妊娠中の食べ物で子どもはアレルギーを発症する?赤ちゃんに影響は?

妊娠中の食事は赤ちゃんに影響することがあるので、アルコールなど控えた方が良いものがありますが、『妊娠中の食事によって子どもがアレルギーになる』ことがあるというのは本当なのでしょうか?今回は、

  • 妊娠中の食事で子どもがアレルギーになる?
  • パン / ヨーグルト / 卵などは食べても大丈夫?
  • 妊婦さんの食事のポイント・注意点

これらのテーマについて紹介いたします。

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妊娠中の食べ物で子どもがアレルギーになる?

『妊娠中の食べ物で子どもがアレルギーになる?』と疑問に思われることがありますが、これに根拠はなく、影響することはないと言えます。

アレルギーは体質によって起こるものなので、ママが妊娠中に食べたものがそのままアレルギー化することはありません。

これどの食品でも当てはまることで、パン・卵・牛乳やヨーグルトなどの乳製品など、あらゆるアレルギー食品に関してもです。

朝ごはんにパンを食べる習慣、毎日卵を食べる習慣などがあっても、子どもがアレルギーになることはないので安心しましょう。

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妊娠中の食事で気をつけること

妊娠中の食事の基本は、“バランス良く色々な食材を食べること”です。妊娠初期には胎盤の形成、胎児の発育がすすめられます。そこで栄養のバランス良い食事を摂ることで、安定した栄養をお腹に届けることができます。

妊娠初期はツワリの影響でまともに食事を摂れないこともありますが、できる範囲で野菜やお肉・魚など栄養の多い食材を取り入れるようにしましょう。

主食も妊娠中には必要

パンなど炭水化物を多く含む『主食』は、妊娠中も食事に取り入れた方が良い食べ物です。 妊娠中は主食・主菜・副菜のバランスが大切 で、妊娠期間がすすむほど摂取したい食品量は徐々に増えていきます。

MEMO

主食は妊娠初期〜中期は妊娠前と同量でOK / 後期は少し増やす必要あり!

主食にはお米やパン、麺類などがありますが、妊娠後期にはそれまで以上に食べる必要があります。

主食・主菜・副菜をバランスよく

 妊娠中は、主食・主菜・副菜をバランス良く食べることが大切 です。妊娠期間がすすむほど、摂取したい食品量は徐々に増えていきます。

主食は、ご飯・パン・麺類などの炭水化物を多く含む食材で摂ります。白米ではなく玄米や雑穀米に変えることで、炭水化物にプラスして食物繊維・ビタミン・ミネラルを一緒に摂ることができます◎

主菜には、たんぱく質を多く含むお肉・魚・豆類・卵を摂りれましょう。副菜は、ビタミンとミネラルを含む海藻類やきのこを摂り入れるのが理想です。

食品の中には、妊娠中に食べると食中毒を起こすリスクのあるものもあるので、注意しましょう。どんな食材が危険かについては、記事の後半で紹介しています。

1日のバランスの良い摂取量の目安

妊娠中に取り入れたい『バランスの良い1日の栄養摂取量』は、どのくらいなのでしょうか?主食・主菜・副菜の3つと妊娠時期に分けてチェックしてみましょう!

  • 主食…妊娠初期〜中期は妊娠前と同量でOK / 後期は少し増やして!
  • 主菜…妊娠初期は妊娠前と同量でOK / 中期・後期は少し増やして!
  • 副菜…妊娠初期は妊娠前と同量でOK / 中期・後期は少し増やして!

基本的に妊娠がすすむにつれて必要栄養素は増えていきます。妊娠後期(9ヶ月以降)には、胎児の重さが10日で約200gのペースで増えていくので、今までよりも多く栄養摂取する必要があります。

胎児の脳や体・神経発達の素となるのは、胎盤を通して送るママが食べた食品です。胎児の成長とともに必要カロリー数も上がっていくため、主食・主菜・副菜を妊娠時期に合わせ徐々に増やしていくことも大切です。

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妊娠中に特に必要な栄養素

妊娠中は胎児や胎盤の形成など、妊娠前と比べて必要な栄養素が変化・アップします。妊娠していない”非妊娠時”と、妊娠時それぞれの必要栄養量はこちらです。

妊娠時と非妊娠時に必要な栄養の比較表

  非妊娠時 妊娠時
たんぱく質 50g  60g~75g
 6g 2.5g~15g
マグネシウム 280mg 320g
亜鉛 8mg 10mg
ビタミンA 650ug 730ug
ビタミンB1 1.1mg 1.3mg
ビタミンB2 1.2mg 1.5mg
ビタミンB6 1.2mg 1.4mg
葉酸 240ug 480ug
ビタミンC 100mg 110mg
ビタミンE 6mg 6.5mg
ビタミンD 5.5ug 7ug

葉酸は非妊娠時の2倍以上

“葉酸”はビタミンB群に分類される栄養素の一つで、妊娠前から摂取したい栄養素とも言われています。 妊娠初期の活発な細胞分裂のサポートをしたり、DNAの合成など胎児の発育に大きく関係する ためです。

