ぬか漬けのカビで食中毒に?下痢・腹痛に注意!酸っぱいピリピリは腐ってる?

日本人にとってなじみの深いぬか漬け。食卓にかかせない存在となっている人も多いのではないでしょうか。しかし、米ぬかを使用して作るぬか漬けは扱い方によって危険な食中毒のリスクがあることはご存知でしょうか?

  • ぬか漬けで食中毒になる原因
  • 食中毒の症状は?
  • ぬか床の状態を確認する方法
  • ぬか床を清潔に保つ方法

今回はこちらについて詳しく解説します。

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ぬか漬けで食中毒になる

ボツリヌス菌

ぬか漬けを食べて食中毒になってしまう原因は、ボツリヌス菌と言われる食中毒菌が原因となります。

Point
ボツリヌス菌とは土壌や海など自然界に広く分布している菌で、分類すると熱に強い芽胞菌になります。芽胞は酸素が無くなった状態になると毒素を形成し始める特徴があり、その毒素は自然界に存在する毒素としては最強とも言われています。

ボツリヌス菌が発生しやすい食品としては、缶詰やビン詰めなどのいわゆる「無酸素状態でで製品化される食品」が多くなっています。そのため、糠に長時間漬かることで無酸素状態となりやすいぬか漬けもまた、例外とは言えません。

缶詰やビン詰めは全て危険?
一般的に販売されているレトルトパウチ食品(別名:容器包装詰加圧加熱殺菌食品)の基準は「中心温度120℃で4分相当以上の加熱を行い、遮光性のある容器に詰められたもの」と定められています。この基準を守った食品であれば食中毒の発生はありません。ただ、ごく一部の製品はレトルト加工についての表記が紛らわしくなっている場合があるため、注意が必要です。

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ぬか床食中毒の症状

下痢・腹痛

腹痛・下痢

ボツリヌス菌による食中毒の初期症状は、激しい腹痛と下痢による消化器系の異常があげられます。

吐き気

腹痛と下痢に共に激しい吐き気からの嘔吐もボツリヌス菌発症の特徴です。腹痛や嘔吐を繰り返したのち、めまいや視力低下などの神経系に異常が生じ始めます。場合によっては死亡することもあるためボツリヌス菌には細心の注意を払う必要があるのです。

症状が出るまでの時間

ボツリヌス菌食中毒の潜伏期間は、その個体によって異なるため一概に示すことは出来ませんが、一般的には8時間~36時間内と言われています。

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ぬか床に雑菌・細菌がいるサイン

ぬか漬けを食べてボツリヌス菌による食中毒になってしまう原因は、実は「ぬか床」にあります。ここでは、ぬか床に雑菌や細菌が繁殖している場合の特徴を解説します。

酸っぱい・ピリピリする

ぬか床に繁殖する細菌は、全てが悪い菌というわけではありません。例えばぬか床に含まれる「乳酸菌」は、口にすると生きたまま腸に届くことで便秘の改善や美肌効果も期待出来る細菌です。しかし、ぬか床の中で乳酸菌が増えすぎてしまうとぬか床が酸っぱくなったり、口にした際にピリピリするという特徴があります。

カビが生えている

ぬか床の表面にフワフワとした綿のようなものが点々と出来てしまったら、それはカビが生えていると判断しても良いでしょう。ぬか床に生えるカビの色はオレンジや黄色などを初めとして様々です。ぬか床にカビが生えてしまった場合は、そのぬか床全てを思い切って廃棄しましょう。カビの菌糸は思った以上に広範囲に根を張っているため、カビの生えた部分だけを除去したとしても食中毒に対する大きなリスクが残ったままになってしまいます。

鉄臭い

ぬか床に古釘を入れると良いという話を聞いたことがある人も多いでしょう。これは、釘などに含まれる鉄分がぬか床に溶け出すことによるものです。しかし、余りにも長い期間入れっぱなしにしてしまうと鉄分が過剰に溶け出してぬか床全体が鉄臭くなってしまうことがあります。

ガスが溜まってシュワシュワしている

ぬか床にガスが溜まる原因は、炭酸ガスによるものです。これは、ぬか床に含まれる酵母菌が過剰に発酵することにより発生します。この炭酸ガスが野菜に入ってしまうとピリピリとした食感になることがあります。しかし、この炭酸ガスは体にとって有害なものではないため心配は不要です。

野菜がぬるぬるする

ぬか床に漬けた野菜がヌルヌルする原因は、ぬか床に雑菌が繁殖したことによるものです。実際に漬けた野菜を少量食べてみて、余りにも酸味が強すぎる場合は、ぬか床に粉からしや山椒などを加えて菌の増殖を防ぎつつ1日に数回ぬか床をかき混ぜることを続けると雑菌の繁殖を抑える効果がありますよ。

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ぬか床が腐るのを防ぐ対処法

保存・日持ち

冷蔵庫で保存する

ぬか床は生き物である」と言われるくらい、ぬか床には美味しいぬか漬けを作るために必要な菌が活動しています。それらの菌が最も活動を活発に行う温度はおおよそ20℃~25℃の間です。そのため、一時的にぬか床を休ませたい時などは冷蔵庫でぬか床を保存することをおすすめします。冷却することで菌の活動を緩やかにして、結果的にぬか床を長持ちさせることが出来ますよ。

定期的に混ぜる

ぬか床を混ぜずに放置しているとぬか床内の菌が3層に分かれてしまうことがあります。3層に分かれた菌のうち、底面には「酪酸菌」と呼ばれる酸素を嫌う菌が集中して今うことで、ボツリヌス菌などの食中毒菌が発生しやすい環境を作り出してしまうのです。だからこそ、ぬか床は定期的にかき混ぜる必要があるのです。

なお、季節ごとのかき混ぜ目安は以下の通りです。

  • 夏場の常温下 1日2回以上
  • 冬場の常温下 2日に1回程度

入れてはいけないもの

液体状のものはぬか床には入れないようにしましょう。これは、一度入れてしまうとぬか床から取り出すことが出来ないためです、具体的にはビールやヨーグルトが対象になります。また食中毒の原因になるため、生モノも入れるのは避けましょう。生魚や生肉などは特に注意が必要です。

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まとめ

この記事をまとめると

  • ぬか漬けにはボツリヌス菌という危険な食中毒菌が発生する可能性がある
  • ボツリヌス菌の症状は激しい嘔吐やめまい、視力低下などの神経系の異常が代表的で、場合によっては死に至ることもあるため注意が必要
  • 食中毒発生を防ぐため、ぬか床の状態を常にチェックすることが大切
  • 保存温度調整や、定期的なかき混ぜを行うことでぬか床を衛生的に保つことが出来る

いかがだったでしょうか。

ぬか漬けを作るために最も重要であるぬか床は、付ける人の注意によって長期間使用出来るかが変わってくる、まさに「生き物」と言っても良いでしょう。この記事の内容を参考に、美味しいぬか漬けを作ってもらえれば嬉しいです。

この記事が皆さんの参考になれば幸いです。

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