近年、日本各地で古くから栽培され・地元でよく食べられている事で認定される「伝統野菜」の人気が高まっています。伝統野菜と認定されている多くは、地産地消が基本であまり全国的に出回るものが少ないのも魅力の1つといえるでしょう。
そんな希少性の高い伝統野菜を購入したいと、旅行先やドライブなどで道の駅や農家さん直売所を訪れる方も少なくありません。また生産量の少ない品種の野菜を自分で栽培してみたいと、家庭菜園で伝統野菜を選ばれる方も増えてきています。
今回は、そんな人気沸騰中の伝統野菜の中でも知られている野菜の1つ飛騨紅かぶについて詳しくみていきますよ。
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目次
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飛騨紅かぶってどんなかぶ?
読み方 | ひだべにかぶ |
旬の時期 | 10月上旬~12月上旬頃 |
主な生産地 | 岐阜県高山市、飛騨市 |
種類 | 赤カブ、中カブ |
読み方
飛騨紅(ひだべに)かぶと読みます。飛騨とは岐阜県北部にある飛騨地方のことを指し、飛騨市・高山市・下呂市・白川村が含まれています。飛騨紅かぶはその中でも、高山市・飛騨市で主に栽培されています。
飛騨紅かぶは室町時代に他の地方から伝来し、大正時代には現在の岐阜県高山市丹生川(にゅうかわ)町で広く栽培されていた「八賀(はちが)かぶ」の突然変異でできたと言われています。
八賀かぶのルーツは諸説あるので詳しいことはわかっていませんが、古くから伝わり地元で愛され続けている飛騨紅かぶは、飛騨・美濃伝統野菜にも認定されている野菜の1つです。
特徴(サイズ、味、形状など)
飛騨紅かぶは名前の通り表皮が紅色をしており、直径が12~14cm程度の中カブの1種です。扁平な丸い形状をしており、重さは300~400gほどあります。
肉質はきめ細かくて柔らかく、緻密なのにほんのりと甘みがあります。中身は白色が基本ですが、時々芯の部分に紫赤色が入っていることもあります。葉も柔らかめなので食べやすく、飛騨紅かぶは丸ごとお漬物にされて食べられていることが多いです。
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飛騨紅かぶの旬の時期と主な生産地
ここからは、飛騨紅かぶの旬の時期と主な生産地について詳しく見ていきます。飛騨紅かぶは、八賀かぶという岐阜県高山市丹生川町で室町時代頃に栽培されていたカブの突然変異によりできたと言われています。その歴史からも江戸時代頃には栽培されていたようで、岐阜県を代表する野菜の1つです。
岐阜県には飛騨紅かぶの他にも、「わしみかぶら」「種蔵紅(たねくらべに)かぶ」「久野川(くのがわ)かぶら」などの歴史があり地元で愛されているカブがあり、このカブ全てが飛騨・美濃伝統野菜にも認定されています。
旬の時期はいつ?
飛騨紅かぶの旬は、10月上旬~12月上旬頃までです。この時期の飛騨地方は、朝晩の気温が急激に下がり昼夜の寒暖差が激しいので、飛騨紅かぶの中身がしっかりと緻密に育ちやすく甘みも増すのでとても美味しくなります。
人気が高まっている自家栽培でも飛騨紅かぶの栽培は可能ですが、発祥地の飛騨高山は標高が高い地域で寒冷地なこともあり、飛騨紅かぶは暑さに弱い特徴があります。栽培される場合は、寒冷地であるか注意が必要です。
主な生産地はどこ?
飛騨紅かぶは、岐阜県高山市丹生川(にゅうかわ)町・国府(こくふ)町・上宝(かみたから)町・飛騨市古川町で主に生産されています。飛騨地方の気候風土の中で改良されてきた飛騨紅かぶは、基本的に農家さんの自家採種で栽培されています。
飛騨紅かぶは、室町時代頃に伝来したとされる八賀かぶが起源とされていて、大正時代に広く栽培されていた八賀カブの突然変異により発見されたそうです。その変異種を小阪吉造氏が更に品種改良を加え、より味わい良く見た目も美しくしたものが現在の飛騨紅かぶです。
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飛騨紅かぶの価格相場ってどのくらい?
