トビウオの刺身に寄生虫が!ディディモゾイド吸虫の特徴や人への影響を解説

トビウオ(飛魚)は一般的に6~7月が旬とされ、地方によっては漁獲される時期が異なり色々な呼び名で親しまれている魚です。鮮度の良いトビウオは刺身でも食べることができさっぱりと上品な味わいです。

今回は、

  • トビウオの刺身で気を付けたい寄生虫について
  • ディディモゾイド吸虫とは?
  • 魚によくいる寄生虫
について詳しく見ていきます。近年増加する寄生虫による食中毒に注意するためにも、是非知っておいてくださいね。

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トビウオの刺身にいる寄生虫とは  

旬のトビウオは鮮度が高いものですと刺身で頂くことができますが、寄生虫がいることがあります。特に産卵が終わって痩せた状態のものに付きやすいとも言われています。

ディディモゾイド吸虫

(画像引用:京都府海洋センター海洋生物部)

天然魚に寄生するディディモゾイド吸虫は、トビウオの他にカツオ・マダイ・カジキ・サバなどでも寄生することが確認されています。主に魚の筋肉部分に折り畳んだ状態で収まっていることが多いようです。

見た目

ディディモゾイド吸虫は生きている時は黄色、死後は黒色に変色します。形状が様々で棒状・球形・紐の塊のようなものなどがあり、多くは袋に入っているようです。大きさは1mm~50mm程度で、天然魚に寄生することから防虫対策はありません。 

エラに寄生している?

一般的には魚の筋肉部分に寄生しますが、ディディモゾイド吸虫はエラ・ヒレ・口腔・卵巣・腹腔などにも寄生することで知られています。頻繁には見かけられないようですが、広範囲に寄生している場合は一般的には販売されず丸ごと廃棄されることなどから、あまり認知度の高くない寄生虫です。

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ディディモゾイド吸虫食べてしまったら人に影響ある?

新鮮な魚には寄生虫がいる場合があることがわかりましたが、寄生虫によっては食中毒になる場合もあります。ここからはディディモゾイド吸虫を食べてしまった場合を詳しく見ていきましょう。

人への影響     

人体に寄生することのないディディモゾイド吸虫は、誤って食べてしまっても食品衛生上は問題ないとされています。危なくない寄生虫のディディモゾイド吸虫は、仮に生で食べても腹痛などは起こらないと言われています。

ディディモゾイド吸虫がいた時の対処法

ヒレやエラなどにも寄生するため釣りをされる方・魚を捌かれる方には、見かけたことがある方もいらっしゃるかもしれないディディモゾイド吸虫。

ディディモゾイド吸虫はピンセットなどで綺麗に取り除けば刺身でも食べられ、気になる場合は加熱調理すると問題なく頂くことが出来ます。

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魚によくいる寄生虫  

ここからは、魚によくいる代表的な寄生虫3つを見ていきます。寄生虫によっては、人体への悪影響・食中毒などを引き起こす場合もあるので注意するようにしましょう。

フィロメトラ  

フィロメトラは比較的よく見る寄生虫の1つです。

  • 色・・・黒褐色
  • 寄生箇所・・・卵巣内
  • 大きさ・・・10mm~20mm程度
  • 影響・・・人には寄生しない
  • 特徴・・・多いケースでは数百匹が絡み合っていることがある
  • 主に寄生する魚介・・・スズキ・イサキ・カサゴ・マゴチ・メバル・ムラソイなど

卵に黒く太めの線状が見られた場合は血管ではなくフィロメトラを疑うと良いでしょう。

食べても食品衛生上の問題はありませんが、数十匹が絡まって確認されるケースも多く見た目に驚くかもしれません。綺麗に取り除けば、問題なく食べることができます。

ニベリニア  

ニベリニアは近年認知度が高まったアニサキスに似た寄生虫で、危険な寄生虫と思われることもありますが人体には無害の寄生虫の1つです。

  • 色・・・乳白色
  • 寄生箇所・・・筋肉・体腔など
  • 大きさ・・・楕円形に近い形状で5mm程度、小さめの幼虫
  • 影響・・・人には寄生しない
  • 特徴・・・頭部にやや長めの4本の口先のようなものがある(ツノのようなもの)
  • 主に寄生する魚介・・・生タラコ・スルメイカ・マダラ・スケソウダラなど

米粒のような虫が動いているなど見た目の悪さなどから、苦情の多い寄生虫としても知られています。食べてしまっても無害ですが、稀に口の中や食道あたりで吸着するような違和感を感じる場合があるようです。

アニサキス

アニサキスは近年認知度の高まってきている寄生虫でアニサキスによる食中毒(アニサキス症)を引き起こすことで知られています。

  • 色・・・半透明の白色
  • 寄生箇所・・・主に内臓表面、筋肉にも寄生(サケやマスでは腹部の筋肉内に多く見られる)
  • 大きさ・・・2cm~3cm程度(魚に寄生するアニサキスは幼虫)
  • 影響・・・生食した際に激しい腹痛・吐き気・嘔吐・蕁麻疹などの症状が起こる
  • 特徴・・・渦巻き状になっているものが多い、半透明の粘膜袋のようなものに入っているものもある
  • 主に寄生する魚介・・・サバ・サケ・ニシン・スルメイカ・イワシ・サンマ・ホッケ・タラ・マスなど

アニサキスによる食中毒は魚介類を生食(または不十分な冷凍や加熱状態)することで起こりやすく、アニサキスの幼虫が人の胃壁や腸壁に刺入することで発症します。

  1. 急性胃アニサキス症・・・食後数時間後~十数時間後に、みぞおちの激痛・悪心・嘔吐などが生じる
  2. 急性腸アニサキス症・・・食後数十時間後~数日後に、下腹部の激痛・腹膜炎の症状などが生じる

が代表的な症状で、共に激しい腹痛が起こります。この場合は、速やかに医療機関を受診するようにしましょう。

予防策として

  • 魚を購入の際は新鮮なものを選び、速やかに内臓を取り除くなどの処理を行う
  • 魚介の内臓は生食しない
  • 調理時に目視でアニサキスが寄生していないか再度確認するようにする
が挙げられ、なるべく調理の際は冷凍・加熱を行うと安心です。また調理時に使用される調味料(食酢・塩漬け・醤油・わさび)でもアニサキスは死滅しないので注意しましょう。

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まとめ

この記事をまとめると

  • トビウオなどに寄生する「ディディモゾイド吸虫」生きている時は黄色、死後は黒色に変色する
  • 人体に寄生することのないディディモゾイド吸虫は、誤って食べてしまっても食品衛生上は問題ない
  • ピンセットなどで綺麗に取り除けば刺身でも食べられ、気になる場合は加熱調理すると問題なく頂くことができる
  • その他にフィロメトラ・ニベリニアなどの寄生虫は食べても人体に寄生することがない
  • アニサキスは、主に魚介を生食することで食中毒(アニサキス症)を発症することがある

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