非妊娠時の2倍以上の葉酸が必要となるため、サプリでの補給もすすめられています。もちろん食事から直接摂ることも大切なので、妊娠がわかったら葉酸を含む食材を積極的に取り入れましょう。

葉酸を多く含む食べ物
  • ほうれん草などの青菜
  • アスパラガス
  • 枝豆
  • モロヘイヤ
  • 干し椎茸

葉酸は水溶性栄養素なので、茹でるとお湯に流れ出てしまうのが難点です。加熱する際は電子レンジを利用したり、スープにすることで流れ出た分まで余すことなく摂ることができます◎

ビタミン・ミネラルは全妊娠期で摂取量を増やす

ビタミン類・ミネラル類は、妊娠初期〜妊娠後期の全妊娠期で摂取量を増やす必要があります。食べ物から摂ることのできるビタミンは全13種類で、働きは様々です。

特にビタミンA・C・E・K・D・B群の摂取が妊娠中の健康と胎児の発育をサポートします。これらの栄養素は、主に野菜やきのこ・豆類に含まれています。

注意

水溶性ビタミンであるビタミンB群・ビタミンCは体内に溜めておくことができない!

→毎日の食事でコツコツ摂ることが大切

ミネラル類も13種類ありますが、その中でも妊娠中に重要な栄養素とされているのが“鉄分”です。鉄は全身に酸素を運ぶ赤血球のヘモグロビンの材料となるため、胎児の発育を大きくサポートします。鉄には、2種類のタイプがあります。

2種の鉄とは?
  • ヘム鉄……体に吸収されやすい→動物性食材に含まれる
  • 非ヘム鉄…体に吸収されにくい→植物性食材に含まれる

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妊娠中に不足しがちな5つの栄養素

妊娠中にはツワリにより食欲が落ちたり、食の好みが変わったりするため、栄養バランスが偏りが出てきます。妊婦さんに不足しがちな5つの栄養素はコチラです。

  • 食物繊維
  • カルシウム
  • DHA
  • EPA
  • カリウム

DHA・EPAは青魚を中心とした魚に多く含まれ、胎児の脳の発達にも大きく関わる栄養素です。ツワリが酷い妊娠初期〜安定期までは、なかなか魚を食べる気にならない方も多いかと思います。

また、妊娠中はホルモンバランスの関係で頑固な便秘になりやすいです。食物繊維を積極的に食事に取り入れることが解決策の一つとなります。

カルシウムやカリウムに関しても不足しがちとなりますが、サプリで補給する必要まではないと言われています。食事でバランスを取れればOKです。

妊娠中の食生活で注意すること

妊娠中の食生活によって、妊婦さんが注意したいことを3つ紹介します。それは、①妊娠糖尿病 ②妊娠高血圧症候群 ③肥満 です。それぞれの詳しい内容について、確認してみましょう。

妊娠糖尿病

妊娠中に糖質を摂りすぎると、『妊娠糖尿病』と診断されることがあります。妊娠前は糖尿病を持っていなくても妊娠期間中に糖尿病を発症する病気です。

より多くの栄養を胎児に与えようとする体の自然な働きと考えられていますが、妊娠糖尿病になると胎児に合併症が出る危険性があります。

  • 新生児低血糖
  • 新生児高ビリルビン血症
  • 低カルシウム血症
  • 呼吸窮迫症候群

妊娠高血圧症候群

 妊娠中の塩分過多は、『妊娠高血圧症候群』になる可能性が高くなります。 この病気を発症する確率は、妊婦さん20人に対し1人と言われており、妊娠中の食生活が原因で引き起こされます。

妊娠34週(妊娠9ヶ月)未満で引き起こした場合は重症化リスクが高く、胎児発育不全(赤ちゃんが育たない)・常位胎盤早期剥離(赤ちゃんに酸素が届かない)・胎児機能不全(赤ちゃんの状態悪化)となる可能性があります。酷い場合は胎児の命に関わることもあるので、食事には注意が必要なのです。

肥満・体重増加

妊娠中の過度な体重増加は難産などのトラブルを引きおこします。脂質の取りすぎは太りやすくなるため、揚げ物やお菓子の食べすぎには注意しましょう。

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妊娠中に食べたい食材・控えたい食材・食べてはいけない食材60選まとめ

妊娠中にどの食材を食べればよいのか?どの食材を控えれば良いのか?というのは非常に気になるところです。代表的な60食材でまとめました。

妊娠中に積極的に摂りたい食材

妊娠中に積極的に摂りたい食材には、どんなものがあるのでしょうか?その食材が含む、妊娠中に摂りたい栄養素とあわせてチェックしてみましょう!

