とんかつは家で揚げた方が揚げたてを食べられますし、何より安上がりです。しかしお店で揚げているようなあの分厚いとんかつを家で揚げるのはなかなか難しいと思ったことはないでしょうか。
難しいひとつに火の通りの悪さがあります。なぜ生焼け状態になってしまうのか?カリッと上がらないのはなぜか?そこで今回は…
- とんかつを揚げるとピンク色に…
- 生焼けのとんかつを食べるとどうなる?
- とんかつを上手に揚げる方法
以上の3点についてについてご紹介します。どうぞ最後までお付き合いください。
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目次
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とんかつを揚げるとピンク色に…
揚げたてを切って真ん中がピンク色だった時はびっくりしますよね。俗にいう生焼け状態になってしまうのはなぜなのでしょうか。
これは生焼け?
生焼けの定義は「食べ物などがよく焼けていないこと」を指します。
とんかつにおける生焼けとは「切ってみると中身が赤い血(本来の肉の色)のような色」になっており、「透明な肉汁ではなく赤い水が出て、生焼け部分は水っぽいような状態」ならそれは生焼け状態といえるでしょう。
生焼けになる原因は?
①とんかつに使用する豚肉が分厚い
とんかつに使う豚肉が分厚いと、当然の理屈ですが中心部まで熱が入りにくいです。レシピ通りの揚げ時間で揚げたとしても中まで火が通らないことが多々あります。そんな時は以下の方法を事前に試してみてください。
★肉たたき(ミートハンマー)で叩いて薄く伸ばす
当たり前のことですが、分厚いお肉は薄くすることで火の通りがよくなります。また肉叩き(ミートハンマー)で叩くことにより繊維が壊れ肉が柔らかくなり、揚げることによってとんかつ肉が縮むのを防ぐ効果があります。専用の肉たたきである必要はなく、綿棒や瓶などでも代用可能です。
②揚げ油の温度が高すぎるため
揚げ油の温度が高すぎると、中まで火が通る前に外側の衣だけがきつね色に焦げていきます。良い揚げ色になったので切ってみると中が生焼けだったという経験をした方は多いと思います。そんな時は以下の方法をお試しください。
★揚げ時間を調整してみてください
・肉厚1㎝の場合1分30秒~2分揚げ、引き上げ後余熱3分火を通す
・肉厚2cm~2.5cmの場合は6~7分揚げ、引き上げ後余熱8分火を通す
とんかつなどのお肉の揚げ調理は、すぐに食べずに余熱を使って中まで火を通します。またとんかつを揚げる時の揚げ油の温度は170℃ほどの適正な温度をキープするようにすると上手に揚がります。
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生焼けのとんかつを食べるとどうなる?
生焼けのとんかつを食べてしまい、怖くなるのが食中毒のリスクですよね。
食中毒の危険性は?
生焼けのとんかつを食べると食中毒の危険性は「あります!」
理由として、一般に流通している豚肉は加熱調理用となっており生食できるものは販売されていません。これは豚肉に寄生虫がつきやすいことと、一般細菌によって豚肉が傷みやすいことからです。
食中毒症状は?
豚肉を加熱不十分で喫食すると食中毒に感染する確率が高くなります。
喫食してから2日から5日で水様性下痢、腹痛、発熱、倦怠感などの腸炎症状が現れます。 また食中毒原因菌による腸炎症状がおさまった後、約3週間後に筋力低下、歩行困難、顔面神経麻痺等をおこす「ギランバレー症候群」になることがあり、死亡例も確認されていますので決して食中毒症状を侮らないでください。
食べたら病院に行くべき?
