ホタテは妊娠中(妊婦)でも食べられる?生・刺身・ホタテ缶・ウロは危険?

妊娠中の食事には食べても良いもの・控えた方が良いものがありますが、“ホタテ”は妊婦さんでも食べられるオススメの魚介類です。ホタテを始めとする魚介類には妊娠中に嬉しい栄養素が多く、妊婦さんにとって効果的な食材です。今回は、

  • ホタテが妊娠中にオススメな理由
  • ホタテが含む主な栄養素とは?
  • 妊娠中でも安全おいしいレシピ
  • 生の刺身・お寿司は危険?

これらのテーマについて紹介いたします。

スポンサードリンク

ホタテってどんな魚介類?

英名 Giant ezo-scallop
別名・和名 帆立貝
エネルギー(100gあたり) 72kcal
糖質量(100gあたり) 1.5g

ホタテ(帆立)はイタヤガイ科の二枚貝で、日本では青森県付近のオホーツク海をメインに収穫されています。殻が扇型をしていることから、「扇貝(オウギガイ)」や「ウミオウギ(海扇)」という別名もあります。

紐付きホタテの旬の時期は11〜2月頃の冬ですが、貝柱のみの場合は5〜7月の夏の時期が旬となります。この時期の貝柱には、甘みを感じるグリコーゲンが豊富に含まれていてとても美味しいのです。

スポンサードリンク

ホタテは妊娠中にオススメ食材!

ホタテは、加熱すれば妊娠中でも食べることができるオススメの食材です!その理由には、ホタテに含まれる“ビタミンB12”“たんぱく質”“鉄分”などがあります。ちなみに、ホタテ缶やウロも食べることができます◎

妊娠中期以降はタンパク質量を増やして

ホタテは低脂質で、タンパク質が多く含まれています。タンパク質は体を作る上で欠かせない栄養素で、妊娠中は妊娠前よりも摂取量を増やす必要があります。妊娠初期・中期・後期それぞれの摂取目安量はこちらです。

たんぱく質の摂取目安量
  • 妊娠前の成人女性…50g/1日
  • 妊娠初期…50g/1日
  • 妊娠中期…60g/1日
  • 妊娠後期…75g/1日

妊娠中期以降、胎児の成長に合わせて摂取すべきたんぱく質量がアップします。1日50gだった妊娠前・妊娠初期よりも+10g必要量が増えて1日60gを、後期には1日75gを目安に摂ることが望ましいとされています。

DNAの生成を助けるビタミンB12

ホタテに多く含まれているビタミンB12は、DNAの生成を助ける働きがあります。また、貧血を予防する効果もあるので、貧血になりいやすい妊婦さんにも必須の栄養素です。

妊娠中は貧血になりやすい

妊娠すると赤血球が多くつくられるようになり、胎盤や胎児形成のためにお腹に送られていきます。血液量も増えるため、より多く鉄分を摂らないと貧血になりやすくなります。

特に妊娠初期は貧血が起こりやすく、 鉄分が不足することで動悸や息切れが起こり、つわりがより一層辛くなる 方も多いです。また、貧血状態が酷くなると『鉄欠乏性貧血』となることもあります。

ホタテには鉄分が多く含まれているため、妊娠中の鉄分不足を解消する効果を期待することができます◎ 妊娠中に欠かせない栄養素である葉酸と鉄分がセットになったサプリもありますが、食品からも摂るようにしましょう。

スポンサードリンク

生ホタテ・お寿司・お刺身は食べても大丈夫?

生のホタテは控えて

ホタテはお刺身やお寿司としても美味しい貝類ですが、残念ながら妊娠中に生魚は控えた方が良いとされています。お刺身やお寿司などの生魚介類には、腸炎ビブリオ菌”ノロウイルス”病原性大腸菌”による食中毒リスクがあるからです。

これらの食中毒により繰り返し下痢を起こすと、子宮収縮を起こし胎児へ影響が出ることも考えられます。また、本来であれば飲める薬も妊娠中には限られるため、食中毒になった時に満足な治療ができないこともあります。

いつもなら問題なく食べていた食材でも、妊娠中にはあたる可能性が高くなるため、食中毒・感染症リスクのあるお刺身の摂取は控えるようにしましょう。

ホタテに多く含まれる主な5つの栄養素

ほたて1つあたりにはおよそ15gのタンパク質が含まれています。タンパク質のイメージがある卵1つ(50g)に含まれる量は6.2gなので、ほたて1つにおよそ卵の2.5倍のタンパク質が含まれているということです。

