臼と杵、どっちがどっち?意味・読み方・由来は?使い方は?餅のつきかたは?

クリスマスが終わると今度はお正月がやってきますね、幼稚園などのイベントではお餅つきをして少し早いお正月準備を済ませたところもあるのではと思います。

お餅つきイベントなどで使用する臼と杵も近年はすっかり見かける姿が少なくなってしまいましたが、この道具達には実はとても縁起の良い意味があるのをご存知でしょうか?

そこで今回は…

  • 臼と杵の意味・由来
  • 臼と杵の種類
  • 木製の臼と杵の上手な使い方

上記3点を中心に臼と杵について学んで参りたいと思います。

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臼と杵の意味・由来

臼と杵の意味や由来をご存知ですか?

臼(うす)とは?

臼(うす)とは中央部の凹みに材料を入れ、杵(きね)でつくことによって、米を脱穀したり蒸かしたもち米を餅にしたりするための道具で、もち米を餅にする道具はつきうすとも呼ばれます。

臼(うす)の由来は型にえぐってくぼませたさまを描いたもので、穴を意味することもあります。

杵(きね)とは?

杵(きね)は臼(うす)に入れた穀物などをつくための木製の道具のことで脱穀や餅つきなどに用います。読み方は「きね」ですが、きねの「ね」は常に他の語の下について、その語とともに一語を形成する「接尾語」だそうです。

杵(きね)の由来については午はきねを描いた象形文字で杵は「木+音符午」で表しています。午は十二支の午ウマを用いる際に使用することから区別する意味合いもあり意符木を加えて「午」の意味を残したとされています。また「午」は交差するという意味を含み交互に上下してつく方のきねを表しました。

臼と杵の歴史

日本での臼と杵は、今から約二千年前の弥生時代から使用されており餅をつくだけでなく、米、麦、粟、稗、蕎麦など穀物の脱穀、精白、製粉、さらに栗、樫など木の実の脱皮・脱渋・粉砕にも使われました。 臼と杵は日々の生活の糧である穀物の加工に重要な役割を果たし、時代とともに家を象徴する道具となりました。

葬儀の際は出棺の時に空臼をつきます。故人の、この世の家からの永遠の別れを意味し、日常で空臼を搗くことは縁起が悪いものとされています。

また結婚式では餅をつきます。嫁ぎ先の家の土間に臼を二つ並べ、花嫁が家に入るのを邪魔しました。重い臼を退け、困難を乗り越えて婚家に入るとの意味から、結婚を象徴する儀式でした。

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臼と杵の種類

昔は木製が主流でしたが、近年の臼と杵は進化していました!

プラスチック製

プラスチック製の良い点/悪い点

【良い点】

・前もって水につけておく必要がない

・餅がこびりつきにくく掃除が楽

・ヒビ割れしにくい

【悪い点】

・割れてしまった時、お餅の中に入ってしまうと分かりづらい

・劣化するとかけやすい

木製

木製の良い点/悪い点

【良い点】

・木製なので使えば使うほど手に馴染み使いやすくなる

・杵が傷みにくく、少しの割れであれば修理が可能

・餅つき時ゆっくりついてもお餅が冷めにくい

【悪い点】

・餅がこびりつくので使用した後の掃除が大変

・乾燥しやすいためヒビ割れしやすくカビやすい

・使用する前は水に漬けておかねばならなく手間である

石製

石製の良い点/悪い点

【良い点】

・木製よりコンパクトで持ち運びやすい

・価格も木製より安い

【悪い点】

・餅が冷めやすい

・石臼は特に杵が傷みやすいので場合によっては買い替えが必要

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木製の臼と杵の上手な使い方

もしかしたらお餅をつく機会があるかもしれません、是非知識として覚えておくと良いかと思います。

餅つきの材料

【餅つきの材料】

  • 臼(うす)と杵(きね):木製、石製、プラスチック製など用意できるもので準備してください
  • もち米:臼の大きさに合わせて用意してください
  • 蒸し器:餅米を蒸すときに使用します
  • 餅とり粉:のし餅にしたり、丸めたりするときに必要です
  • 水(お湯):お餅を返す時などの手水に使用します
  • 調味料類と食材:つき立ての餅に合わせて食べるお好みの調味料や食材

