ハムは生でも食べれらる?加熱食肉製品と非加熱食肉製品の違いは?

どんな場面でも使い勝手の良いハムを冷蔵庫に常備しているという方も多いと思います。サラダやハムエッグなど、生で食べられるハムは朝の忙しい時間帯には特に重宝しますよね。では、なぜハムが加熱せずに食べられるのかご存じでしょうか?今回は

  • ハムが生でも食べられる理由
  • ハムと生ハムの違いとは
  • 加熱食肉製品と非加熱食肉製品の違いとは
  • 非加熱食肉製品が生で食べられる理由
のテーマについて紹介します。

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ハムは生でも食べられる?


結論から言うと、ハムは生でも食べられます。この手軽さが、ハムの魅力の1つでもありますよね。いちいち火を使う手間が省けて、パッケージからお皿にそのまま乗せてもOKです。そんな便利なハムが生で食べられる理由を見ていきましょう。

食べられる理由は

ハムが生で食べられるのは、原料肉を加熱して作られた「加熱食肉製品」だからです。「加熱食肉製品」とは、製造工程の中で加熱殺菌・乾燥・熟成が行われており、そのまま食べることができるように製造された製品を指します。そのため「加熱してお召し上がりください」などの記載がない限り、加熱する必要がなく、生のまま食べられるのです。

生で食べる際の注意点

安心して生で食べれられるハムですが、お弁当に入れる際には注意が必要です。ハムは要冷蔵の食品です。すぐに冷蔵庫に入れる場合は生でも問題ありませんが、常温で持ち歩く場合や気温が高くなる夏場などは加熱してから入れるほうが安全です。

生ハムとの違いは?

ハムとよく似た商品で「生ハム」も売られていますよね。生ハムという名前ですが、生肉ではありません。では、ハムと生ハムは何が違うのでしょうか。ハムは「加熱食肉製品」と記載されているのに対して、生ハムは「非加熱食肉製品」と記載されています。この2つの大きな違いは、製造工程と材料の1つである塩の量にあります。具体的な違いを次の項目で解説します。

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加熱食肉製品と非加熱食肉製品の違いは?

前述の通り「加熱食肉製品」のハムと「非加熱食肉製品」の生ハムの違いは、製造工程と使われる塩の量にあります。どんな違いがあるのか具体的に見ていきましょう。

加熱食肉製品とは?

「加熱食肉製品」とは、そのままでも食べられるように製造された製品を指しています。食品衛生法に定められた方法で加熱・製造が行われているので、安心して食べられますね。以下は一般的なハムの製造工程です。

  1. 原材料となる豚肉成形する
  2. 食塩、香辛料、発色剤などの調味液を肉に注入して味をつける
  3. 味付けした豚肉を熟成させる
  4. 豚肉を燻煙・加熱する

④の燻煙の工程で中心温度を63度で30分以上、または同等以上で加熱・殺菌した製品を「加熱食肉製品」と呼びます。製造工程を見るとしっかりと加熱されていることが分かり、安心できますね。

非加熱食肉製品とは?

「非加熱食肉製品」とは、加熱食肉製品とは違い加熱・殺菌をせずに製造された製品を指しています。「非加熱食肉製品」である生ハムの一般的な製造工程を紹介します。

  1. 原材料の豚肉を成形する
  2. 成形した豚肉を塩漬けにする
  3. 冷水で洗浄し、塩抜きをする
  4. 塩抜きをした豚肉を乾燥させる
  5. 20度以下の低温で燻製する
  6. 熟成させる

このように加熱・殺菌されておらず、低温で燻煙し時間をかけて乾燥・熟成させたものを「非加熱食肉製品」と呼びます。非加熱ではありますが、②の塩漬けの工程で、水分活性を制御することで細菌の増殖を防いでいます。

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非加熱食肉製品の「生ハム」は生で食べられる?

豚肉で作られている生ハムのパッケージを見ると「非加熱食肉製品」と記載されています。一般的に生の豚肉には寄生虫がついている可能性があり、生では食べることができない食品です。安全に豚肉を食べるにはしっかり火を通すことが必須です。では、製造工程で加熱されていない非加熱食肉製品の「生ハム」はどうなのでしょうか?

食べられる

結論から言うと、非加熱食肉製品である「生ハム」は生で食べることが可能です。もちろん、生ハム以外の非加熱食肉製品である生サラミ、生ベーコン、ラックスハム、パルマハム、プロシュートなども生で食べられます。これらの商品のパッケージを見てみても「そのままお召し上がりください」等の記載がされています。では、なぜ加熱していないにもかかわらず生で食べることができるのでしょうか?

なぜ生で食べられる?

生ハムなどの非加熱食肉製品が生のまま食べられる理由は製造工程にあります。バクテリアなどの細菌やウイルスなどは、塩分濃度の高い状況や乾燥してる環境では繁殖が抑えられ、長い間活性化できません。そのため、しっかりと塩漬け・乾燥・熟成の工程を経て作られている生ハムは生でも食べられるのです。食品衛生法により定められた基準で、温度管理や塩分濃度の調整、乾燥の工程が行われているので安心して食べることができます。

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まとめ

今回は「ハムはなぜ生でも食べられるのか」のテーマに沿って紹介しましたが、いかがでしたか?

この記事をまとめると

  • ハムが生でも食べられるのは製造工程で加熱・殺菌が行われている「加熱食肉製品」だから
  • ハムは「加熱食肉製品」なのに対し生ハムは「非加熱食肉製品」である
  • 「非加熱食肉製品」とは、製造工程で加熱・殺菌を行っていない食肉製品のこと
  • 生ハムが生でも食べられるのは安全基準をもとに塩漬け・乾燥・熟成された加工食品だから

いろいろな料理に取り入れやすいハムは、冷蔵庫に常備しておくと重宝する食材の1つです。生で食べられるのであれば、より一層レパートリーが広がりますね。

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