妊娠中の食事には食べても良いもの・控えた方が良いものがありますが、“ライ麦”は妊婦さんでも食べられる食べ物です。一般的な小麦粉を使ったパンよりも、ライ麦を原料としたパンの方がオススメなんです!その理由を、ライ麦が持つ栄養素と共に解説いたします。
- ライ麦パンは妊娠中でも食べられる!
- ライ麦パンが含む主な栄養素とは?
- 妊娠中でも安全おいしい食べ方
これらのテーマについて紹介いたします。
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目次
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ライ麦ってどんな食べ物?
英名 | Rye |
別名・和名 | ライムギ |
エネルギー(100gあたり) | 334kcal |
糖質量(100gあたり) | 57.4g |
ライ麦は、「小麦では作ることができない地域で栽培できる麦」と言われています。というのも、小麦は寒冷地では栽培できないため、北欧などの寒い気候の地で多く広まりました。
ライ麦を使ったパンは特有の食感があり、食物繊維が豊富なので体に良いのがポイントです。かつては貧困層に食べられていたライ麦パンですが、現在ではライ麦を使ったものの方が高く、人気も高くなっています。
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ライ麦パンは妊娠中でも食べられる食材!
ライ麦は、妊娠中にオススメの食材です!その理由は、ライ麦に含まれる“食物繊維”や、“ビタミンB群“、“タンパク質“があります。
妊娠中期以降はタンパク質量を増やして
ライ麦は、通常の小麦パンよ比べると1.5倍も多くのタンパク質を含んでいます。タンパク質は体を作る上で欠かせない栄養素ですが、妊娠中は妊娠前よりも摂取量を増やす必要があります。妊娠初期・中期・後期それぞれの摂取目安量はこちらです。
- 妊娠前の成人女性…50g/1日
- 妊娠初期…50g/1日
- 妊娠中期…60g/1日
- 妊娠後期…75g/1日
妊娠中期以降、胎児の成長に合わせて摂取すべきたんぱく質量がアップします。1日50gだった妊娠前・妊娠初期よりも+10g必要量が増えて1日60gを、後期には1日75gを目安に摂ることが望ましいとされています。
妊娠中の便秘に食物繊維
ライ麦には、食物繊維が豊富に含まれており、便秘解消に効果があります。妊娠中はホルモンバランスの関係で頑固な便秘になりやすく、便秘薬を飲まないとなかなか排便できないことが多いです。妊娠中でも飲める便秘薬には“酸化マグネシウム”などがあり、かかりつけの産科で処方してくれます。
妊娠中の便秘はなかなか手ごわいものですが、その対処法として 「食物繊維の多い食材を摂ること」 があります。
また、食物繊維を摂ることで腹持ちを良くし、妊娠中の体重増加を緩和させる効果もあります。食べづわりなどでつい食べ過ぎてしまい、体重が急増してしまった…!という時は、食物繊維たっぷりのライ麦パンを食事に取り入れてみましょう。
ビタミンB群の各効果とは?