ここからは、飛騨紅かぶのカブ価について詳しく見ていきます。飛騨紅かぶは飛騨地方の気候風土を最大に活かして栽培されており、極寒の冬季でも保存が効くように主にお漬物にされています。そのため、収穫時期に関わらず飛騨地方のお土産としても有名です。そのため、地元スーパーでも加工されたお漬物は多く販売されています。
スーパーだと
地元のスーパーでは、飛騨紅かぶのお漬物を中心に販売されているので購入は可能です。飛騨紅かぶの多くは、お漬物用に栽培されているので生のカブが販売されていることは少ないでしょう。
しかし飛騨高山エリアには赤カブ漬けの専門店・飛騨高山産の野菜を取り扱う専門店・道の駅・朝市などが多くあるため、飛騨高山エリアへ行かれると見つけられる可能性があります。見つけた際は、ぜひ一度食べてみてくださいね。
ネット通販だと
飛騨地方は、中部・北陸・関西・関東などから観光や避暑地として訪ねる方が多いこともあり、お土産専門店やネット通販店がとても多くあります。その中でも飛騨紅かぶのお漬物は、認知度と人気が高いため様々な種類が販売されています。
また最近は、旅行せずとも気軽に地方の食材などを購入できるアンテナショップや物産展などでも販売されていることが多いので、お近くで開催された際には探してみてくださいね。
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かぶの主な栄養成分と期待できる6つの効果
根の部分だけではなく、葉も美味しく食べることができるかぶ。ただ後で調理しようと置いておいたら葉っぱがしなびてしまって使い物にならない、なんて勿体ないことにならいないようにきちんと保存しておきたいですよね。
かぶを美味しく食べられる保存方法と冷蔵・冷凍・常温の3種類の目安期間をお伝えしていきます。
かぶの主な栄養成分表(100g当たり)
エネルギー | 20kcal |
水分 | 93.9g |
たんぱく質 | 0.7g |
炭水化物 | 4.6g |
灰分 | 0.6g |
ナトリウム | 5mg |
カリウム | 280mg |
カルシウム | 24mg |
リン | 28mg |
鉄 | 0.3mg |
亜鉛 | 0.1mg |
ビタミンB1 | 0.03mg |
ビタミンB2 | 0.03mg |
ビタミンC | 19mg |
食物繊維総量 | 1.5g |
食品成分表(可食部 100gあたり)
かぶの主な栄養素:根部分
- ビタミンC:抗酸化作用があり、ビタミンEと協力して有害な活性酸素から体を守る働きがあります。また、コラーゲンの合成には必須で、鉄分やカルシウムなどのミネラル吸収を高める効果もあります。水溶性のため、汁物にすると効率よく摂ることができます。
- 分解酵素アミラーゼ(ジアスターゼ):体が栄養を十分に吸収するために食べた物を消化する働きをする消化酵素の1つです。特に、炭水化物の1つであるデンプンの消化を行う働きをします。
- イソチオシアネート:口にした時に感じる辛みのもとで、消化機能を高める働きがあります。殺菌作用があるので、発がん物質の毒性を解毒して排出するとも言われています。免疫力を高める効果もあります。
かぶの主な栄養素:葉
- β-カロテン:人間の体の酸化を防ぐ抗酸化作用が強く、免疫力を高めます。またビタミンAが足りない時には変換されることでビタミンAの働きも担います。
- カリウム:ナトリウムとともに、神経刺激の伝達や心臓機能や筋肉機能の調節、酵素反応の調節などの働きをします。必須ミネラルの1つで、体内にある余分な塩分を体外に排出する効果があります。
- カルシウム:骨や歯などを作るだけでなく、筋肉収縮のコントロールや神経興奮の抑制、血液凝固作用の促進効果があります。
- ビタミンB1:ブドウ糖をエネルギーに変換する際に、必要な栄養素で疲労回復効果が高いです。
- 葉酸:「造血のビタミン」とも呼ばれ、ビタミンB12とともに血液の赤血球生産を助けたり、細胞の生まれ変わりに関わる働きがあります。特に胎児・乳幼児期・成長期の子どもの発育に必要不可欠な成分であるとされています。
- 鉄:人間の血液を運ぶ赤血球に含まれるヘモグロビンの材料として使用されます。加えて、体内に存在する酵素の材料にもなりエネルギー代謝や肝臓での解毒の働きに関わっているミネラルです。
- ビタミンE:強い抗酸化作用、加えてコレステロールの酸化を防ぎ血流を良くする働きを持っています。また、毛細血管の収縮を抑制することで、細くなった血管が広がることで血流の悪化による体の不調改善効果もあります。
カブを食べて期待できる6つの効果・効能
実際にかぶを食べるとどのような効果が期待できるのでしょうか。代表的なものをまとめてみました。
- 高血圧の予防
- 便秘の予防・改善
- 老化の抑制
- 貧血の予防・改善
- 骨粗鬆症予防
- 抗がん作用
詳しくはこの記事をチェック!
