妊娠中(妊婦)でも酒粕甘酒は飲める?飲んでしまったけどアルコールは?

妊娠中の食事には食べても良いもの・控えた方が良いものがありますが、“酒粕の甘酒”は妊婦さんでも飲めるのでしょうか?アルコール分が含まれているのかどうか気になるところかと思います。今回は、

  • 妊娠中に酒粕甘酒は飲める?
  • 酒粕甘酒の栄養と妊婦への効果
  • 妊娠中にアルコールを摂る影響

これらのテーマについて紹介いたします。

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酒粕甘酒は妊娠中でも飲める?

甘酒には、『酒粕』から作られたものと『米麹』から作られたものがあります。今回のテーマである酒粕の甘酒には、アルコール分が含まれているので妊娠中に飲んではいけません。

酒粕を原料とした甘酒には、6〜8%程度のアルコール分が含まれています。

飲むなら米麹甘酒

妊娠中のアルコール摂取は厳禁ですが、 米麹から作られた甘酒はノンアルコールなので妊婦さんでも安心して飲むことができます。

 
甘酒には“オリゴ糖”が含まれており、便秘解消にも効果的です。妊娠中はホルモンバランスの関係で便秘になりやすいのでオススメですよ◎

また、甘酒は『飲む点滴』と言われるほど栄養価の高い飲み物です。つわり中など体調が優れずなかなか食べられない時に取り入れてみましょう。

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米麹甘酒の栄養と効果

妊娠中でも米麹で作った甘酒であれば、飲むことができます。甘酒は『飲む点滴』とも言われるように、高栄養な飲み物です。米麹甘酒に含まれる栄養成分と、その効果について詳しく見てみましょう。

栄養

甘酒にはGABAというアミノ酸が豊富に含まれています。このアミノ酸はストレスを和らげるなどのリラックス作用を持ち、同時に血圧を下げてくれるという効果も持っています。高血圧は動脈硬化や脳梗塞といった重大な病気につながる危険性があるので、早いうちからしっかり予防しておくことに越したことはありません。

また、ビタミンB2・B6・ナイアシンなどのビタミンB群が豊富なのも特徴です。

  • ビタミンB2:ビタミンB2は、たんぱく質、脂質、炭水化物の代謝で、酵素に近い補酵素としての働きます。ビタミンB2は単独では酵素としての働きは持たないものの、体内で特定の分子がつくことで代謝の働きを担います。三大エネルギーの分解の他、体内の活性酸素の除去作用も持っています。
  • ナイアシン:ナイアシンは、糖代謝、脂質代謝の補酵素としての働きで、エネルギー生成のサポートします。ナイアシン一つで複数の代謝工程をサポートするのが大きな特徴です。他にも肝臓におけるアルコール代謝の二日酔いの原因になるアセトアルデヒドの分解を助けます。
  • ビタミンB6:ビタミンB6は、たんぱく質をアミノ酸に分解し、再合成して筋肉や必要な組織を作る働きがあります。加えて、体内のホルモン分泌のバランスも整える働きを持っています。エネルギー代謝にも関わり、加えて神経伝達にも関わる多くの役割を持つビタミンです。
  • オリゴ糖:オリゴ糖は、複数のブドウ糖、果糖といった単糖類が結合して鎖になった状態のものです。体内に入ってから酵素で分解されるため、血糖値の急激な上昇を抑えることが知られています。虫歯にもなりにくく、腸内環境を整える働きも持っています。

効果・効能

甘酒に含まれる栄養素には、美容効果がたくさんあります。

効果効能
  • ダイエット効果
  • 美肌効果
  • 便秘解消
  • 高血圧予防

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妊娠中に酒粕甘酒を少量飲んでしまった!

