冬が近づいてきてだんだん食べたくなってくるのが「牡蠣」ではないでしょうか。ぷりっぷりの牡蠣の実は海のミルクという別名を持つのにふさわしいくらい濃厚ですよね。そんな美味しい牡蠣ですが、皆さんは「牡蠣に当たる」経験をしたことはありませんか?一度牡蠣に当たってしまうと、怖くて牡蠣を食べることができなくなってしまうという人も中にはいるようです。そもそもどうして牡蠣にあたるかを皆さんはご存知ですか?
今回の記事ではどうして牡蠣に当たってしまうのか、当たった時の対処法、牡蠣を食べてはいけない時期というものがあるというのは本当なのかについて解説していきたいと思います。
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目次
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そもそも牡蠣にあたるってどういうこと?
そもそも牡蠣にあたるということはどのような事なのか、まず始めにこの謎を紹介していきたいと思います。
牡蠣に「あたる」とは
牡蠣にあたるということは「牡蠣が持つ成分や細菌が体に悪影響を与えてしまうこと」を言います。牡蠣にあたると強い腹痛や吐き気などの症状が出ることが一般的です。牡蠣にあたる原因として4つの原因があると言われています。
<牡蠣にあたる原因>
- ノロウイルス
- 腸炎ビブリオ
- 貝毒
- 食物アレルギー
この中で牡蠣にあたる原因のほとんどが「ノロウイルス」です。
牡蠣にあたる確率ってどれくらい?
皆さんは牡蠣による食中毒になる確率はどれくらいだと思いますか?具体的な数字を算出することは難しいと言われていますが、令和元年の海産物によるノロウイルスの患者の割合を見てみると全体の「2.6%」と言われています。この中で牡蠣だけに絞るとなると非常に少ない割合になることが予想されますね。
牡蠣にあたる人は結構いるようなイメージがありましたが、最近では注意喚起が盛んに行われているため、牡蠣を食べて食中毒にあたる人がそもそも少なくなっているようです。
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牡蠣による食中毒について
では牡蠣にあたる原因別にどのようなものなのか詳しく説明していきます。今回はメジャーなノロウイルスと腸炎ビブリオについて解説していきます。
牡蠣にあたる原因「ノロウイルス」
牡蠣にあたるという症状のうち最も多いのが「ノロウイルスによる食中毒」です。冬になると頻繁にメディアで注意喚起がされていますよね。ですが本来牡蠣などの二枚貝の貝類は「もともとはノロウイルスを保有していない」のです。そして「牡蠣の体の中でノロウイルスが増殖するということも基本的にはない」んですよ。
ではどうして牡蠣を食べる事でノロウイルスに感染してしまうのかと言うと、ノロウイルス感染者の排泄物に含まれるウイルスが下水処理などでも死滅することなく生き残ってしまい、それが川や海に流れて牡蠣の体内に蓄積されることがあるからです。
ノロウイルスの症状は嘔吐や激しい下痢や腹痛が同時に生じるのが一般的です。健康で免疫力の強い成人であれば、1日程度で症状が治まるのが普通ですが、抵抗力の低い高齢者や子供、妊娠中の方などは悪化する可能性が高いので注意が必要です。
牡蠣にあたる原因「腸炎ビブリオ」
腸炎ビブリオはいわゆる「感染性胃腸炎」の原因になる細菌です。腸炎ビブリオは牡蠣に限らず、カニやエビ、魚たちなどの様々な魚介類の体表面や体内に潜んでいます。腸炎ビブリオは海水の中であればどこでも繁殖することができ、水温が上がる夏場に爆発的に繁殖するため夏場は感染性胃腸炎患者が増えます。腸炎ビブリオの主な感染経路は、生の魚介類を調理した調理器具やまな板に触れること二次感染です。
腸炎ビブリオに感染すると強い腹痛や下痢を引き起こすと言われています。ひどい場合だと血便が出ることもあるようです。発熱が出るのも特徴的で、食べてすぐ(食後2~3時間後)に症状が出ることが多いです。抵抗力の低い高齢の方で死に至ったケースもある、意外と怖い細菌なのです。
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Rのつかない月には牡蠣を食べてはいけない!?
牡蠣の都市伝説的な噂として「Rのつかない月には牡蠣を食べてはいけない」と言われているのです。Rのつかない月というのは5月(May)・6月(June)・7月(July)・8月(August)の4ヶ月ですね。
これには理由がある
どうしてRのつかない5月~8月は牡蠣を食べてはいけないのかというと実はしっかりとした理由があります。
まずこの時期は産卵期を終えているということが理由として挙げられます。牡蠣は産卵期を終えてしまうと、実が痩せてしまい旨味成分も抜けていきますのであまりおいしく食べることができないという意味です。
もう一つは海水温に関係しています。この5月から8月というのは海水温が一番高くなる時期です。海水温が上がると食中毒を引き起こす細菌等の繁殖が活発になるので、食中毒の危険性が増してしまうからということです。
今でもRのつかない月は食べてはいけないの?
ちなみにRのつかない月に牡蠣を食べるなという言葉はフランスで生まれたと言われています。そしてこれは今から200年以上も前の話で、現在ではあまり適していない考え方となっています。
今では世界中で牡蠣が流通していますし、冷凍の技術も発達していますので年間を通じて美味しい牡蠣を味わうことができるようになっています。なので販売されている牡蠣であれば、あまり気にせずに食べても問題ないということがわかりますね。
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まとめ
いかがでしたでしょうか?牡蠣に当たるということの本当の意味がわかっていただけたのではないかと思います。注意していても完全に防ぐことはできない食中毒ですが、販売されている牡蠣であれば基本的には安全に食べることができますので怖がらずに食べてみてください。
この記事をまとめると
- 牡蠣にあたる原因の多くはノロウイルスと腸炎ビブリオ
- かなり当たる確率は減ってきている
- Rのつかない月は牡蠣を食べない方が良いと言われてきたが現在は違う
今回のように食品についての様々な知識を紹介しています。他にもたくさんの記事を掲載していますので、ご興味のある方は是非ご覧になってみてください。
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