食中毒が発症した場合、初期の症状は軽くても時間が経つにつれ急激に悪化し、おおごとになるケースも少なくないです。食中毒を舐めてはいけません。特に食べたあと、腹痛、下痢、発熱等の症状が出るようでしたら、急いで病院にいきましょう。
なお、豚肉が原因となる食中毒は、おおむね食べてから7日以内に症状が出るため、食後7日程度たっても体調に変化がないようであれば、病院に行く必要はないため安心してください。
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とんかつを上手に揚げる方法
とんかつを上手に揚げるコツとはどのようなものなのでしょうか。
油の量と道具について
油の量は肉の2倍は必要です。油が少なくて肉が鍋底に触れてしまいますと衣が焦げてしまいます。
揚げ油は新しいものでも使用済のものでも大丈夫ですが、劣化が進んだ油の使用ですと揚げ物特有のカラッとした仕上がりになりません。また使用済油の場合、前に使用した食材の匂いがついていますのでとんかつへの匂い移りも起こります。できれば新しい油を使用する方が良いでしょう。使用済みの油を使う場合は油の量は全体の半量程にし、あとの半分は新しい油を追加しましょう。
とんかつの揚げ鍋は天ぷら鍋のように油がたくさん入る且つ熱伝導率の高い素材のものが良いでしょう。天ぷら鍋がない場合は、フライパンや中華鍋など深めのもので代用可能です
2枚以上同時に揚げない
大きなとんかつは一枚ずつ揚げます。2枚以上同時に入れると油の温度が下がりすぎてきれいに揚がりません。
とんかつの揚げ温度
とんかつの揚げ油適温は170℃です。肉を静かに170℃の油に入れ、3分くらいたって色づいてきたら、そのまま温度を上げていきます。180℃の高温で1~2分ほど揚げて表面をサクサクにします。
油の泡の大きさが小さくなったら揚がったということですのでとんかつを油から引き上げて油切りスペースや新聞紙かキッチンペーパーにのせて油を切ります。そのまま3~4分おいて余熱で中心まで火を通します。
肉を常温に戻す
豚肉は使う1時間前ぐらいから常温に戻しておきます。冷蔵庫から出してすぐの分厚いお肉は中心と外側の温度に差が出てしまい、中まで火が通らない可能性があるためです。
まとめ
この記事をまとめると
- 生焼けの定義は「食べ物などがよく焼けていないこと」を指します
- とんかつにおける生焼けとは「切ってみると中身が赤い血(本来の肉の色)のような色」「透明な肉汁ではなく赤い水が出る」「生焼け部分は水っぽいような状態」のことです
- 生焼けとなる原因は「とんかつに使用する豚肉が分厚いこと」「揚げ油の温度が高すぎるため」です
- 一般に流通している豚肉は加熱調理用となっており生食できるものは販売されておらず、これは豚肉に寄生虫がつきやすいことと、一般細菌によって豚肉が傷みやすいことからで、結果として食中毒の危険はあります
- 食中毒症状は喫食してから2日から5日で水様性下痢、腹痛、発熱、倦怠感などの腸炎症状が現れます
- 食中毒原因菌による腸炎症状がおさまった後、約3週間後に筋力低下、歩行困難、顔面神経麻痺等をおこす「ギランバレー症候群」になることがあり、死亡例も確認されています
- 食中毒症状が続く場合や症状が重い場合は病院を受診してください
- とんかつを揚げる油の量は肉の2倍量必要です
- 劣化が進んだ油の使用は揚げ物特有のカラッとした仕上がりにならず、とんかつへの匂い移りの原因にもなります
- 使用済みの油を使う場合は油の量は全体の半量程にし、あとの半分は新しい油を追加しましょう
- とんかつの揚げ鍋は天ぷら鍋のように油がたくさん入る且つ熱伝導率の高い素材のものが良いでしょう
- 2枚以上同時に入れると油の温度が下がりすぎてきれいに揚がりませんのでとんかつは1枚ずつ揚げます
- とんかつの揚げ最適温度は170℃~180℃です
- 冷蔵庫から出してすぐの分厚いお肉は中心と外側の温度に差が出てしまい、中まで火が通らない可能性があるため、豚肉は使う1時間前ぐらいから常温に戻しておきます
さて、とんかつが食べたくなってきませんか?さっそく今回のことを踏まえとんかつ揚げにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。最後までお付き合い頂きましてありがとうございました。
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