普段からお酒をよく飲む方は、妊娠したことに気づかずお酒を飲んでしまうこともあるかと思います。たくさん飲んでしまった時や、少量飲んでしまった時など、お酒の量に関わらず妊娠中の飲酒は悪影響があるものとして知られているため、飲んでしまったけけど大丈夫かな…と不安になることも多いかと思います。

結論からお答えすると、継続的かつ大量でなければ、少量のお酒を飲んでもすぐに胎児に影響が出ることはありません

しかし、妊娠中は全ての期間においてお酒を摂ってはいけません!その理由には、何があるのでしょうか?赤ちゃんへの影響やリスクなど、詳しく見てみましょう。

妊婦さんの飲酒率

厚生労働省によると、日本の妊婦さんの飲酒率は過去に8%台を記録しています。「妊娠中・授乳中の飲酒は控えましょう」というフレーズは、お酒のCMやお酒そのものにも印字されていますが、それでも飲酒を継続する妊婦さんが存在します。

飲酒してしまう妊婦さんは、「少量なら大丈夫だと思った」という回答がほとんどだそう。少しなら赤ちゃんへの影響はないと思い、 “少しだけ”を定期的に行っていると、成長や発達に影響が出てしまいます 

妊娠中にお酒を飲んではいけない理由

妊娠中にお酒を摂ると、『胎児性アルコール症候群(FAS)』といって胎児の脳や成長に影響を及ぼす危険性があります。胎児性アルコール症候群の主な症状には、このようなものがあります。

妊娠中の飲酒リスク
  • 低体重
  • 顔を中心とする奇形
  • 脳障害
  • 早産・流産
  • 中枢神経系障害

    (→コミュニケーション・視覚・聴覚障害/学習力・記憶力・注意力散漫など)

妊娠中の飲酒による上記のようなリスクは、妊娠初期・中期・後期どの時期でも起こり得るものです。妊娠後期よりも初期の方が影響が出やすいと言われていますが、脳障害・成長障害に関しては妊娠中期〜後期の飲酒がより強く影響すると考えられています。また、お酒の量に関わらず少量の飲酒でも発症する可能性は十分にあるのです。

授乳中もダメな理由

授乳中にお酒を飲むと、アルコールの成分が母乳に混ざります。その割合は非常に高く、血中アルコール濃度と母乳が含むアルコール濃度はほとんど同じと言われています。

アルコール成分を含む母乳を飲むと、赤ちゃんの発達を阻害してしまいます。”どのくらいなら大丈夫”という安全ラインがないので、授乳中はお酒を控えるようにしましょう。また、授乳中お酒を継続的に飲み続けることで、戊乳が出るホルモンである『プロラクチン』が抑制され、出る母乳量が減ることもわかっています。

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妊娠中に食べたい食材・控えたい食材・食べてはいけない食材60選まとめ

妊娠中にどの食材を食べればよいのか?どの食材を控えれば良いのか?というのは非常に気になるところです。代表的な60食材でまとめました。

妊娠中に積極的に摂りたい食材

妊娠中に積極的に摂りたい食材には、どんなものがあるのでしょうか?その食材が含む、妊娠中に摂りたい栄養素とあわせてチェックしてみましょう!

  • 豚肉 …たんぱく質+ビタミンB群
  • 鶏肉 …たんぱく質
  • 牛肉 …たんぱく質+鉄+亜鉛
  • 青魚 …DHA・EPA
  • 鮭       …たんぱく質+ビタミンB6+ビタミンD
  • ぶり …
  • かつお…
  • 白身魚…たんぱく質
  • 貝類 …鉄+亜鉛
  • 桜エビ…カルシウム
  • 卵  …たんぱく質
  • ブロッコリー…葉酸+カリウム
  • 青菜 …葉酸+鉄+カリウム+カルシウム
  • ヨーグルト …たんぱく質+カルシウム
  • 納豆  …葉酸+ビタミンE
  • 大豆(大豆製品) …たんぱく質+鉄+ビタミンE+カルシウム
  • いちご …葉酸
  • アボカド …ビタミンE+カリウム
  • トウモロコシ …葉酸+ビタミンE
  • グリーンアスパラガス …葉酸
  • 枝豆 …葉酸
  • そら豆 …葉酸
  • トマト …カリウム
  • もずく …ミネラル+食物繊維
  • きのこ …食物繊維+ビタミンD
  • 切り干し大根 …食物繊維
  • もち麦 …食物繊維

妊娠前から必要と言われている葉酸やビタミン類、妊娠中に不足しがちな食物繊維やカルシウムなどのミネラル類を補える食材には、上記のようなものがあります。
これらの食材を妊娠中の食事にバランス良く加えることで、ママの体や胎児の発育に良い効果をもたらします。妊娠中は食べ物の嗜好が変化することもありますが、できる範囲で色々な食材を食べるようにしましょう!

