますが、食品からも摂るようにしましょう。

ビタミンB群の各効果とは?

豚肉にはビタミンB群が豊富に含まれています。ビタミンB群の中でも、豚肉に含まれるB1・B2・B6・B12それぞれには、妊婦さんにとってこのような効果があります。

ビタミンB群の働き
  • ビタミンB1…糖質をエネルギーに変える時に必要
  • ビタミンB2…タンパク質の代謝に働き成長を促進
  • ビタミンB6…鉄分の合成を高めてつわりの吐き気を軽減
  • ビタミンB12…DNAの合成を助ける働きがある

どれもビタミンBですが、それぞれに異なる働きがあります。特にビタミンB1に関しては牛肉の10倍も含まれています!

豚汁は栄養成分がバランス良い

豚汁の豚肉に含まれる栄養成分とその効果について解説しましたが、豚汁には人参やごぼうなどの野菜類も入れるので、バランス良く栄養を摂ることができるのです。

妊娠中の食事の基本は、“バランス良く色々な食材を食べること”です。妊娠初期には胎盤の形成、胎児の発育がすすめられます。そこで栄養のバランス良い食事を摂ることで、安定した栄養をお腹に届けることができます。

妊娠初期はツワリの影響でまともに食事を摂れないこともありますが、できる範囲で野菜やお肉・魚など栄養の多い食材を取り入れるようにしましょう。

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主食・主菜・副菜をバランスよく

 妊娠中は、主食・主菜・副菜をバランス良く食べることが大切 です。妊娠期間がすすむほど、摂取したい食品量は徐々に増えていきます。

主食は、ご飯・パン・麺類などの炭水化物を多く含む食材で摂ります。白米ではなく玄米や雑穀米に変えることで、炭水化物にプラスして食物繊維・ビタミン・ミネラルを一緒に摂ることができます◎

主菜には、たんぱく質を多く含むお肉・魚・豆類・卵を摂りれましょう。副菜は、ビタミンとミネラルを含む海藻類やきのこを摂り入れるのが理想です。

食品の中には、妊娠中に食べると食中毒を起こすリスクのあるものもあるので、注意しましょう。どんな食材が危険かについては、記事の後半で紹介しています。

1日のバランスの良い摂取量の目安

妊娠中に取り入れたい『バランスの良い1日の栄養摂取量』は、どのくらいなのでしょうか?主食・主菜・副菜の3つと妊娠時期に分けてチェックしてみましょう!

  • 主食…妊娠初期〜中期は妊娠前と同量でOK / 後期は少し増やして!
  • 主菜…妊娠初期は妊娠前と同量でOK / 中期・後期は少し増やして!
  • 副菜…妊娠初期は妊娠前と同量でOK / 中期・後期は少し増やして!

基本的に妊娠がすすむにつれて必要栄養素は増えていきます。妊娠後期(9ヶ月以降)には、胎児の重さが10日で約200gのペースで増えていくので、今までよりも多く栄養摂取する必要があります。

胎児の脳や体・神経発達の素となるのは、胎盤を通して送るママが食べた食品です。胎児の成長とともに必要カロリー数も上がっていくため、主食・主菜・副菜を妊娠時期に合わせ徐々に増やしていくことも大切です。

豚肉に多く含まれる主な5つの栄養素

豚肉には、血中のコレステロール値を抑えてくれるオレイン酸リノール酸が多く含まれています。特にリノール酸は牛肉以上に含まれており、体内では作ることができないため大切な栄養素です。

また、ビタミンB群が豊富で、中でも100gあたりに含まれるビタミンB1は、あらゆる食品の中でトップクラスです。

  • たんぱく質たんぱく質は20種類のアミノ酸が複数個結合することで作られています。結合するアミノ酸が種類や配列によって様々な臓器や組織の材料になります。特に筋肉の材料として使用されるため、多くの摂取が望ましいです。食品では魚や肉、大豆に多く含まれており、様々な種類を多く摂ることが大切です。
  • ビタミンB1:ビタミンB1は、人間の代謝に関わるビタミンで、炭水化物を糖に分解し、エネルギーを作り出す経路の最初を担います。食べた糖質全般を燃焼させる工程に関わるため、不足すると疲れやすくなります。また脳の神経伝達物質にも関わり、集中力を増やすや手足の痺れにくくすると言った働きがあります。
  • オレイン酸:オレイン酸は、生活習慣予防の効果が高く、血管内の環境改善効果が高い脂肪酸です。悪玉コレステロールの量を減らし、出来た過酸化脂質の量を減らすことで、血管壁へのプラーク生成を抑制します。結果として、動脈硬化や心疾患の予防に役立つ栄養素です。
  • リノール酸:リノール酸は、コレステロールや中性脂肪を下げる働きがあり、高脂血症を防ぐことで動脈硬化の改善をする働きを持っています。また、リノール酸の代謝によって、リノレン酸の材料になります。血液をサラサラにし、細胞膜の材料にもなる栄養素です。
  • ビタミンA:ビタミンAは、抗酸化作用、皮膚や肌の粘膜を作る、人間の視覚情報の伝達に関わるビタミンです。体内にある活性酸素を協力に除去し、肌の生成にも関わるため美肌作用、体内へのウイルスや細菌の侵入を防ぎます。加えて、視覚情報に関わる神経伝達に不可欠なロドプシンの生成の主成分にもなっています。

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妊娠中に食べたい食材・控えたい食材・食べてはいけない食材60選まとめ

妊娠中にどの食材を食べればよいのか?どの食材を控えれば良いのか?というのは非常に気になるところです。代表的な60食材でまとめました。

妊娠中に積極的に摂りたい食材

妊娠中に積極的に摂りたい食材には、どんなものがあるのでしょうか?その食材が含む、妊娠中に摂りたい栄養素とあわせてチェックしてみましょう!

