オイルアレルギーの症状とは?どんな油が危険なの?気をつけるべき油

炒め物に、ドレッシングに、普段何気なく使っている油。お手頃なサラダ油からオリーブオイルにごま油、健康に良いと一躍注目されたえごま油やココナッツオイルと、その種類も今や片手では足りないほど。お店にずらっと並んでいると、何を買おうか迷ってしまいますよね。ところが、そんな油でアレルギー症状を起こすケースがあるのだとか。いったいどういうことなのでしょうか。そこで今回は、

  • オイルアレルギーってどんなアレルギー?
  • 飽和脂肪酸とは
  • リノール酸とは
  • アレルギーを起こしにくい油はある?
についてご紹介させていただきます。

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オイルアレルギーってどんなアレルギー?

油でアレルギーと聞くと、詳しい方だと少し違和感を持たれるかもしれません。 アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)は、主に食材に含まれるたんぱく質、油にはこのたんぱく質がほとんど含まれないため、アレルゲンにはなりにくい と言えます。

では、オイルアレルギーとはなぜ起こるのでしょうか。実はこのアレルギー、摂取する油の種類とそのバランスによって、アレルギー様症状が引き起こされると考えられているのです。どういうことか、詳しく見ていきましょう。

飽和脂肪酸の過剰摂取がアレルギー症状を引き起こす?

脂肪酸とは、油脂を構成する成分のこと。食生活の欧米化、コンビニやファーストフードの台頭で、現代人の食事には、動物性脂肪や酸化した油など、いわゆる「質の悪い油」が多くを占めつつあります

脂肪の摂り過ぎが、肥満や生活習慣病の原因となり得ることは多く知られていますが、実はある種の油脂は 摂り過ぎると体の中で炎症を起こし、アレルギーのような症状を引き起こす ことがあるのだとか。特に、 乳製品や動物性脂肪に多く含まれる飽和脂肪酸は、その食品そのものにアレルギーを持つケース も。摂り過ぎに注意したい油の代表と言ってもいいでしょう。

リノール酸の過剰摂取もアレルギー症状の原因に

リノール酸も脂肪酸のひとつ。体内で合成されないため、食事から摂取する必要がある「必須脂肪酸」に分類されます。体にとって必要な成分ではありますが、近年の研究では、この リノール酸と他の脂肪酸との摂取バランスが崩れることで、生活習慣病や鬱症状、アルツハイマーなどの疾病を誘引する のではないかと考えられています。

アレルギー症状もそのひとつ。 体に必要なリノール酸ですが、摂り過ぎはむしろ体にとって悪影響である、というのが最新の脂質栄養学における見解 です。

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飽和脂肪酸とは

それではまず、飽和脂肪酸とはどんなものなのか、具体的にみていきましょう。

飽和脂肪酸ってどんな脂肪酸?

飽和脂肪酸は、基本的にエネルギーとして使われやすく、体内で合成もできる脂肪酸です。

常温では固体のことが多く、比較的安定しているのが特徴。 現代の食生活では過剰摂取になりやすく、摂り過ぎは、悪玉コレステロールを増やし、脳疾患や心疾患などの重大な病気の原因にもなるため、注意が必要な脂肪酸 です。

飽和脂肪酸が多く含まれる食品や食用油

肉の脂身、生クリームやバター、インスタントラーメン、パーム油、ココナッツオイルなど
ココナッツオイルは体に悪い!?
ダイエットや健康、美容効果で話題になったココナッツオイル、実は飽和脂肪酸の多く含まれる油なのです。とはいえ、ココナッツオイルに含まれる飽和脂肪酸は「中鎖脂肪酸」というもの。肝臓での処理が必要ないので、体内で早くエネルギーに変換され、脂肪として蓄積しにくい、といわれています。

ですが、近年の研究では、ココナッツオイルにはそれほど中鎖脂肪酸が多く含まれていない、とするものもあり、過度の食用には注意を促すものも。今後の研究に要注目といえそうです。

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リノール酸とは

それでは続いて、リノール酸とはどんな脂肪酸なのか、詳しくみていきましょう。

リノール酸ってどんな脂肪酸?

n-6系(オメガ6)の不飽和脂肪酸で、生体膜の機能を正常に保ち、代謝にも重要な役割を持つ脂肪酸です。不飽和脂肪酸は、含まれる炭素が2重結合している脂肪酸のことで、この2重結合の数により分類されています。