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妊娠中に少量に控えたい食材

妊娠中の食事は栄養素のバランスが大切ですが、中には控えておくべき食べ物がいくつかあります。食中毒リスクや、食べると胎盤を通じて胎児に届き、成長に悪影響を及ぼすものなど様々です。妊娠中に控えたい食材について、確認していきましょう。

食中毒や感染症のリスクのあるもの

  • お刺身
  • 生卵
  • ローストビーフ
  • 生ハム
  • ナチュラルチーズ
  • 肉・魚のパテ

メチル水銀を含むもの

  • 金目鯛:1回80gを週に1度まで
  • メカジキ :1回80gを週に1度まで
  • メバチマグロ:1回80gを週に1度まで
  • 本マグロ:1回80gを週に1度まで
  • エッチュウバイ貝:1回80gを週に1度まで
  • くじら:1回80gを週に1度まで
  • きだい:1回80gを週に2度まで
  • インドマグロ:1回80gを週に2度まで
  • マカジキ:1回80gを週に2度まで
  • くろむつ:1回80gを週に2度まで

ヨウ素・ヒ素を含む食べ物

  • 昆布 :1日1回少量
  • ひじき:小鉢2杯程度を週に2度まで

カフェインを含む飲み物

カフェインを含む主な飲み物と、100mlあたりのカフェイン量は下記となります。

  • コーヒー …約60mg
  • 紅茶        …約30mg
  • 緑茶        …約20mg
  • ほうじ茶 …約20mg
  • ウーロン茶 …約20mg
  • ココア    …約10mg

糖分を多く含むお菓子やジュース

糖分を多く含むお菓子や、甘いジュースなども妊娠中には控えたい食べ物です。甘いものを過剰摂取することで、妊娠前は糖尿病を持っていなくても妊娠期間中に糖尿病を発症することがあり、『妊娠糖尿病』と呼ばれています。
より多くの栄養を胎児に与えようとする体の自然な働きと考えられていますが、妊娠糖尿病になると胎児に合併症が出る危険性があります。

ビタミンAを多く含む食べ物(妊娠初期)

“動物性ビタミンA”を妊娠初期に摂取し過ぎると、胎児の形成異常の原因となると言われています。ビタミンAを多く含む食べ物には、下記のようなものがあります。

  • レバー
  • うなぎ
  • あなご

塩分を多く含む食べ物

妊娠中に塩分を過剰摂取すると、『妊娠高血圧症候群』という病気になることもあります。この病気を発症する確率は、妊婦さん20人に対し1人と言われており、妊娠中の食生活が原因で引き起こされます。
妊娠34週(妊娠9ヶ月)未満で引き起こした場合は重症化リスクが高く、胎児発育不全(赤ちゃんが育たない)・常位胎盤早期剥離(赤ちゃんに酸素が届かない)・胎児機能不全(赤ちゃんの状態悪化)となる可能性があります。酷い場合は胎児の命に関わることもあるので、食事には注意が必要なのです。

妊娠中に食べてはいけない食べもの

  • 生肉(ローストビーフ・ユッケ・馬刺し・お刺身・パテなど)
  • アルコール

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まとめ

この記事をまとめると

  • 麹は妊娠中にも食べられるオススメ食材!
  • 麹に含まれる葉酸:妊娠初期から必要で胎児の成長に大きく関わる!
  • 米麹を使った甘酒:飲む点滴と言われるほど高栄養!ノンアルコールなので安心して飲める!
  • 塩麹の摂りすぎ:塩分過多で妊娠高血圧症にならないよう注意!

麹は妊婦さんでも食べることのできる食材で、塩麹や米麹など摂る方法はいくつかあります。甘酒は非常に栄養価が高いので、つわり中で食事がとれない時にもオススメです。ぜひ妊娠中の食事に取り入れてみてくださいね。

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