事前準備すること

事前準備すること
  1. 餅米は前日から研いで水に浸しておく必要がありますのでもち米は前日までに購入しておきます
  2. 臼と杵が木製の場合、前日から水に浸しておき、水を吸わせることで木が割れにくくなります
  3. 前日の晩くらいまでには、餅米を必要分、多い時には分けて研ぎます。もち米はうるち米ほど濁り水は出ませんので全体を手で混ぜて、濁った研ぎ水を何度か取り替える程度で大丈夫です。ざっと水を切って浸水用の水を浸かるまで入れてからラップをし、冷蔵庫か冬なら寒い部屋などに置いてしっかり浸水させておきます

当日準備すること

当日準備すること
  1. 餅つきは熱々に蒸された餅米を熱いうちにつきます。少しでも餅米が冷めないよう臼と杵も温めておく必要があり、餅米を蒸し始める少し前くらいから、前日に入れておいた水をすべて捨てて、替わりに熱湯を入れ、臼と杵を温めておきます。
  2. 餅米が蒸し上がる少し前に、中に入っていた熱湯を捨て、清潔なふきんなどで水気を軽く拭き取ります
  3. 餅つきをする時には合いの手を入れる人が使う手水と、杵の先を湿らせるお湯が必要になるので、それぞれ準備しておきます
  4. 前日の晩に浸水させておいた餅米は、ざるに上げて水気を切って蒸し始めます(蒸し時間は1時間弱なので、実際に餅つきをするタイミングに合わせて、時間配分をしてから蒸し始めるとよいです)
  5. 一度濡らしてかたしぼりにした蒸し布を蒸し器に広げ、水気を切った餅米を広げます。蒸気が通りやすいように、中央を少し開けてドーナツ状にするのがポイントで、蒸し布をかぶせたら蒸す準備の完了です。しっかり沸騰した湯にかけ、強火で45分~1時間ほど蒸し上げます
  6. ついた餅は、つき立てを食べたり、熱いうちにのし餅にしたりする必要があるので、同時進行で餅を食べる調味料や食材、のし餅にするなら餅を広げる台と餅とり粉などを準備するようにしますと進行がスムーズです

つき方のポイント

臼に蒸し上がったもち米を入れ、つく前に杵で念入りにつぶし、餅全体をこねるようにしましょう。時間が経つと杵と餅がくっつきやすくなるため、時々杵に手水をつけながらこねていきます。

餅つきは、杵で餅をつく人と、位置を整える『返し手』がペアとなって進めていくものです。餅をつく人は杵に体重をかけながら力強く餅をつき、返し手はぬるま湯を含んだ手でもち米の端を中心に折り入れるように位置を調整します。

時々もち米全体をひっくり返したり手水を加えたりして、餅がまとまるようにサポートします。木べらやしゃもじを使って餅をひっくり返しても良いです。

掛け声かけながらリズムよくつきますと、タイミングがずれてケガをするのを防げます。

つきおわった後の処理

臼に付着したお米はタワシなどでこすって素早くきれいに洗い、洗った後はタオルなどで水分をふき取り、ゆっくりと乾燥に入ります。直射日光を避け、屋外の物置・物品庫に横向きに寝かせて保管します。

餅つきのあとは、どうしても臼(丸太)の内側が水分で膨張している為、急激な乾燥は外側から大きく割れますので注意が必要です。水分をゆっくりと吐き出させるように直接床に置かずスノコなどの上に横向きに寝かせてください。その時毛布やテントなどで覆わないでください。

まとめ

この記事をまとめると

  • 臼と杵は日々の生活の糧である穀物の加工に重要な役割を果たし、時代とともに家を象徴する道具となりました
  • 近年の臼と杵は木製の他にプラスチック製、石製のものもありそれぞれ良し悪しがあります
  • 餅つきをする際は事前準備がありますので前日から取り組むようにしましょう
  • 臼と杵が木製の場合、前日から水に浸しておき、水を吸わせることで木が割れにくくなります
  • もち米を蒸す際は蒸気が通りやすいように、中央を少し開けてドーナツ状にするのがポイントです
  • 餅をつく人は杵に体重をかけながら力強く餅をつき、返し手はぬるま湯を含んだ手でもち米の端を中心に折り入れるように位置を調整しましょう
  • 使用後は臼に付着したお米をタワシなどでこすって素早くきれいに洗い、洗った後はタオルなどで水分をふき取り、ゆっくりと乾燥に入りましょう、急激な乾燥は厳禁です

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