高級なイメージがある松茸ですが、なぜ値段が高いのかご存じでしょうか?実は松茸は、人工栽培が難しいキノコだからなんです。松茸は「菌根菌」と呼ばれるキノコで生きたアカマツの根に寄生して成長する特性があります。天然ものになるため、価格が高いのです。今回は希少価値が高い「松茸」について以下の内容に沿ってご紹介していきます。
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目次
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松茸の値段が高い理由はプロパンガス?
松茸は1965年頃、値段が非常に安く、当時は1キロあたり1600円程度とかなり値段が安かったそうです。松茸の生産量は、1965年は1291トンだったのに対し、2016年は69トンと激減しています。
松茸は、アカマツという木の近くに自然発生しますが、樹齢約50年とかなり育っているアカマツでないと生えてこないそうです。
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栄養が多すぎると生えない
松茸は栄養が多すぎる土では育たないと言われています。土に栄養が豊富すぎると他のキノコやカビがたくさん生えてくるため、松茸はその中では生き残れないようです。
1965年頃は、落ち葉や枝を拾って調理などに使用していたため、山には落ち葉が少ない状況でした。そのため、腐葉土のような栄養成分の含まれるものがなく、松茸が発生しやすい環境だったそうです。
ところが、プロパンガスが普及したことで、火はガスから共有されるようになり、わざわざ落ち葉や枝を拾って調理をする必要がなくなりました。土に栄養がいきわたるようになった結果、松茸が減少し、価格が高騰するようになったと言われています。
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松茸の値段の相場は?
国産松茸は人工栽培が確立されていないため、市場に出回る松茸の数は変動しやすいため、相場は年によってバラつきがあります。また、規格によっても値段が変わります。松茸の規格とは、カサの開き具合のことで、規格によって、香りや味わいが違います。
国産松茸の値段
- つぼみ :10本あたり1万円
- 開き : 5本あたり3万円
- 中つぼみ :10本あたり3万円
- 上つぼみ :10本あたり5万円
- 特選つぼみ: 7本あたり7万円
1本だいたい1,000円~1万4,000円の金額となっています。状態により、価格にかなり開きがあります。ただし、これはあくまで目安であり収穫量によって価格も毎年変動します。
1キロあたりの値段は?
- 国産 :1kg 12万~14万円程度
- 中国産 :1kg 7,000円~1万3,000円程度
中国産の松茸は国産の1/10の価格です。香り・味は別として、中国産は手に取りやすい値段設定になっています。
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松茸の味の違いは?
中国から輸入される松茸の見た目は、ほぼ国産と同じです。松茸の香りや風味は鮮度とともに落ちてしまうので、収穫されてから店頭に並ぶまでに時間のかかる中国産の松茸は、香りが弱いです。ほとんど香りがないものもあります。
国産品
松茸の最大の特徴である香りは「松茸のカサ」の部分から出ていると言われています。カサが開いているものは、香りが抜けてしまっている可能性が高いため、カサが開ききっていないものが高級品とされています。
輸入品
海外からの輸入途中で香りはどんどん抜けてしまい、日本に届く頃には松茸独特の香りがなくなっている状況です。それをカバーするために人口香味料を使用しているものが多く、ごまかしている香りのせいか、中国産の松茸は臭いと言われています。
輸入品は松茸本来の香りが楽しめないのでおすすめはしません。
詳しくはこの記事をチェック!
毒性がある?
松茸そのものに毒性はありません。しかし、松茸の成分には、「ヒスチジン」と「フェニルアラニン」というものがあります。必須アミノ酸であるこの2つの成分が腐敗することによって、「ヒスタミン」や「フエニルエチルアミン」という成分に変化し、食中毒の原因になる毒素となりえますので要注意です!
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松茸の人工栽培が韓国で成功!?
これまで不可能とされていた松茸の人工栽培に韓国が世界で初めて成功し、松茸商業栽培の可能性を開いた。山林庁国立山林科学院は16日、松茸人工栽培技術開発のために2001~2004年に植えた松茸菌を感染させた松の苗木から3本の松茸が生えたのを確認したと明らかにした。
人工松茸は2010年10月に同じ試験地で1本生えたことがあり、今回はそれに続く2度目の成功だ。不可能だとされてきた松茸の人工栽培が可能であることを世界で初めて立証した結果と評価される。
世界のさまざまな国で松茸の人工栽培研究をしているがまだ成功した事例はない。これまで松茸人工栽培成功に最も近づいたのは日本で、1983年に広島林業試験場で松茸感染苗を利用し、1本の松茸が生えたのがすべてだ。その後日本では同じ方法で1万本ほど感染苗を作ったが成功できなかった。
引用:中央日報
上記のような記事が出ているようですが、これは人工栽培ではなく、感染しているシロの移植をしただけのようです。日本の言う人工培養とは菌糸を単離培養して、培地に植えて、キノコの形態(子実体)まで育てたものを言います。
韓国の今回の人工栽培の成功と報道されている内容は自然環境にシロを移植して感染させ、栽培をしただけのようです。日本でははるか昔に成功させている技術です。人工栽培ではなく人工繁殖のため、未だ人工栽培は成功されていないようです。
まとめ
この記事をまとめると
- 土が栄養豊富だと松茸は育たない
- プロパンガスの普及により、松茸の収穫量は減少に
- 中国産松茸は人口香味料がかかっている
- 松茸の人工栽培は未だに難しい
いかがだったでしょうか。高級品である松茸が、昔は1本あたり80円程度で食べられていたなんて驚きですね。人間の生活の便利さが自然へも影響してしまったようです。国産は高級品ですが、輸入品は手が出る値段設定です。しかし、香りはほとんど輸入途中で抜けてしまっているようなので、松茸本来の香りを楽しみたい方には、国産をおすすめします。
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