薄口醤油はしょっぱい?少量でも味が濃いのは何故?塩分濃度から解説!

日本の食卓に欠かせない調味料の一つである醤油ですが、醤油にも様々な種類があることはご存じでしょうか。今回は、数ある醤油の中から「薄口醤油」について、含まれる塩分濃度などを含めて詳しく解説していきます。

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薄口醤油はしょっぱい?

薄口醤油と聞いて、ほとんどの人は「塩分が控えめな薄味の醤油」を想像するのではないでしょうか。 実は、「薄口」を正しく漢字で書くと「淡口」となります。色は淡い褐色で、爽やかな風味が特徴です。 

つまり薄口醤油における「薄口」とは、塩分が薄いという意味ではなく色味を指す言葉であることが判ります。これはとても勘違いしやすい部分なのでしっかりと理解しておきましょう。

塩分濃度は?

薄口醤油の塩分濃度は約18%から19%と言われています。対して、同じく一般的な調味料である味噌の塩分濃度は約12%から13%です。このことから、調味料の中でも 薄口醤油に含まれる塩分濃度がかなり高いことが判ります。 

濃口醤油と比べても濃い?

薄口醤油の塩分濃度が約18%から19%となることは、先ほど説明しました。それでは、いわゆる一般的な醤油である「濃口醤油」の塩分濃度はどうでしょうか。

実は、濃口醤油の塩分濃度は約16%となります。 比較すると薄口醤油は、濃口醤油よりも約1割塩分が多く使われていることになります。  そのため日頃塩分控えめを心掛けている人や、腎臓病を患っている方はなるべく薄口醤油を多用することを避けた方が良いでしょう。

Point
現在は減塩タイプの醤油も数多く存在するため、自分の生活に合った調味料を選択することが大切です。

薄口醤油と濃口醤油の製造工程の違い

薄口醤油と濃口醤油を比較すると、塩分濃度が異なることは判りました。それ以外にも違いはあるのか、2種類の醤油の製造工程を比較してみましょう。

濃口醤油の製造工程

  1. 蒸した大豆と炒った小麦を混合する
  2. 種麹(麹を作るための「種」として原料に加えるものを言い、通常は米を原料に胞子を培養する)を加えて混合し、「麹」を作る
  3. 食塩を水に溶かして食塩水を作る
  4. 麹と食塩水をタンクに仕込んで「諸味(もろみ)」を作る
  5. 撹拌(かき混ぜること)を重ねながら半年から8カ月寝かせる
  6. 寝かせることで麹菌や酵母菌、乳酸菌の働きで分解・発酵が促進する
  7. 更に熟成を重ねることで、濃口醤油特有の色・味・香りが生まれる


薄口醤油の製造工程

  1. 蒸した大豆と炒った小麦を混合する
  2. 種麹(麹を作るための「種」として原料に加えるものを言い、通常は米を原料に胞子を培養する)を加えて混合し、「麹」を作る
  3. 食塩を水に溶かして食塩水を作る(濃口醬油より約1割多く塩を使用する)
  4. 麹と食塩水をタンクに仕込んで「諸味(もろみ)」を作る
  5. 米を蒸して麹と混合し甘酒を作る
  6. 撹拌(かき混ぜること)を重ねながら半年から8カ月寝かせる
  7. 寝かせることで麹菌や酵母菌、乳酸菌の働きで分解・発酵が促進する
  8. 更に熟成を重ねることで、薄口醤油特有の色・味・香りが生まれる

2つの製造工程を比較することで判る大きな違いは以下の2点です。

  • 薄口醤油は濃口醤油より約1割多く塩を使用するという特徴がある
  • 薄口醤油は味をまろやかにするために甘酒を使用するという特徴がある

 

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薄口醤油を使った方がいい料理は?

ここまでは薄口醤油の特徴と一般的に使用される濃口醬油との違いを解説しました。それでは、実際に料理を作る際はどちらの醤油を使用すれば良いのでしょうか。 

さっぱり仕上げたい場合は薄口醤油

薄口醤油は、色味が控えめではありますがその分上品でまろやかな味が特徴的です。また、塩分濃度が高いことも影響してすっきりとした味わいが楽しめます。

薄口醤油を使うことで、より美味しく作ることのできる代表的な料理は以下の通りです

  • うどんの出汁
  • お吸い物
  • 茶碗蒸し
  • 親子丼 など

コクを出した場合は濃口醤油

濃口醤油は、一般的に使用されている程なので用途に限らず、何にでも使用できる醤油です。特に味にコクを出したい料理に使うと良いでしょう。

濃口醤油を使うことで、より美味しく作ることのできる代表的な料理は以下の通りです

  • 煮物
  • 肉じゃが
  • おでん
  • きんぴらごぼう など

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薄口醤油のレシピ

料理

ここからは、薄口醤油を使用することで美味しく仕上げることの出来る料理のレシピを紹介します。

うどんの出汁

引用:クックパッド

うどん出汁は、とにかく簡単に作れることが大切です。薄口醤油の他に必要となる原料を出来るだけ省いて作ったシンプルなうどん出汁は、毎日食べても飽きの来ない味となっているのが特徴です。

親子丼

引用:クックパッド

薄口醤油を使用して作った親子丼は、しっかりとした味付けが特徴でお店にも負けない出来です。食べ盛りのお子様も満足できるボリュームメニューとしておすすめです。

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まとめ

この記事をまとめると

  • 薄口醤油は本来「淡口醤油」と書き、塩分の薄さではなく見た目の色味が淡いことを指した言葉である
  • 薄口醤油に含まれる塩分濃度は、一般的に使用される濃口醤油よりも高くなっている
  • 薄口醤油は、製造工程でまろやかさを出すために甘酒が原料として使用されている
  • 薄口醤油は、はっきりとした味わいが必要な料理に、濃口醤油はコクを出したい料理に使用されることが多い

いかがだったでしょうか。

調味料の名前にもそれぞれ深い意味があることが判りました。薄口醤油だけでなく他の食品についての様々な知識も紹介していますので、ご興味のある方は是非ご覧になってみてください。

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