皆さんは食中毒という言葉を聞いたことはありますか?食中毒は体に害を与える成分を含んだ細菌や食品の成分を口から取り入れることによって生じる様々な症状の事をいいます。例えば牡蠣に当たるのも食中毒、傷んだ食品を口にすることでお腹を壊してしまうのも食中毒の一種です。
私たちは毎日食事を取る必要がありますが、身近な食品に食中毒を引き起こす可能性のある食品があるのです。今回の記事では食中毒を引き起こす可能性がある「二枚貝」について解説していきます。
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食中毒「ノロウイルス」
皆さんも「ノロウイルス」というワードを一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?大体1~2月頃になるとピークになるので、冬場のニュースでよく注意喚起をされていますよね。
1~2月は丁度、牡蠣のシーズンでもあり、牡蠣が原因とされる食中毒のニュースは後を絶ちません。ノロウイルスに感染すると嘔吐や吐き気、激しい下痢などの症状が続き、長だけでなく体力的にも大きなダメージを受けてしまいますよね。
ノロウイルスは非常に感染力が高いので、注意していてもなかなか防ぐことができないウイするなのです。
ノロウイルスとは?
ではまずノロウイルスについての基礎知識を一緒におさらいしていきましょう。
ノロウイルスはごく少量であっても体内に入ると体の中で盛んに増殖を繰り返す、とても感染力の強いウイルスです。感染すると24~48時間の潜伏期間(感染から発症までの時間)を経てから、激しい吐き気や嘔吐、下痢、発熱、腹痛などの症状が現れ始めます。
ノロウイルスは学校や病院などの集団活動を過ごす場所で流行することが多く、もっと規模の小さいコミュニティである家庭でも十分に広がる危険性があります。
ノロウイルスの感染ルートは?
ノロウイルスの感染ルートは大きく分けて三つに分かれています。
- 一つ目はノロウイルスが含まれる排泄物や職員に触れた手を介した「接触感染」
- 二つ目は嘔吐物からの飛沫を吸い込むことによる「飛沫感染」もしくは「空気感染」
- 三つ目は汚染された食品を口にすることで感染する「経口感染」
ノロウイルスは他のウイルスに比べても非常に感染経路が多く、注意していても防ぎきれないと言ったことが多いウイルスなのです。
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牡蠣などの二枚貝にノロウイルスが潜んでいる理由
冬場にシーズンを迎える牡蠣には上記のようなノロウイルスが潜んでいる可能性があります。ではどうして牡蠣などの二枚貝の体内にウイルスが溜まってしまうのでしょうか。
二枚貝の体内にウイルスがたまる原因とは?
本来、牡蠣のような二枚貝の体内ではノロウイルスは増殖することができません。ノロウイルスは人間の腸内のみで増殖することができるので、本当の二枚貝はノロウイルスを持っていないのです。
ですがノロウイルスに感染した人間の排泄物を二枚貝が取り込むことによって、体内にノロウイルスを持った状態になってしまうのです。排泄物というのは下水処理場で浄化処理される時にウイルスのほとんどが死滅します。ですがわずかに残ってしまったウイルスは河川から海へと流れ込みます。
カキなどの二枚貝はプランクトン餌としているので常に大量の海水を濾して食事をしているのですが、この時に海水に含まれているノロウイルスが体内に入ってしまうのです。こうして二枚貝の中にノロウイルスが蓄積されていき、それを人が食べる事によって食中毒が引き起こされます。
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ノロウイルスを持っているのは牡蠣だけ?
あまり牡蠣以外の二枚貝ではノロウイルスに感染したという情報を聞きませんよね。ただ二枚貝の中で特に牡蠣は海水をこし出す量が多いため、ノロウイルスを蓄積しやすいと言われていますが、その他にもシジミやアサリ、ハマグリなどもノロウイルスを持っている可能性があります。
生食用の牡蠣なら大丈夫?
スーパーなどで販売されている牡蠣には生食用と加熱用の2種類ありますよね。生食用は加熱用よりもより鮮度が良いものを食べることができるというイメージがあると思います。しかしこれは鮮度で決められているわけでなく、牡蠣が育った海域や紫外線による浄化処理で除菌しているかどうかの違いです。
正しい、生食用の牡蠣は浄化処理を行っているのでノロウイルスの心配が絶対にないということではありません。生食用の牡蠣でも十分にノロウイルスの感染を引き起こす可能性があります。生食用の牡蠣は食中毒を引き起こす可能性が加熱用に比べて低いという認識を持っているとよいでしょう。
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二枚貝からノロウイルス感染を防ぐにはどうしたらいいの?
牡蠣などの二枚貝はノロウイルスの感染の原因になってしまいますが、非常に優秀な栄養素をたくさん含む食品です。食べることによってたくさんのメリットをもたらしてくれます。ではどのように気をつければノロウイルスの感染を防ぐことができるかを説明してきますね。
加熱して食べよう
二枚貝の体内に溜まったノロウイルスは、水でしっかり洗っただけでは取り除くことが出来ません。二枚貝の体内に蓄積しているノロウイルスを死滅させるには、中心部の温度が85~90℃以上の状態で1分30秒以上の加熱が必要と決められています。
特に注意すべきものはカキフライなどの「一見すると火が通っているように見えるけれど、中心温度がそれほど高くならない調理法」です。加熱不十分の状態というのが一番危険な状態なので、しっかり中まで火が通っているか確認してから口にするようにしましょう。
加熱することでほとんどのウイルスは殺菌することができますが、どうしても生きたままで残ってしまうノロウイルスもいる可能性がありますので、加熱したから100%大丈夫というわけではないということも覚えておいてください。
手洗いを徹底しよう
ノロウイルスに汚染された二枚貝を調理した手や調理した器具、乗せたお皿などにも注意を向けなければなりません。基本的に手洗いだけではノロウイルスを死滅させることはできませんが、手の脂肪や汚れお手洗いによって落とすことで手先からウイルスが離れやすくなります。
ノロウイルスは次亜塩素酸ナトリウムでしか退治できない
ノロウイルスはアルコール消毒に対して耐性があります。ですので家庭用塩素系の漂白剤などに含まれる次亜塩素酸ナトリウム希釈した消毒液が有効です。
<消毒液の作り方(濃度0.02%)>
※使用する塩素系漂白剤の次亜塩素酸ナトリウムの濃度が5%であるかまず確認してください。
①500mlの空のペットボトルにペットボトルのキャップ半分の塩素系漂白剤を入れる
②水をいっぱいになるまで入れる
③水しぶきが飛ばないようにキャップを閉めて、上下に軽く振る
この希釈した消毒液を使えばノロウイルスを死滅させることができます。直接肌に触れたり口に入ったりすると体に悪影響を及ぼす可能性がありますので、消毒液の扱いには注意してください。
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まとめ
いかがでしたでしょうか?牡蠣などの二枚貝を食べる時はたくさんの注意するべきポイントがあるということが分かっていただけたでしょうか。牡蠣を自宅で調理する際は、今回お伝えした注意点をしっかり覚えておいてくださいね。
この記事をまとめると
- ノロウイルスは人間の腸内でしか増殖できないウイルス
- 海に流れたノロウイルスを二枚貝が取り込むことによって食中毒を引き起こす
- カキなどの二枚貝を食べるときは加熱して食べるほうが安全
- 手洗いや次亜塩素酸ナトリウムの消毒液を使ってノロウイルスを予防しよう
今回のように食品についての様々な知識を紹介しています。他にもたくさんの記事を掲載していますので、ご興味のある方は是非ご覧になってみてください。
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