「はまぐり」は春に旬を迎える美味しい貝ですが、「食べ過ぎると下痢になる」と聞いたことはありますか?稀ですが貝毒という食中毒の可能性があるようです。しかし、はまぐりは栄養たっぷりで健康効果も沢山あります。今回は、
- はまぐりの栄養と効能
- はまぐりの食べ過ぎで下痢になる?
- はまぐりによる貝毒って何?対処法は?
これらのテーマについて紹介いたします。
スポンサードリンク
目次
|
|
はまぐりってどんな貝?
英名 | Japanese hard clam |
別名・和名 | 蛤 |
エネルギー(100gあたり) | 39kcal |
糖質量(100gあたり) | 1.8g |
はまぐりは、日本では北海道がメインの生産地となっています。淡水の流入するところで干潟から水深12メートル前後までの浅瀬に生息しており、昭和の終わりころからその収穫量は年々減ってきています。
はまぐりは、その枚の貝がぴったりと合うことから「夫婦和合」として縁起が良いものとされてきました。現在では、ひな祭りの際にお吸い物として飲む文化がありますね。
その文化も徐々に薄れてきていますが、お祝いの時に食べるもの、といった形です。結婚式にもはまぐりのお吸い物が出てくるところも多く、「一生一人の人と添い遂げるように」という願いが込められているのだそうです。
スポンサードリンク
はまぐりの栄養
ハマグリには、栄養ドリンクにも含まれているタウリンという成分が豊富に含まれており、生活習慣病を予防したり、肝臓機能を整える効果があります。
また、ビタミンB12も豊富でDNAの合成や調整に大きく関わっています。ハマグリは旨味だけではなく、栄養も沢山詰まった万能な貝です。
- タウリン:タウリンは硫黄を含むアミノ酸の一種で、血液の高脂血症を改善する働きを持っています。コレステロールや中性脂肪の抑え、血圧を正常にする働きもあります。肝臓においてはアルコールの分解含めた解毒の働き助け、脂肪肝の予防効果もあります。
- ビタミンB12:ビタミンB12には、細胞分裂に関わり、特に乳児や人間の血球の文化には不可欠な栄養素です。細胞分裂の際の、DNAの複製に関わるため、不足すると正常な組織が作られず体の機能維持に影響が出ます。神経伝達や脂質代謝にも関わる酵素です。
- 鉄分:鉄分は、人間の血液を運ぶ赤血球に含まれるヘモグロビンの材料として使用されます。加えて、体内に存在する酵素の材料にもなりエネルギー代謝や肝臓での解毒の働きに関わっているミネラルです。
- 亜鉛:亜鉛は、酵素の材料だけではなく、タンパク質や核酸の代謝に大きく関わるミネラルです。細胞分裂に関わるため舌や髪の毛の維持に多く使われます。皮膚や粘膜の維持にも欠かせないため、不足しがちなミネラルの一つです。
はまぐりの効能
はまぐりに含まれる栄養素には、様々な健康効果が期待できます。どんな栄養がどんな効能に繋がっているのか、代表的なものを4つ見てみましょう。
疲労回復
はまぐりに含まれるタウリンには、 細胞のダメージを軽減し筋肉の疲労となる老廃物の除去をサポートする働き があります。そのため「疲労回復」に効果的です。タウリンは市販の栄養ドリンクにも用いられている栄養成分です。
二日酔い緩和(→タウリン)
また、タウリンには 肝臓の機能を助ける働き があるため「二日酔い」予防・改善にも効果があります。
貧血予防(→鉄分とビタミンB12)
はまぐりに含まれる鉄分やビタミンB12の働きにより、「貧血予防・改善」にも効果的です。鉄分は血液の元となる成分で、ビタミンB12も血球に大きく関わっている成分です。
骨粗鬆症予防
はまぐりにはカルシウムやマグネシウムも豊富に含まれており、「骨粗鬆症予防」にも効果があります。
スポンサードリンク
はまぐりの日持ち
はまぐりの日持ち日数の目安は、冷蔵・冷凍それぞれ下記の日数となっています。
- 冷蔵保存…2〜3日
- 冷凍保存…2〜3週間
はまぐりは生物なので常温保存はNGです。購入後の冷蔵庫での日持ちは、2〜3日となっています。また、砂抜き後に冷凍すれば2〜3週間日持ちさせることができます。
詳しくはこの記事をチェック!
はまぐりを食べ過ぎると下痢になる?
「はまぐりを食べ過ぎると下痢になることがある」と言われますが、はまぐりの状態によっては下痢をすることもあります。
どのはまぐりを食べ過ぎた場合でも起こるものではなく、「貝毒」や「ノロウイルス」を持ったはまぐりを食べた場合に起こる症状です。
下痢の原因
はまぐりを食べて下痢となる原因の1つは「貝毒」によるものです。貝毒は全てのはまぐりが持っているものではなく、 はまぐりなどの二枚貝が有害なプランクトンを食べ、貝の中にその毒がたまる ことで発生します。貝毒ははまぐりだけではなく、ホタテやアサリ・牡蠣・しじみなどにも起こり得る食中毒です。詳しくは後ほどご紹介させていただきます。
ノロウイルス
はまぐりは、稀に「ノロウイルス」を持っていることがあります。ノロウイルスは85度以上の加熱で死滅するため、万が一持っていたとしてもしっかり加熱すれば安全です。
はまぐりによる貝毒とは?加熱で死ぬ?
はまぐりなどの二枚貝が食べる有害なプランクトンは毒性を持った植物プランクトンで、「貝毒プランクトン」と言われています。しかし、 この貝毒プランクトンは常に発生しているわけではなく、海中の環境などによって発生する ものです。
日本国内で発生しやすい貝毒は「下痢性貝毒」と「麻痺性貝毒」の2種類で、それぞれ原因となるプランクトンに違いがあります。
スポンサードリンク
- 下痢性貝毒→ディノフィシス属 [毒成分:オカダ酸/ディノフィシストキシン]
- 麻痺性貝毒→アレキサンドリウム属 [毒成分:ゴニオトキシン/サキシトキシン]
難しい名前ですが、これらのプランクトンによって貝毒は起こります。麻痺性貝毒にはフグの毒に匹敵するほど強いものもあり、神経筋肉系を刺激して強い麻痺症状を発症します。また、下痢性貝毒は消化器系への刺激が強く下痢などの症状を発症します。
貝毒は常に発生しているものではないのでごく稀なものですが、「貝毒は熱処理すれば大丈夫なのでしょうか」?はまぐりは生で食べることは基本ありませんので、茹でれば大丈夫なのでは?と思うかもしれません。
貝毒は加熱してもなくなることはない!
残念なことに、貝毒の毒性は熱に強く、茹でる・焼く・煮るなどあらゆる加熱調理をしてもなくなるものではないのです。
関連の記事をチェック!
はまぐりの1日の摂取目安量は?
はまぐりの1日の摂取目安量は、多くても100g程度です。はまぐり1個の可食部は15gほどなので、個数でいうと6〜7個となります。
関連の記事をチェック!
スポンサードリンク
まとめ
「はまぐりの食べ過ぎは下痢になる?」というテーマについてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
この記事をまとめると
- はまぐりの食べ過ぎは、貝毒やノロウイルスによって下痢となることがある
- 貝毒は加熱に強く、ノロウイルスは85度以上の加熱で死滅する
はまぐりは季節の食材なので、ぜひ種の時期に一度堪能してみてくださいね。
スポンサードリンク