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かぶの保存方法|冷蔵・冷凍・常温の保存期間の目安
根の部分だけではなく、葉も美味しく食べることができるかぶ。ただ後で調理しようと置いておいたら葉っぱがしなびてしまって使い物にならない、なんて勿体ないことにならいないようにきちんと保存しておきたいですよね。
かぶは腐るとどうなる?どこまで食べられる?
かぶを見極める上で大切なポイントはコチラです。腐っているのかセーフなのか、臭いや見た目・感触などをよくチェックしてみてくださいね。
食べても大丈夫な状態
- 触感:多少柔らかくなっている程度であればOK
- 見た目:少しだけ萎んでいる程度ならOK
腐っているので食べるとダメな状態
- 臭いで判断:腐った臭いがする
- 見た目で判断:茶色・黒・青色に変色している
- 感触で判断:ぶよぶよして柔らかくなっている
詳しくはこの記事をチェック!
カブの保存期間の目安を解説
かぶを美味しく食べられる保存方法と冷蔵・冷凍・常温の3種類の目安期間をお伝えしていきます。
- 冷蔵での保存期間の目安:根は1週間、葉は2〜3日間
- 冷凍での保存方法の目安:1ヶ月
- 常温での保存方法の目安:1ヶ月
詳しくはこの記事をチェック!
もちろん保存期間は、あくまでも目安になるのでできるだけ早く食べると美味しいです。上手に保存して根の部分も葉の部分も美味しくいただきましょう。
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おすすめの食べ方
飛騨紅かぶは高山市の名産でもある「赤かぶ漬け」に使われています。飛騨高山は、11月頃から朝晩の気温も氷点下になり雪が降り始めるため、冬の保存食として様々なお漬物にされて食べられています。
収穫時期が寒い季節・朝晩の寒暖差によって紅色の色素がより濃くなり甘みが増すので、見た目も鮮やかで風味豊かな味わいのお漬物を頂けますよ。
当サイトのかぶの人気コンテンツを4つまとめました。是非色々見ていってくださいね(^^♪かぶの人気コンテンツをチェックしよう
カブ3種類31品種をまとめて紹介!色付き?丸い?長い?春の七草をおいしく食べる
カブの主な栄養成分と期待できる7つの効果・効能!根も葉もそれぞれ栄養たっぷりの野菜
かぶの保存方法まとめ|冷蔵・冷凍・常温での保存期間の目安はどのくらい?
かぶのおススメレシピ10選|ほっこり優しい冬野菜・かぶを美味しく食べよう!
まとめ
ここまで、飛騨紅かぶについて詳しく見ていきました。飛騨紅かぶは、岐阜県高山市・飛騨市で大正時代から広く栽培されている表皮が紅色の中カブです。飛騨地方の気候風土を活かしたカブで、10月頃~12月頃が旬です。
飛騨紅かぶの肉質は緻密でほんのりとした甘みが特徴的なので、飛騨高山の名物「赤かぶ漬け」にも使われており、地元では昔からお漬物にして食べられています。赤かぶ漬けはお土産ものとして広く知られているので、地元だけでなく全国の物産展やアンテナショップなどでも販売されていることが多いです。
家庭菜園でも育てられる品種ですが、寒冷地野菜なので暑さに弱い特徴があるので、注意が必要です。ぜひ一度、紅色が美しく程よい甘みが美味しい飛騨紅かぶのお漬物を食べてみてくださいね。
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