また、ほたての甘みや旨みを作っているのはアスパラギン酸・グルタミン酸などのアミノ酸です。美味しいだけではなく体に良いので必見ですよ。

  • タウリン:タウリンは硫黄を含むアミノ酸の一種で、血液の高脂血症を改善する働きを持っています。コレステロールや中性脂肪の抑え、血圧を正常にする働きもあります。肝臓においてはアルコールの分解含めた解毒の働き助け、脂肪肝の予防効果もあります。
  • アスパラギン酸:アスパラギン酸の働きは、アンモニアの分解の働きや代謝によって出来た乳酸をエネルギーへ変換する助けを担います。カリウムとマグネシウムの吸収を助ける働きがあるため水分のむくみ改善効果もあり、セットに摂ることがおすすめです。人間の舌が感じる旨味の元のアミノ酸です。
  • グリコーゲン:グリコーゲンは、動物の体内で作られる多糖類の一種です。動物が食事から取り込んだ糖質を、体内に貯蔵し生きていくためのエネルギーとして再合成し貯蔵されたブドウ糖の多糖類になります。運動の体力や疲れにくさに大きく関係している多糖類です。
  • グルタミン酸:グルタミン酸は体内で脳内物質のGABAの生成に関わっており、緊張をほぐす効果があります。体内では有害なアンモニアの分解する力を持ち、血圧を下げる効果があると言われています。肌を構成するケラチンの材料でも知られており美肌効果も持っています。
  • グリシン:グリシンは、人間の肌の材料のコラーゲンの原料となり、肌の弾力に大きく関わっています。加えて、人間の脊椎や脳幹と言った神経系と骨の間に含まれ、情報伝達の働きを担います。人間の活動を抑制する働きを伝達し、不眠症の改善に重要なアミノ酸です。血圧を下げる効果もあります。

スポンサードリンク

妊娠中でも安全おいしいホタテのおススメレシピ

妊娠中にホタテを食べるには、どんなレシピがあるのでしょうか?妊婦さんでも安心して食べられるオススメのホタテレシピをご紹介!栄養たっぷりなので是非お試しください♩

炊き込みご飯

引用:cookpad

ホタテの炊き込みご飯は、材料を炊飯器に入れてスイッチを押すだけなので簡単に作ることができます。妊娠中は料理をするのが大変な時もありますが、お手軽に作れるのでとても便利です◎ 炭水化物とタンパク質を同時に摂ることができます。作り置きして冷凍しても重宝しますよ。

照り焼き

引用:cookpad

ホタテをしっかり焼いた照り焼きは、醤油バターで味付けすると食欲をそそります。中心部まで火が通るよう、両面焼くことが大切です◎

妊娠中に食べたい食材・控えたい食材・食べてはいけない食材60選まとめ

妊娠中にどの食材を食べればよいのか?どの食材を控えれば良いのか?というのは非常に気になるところです。代表的な60食材でまとめました。

妊娠中に積極的に摂りたい食材

妊娠中に積極的に摂りたい食材には、どんなものがあるのでしょうか?その食材が含む、妊娠中に摂りたい栄養素とあわせてチェックしてみましょう!

  • 豚肉 …たんぱく質+ビタミンB群
  • 鶏肉 …たんぱく質
  • 牛肉 …たんぱく質+鉄+亜鉛
  • 青魚 …DHA・EPA
  • 鮭       …たんぱく質+ビタミンB6+ビタミンD
  • ぶり …
  • かつお…
  • 白身魚…たんぱく質
  • 貝類 …鉄+亜鉛
  • 桜エビ…カルシウム
  • 卵  …たんぱく質
  • ブロッコリー…葉酸+カリウム
  • 青菜 …葉酸+鉄+カリウム+カルシウム
  • ヨーグルト …たんぱく質+カルシウム
  • 納豆  …葉酸+ビタミンE
  • 大豆(大豆製品) …たんぱく質+鉄+ビタミンE+カルシウム
  • いちご …葉酸
  • アボカド …ビタミンE+カリウム
  • トウモロコシ …葉酸+ビタミンE
  • グリーンアスパラガス …葉酸
  • 枝豆 …葉酸
  • そら豆 …葉酸
  • トマト …カリウム
  • もずく …ミネラル+食物繊維
  • きのこ …食物繊維+ビタミンD
  • 切り干し大根 …食物繊維
  • もち麦 …食物繊維

妊娠前から必要と言われている葉酸やビタミン類、妊娠中に不足しがちな食物繊維やカルシウムなどのミネラル類を補える食材には、上記のようなものがあります。
これらの食材を妊娠中の食事にバランス良く加えることで、ママの体や胎児の発育に良い効果をもたらします。妊娠中は食べ物の嗜好が変化することもありますが、できる範囲で色々な食材を食べるようにしましょう!

