【家紋】杉紋の意味・由来を解説!植物紋の一種

「杉」と言えば現代では花粉を思い浮かべてしまう方も多いかと思いますが、杉はかつてからご神木とされてきたありがたい木でもあります。

全国には杉を神社の神紋にしているところも沢山あり、そのような場所には立派な杉が生えているものです。

今回は、「杉紋」の意味・由来・種類、杉紋の神社、一度は見たことのある「杉の目印」についてご紹介いたします。

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杉紋の意味・由来とは?

読み方 すぎもん
家紋の分類 植物紋
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杉は、大木になることから松と並ぶ「神木」とされていました。特に有名なのは大和の大神神社(おおみわ神社)で、「万葉集」や「日本書紀」にも残っています。

それゆえ三輪神を祖神とした大神家が杉紋を使用し、それがきっかけとなり普及したと言われています。

使用者は神社・酒関係の家の他に、藤原氏流の本多氏、杉浦氏、戸川氏、有馬氏、清和源氏流の上杉氏、新見氏、上林氏などがあります。

杉は目印としても使用され、酒屋の看板には杉の葉が用いられていたため、酒に関係した家でも杉紋を使用していたのです。

どんな看板だったのかは、記事の後半で紹介していますので、是非あわせて見てみてください。きっと一度は見たことのあるものですよ…!

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杉の家紋の種類解説

一本杉

丸に一本杉

三本杉

丸に覗き二本杉

三つ追い杉

割り杉

御鏡に杉

割り杉菱

杉紋は、葉ではなく木そのもので構成されているのが基本的な形です。1本から3本ほどの杉で描かれ、シンプルなものがほんとんどとなっています。

一番ベーシックな「一本杉」に「輪紋」を加えた「丸に一本杉」、三本では「三本杉」と、非常にわかりやすい家紋ですね。

少し変わった杉紋には、円形の中に半分の杉を描いた「割り杉」、黒い影の中に一本の杉が立つ「御鏡に杉」、菱形に杉を入れた割り杉菱」などの種類があります。

こうして見ると杉紋はとてもシンプルなことがわかりますね。続いては、意外と身近な杉の葉について見ていきたいと思います。

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有名な大神神社のご神木「杉」

奈良県桜井市にある大神神社(おおみわ神社)は、神紋に杉を使用していることで有名です。

神社内には「しるしの杉」「衣掛杉(ころもがけの杉)」「おだまき杉」など様々な杉が祀られているのですが、中でも一番有名なのは「巳の神杉(みのかみすぎ)」という神木です。

大神神社では、杉の葉に紙垂(しで)という特殊な切り方で切った紙を巻いたものを月に1度販売しており、午前中には完売してしまう人気の杉なのだそうです。ちなみに1本200円とのことです。

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必ず見たことがあるはず!酒屋の看板「杉玉」

このぷっくりとした飾りを見たことはありませんか?店先にかかっているもので、「杉玉」といいます。「すぎだま」や「すぎたま」、「酒林(さかばやし)」と言うこともあります。

実は、これは杉の葉でできているのです。冒頭でかつて酒屋の看板として使用していたとお話しましたが、この杉玉が使用されていました。

この杉玉は「お酒がありますよという目印」で、現在でもその意味で使用しているお店が残っています。また、酒造でも杉玉を吊るす習慣があり、「新酒が完成したことを知らせる目印」となっています。

ご神木として扱われている杉を、このように活用する文化も日本ならではとなっています。

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まとめ

ご神木とされてきた杉をモチーフにした「杉紋」についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

家紋のデザインとしてはシンプルなものが多いですが、神社の神紋として用いられたり、杉の木が縁起の良いものとして現代まで扱われてきたのには歴史を感じますよね。

家紋を調べることで杉玉のように違うストーリーを知ることもできますので、是非家紋にまつわる話題をチェックしてみてくださいね。

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