  • 豚肉 …たんぱく質+ビタミンB群
  • 鶏肉 …たんぱく質
  • 牛肉 …たんぱく質+鉄+亜鉛
  • 青魚 …DHA・EPA
  • 鮭       …たんぱく質+ビタミンB6+ビタミンD
  • ぶり …
  • かつお…
  • 白身魚…たんぱく質
  • 貝類 …鉄+亜鉛
  • 桜エビ…カルシウム
  • 卵  …たんぱく質
  • ブロッコリー…葉酸+カリウム
  • 青菜 …葉酸+鉄+カリウム+カルシウム
  • ヨーグルト …たんぱく質+カルシウム
  • 納豆  …葉酸+ビタミンE
  • 大豆(大豆製品) …たんぱく質+鉄+ビタミンE+カルシウム
  • いちご …葉酸
  • アボカド …ビタミンE+カリウム
  • トウモロコシ …葉酸+ビタミンE
  • グリーンアスパラガス …葉酸
  • 枝豆 …葉酸
  • そら豆 …葉酸
  • トマト …カリウム
  • もずく …ミネラル+食物繊維
  • きのこ …食物繊維+ビタミンD
  • 切り干し大根 …食物繊維
  • もち麦 …食物繊維

妊娠前から必要と言われている葉酸やビタミン類、妊娠中に不足しがちな食物繊維やカルシウムなどのミネラル類を補える食材には、上記のようなものがあります。
これらの食材を妊娠中の食事にバランス良く加えることで、ママの体や胎児の発育に良い効果をもたらします。妊娠中は食べ物の嗜好が変化することもありますが、できる範囲で色々な食材を食べるようにしましょう!

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妊娠中に少量に控えたい食材

妊娠中の食事は栄養素のバランスが大切ですが、中には控えておくべき食べ物がいくつかあります。食中毒リスクや、食べると胎盤を通じて胎児に届き、成長に悪影響を及ぼすものなど様々です。妊娠中に控えたい食材について、確認していきましょう。

食中毒や感染症のリスクのあるもの

  • お刺身
  • 生卵
  • ローストビーフ
  • 生ハム
  • ナチュラルチーズ
  • 肉・魚のパテ

メチル水銀を含むもの

  • 金目鯛:1回80gを週に1度まで
  • メカジキ :1回80gを週に1度まで
  • メバチマグロ:1回80gを週に1度まで
  • 本マグロ:1回80gを週に1度まで
  • エッチュウバイ貝:1回80gを週に1度まで
  • くじら:1回80gを週に1度まで
  • きだい:1回80gを週に2度まで
  • インドマグロ:1回80gを週に2度まで
  • マカジキ:1回80gを週に2度まで
  • くろむつ:1回80gを週に2度まで

ヨウ素・ヒ素を含む食べ物

  • 昆布 :1日1回少量
  • ひじき:小鉢2杯程度を週に2度まで

カフェインを含む飲み物

カフェインを含む主な飲み物と、100mlあたりのカフェイン量は下記となります。

  • コーヒー …約60mg
  • 紅茶        …約30mg
  • 緑茶        …約20mg
  • ほうじ茶 …約20mg
  • ウーロン茶 …約20mg
  • ココア    …約10mg

糖分を多く含むお菓子やジュース

糖分を多く含むお菓子や、甘いジュースなども妊娠中には控えたい食べ物です。甘いものを過剰摂取することで、妊娠前は糖尿病を持っていなくても妊娠期間中に糖尿病を発症することがあり、『妊娠糖尿病』と呼ばれています。
より多くの栄養を胎児に与えようとする体の自然な働きと考えられていますが、妊娠糖尿病になると胎児に合併症が出る危険性があります。

ビタミンAを多く含む食べ物(妊娠初期)

“動物性ビタミンA”を妊娠初期に摂取し過ぎると、胎児の形成異常の原因となると言われています。ビタミンAを多く含む食べ物には、下記のようなものがあります。

  • レバー
  • うなぎ
  • あなご

塩分を多く含む食べ物

妊娠中に塩分を過剰摂取すると、『妊娠高血圧症候群』という病気になることもあります。この病気を発症する確率は、妊婦さん20人に対し1人と言われており、妊娠中の食生活が原因で引き起こされます。
妊娠34週(妊娠9ヶ月)未満で引き起こした場合は重症化リスクが高く、胎児発育不全(赤ちゃんが育たない)・常位胎盤早期剥離(赤ちゃんに酸素が届かない)・胎児機能不全(赤ちゃんの状態悪化)となる可能性があります。酷い場合は胎児の命に関わることもあるので、食事には注意が必要なのです。

妊娠中に食べてはいけない食べもの

  • 生肉(ローストビーフ・ユッケ・馬刺し・お刺身・パテなど)
  • アルコール

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まとめ

この記事をまとめると

  • 妊娠中の食事が影響して子どもがアレルギーになることはない
  • バランスの良い食事をとることが一番大切!

妊娠中の食事によって、子どもがアレルギーになるというのは根拠がないので、心配しすぎないようにしましょう。栄養バランスを取れた食事を心がけ、満遍なく栄養を摂取しましょう。

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