  • 豚肉 …たんぱく質+ビタミンB群
  • 鶏肉 …たんぱく質
  • 牛肉 …たんぱく質+鉄+亜鉛
  • 青魚 …DHA・EPA
  • 鮭       …たんぱく質+ビタミンB6+ビタミンD
  • ぶり …
  • かつお…
  • 白身魚…たんぱく質
  • 貝類 …鉄+亜鉛
  • 桜エビ…カルシウム
  • 卵  …たんぱく質
  • ブロッコリー…葉酸+カリウム
  • 青菜 …葉酸+鉄+カリウム+カルシウム
  • ヨーグルト …たんぱく質+カルシウム
  • 納豆  …葉酸+ビタミンE
  • 大豆(大豆製品) …たんぱく質+鉄+ビタミンE+カルシウム
  • いちご …葉酸
  • アボカド …ビタミンE+カリウム
  • トウモロコシ …葉酸+ビタミンE
  • グリーンアスパラガス …葉酸
  • 枝豆 …葉酸
  • そら豆 …葉酸
  • トマト …カリウム
  • もずく …ミネラル+食物繊維
  • きのこ …食物繊維+ビタミンD
  • 切り干し大根 …食物繊維
  • もち麦 …食物繊維

妊娠前から必要と言われている葉酸やビタミン類、妊娠中に不足しがちな食物繊維やカルシウムなどのミネラル類を補える食材には、上記のようなものがあります。
これらの食材を妊娠中の食事にバランス良く加えることで、ママの体や胎児の発育に良い効果をもたらします。妊娠中は食べ物の嗜好が変化することもありますが、できる範囲で色々な食材を食べるようにしましょう!

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妊娠中に少量に控えたい食材

妊娠中の食事は栄養素のバランスが大切ですが、中には控えておくべき食べ物がいくつかあります。食中毒リスクや、食べると胎盤を通じて胎児に届き、成長に悪影響を及ぼすものなど様々です。妊娠中に控えたい食材について、確認していきましょう。

食中毒や感染症のリスクのあるもの

  • お刺身
  • 生卵
  • ローストビーフ
  • 生ハム
  • ナチュラルチーズ
  • 肉・魚のパテ

メチル水銀を含むもの

  • 金目鯛:1回80gを週に1度まで
  • メカジキ :1回80gを週に1度まで
  • メバチマグロ:1回80gを週に1度まで
  • 本マグロ:1回80gを週に1度まで
  • エッチュウバイ貝:1回80gを週に1度まで
  • くじら:1回80gを週に1度まで
  • きだい:1回80gを週に2度まで
  • インドマグロ:1回80gを週に2度まで
  • マカジキ:1回80gを週に2度まで
  • くろむつ:1回80gを週に2度まで

ヨウ素・ヒ素を含む食べ物

  • 昆布 :1日1回少量
  • ひじき:小鉢2杯程度を週に2度まで

カフェインを含む飲み物

カフェインを含む主な飲み物と、100mlあたりのカフェイン量は下記となります。

  • コーヒー …約60mg
  • 紅茶        …約30mg
  • 緑茶        …約20mg
  • ほうじ茶 …約20mg
  • ウーロン茶 …約20mg
  • ココア    …約10mg

糖分を多く含むお菓子やジュース

糖分を多く含むお菓子や、甘いジュースなども妊娠中には控えたい食べ物です。甘いものを過剰摂取することで、妊娠前は糖尿病を持っていなくても妊娠期間中に糖尿病を発症することがあり、『妊娠糖尿病』と呼ばれています。
より多くの栄養を胎児に与えようとする体の自然な働きと考えられていますが、妊娠糖尿病になると胎児に合併症が出る危険性があります。

ビタミンAを多く含む食べ物(妊娠初期)

“動物性ビタミンA”を妊娠初期に摂取し過ぎると、胎児の形成異常の原因となると言われています。ビタミンAを多く含む食べ物には、下記のようなものがあります。

  • レバー
  • うなぎ
  • あなご

塩分を多く含む食べ物

妊娠中に塩分を過剰摂取すると、『妊娠高血圧症候群』という病気になることもあります。この病気を発症する確率は、妊婦さん20人に対し1人と言われており、妊娠中の食生活が原因で引き起こされます。
妊娠34週(妊娠9ヶ月)未満で引き起こした場合は重症化リスクが高く、胎児発育不全(赤ちゃんが育たない)・常位胎盤早期剥離(赤ちゃんに酸素が届かない)・胎児機能不全(赤ちゃんの状態悪化)となる可能性があります。酷い場合は胎児の命に関わることもあるので、食事には注意が必要なのです。

妊娠中に食べてはいけない食べもの

  • 生肉(ローストビーフ・ユッケ・馬刺し・お刺身・パテなど)
  • アルコール

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まとめ

この記事をまとめると

  • 豚汁は妊娠中にオススメな栄養源!
  • 豚肉に含まれるたんぱく質:妊娠前より必要なエネルギー源
  • 豚肉に含まれる鉄分:妊娠中に起こりやすい貧血予防に効果あり◎
  • 豚肉に含まれるビタミンB群:鉄分やDNAの合成をサポート!
  • 免疫力が低下する妊娠中は、食中毒になりやすいため生焼けに注意

豚肉はたんぱく質やビタミンB群が豊富なので、妊娠生活の食事に是非取り入れたい食材です。豚汁は野菜が味噌を一緒に摂れるので、栄養バランスに優れています。作り置きもできるので、ぜひ食事に取り入れてみてください。

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