ニシン漬けに失敗したらどうなる?雑味が凄いけどこれって失敗?

スポンサードリンク

「ニシン漬け」を自分で作ったことはありますか?ニシン漬けとは北海道の郷土料理です。明治時代、ニシンが豊漁だった頃は、春に身欠き(みがき)ニシンを保存し、秋に野菜と一緒に漬け込み、冬の食料として各家庭で作られていました。しかし、今ではニシン漬けを作る家庭は減り、世代間で作り方を継承する機会も減っています。そんな存続危機?にあるニシン漬けについて、今回は、失敗例と対策についてご紹介したいと思います。今回は、

  •  ニシン漬けの失敗事例
  • ニシン漬け作りを失敗しない方法
というテーマでお送りします。

スポンサードリンク

ニシン漬けの失敗事例

塩辛い

塩をたくさん入れると、想像以上に塩辛くなります。通常、塩の分量は、野菜などを含めた重量の2.6~3%が目安とされています。ネットで紹介されているレシピでは、塩、鷹の爪、米麹、生姜を一緒に漬けるものが多くあります。ちなみに、北海道の某漬物店によると、塩・米麹・ザラメをそれぞれ2.6~3%ずつ入れて漬けると美味しくできるそうです。もし、仕上がりの味が塩辛くなってしまった場合は、以下の対処法をお試しください。

  • 野菜をプラスする
  • 塩水を一度捨てて、新しい水を加える
  • 0.5~1%の薄い塩水に一晩おいて塩抜きをする 

雑味が凄い

ニシン漬けに使う野菜から出る渋みによって、雑味を感じる場合があります。この渋みは、野菜がもつアクによるものです。例えば、大根のポリフェノールの一種であるクロロゲン酸や、キャベツのシュウ酸によるものです。野菜自体にとっては必要ですが、成分の性質によっては人が食べると雑味に感じることがあります。

臭味が出る

「ニシンに臭みが出てあまりおいしくなかった」という経験はありませんか?ニシンを戻す時のポイントを2つご紹介します。

臭みを出さないポイント

  • 使うニシンは乾燥したもの

    使うニシンは、身欠きニシンの本乾(完全に乾いたカチカチのニシン)を使いましょう。乾燥がしっかりされていないものを使うと、生臭くなってしまうので要注意です。
  • 米のとぎ汁で戻すこと

    ニシンは、米のとぎ汁に3時間以上浸しておきましょう。米のとぎ汁には、脂質を吸収する成分が含まれています。表面の酸化した脂質を吸収して、特有のニオイを取り除いてくれる働きがあります。また、とぎ汁の酵母菌により作られる酵素により、タンパク質が分解されて旨味が増します。

酸味がきつい

漬ける時期の温度にも気をつけましょう。漬ける時期が早いと、気温が高くて酸味が付きやすくなります。暖かいと酸っぱくなり、寒すぎると凍ってしまったり、発酵しなかったりします。また、以下の2つを行うと酸味が抑えられるようです。

①漬ける際に唐辛子(鷹の爪)を入れる

塩分が少なめでも、唐辛子を入れることで味にメリハリが出ます。刻んだ方がカプサイシンがより多くでるので辛味が増します。

②漬けたものを底からかき混ぜないこと

底から手でかき混ぜると手の温度で発酵が進みやすくなります。上から順に食べる分だけを少しずつ混ぜるようにしましょう。

もし、それでも酸味がきつい場合は、食べる際に、おろし生姜をまんべんなく混ぜてみましょう。不思議と酸味が抑えられるそうです。

スポンサードリンク

ニシン漬け作りを失敗しない方法

ひらめき

野菜をそれぞれ下漬けする

野菜の下漬けをしておくことで、仕上がったときの雑味を抑えることができます。それでは、ニシン漬けに使われる代表的な野菜(大根・キャベツ)の下漬けについて詳しく見ていきましょう。

大根の下漬けの仕方

大根はいちょう切りにして、5%の塩を入れてしっかりとよく混ぜます。しっかりと水気を出すために、重石を乗せてもGOOD!最終的に3%ほどの塩の分量になります。この時に出る大根の汁には、アクが含まれています。このアクは、野菜自身が身を守るために必要な成分で、クロロゲン酸と呼ばれるポリフェノールの一種です。このアクが、苦みやえぐみ=雑味の原因になるので、入れない方が美味しくなるようです。

ちなみに、使う大根は、3〜7日間程度干したものがおすすめです。干したものを使うとより甘みが感じられます。

キャベツの下漬けの仕方

ポイントは寒玉キャベツ(冬キャベツ)を使うことです。これだけでも味わいが全然違ってくるようです。

下漬けの仕方は、ビニール袋にキャベツと3%の塩も入れ、混ぜた後に3時間ほど放置します。この時に出るキャベツの汁は、シュウ酸と呼ばれるアクが含まれます。シュウ酸は、ビタミンCが代謝されるとシュウ酸塩に変換されますシュウ酸塩を摂取すると、ミネラルと結合してシュウ酸カルシウムやシュウ酸鉄などの化合物を形成し、大腸、腎臓、尿路の部分でも起こる可能性があると言われています。シュウ酸は身体に悪いというイメージから、この水分は捨てたほうがいいようです。ただし、一方では、この水分を捨てずに使うことでニシン漬けの美味しさがアップするという意見もあります。

スポンサードリンク

まとめ

今回は、ニシン漬けの失敗事例と対処法についてご紹介しましたが、いかがでしたか?

この記事をまとめると

  • ニシン漬けの塩の分量は、野菜などを含めた重量の2.6~3%が目安
  • ニシンは身欠きニシンの本乾を使い、米のとぎ汁で3時間以上戻すこと
  • 唐辛子を入れると酸味が出にくい
  • 漬ける野菜を下漬けすると雑味が出にくい

「ニシン漬け」は、ニシン漁が隆盛を極めた時代から家庭でつくられていた郷土料理です。しかし、今ではニシンの水揚量の減少により、昔のように各家庭で作る機会は減っています。今では、北海道以外の方は、ニシン漬け自体を知らない方も少なくないようです。ニシンなどの海の幸をはじめ、今、当たり前に食べられているものが、近い将来食べられなくなるかもしれないということを警告しているようにも感じ取れます。昔の日本人が培ってきた「食の知恵」や「食べる文化」を今後も大切にしていきたいですね。

スポンサードリンク