 血中コレステロールを下げる作用があり、細胞膜を元気にしてくれるため、美肌や血行改善にも効果 があります。

n-6系脂肪酸であるリノール酸

リノール酸はn-6系脂肪酸の1種であるとお話しました。血中コレステロールを下げ、美肌にも効果があるとなると、良いことばかりのようですよね。実際に、必須脂肪酸に分類されるリノール酸は、人体に必要な脂肪酸でもあります。

ですがこの n-6系脂肪酸、物質として不安定で、非常に酸化されやすいのが特徴。酸化したn-6系脂肪酸は、体に良い効果を発揮できないばかりか、動脈硬化や生活習慣病など、体に悪影響を及ぼすことがわかっています。  また、最近の研究では、この n-6系脂肪酸の摂取量が、同じ不飽和脂肪酸であるn-3系脂肪酸の摂取量を大きく上回ることで、生活習慣病やアレルギー症状、アルツハイマーなどの危険性が高まる と考えられています。

リノール酸が多く含まれる食品や食用油

ひまわり油、綿実油、グレープシードオイル、くるみやピーナッツなどのナッツ類

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アレルギーを起こしにくい油はある?

摂り過ぎは良くないけれど、脂質は人にとって欠かすことのできない三大栄養素のひとつ。アレルギーを起こしにくい油はあるのでしょうか。

DHAやEPAなどのn-3系脂肪酸

青魚でおなじみのDHAEPA、血液をサラサラにして、悪玉コレステロールを減らしてくれることから、生活習慣病の予防にも効果が期待できます。

この2つ、先ほどもお話したn-3系脂肪酸の仲間 食事の脂質の中に占めるリノール酸の割合を、これらに置き換えることで、悪影響を抑制 してくれます。また、アレルギー症状の緩和にも役立ってくれることがわかっています。

どれくらいの割合で摂ればいい?n-3系とn-6系脂肪酸

アレルギーの予防や、n-6系の過剰摂取による悪影響を防ぐには、n-3系とn-6系の脂肪酸は1:2の割合で摂るのがおすすめ。まずはn-3系の脂肪酸を積極的に食生活に取り入れるよう、意識してみましょう。

αリノレン酸

αリノレン酸もn-3系脂肪酸の一種。DHAやEPAと同じく、 食事の中のリノール酸を置き換えていくことで、アレルギー症状の予防や緩和に効果を発揮 してくれます。

 シソやシソ油、えごま油、亜麻仁油などに多く含まれています。 

αリノレン酸は加熱に注意!
多価不飽和脂肪酸であるαリノレン酸は酸化しやすいのが難点!加熱すると酸化が一気に加速され、体にとってむしろ有害な成分になってしまうので、注意が必要です。

これらの油を摂るときには、サラダにかける、納豆に加える、など、加熱をせずに食べるようにしましょう

オリーブオイルや菜種油などの一価不飽和脂肪酸

n-3系脂肪酸やn-6系脂肪酸は、炭素の2重結合を2個以上持つ、いわゆる多価不飽和脂肪酸。一価不飽和脂肪酸とは、2重結合を1つしか持たない不飽和脂肪酸のことです。

体内でも作り出すことができ、さらには比較的安定性が高いことが特徴。安定性が高いということは、酸化しにくいということ。体への悪影響も少なく、またαリノレン酸と違って加熱に強いのも嬉しいところ。炒め物や揚げ物など、加熱調理に使う際には、こちらを選ぶようにしましょう。

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まとめ

いかがでしたでしょうか?

この記事をまとめると

  • オイルアレルギーは「摂取する油の質」によって引き起こされることがある!
  • 肉や乳製品に含まれる飽和脂肪酸の摂り過ぎは生活習慣病の原因にも!なるべく控えめに抑えよう
  • 身体に必要な成分でもあるリノール酸、しかし近年その過剰摂取による様々な悪影響が指摘!食事の脂質における割合に注意したい
  • DHAやEPA、最近話題のえごま油や亜麻仁油もおすすめ!体にとって大切な栄養素でもある脂質、できるだけ「質の良い油」を摂るように意識しよう
  • えごま油や亜麻仁油は加熱による酸化に注意!火を使う料理にはオリーブオイルや菜種油をチョイス!

油の摂り過ぎが体に悪いことはなんとなく想像がつくけれど、その質がアレルギー症状にまで影響するとは驚きですよね。ある研究によると、魚をメインにした日本食の献立に変えただけで、アレルギー性の皮膚疾患が軽快したという報告もあるそうです。最近はダイエットにも人気の青魚、缶詰やパックなどのお手軽食材も豊富!花粉症の季節、まずは週に何食か取り入れてみてはいかがでしょうか。

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