ビタミンB群の中でも、ライ麦に含まれるB1・B2には、妊婦さんにとってこのような効果があります。
- ビタミンB1…糖質をエネルギーに変える時に必要
- ビタミンB2…タンパク質の代謝に働き成長を促進
どれもビタミンBですが、それぞれに異なる働きがあります。
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ライ麦に多く含まれる主な6つの栄養素
ライ麦は食物繊維の他、ビタミンB1・B2・B6・B12・葉酸・パントテン酸・ナイアシンなどのビタミンB群が豊富に含まれています。炭水化物の代謝をサポートする効果があり、体の負担を軽減してくれます。
- 食物繊維:食物繊維は、植物の細胞壁を構成する、人間の消化酵素では消化できない成分とされています。食物繊維は、植物しか作り出すことしか出来ず、水に溶けるか溶けないかで種類が分かれます。人間の腸内環境を整える免疫力改善等の働きがあります。
- パントテン酸:パントテン酸は、人間の体内で副腎皮質ホルモンの合成に関わります。コエンザイムAと呼ばれる体内の炭水化物、たんぱく質、脂質全ての代謝に関わるパーツの一部として使用されます。ストレス耐性の効果も上げるビタミンです。
- 葉酸:葉酸は、細胞分裂の核酸合成に不可欠であり、胎児の発育や妊婦において重要なビタミンです。胎児の場合は、脊椎の正常な分化を促進し先天性の奇形リスクを減らします。赤血球の分化に特に関わっており、貧血予防に効果があります。アミノ酸代謝にも関わるビタミンです。
- ビオチン:ビオチンは、代謝における酸化反応に関わる過程で活躍します。炭水化物、脂質、たんぱく質全ての三大栄養素の代謝に関わり、分解された物質がエネルギーになる過程に携わっています。また、ヒスタミンが過剰分泌されることによって起こるアトピー等アレルギーの予防効果があると注目されています。
- ビタミンB1:ビタミンB1は、人間の代謝に関わるビタミンで、炭水化物を糖に分解し、エネルギーを作り出す経路の最初を担います。食べた糖質全般を燃焼させる工程に関わるため、不足すると疲れやすくなります。また脳の神経伝達物質にも関わり、集中力を増やすや手足の痺れにくくすると言った働きがあります。
- ビタミンB2:ビタミンB2は、たんぱく質、脂質、炭水化物の代謝で、酵素に近い補酵素としての働きます。ビタミンB2は単独では酵素としての働きは持たないものの、体内で特定の分子がつくことで代謝の働きを担います。三大エネルギーの分解の他、体内の活性酸素の除去作用も持っています。
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妊娠中でも安全おいしいライ麦のおススメレシピ
妊娠中にライ麦を食べるには、どんなレシピがあるのでしょうか?妊婦さんでも安心して食べられるオススメのライ麦レシピをご紹介!栄養たっぷりなので是非お試しください♩
アボカドトースト
ペースト状にしたアボカドをライ麦パンにのせ、トースターで温めればアボカドトーストになります。アボカドには葉酸やβカロテンなど、妊娠中に摂りたい栄養素が満点です。森のバターと呼ばれる濃厚なアボカドは、妊婦さんの栄養補給野菜にぴったりですよ◎
フルーツトースト
さっぱり食べたい時には、フルーツをのせたフルーツトーストがオススメです。バナナやイチジクなど、お好みの果物をのせて食べましょう。妊娠中に食べてはいけない果物はほとんどないので、安心してOKです。食物繊維やビタミンCなどを摂ることができるので、是非パンとあわせて食べたい食材です。
妊娠中に食べたい食材・控えたい食材・食べてはいけない食材60選まとめ
妊娠中にどの食材を食べればよいのか?どの食材を控えれば良いのか?というのは非常に気になるところです。代表的な60食材でまとめました。
妊娠中に積極的に摂りたい食材
妊娠中に積極的に摂りたい食材には、どんなものがあるのでしょうか?その食材が含む、妊娠中に摂りたい栄養素とあわせてチェックしてみましょう!
- 豚肉 …たんぱく質+ビタミンB群
- 鶏肉 …たんぱく質
- 牛肉 …たんぱく質+鉄+亜鉛
- 青魚 …DHA・EPA
- 鮭 …たんぱく質+ビタミンB6+ビタミンD
- ぶり …鉄
- かつお…鉄
- 白身魚…たんぱく質
- 貝類 …鉄+亜鉛
- 桜エビ…カルシウム
- 卵 …たんぱく質
- ブロッコリー…葉酸+カリウム
- 青菜 …葉酸+鉄+カリウム+カルシウム
- ヨーグルト …たんぱく質+カルシウム
- 納豆 …葉酸+ビタミンE
- 大豆(大豆製品) …たんぱく質+鉄+ビタミンE+カルシウム
- いちご …葉酸
- アボカド …ビタミンE+カリウム
- トウモロコシ …葉酸+ビタミンE
- グリーンアスパラガス …葉酸
- 枝豆 …葉酸
- そら豆 …葉酸
- トマト …カリウム
- もずく …ミネラル+食物繊維
- きのこ …食物繊維+ビタミンD
- 切り干し大根 …食物繊維
- もち麦 …食物繊維
妊娠前から必要と言われている葉酸やビタミン類、妊娠中に不足しがちな食物繊維やカルシウムなどのミネラル類を補える食材には、上記のようなものがあります。
これらの食材を妊娠中の食事にバランス良く加えることで、ママの体や胎児の発育に良い効果をもたらします。妊娠中は食べ物の嗜好が変化することもありますが、できる範囲で色々な食材を食べるようにしましょう!
