昆布のとりすぎは体に悪い?ヨウ素を取りすぎる事によって起こる症状

日本人には馴染みの深い食材である昆布。海苔やワカメを始めとした海藻類を食べる機会の多い日本人は、昆布の摂取量も他国と比較すると非常に多くなっています。健康に良いイメージがある昆布ですが、食べ過ぎると甲状腺に異常が及ぶ場合があるということをご存じでしょうか?

  • 昆布をとりすぎるとどうなるのか
  • 摂り過ぎを防ぎつつ効率よく栄養を摂取するには
  • 様々な昆布の適正量はどのくらい?

今回は、こちらについて詳しく解説します。

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昆布のとりすぎは体に悪い?

昆布の摂り過ぎが体に悪いと言われる原因とは、ズバリ昆布に含まれるヨウ素と呼ばれる成分に由来しています。ヨウ素は、人間の体内において甲状腺に関わる部分に存在し、甲状腺ホルモンを構成する成分として重要な役割を持った栄養素の1つです。ヨウ素は特に海中に多く存在するため、昆布やワカメを代表とする海藻類に多く含まれています。日本人は特に海藻を日頃から摂取する傾向が強いため、ヨウ素の過剰摂取について注意が必要であると言われているのです。

ヨウ素のとりすぎで起こる症状

健康のために昆布を毎日食べ続けている人は、昆布に含まれるヨウ素が過剰摂取状態となります。その場合、体に様々な悪影響が出ることも考えられます。ヨウ素の過剰摂取による最も起こりやすい症状が甲状腺機能低下症になります。

甲状腺機能低下症とは

甲状腺機能低下症の特徴は、体内の甲状腺ホルモンの量が不足することで新陳代謝が低下するものです。症状が悪化することで

  • 頭がぼんやりする
  • 忘れっぽい

などが起きやすく、認知症の原因にもなると言われている病気です。

このほかにも、極端な体重の減少や筋力低下などが起こりやすいのもヨウ素の過剰摂取による特徴の1つです。

食物繊維のとりすぎで起こる症状

昆布にはヨウ素だけでなく、食物繊維も豊富に含まれています。昆布に含まれる食物繊維は、水溶性食物繊維と言われており「アルギン酸」や「フコイダン」という名の成分としても知られています。

これら昆布に含まれる食物繊維の量は、ゴボウの5倍やさつまいもの約8倍など非常に多いものとなっています。食物繊維が過剰摂取となった場合の具体的な症状は以下の通りです。

point
こんにゃくゼリーなどに含まれる「グルコマンナン」もまた、水溶性食物繊維であり過剰摂取によって下痢の原因となる成分の一つです。

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昆布の栄養を効率よく摂取できる方法は?

栄養

1日の適量

食べやすい乾燥昆布1gには、ヨウ素がおよそ2,400㎍(マイクログラム)含まれています。これは、18歳以上の男女を条件とした場合、ヨウ素の1日における上限摂取量が3,000㎍(マイクログラム)であることを考慮すると、かなりの量であることが判ります。1日にたった2gの乾燥昆布を食べただけでも上限摂取量を超過してしまうものの、日々の食事を平均してみると昆布を摂取する日もあれば全く摂取しない日も存在するのではないでしょうか。

そのため、1日に摂取する適量についてはさほど気にしなくても良いでしょう。ヨウ素の過剰摂取を恐れて昆布を全く摂取しないことの方が、ヨウ素不足によるデメリット発生のリスクがあるのです。

効果的な食べ方

昆布に含まれるアルギン酸とフコダインを効果的に摂取するには、昆布の細胞を壊すことが一番と言われています。

  • 細かく千切りにする
  • じっくりと煮こむ

このような調理を行うことで昆布の細胞を十分に壊すことが出来、効率的に昆布の持つ栄養を摂取することが出来ます。

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その他昆布の適量は?

おしゃぶり昆布

ちょっと口寂しい時に食べやすいおしゃぶり昆布は乾燥昆布になたります。生の昆布と比べると栄養素が凝縮されている分、食べる量には注意が必要です。過去、毎日おしゃぶり昆布1袋を1ヶ月以上食べ続けた女性が甲状腺の病気になってしまったことがテレビでも話題になりました。そのため、1袋を二日以上に分けて食べる位が適量と言えるでしょう。

都こんぶ

発売から80年以上が経過している、駄菓子の定番といえば都こんぶです。「魔法の白い粉」と呼ばれる少し酸味のある味わいが後をひきますが、毎日食べるのはヨウ素の過剰摂取に繋がります。たまに食べるくらいであれば1日1箱でも大きな問題はありませんが、毎日食べている場合は、こちらも2日で1箱を食べ切るくらいが丁度良いでしょう。

とろろ昆布

うどんや味噌汁などにも使いやすいのが魅力のとろろ昆布ですが、他の昆布製品同様に食べ過ぎには注意が必要です。1日の適量10g程度を目安として食べれば、栄養素だけを摂取することが出来るでしょう。

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まとめ

この記事をまとめると

  • 昆布の摂り過ぎはヨウ素の過剰摂取に繋がり、甲状腺機能低下症を発症することもある
  • ヨウ素は不足しても甲状腺の異常をきたすことがあるため昆布を適量摂取することが大切
  • 昆布に含まれるアルギン酸とフコダインを効率的に摂取するためには、昆布の形状を変化させて細胞を壊すことが効果的
  • 昆布に様々な加工を行った製品が販売されているが、いずれも過剰摂取には注意を払う必要がある

いかがだったでしょうか。

昆布は「喜ぶ」に繋がるため、縁起物として特に年末年始に食べる機会の増える食材です。食べ過ぎに十分注意して食べることで、何か縁起の良いことが起きるかもしれませんよ。

この記事が皆さんの参考になれば幸いです。

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