妊婦さんは日頃、お腹の赤ちゃんのために栄養のことを考え、意識して食事をしている人も多いのではないかと思います。
特に注意したいのが妊婦さんは母体や赤ちゃんに影響が出るもの…、“妊娠中に食べてはいけないもの”。特に妊娠初期においては食べるものに敏感であるべきです。今回はそのなかでもよく話題に上がるあん肝について調べてみました。
スポンサードリンク
目次
|
|
あん肝に含まれる栄養価
あん肝とはあんこうの肝臓の部位です。あんこうは深海魚でグロテクスな見た目をしていますが、「骨以外は捨てるところがない」と言われる魚。特にその中でも珍味として食されているのがあん肝です。
あん肝には鉄分や銅といったミネラル、ビタミン類が豊富に含まれています。
ここからはあん肝に含まれている代表的な栄養素についてみていきましょう。以下は日本食品標準成分表2015年版(七訂)による、100gあたりの含有量です。
- レチノール:8300μg
- ビタミンD:110.0μg
- ビタミンE:13.9mg
- ビタミンB12:39.1μg
スポンサードリンク
ビタミン類が豊富
ビタミンA(レチノール)
特にあん肝はビタミンA(レチノール)が豊富。レチノールはビタミンAの一種で、視力低下の予防を助けるほか、皮膚・粘膜、細胞の成長に関与しています。私たちの身体にとっては必要不可欠な栄養素で、不足すると夜盲症になったり、感染症にかかるリスクが高くなります。
ビタミンB12
あん肝には赤血球の原料となる鉄分や銅といったミネラル、ビタミンB12も豊富に含まれています。特にビタミンB12は血液細胞や神経を健やかに保ち、細胞の遺伝物質であるDNAの生成を助ける栄養素で、不足すると悪性貧血を起こしやすくなります。
ビタミンD
ビタミンDはカルシウムのバランスを整えるのを手伝ったり、骨粗鬆書の予防など骨の健康を保つために有効な成分です。
ビタミンE
ビタミンEは血管を健康に保つほか、血中にあるLDLコレステロールの酸化を抑制したり、赤血球が壊れるのを防ぐ作用も。細胞の酸化を防ぐのでアンチエイジングにも効果的です。
スポンサードリンク
妊婦さんはあん肝食べ過ぎ注意!ビタミンAの摂取量
妊娠中の食事はバランス良く食べることが大切。バランス良く食べることでお腹の赤ちゃんにも質の良い栄養素を与えることができます。中でも注意しないといけないのが、妊娠中に食べるのを控えたほうが良い食材についての知識。特に妊娠中に注意したほうがいい栄養素がビタミンAです。このビタミンA、実はあん肝にたくさん含まれていることがわかっているのです。
ビタミンA(レチノール)の過剰摂取
あん肝にはビタミンA(レチノール)が大量に含まれています。
100gあたり8300㎍の量
ビタミンB群などの水溶性ビタミンの場合、過剰に摂取しても栄養素は尿として排出されます。しかし脂溶性であるビタミンAは過剰摂取した場合、体内に蓄積しやすく、過剰摂取の害が起こりえます。
特にビタミンAは、過剰摂取すると吐き気や頭痛、めまいなどが起こることがあるので注意が必要です。さらに長期間にわたり、ビタミンAの過剰摂取が継続した場合、中枢神経系統に影響をきたしたり、肝臓や骨、皮膚などの成形に異常をきたしてしまう恐れがあります。
このように胎児にだけでなく、大人にとってもビタミンAの過剰摂取は悪影響を及ぼす可能性があります。そのため食事摂取基準においては上限量が定められています。
ビタミンA摂取目安量
ビタミンAの必須摂取量は年齢や状態(妊娠の有無)などにより異なりますが、1日あたりの推奨量は14歳以上で700〜900㎍、授乳中の妊婦さんで1,200〜1300㎍ほどです。
スポンサードリンク
妊婦さんがビタミンAを過剰摂取すると起こること
胎児奇形の可能性がある
妊娠初期には赤ちゃんの脳・神経系や心臓といった臓器など、身体にとって重要な器官が成形されます。そんな妊娠中の間にビタミンAを過剰摂取してしまうと、催奇形性、つまり赤ちゃんの奇形を引き起こす可能性が高まることが知られています。
妊婦さんのビタミンA目安摂取量
厚生労働省:日本人の食事摂取基準2015年版を参照すると、
- 18〜29歳で1日の推奨摂取量は650㎍(妊娠後期は730㎍)、耐用上限量は2700㎍
- 30〜49歳で1日の推奨摂取量は700㎍(妊娠後期は780㎍)、耐用上限量は2700㎍
あん肝だけにかかわらず、鶏や豚といった肉類のレバーにもビタミンAが豊富に含まれているため、妊婦の方は特に摂取量について気をつかう必要があるでしょう。
まとめ
あん肝にはレチノールと呼ばれるビタミンAが膨大に含まれており、過剰摂取をすると健康被害が引き起こることがわかりました。特に妊娠中は要注意。たくさん食べすぎることにより、赤ちゃんの器官形成異常や奇形を引き起こす可能性があります。ただし足りなすぎても良くないので、適正量を意識して食卓に取り入れるようにしたいものです。
スポンサードリンク