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妊娠中に少量に控えたい食材
妊娠中の食事は栄養素のバランスが大切ですが、中には控えておくべき食べ物がいくつかあります。食中毒リスクや、食べると胎盤を通じて胎児に届き、成長に悪影響を及ぼすものなど様々です。妊娠中に控えたい食材について、確認していきましょう。
食中毒や感染症のリスクのあるもの
- お刺身
- 生卵
- ローストビーフ
- 生ハム
- ナチュラルチーズ
- 肉・魚のパテ
メチル水銀を含むもの
- 金目鯛:1回80gを週に1度まで
- メカジキ :1回80gを週に1度まで
- メバチマグロ:1回80gを週に1度まで
- 本マグロ:1回80gを週に1度まで
- エッチュウバイ貝:1回80gを週に1度まで
- くじら:1回80gを週に1度まで
- きだい:1回80gを週に2度まで
- インドマグロ:1回80gを週に2度まで
- マカジキ:1回80gを週に2度まで
- くろむつ:1回80gを週に2度まで
ヨウ素・ヒ素を含む食べ物
- 昆布 :1日1回少量
- ひじき:小鉢2杯程度を週に2度まで
カフェインを含む飲み物
カフェインを含む主な飲み物と、100mlあたりのカフェイン量は下記となります。
- コーヒー …約60mg
- 紅茶 …約30mg
- 緑茶 …約20mg
- ほうじ茶 …約20mg
- ウーロン茶 …約20mg
- ココア …約10mg
糖分を多く含むお菓子やジュース
糖分を多く含むお菓子や、甘いジュースなども妊娠中には控えたい食べ物です。甘いものを過剰摂取することで、妊娠前は糖尿病を持っていなくても妊娠期間中に糖尿病を発症することがあり、『妊娠糖尿病』と呼ばれています。
より多くの栄養を胎児に与えようとする体の自然な働きと考えられていますが、妊娠糖尿病になると胎児に合併症が出る危険性があります。
ビタミンAを多く含む食べ物(妊娠初期)
“動物性ビタミンA”を妊娠初期に摂取し過ぎると、胎児の形成異常の原因となると言われています。ビタミンAを多く含む食べ物には、下記のようなものがあります。
- レバー
- うなぎ
- あなご
塩分を多く含む食べ物
妊娠中に塩分を過剰摂取すると、『妊娠高血圧症候群』という病気になることもあります。この病気を発症する確率は、妊婦さん20人に対し1人と言われており、妊娠中の食生活が原因で引き起こされます。
妊娠34週(妊娠9ヶ月)未満で引き起こした場合は重症化リスクが高く、胎児発育不全(赤ちゃんが育たない)・常位胎盤早期剥離(赤ちゃんに酸素が届かない)・胎児機能不全(赤ちゃんの状態悪化)となる可能性があります。酷い場合は胎児の命に関わることもあるので、食事には注意が必要なのです。
妊娠中に食べてはいけない食べもの
- 生肉(ローストビーフ・ユッケ・馬刺し・お刺身・パテなど)
- アルコール
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まとめ
この記事をまとめると
- ライ麦パンは妊娠中にもオススメの食材!
- ライ麦に含まれる食物繊維:妊娠中に起こりやすい便秘解消効果あり!
- ライ麦含まれるタンパク質:エネルギー源となり妊娠中はより一層必要な栄養素!
- ライ麦に含まれるビタミンB群:つわり軽減効果や代謝を助ける!
ライ麦には、妊娠中に必要なビタミンB群や食物繊維が豊富に含まれています。小麦粉が原料のパンよりもライ麦パンの方が全体的に栄養価が高いので、朝ごはんなどに是非取り入れてみてくださいね。
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