賞味期限の決め方を紹介!消費期限との違いや食品ごとの違いも

賞味期限の決め方について知っているという人はすくないのではないでしょうか。食品を扱う仕事をしているプロなら知っておくべきこれら表記内容について、

  • 「賞味期限の決め方」
  • 「消費期限と賞味期限の違い」
  • 「食品別の賞味・消費期限の長さ」
  • 「3分の1ルールとは何か」

これらの事について詳しく紹介いたします。この記事では賞味期限、消費期限をどのような基準で設けているのか、安全性、品質、なぜ期限を設けるようになったのかなど詳しい内容が分かります。

食品の賞味期限、消費期限について詳しくなることで食材を無駄なく美味しくそして、少しでも長い期間安全に食べられるようになります。加工食品や調味料など期限表記のある食材を無駄にしていたという方は是非最後までこの記事をチェックしてみてください。

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賞味期限の決め方

賞味期限の決め方は、個人的に決める場合以外、加工食品など商品として扱う場合ではルールが違います。個人で決める場合は自己責任の範囲ですので、余り問題にはならないのですが、商品として扱う際には国で定められたガイドラインでしっかりとした取り決めがあります。また、様々な試験を用いて決められています。

食品期限表示の設定のためのガイドラインに沿う

厚生労働省、農林水産省のガイドラインによると以下のようになります。

・「食品の日付表示に関しては、平成7年4月から製造年月日等の表示に代えて、消費期限又は賞味期限(品質保持期限)の期限表示をしている。また、平成15年7月には、「食品衛生法」及び「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律」に基づく表示基準を改正することにより、「賞味期限」と「品質保持期限の2つの用語が「賞味期限」に統一されるとともに、「賞味期限」及び「消費期限」のいずれについても、それらの定義の統一が行われた。」

様々な試験で決められる期限

消費(賞味)期限の設定方法は理化学試験、微生物試験、官能評価の3つ。このうち理化学試験では科学的試験と物理的試験があり、水分、水分活性、ペーハー、酸価、過酸化物価を求めます。微生物試験では汚染指標菌や食中毒菌を調べますが、原材料など食品の特性によっては検査項目も変ります。官能評価は外観観察や食味、食感などです。

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消費期限と賞味期限の違い

賞味期限

消費期限と賞味期限は意味合いが全く違います。食品、生鮮品を扱う仕事の場合、しっかりと理解しておく必要が有りますので、それぞれの期限について解説致します。

消費期限は安全性自体を保証

消費期限は安全に食べられる期限であり、期限を過ぎると安全ではなくなる可能性があるため食べることは控えましょう。包装、パッケージに表記の保存状態で未開封の場合にのみ安全性を保証された期限のことです。

賞味期限は味・風味の品質を保証

賞味期限は美味しさにおける品質を保証する期限のことです。安全性はもちろんですが、おいしく食べる事が出来る基準としての期限です。期日を過ぎたからといって食べられない訳では有りませんから、理解しておくことで無駄を減らすきっかけにもなります。包装、パッケージに表記の保存状態であれば、期限を過ぎたからとすぐに安全性がなくなるわけではありません、消費期限とは意味合いが違うので注意しましょう。

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食品別の賞味・消費期限の長さ

食品別にみて消費も賞味も期限があるのは同じですが、その長さにも特徴があります。食品の種類によるところが大きいのですが、特殊に長く持つように作られた食品類など詳しく紹介します。

無加工の製品は比較的短い

無加工、及び生鮮品のなかでも生のままの状態で製品として流通するものは期限が比較的短く、品質の変化が急速であり劣化のスピードも速いため、これらの食品には製品の性質上、消費期限が表示されます。弁当、調理パン、生菓子や食肉、生めんなどです。

保存料入りの食品は期限が長め

保存料入りの食品、スナック菓子や即席めん類などの加工食品は、賞味期限が比較的長く標記されています。それぞれの食品をよく見ると、保存料としてはソルビン酸や安息香酸、プロピオン酸やナイシンなどが使用されています。保存料のほとんどは食品添加物です。

非常食となる栄養食品は数年もつ

非常食に用いられる栄養食品は、長期保存を目的として製造されているため、脱酸素剤や窒素ガスなどで品質を長期保存させ7年保存可能なもの。その他、缶詰やレトルトといった内容物の劣化が防げる容器を使うのはもちろん、最先端のフリーズドライ製法を駆使して、通常は水を足して食べますが、そのままでも食べられるといった、賞味期限が最長25年と長い物もあります。

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3分の1ルールとは何か

 

3分の1ルールと聞いても一般の消費者である私達には何のことをいっているのか、理解できないでしょう。それもそのはず、このルールは食品を製造するメーカーと販売店との間だけでやり取りされている商習慣なのです。

★販売店が設定したルール

3分の1ルールは販売店が設定したルールであり、食品メーカーとスーパーマーケットなどの販売店との間にある商習慣のことです。食品メーカーを取りまとめている卸業者が賞味期限の1/3になる前に販売店に納品しなければならない、と言った取り決めになります。レトルトやお菓子、清涼飲料水などの加工食品には「おいしく食べられる目安の期限」として賞味期限が設定されていますが、品質の安全性の観点から独自に用いられるようになりました。

食品の廃棄が多くなった要因でもある

3分の1ルールは実際の賞味期限である期間の2/3を過ぎてしまうと、卸業者は販売店には卸せなくなるため、メーカーなどへ返品されます。食の安全性の観点からも再販するには期間が短いため、安く販売するしか方法がなく、販売先が決まらない場合はそのまま廃棄されます。

1998食品ロスが謳われ始めてから9年後2007年にはフードロスという言葉が登場し、近年では食品の無駄を見直す働きが活発化、消費者庁も取組を強化する方向性を示したことから改善されつつあり、3分の1ルールも見直されてきています。

まとめ

賞味期限の決め方について詳しくみることで以下の事がわかりました。

この記事をまとめると

  • 「賞味期限の決め方は厚生労働省、農林水産省のガイドラインによる」
  • 「消費期限と賞味期限の違いは安全性自体と品質といった保障内容の違い」
  • 「食品別の賞味・消費期限の長さは使用目的別の商品形態によっても変る」
  • 「3分の1ルールとは食品メーカーと販売店の間で決められた商習慣のこと」

これら賞味期限の理解を深め、フードロスなどの社会問題についても消費者側からの働きかけなど、考え方や行動が変えられることを理解して頂けたら嬉しく思います。

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