ムール貝の食中毒の危険性を解説!貝毒にあたった時の症状は?見分け方はある?

これから夏を迎えるにあたって、料理をする人が気を付けなくてはならないものの中に「食中毒」というものがありますよね。様々な食材に様々な原因の食中毒が潜んでいます。今回はムール貝に焦点を当てて、ムール貝のもつ食中毒の危険性を紹介していきたいと思います。

スポンサードリンク

ムール貝の食中毒は危険!貝毒とは?

ムール貝が貝毒になる原因

ダメ

皆さんは貝毒という言葉を聞いたことはありますか? 貝毒とは主に二枚貝が毒を持った植物プランクトンを餌として食べることで、体内に毒を蓄積させる現象のことを言います。 蓄積する毒そのものやその毒によって引き起こされる食中毒症状を総じて貝毒という場合もあります。

ムール貝に限らずに二枚貝の貝(ホタテ、あさり、牡蠣)を調理する場合に気をつけなければならないのです。

貝毒はふぐ毒に匹敵する?
魚介類で毒と言えば、ふぐ毒が有名ですよね。ふぐ毒は「テトロドトキシン」という強力な毒が体に入ることで生じます。食後20分から3時間までに、口唇、舌端、指先のしびれが始まり、頭痛、腹痛などを伴い、激しい嘔吐、それから体の感覚がなくなり、血圧が低下していきます。まもなく全身まひの状態になり、死に至ることが多いのです。このような恐ろしい毒ですが、貝毒もまたふぐ毒に匹敵するほどの強力な毒と言われています。毒化した貝は出荷規制されて市販されることはないため、貝毒による食中毒事件はほとんど起こっていませんが潮干狩りや海水浴などで自家用に採った貝などは、出荷規制の対象外なので、注意が必要なのです。さらに貝毒は熱に強いため、家庭で加熱調理しても無毒ならないなど厄介なポイントが多いのです。

スポンサードリンク

ムール貝で起きる食中毒(貝毒)の症状

貝毒には様々な種類があり、大きく分けて2種類に分けられます。

麻痺性貝毒

麻痺性貝毒の場合は食後30分ほどで舌や唇、顔面がしびれてきます。やがて全身に広がり重症の場合は体が動かなくなってしまいます。最悪の場合は12時間以内に呼吸困難で死亡するケースもあります。麻痺性貝毒の代表的な毒成分は「ゴニオトキシン」と「サキシトキシン」です。これらは水溶性の神経毒で、高い毒性の成分はフグ毒(テトロドトキシン)に匹敵する毒力をもち、神経筋肉系を強力に麻痺させます。

下痢性貝毒

下痢・腹痛

下痢性貝毒の場合は食後30分から4時間以内に発症し、下痢症状の他に吐き気や嘔吐腹痛などが起こりますが、およそ3日ほどで回復し死亡例などはありません。下痢性貝毒の代表的な毒成分は「オカダ酸」と「ディノフィシストキシン」です。

スポンサードリンク

貝毒にならないための対策

潮干狩りで採ってきた貝はとくに注意

注意

貝毒は非常に強いものだということが分かっていただけたかと思います。ですがここで朗報があります。スーパーに売られている物に関しては、かなり厳しい検査を受けていますので基本的に貝毒の心配はありません。ですが一番危険なのは潮干狩りなどで採ってきた貝です。 自分で取ってきた貝に関しては調査ができていませんので、貝毒を持っている可能性はゼロではないのです。

赤潮が発生していると貝毒が発生する?

皆さんは赤潮をご存知ですか?赤潮の原因は赤色のプランクトンが急激に増えてしまうことが原因です。そしてこの赤潮と貝毒には密接な関係があり、赤潮の原因となるプランクトンの一つカレニア・ブレビスを食べた貝が貝毒を持ってしまいます。

赤潮の原因は生活排水?
そもそも赤潮自体を見たことがない人も多いと思います。現在ではほとんど見られなくなった赤潮ですが、赤潮は外海と海水の交換が少ない(海水の循環が悪いところ)海域に、家庭や工場、下水処理場からの排水が流れ込んで海水中の窒素やリンなどが増えると生じるといわれています。こういった海域で水温、塩分、日照時間などの環境条件がそろうと、植物プランクトンの成長が活発になります。さらに、環境の変化で植物プランクトンを食べる動物プランクトンが少なくなったり潮流や風などによって植物プランクトンが特定の場所に吹き寄せられたりすると、集められた植物プランクトンの色によって海の色が変わって、赤潮と呼ばれる現象になります。赤潮はきれいな海で発生することはまずありません。

地方自治体の貝毒情報をチェック 

貝毒の調査は毎週行われています。なので地方自治体のホームページを見れば、今貝を採っても良いのかについて報告されていますので、そちらを参考にしてみてください。 

スポンサードリンク

まとめ

この記事をまとめると

  • ムール貝で気をつけるべきは貝毒!
  • 貝毒は赤潮と関係がある!
  • 貝毒の検査は毎週行われており、安全な時かそうでないときかを調べてから潮干狩りに行こう!

今回のように食品についての様々な知識を紹介しています。他にもたくさんの記事を掲載していますので、ご興味のある方は是非ご覧になってみてください。

スポンサードリンク