日頃から食べる機会の多い食材の一つである食パン。手軽に手に入る食材だからこそ、適切な保存方法をしっかりと理解しておく必要があります。
- 食パンにカビが生える原因について
- 食パンが冷蔵保存できない理由
- 食パンの適切な保存方法を解説
今回は、こちらについて詳しく解説します。
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目次
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食パンにカビが生える原因
食パンに黒い斑点のようなものが出来ていたら、それはカビが生えていると判断しても良いでしょう。
カビが生える原因
カビが生育するにはいくつかの条件が必要になりますが、その中の一つが「水分」です。食品に含まれる水分のうち、カビが生育するのに使用できるものを「自由水」、栄養素と結合しているためにカビが育成するために使用できないものを「結合水」とそれぞれ呼んでいます。
また食品内に含まれる自由水の割合を、指標で示したものを「水分活性(Aw)」と呼びますが、食パンに含まれるAwは他の食材と比べても高い数値となっています。
このことから、食パンにカビが生える原因は「含まれる水分活性の値が高いこと」であると言えるでしょう。
なお、参考までにAwが高くカビが生えやすい代表的な食品の例を以下に記載します。
水分活性量 | 食品例 |
1.00〜0.95 | 生肉、果物、シロップ漬け果物缶詰など |
0.95〜0.90 | プロセスチーズ、パン類、生ハムなど |
0.90~0.80 | チェダーチーズ、フルーツケーキなど |
0.80~0.70 | ジャム、ママレードなど |
どれくらいで生える?
食パンにカビが生えるかどうかは、各メーカーの食パンによっても大きく個体差があります。また、食パンを保存する温度の違いによってもカビの生え始める時期は異なります。
食パンの保存温度を30℃と想定して実験を行った結果、消費期限から3日後にカビが生え始めたというデータも存在します。
参考:山崎製パン株式会社HP「パンのカビ発生メカニズムと保存試験の結果について」
カビを食べてしまったら?
食パンに生えたカビを食べてしまっても、慌てずに対処しましょう。
食パン1口分程度のカビであれば、食中毒などの症状を発症することは少ないです。
万が一カビが生えた食パンを1枚丸ごと食べてしまった場合などは、かかりつけ医を受診して適切な診断を仰ぐようにしましょう。
カビを除去・加熱すれば食べられる?
目に見えない菌糸に注意
目に見えるカビをちぎって取り除いたとしても油断は禁物です。
カビは目に見えないほどの小さな菌糸を広範囲に張り巡らせています。
安全のためには、少しでもカビの生えた食パンは、食べずに廃棄することを心掛けましょう。
カビは加熱しても消えない
カビの中には、加熱することで活性化する芽胞菌と呼ばれるものも存在します。また、加熱することでカビが死滅したとしてもカビそのものが消えるわけではありません。
火を通したからと言ってもカビを口にすることはおすすめできません。
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食パンの冷蔵がおすすめできない理由
カビの発生自体は遅らせられる
カビの発生を遅らせることだけを考えた場合、食パンを冷蔵保存することによって十分な効果を得られます。
しかし、食パンを「美味しく」保存するには冷蔵保存は向いていません。その理由は以下の通りです。
冷蔵保存がおすすめできない理由
食パンを冷蔵保存してしまうと、パンの美味しさを決める要素ともいえる「でんぷん」や「グルテン」が蒸発してしまい、パン自体が固くなってしまいます。このことが、食パンの冷蔵保存がおすすめできない理由となっています。
保存期間は?
食パンの冷蔵保存は、例え1日であっても美味しさが大きく損なわれてしまうリスクが大きいです。期間を問わず、食パンの冷蔵保存は避けましょう。
惣菜パン・菓子パンの場合は?
中にソーセージなどが入った総菜パンや、ジャムなどを入れた菓子パンなどでも冷蔵保存を行うことで美味しさが大きく損なわれます。
食パン同様に、冷蔵保存することは避けましょう。
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食パンの常温保存方法
常温保存するときのポイント
食パンは、消費期限の間であれば常温保存しても問題ありません。消費期限内にどうしても食べ切れない場合などは、この後解説する冷凍保存の実施がおすすめです。
アルコールを利用!
常温保存する際は、食品用アルコールを食パン表面に吹きかけてあげるとカビの発生を防ぐ効果がありますよ。
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食パンの冷凍保存方法
消費期限を超えて食パンを保存したい場合は、冷凍保存がおすすめです。‐18℃以下の環境は、カビなどの微生物が繁殖できない温度帯としても知られています。
必要なもの
食パン ラップ ジップロック
冷凍保存の方法
- 食パンを1枚ずつラップで包み空気を抜く
- ラップごと食パンをジップロックに入れて空気を抜きチャックをする
- マジックでジップロック表面に冷凍実施日を記入する
- 速やかに冷凍庫内に保存する
保存期間
冷凍保存した食パンは、2週間程度なら美味しく食べることができます。長期間の冷凍保存は、食パンに霜が発生してしまうため、冷凍保存とはいえ早めに食べるようにしましょう。
解凍方法・美味しい食べ方
冷凍保存した食パンは、ラップのまま1時間ほど自然解凍を行うか冷蔵庫でじっくりと解凍するのがおすすめです。
解凍した食パンをトースターで焼き上げる前に、しっかりと予熱でトースター内を温めておくと美味しく食パンを焼き上げることが出来ますよ。
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まとめ
この記事をまとめると
- 食パンにカビが生える原因は、食品内に含まれる水分活性の量が高いことが原因
- 食パンは冷蔵保存してしまうと、含まれる成分が劣化し美味しさが半減してしまう
- 消費期限内なら常温保存が、消費期限を超えて保存する場合は冷凍保存がおすすめ
いかがだったでしょうか。
食べる機会の多い食パンだからこそ、出来るだけ美味しい状態で食べたいですよね。この記事がみなさんの参考になれば幸いです。
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