スポンサードリンク

妊娠中に少量に控えたい食材

妊娠中の食事は栄養素のバランスが大切ですが、中には控えておくべき食べ物がいくつかあります。食中毒リスクや、食べると胎盤を通じて胎児に届き、成長に悪影響を及ぼすものなど様々です。妊娠中に控えたい食材について、確認していきましょう。

食中毒や感染症のリスクのあるもの

  • お刺身
  • 生卵
  • ローストビーフ
  • 生ハム
  • ナチュラルチーズ
  • 肉・魚のパテ

メチル水銀を含むもの

  • 金目鯛:1回80gを週に1度まで
  • メカジキ :1回80gを週に1度まで
  • メバチマグロ:1回80gを週に1度まで
  • 本マグロ:1回80gを週に1度まで
  • エッチュウバイ貝:1回80gを週に1度まで
  • くじら:1回80gを週に1度まで
  • きだい:1回80gを週に2度まで
  • インドマグロ:1回80gを週に2度まで
  • マカジキ:1回80gを週に2度まで
  • くろむつ:1回80gを週に2度まで

ヨウ素・ヒ素を含む食べ物

  • 昆布 :1日1回少量
  • ひじき:小鉢2杯程度を週に2度まで

カフェインを含む飲み物

カフェインを含む主な飲み物と、100mlあたりのカフェイン量は下記となります。

  • コーヒー …約60mg
  • 紅茶        …約30mg
  • 緑茶        …約20mg
  • ほうじ茶 …約20mg
  • ウーロン茶 …約20mg
  • ココア    …約10mg

糖分を多く含むお菓子やジュース

糖分を多く含むお菓子や、甘いジュースなども妊娠中には控えたい食べ物です。甘いものを過剰摂取することで、妊娠前は糖尿病を持っていなくても妊娠期間中に糖尿病を発症することがあり、『妊娠糖尿病』と呼ばれています。
より多くの栄養を胎児に与えようとする体の自然な働きと考えられていますが、妊娠糖尿病になると胎児に合併症が出る危険性があります。

ビタミンAを多く含む食べ物(妊娠初期)

“動物性ビタミンA”を妊娠初期に摂取し過ぎると、胎児の形成異常の原因となると言われています。ビタミンAを多く含む食べ物には、下記のようなものがあります。

  • レバー
  • うなぎ
  • あなご

塩分を多く含む食べ物

妊娠中に塩分を過剰摂取すると、『妊娠高血圧症候群』という病気になることもあります。この病気を発症する確率は、妊婦さん20人に対し1人と言われており、妊娠中の食生活が原因で引き起こされます。
妊娠34週(妊娠9ヶ月)未満で引き起こした場合は重症化リスクが高く、胎児発育不全(赤ちゃんが育たない)・常位胎盤早期剥離(赤ちゃんに酸素が届かない)・胎児機能不全(赤ちゃんの状態悪化)となる可能性があります。酷い場合は胎児の命に関わることもあるので、食事には注意が必要なのです。

妊娠中に食べてはいけない食べもの

  • 生肉(ローストビーフ・ユッケ・馬刺し・お刺身・パテなど)
  • アルコール

スポンサードリンク

まとめ

この記事をまとめると

  • ホタテは妊娠中にもオススメの魚!
  • ホタテに含まれるビタミンB12:DNAの生成を助ける働きがある!
  • ホタテに含まれるタンパク質:妊娠中は妊娠前より多く必要な栄養素
  • ホタテに含まれる鉄分:貧血予防に効果的!
  • お刺身・お寿司は食中毒の危険性があるので妊娠中は控えて!

ホタテはタンパク質量が多く、妊娠中のママの体や赤ちゃんに嬉しいビタミンB12含まれています。妊娠中はなかなか調理する気力が出なかったり、食欲がない時もありますが、栄養のため時々食べるようにしましょう♩

スポンサードリンク