妊娠中にパンばかり食べると子どもが小麦アレルギーになる?

妊娠中の食事は赤ちゃんに影響することがあるので、アルコールやカフェインを含むものは控えた方が良いものですが、『パンばかり食べていると子どもが小麦アレルギーになる』というのは本当なのでしょうか?今回は、

  • 妊娠中にパンばかりはアレルギーになる?
  • 妊婦におすすめ&控えた方が良いパン
  • 原料別パン生地が含む栄養素

これらのテーマについて紹介いたします。

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妊娠中にパンばかり食べると子どもがアレルギーになる?

『妊娠中にパンばかり食べると子どもがアレルギーになる?』と言われることがありますが、これに根拠はなく、影響することはないと言えます。

アレルギーは体質によって起こるものなので、ママが妊娠中に食べたものがそのままアレルギー化することはありません。

これはパン(小麦)に関わらず、卵・牛乳やヨーグルトなどの乳製品など、あらゆるアレルギー食品に関してもです。朝ごはんに毎日パンを食べる習慣があっても、子どもが小麦アレルギーになることはないので安心しましょう。

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妊娠中に毎日パンを食べても大丈夫?

パンを毎日食べる人も多いかと思いますが、『毎日食べていても大丈夫?パンの種類は選んだ方が良い?』など、妊婦生活中のパンについて疑問を持つこともあるのではないでしょうか?

妊娠中にパンを毎日食べても大丈夫ですが、栄養面や健康面を気にかけるのであれば、栄養価の高いパンの原料や、控えた方が良いパンの種類とその影響について知っておきましょう!

主食も妊娠中には必要

パンなど炭水化物を多く含む『主食』は、妊娠中も食事に取り入れた方が良い食べ物です。 妊娠中は主食・主菜・副菜のバランスが大切 で、妊娠期間がすすむほど摂取したい食品量は徐々に増えていきます。

MEMO

主食は妊娠初期〜中期は妊娠前と同量でOK / 後期は少し増やす必要あり!

主食にはお米やパン、麺類などがありますが、妊娠後期にはそれまで以上に食べる必要があります。

妊娠中にオススメのパンの種類

妊娠中にオススメのパンには、どのようなものがあるのでしょうか?ここでは栄養価の高いオススメのパンの原料についてご紹介します。

ライ麦パン

ライ麦を使ったパンは特有の食感があり、食物繊維が豊富で体に良いのがポイントです。また、ライ麦には、通常の小麦パンよ比べると1.5倍も多くのタンパク質を含んでいます

妊娠中のタンパク質

タンパク質は体を作る上で欠かせない栄養素ですが、妊娠中は妊娠前よりも摂取量を増やす必要があります。妊娠初期・中期・後期それぞれの摂取目安量はこちらです。

たんぱく質の摂取目安量
  • 妊娠前の成人女性…50g/1日
  • 妊娠初期…50g/1日
  • 妊娠中期…60g/1日
  • 妊娠後期…75g/1日

妊娠中期以降、胎児の成長に合わせて摂取すべきたんぱく質量がアップします。1日50gだった妊娠前・妊娠初期よりも+10g必要量が増えて1日60gを、後期には1日75gを目安に摂ることが望ましいとされています。

妊娠中の食物繊維

ライ麦には、食物繊維が豊富に含まれており、便秘解消に効果があります。妊娠中はホルモンバランスの関係で頑固な便秘になりやすく、便秘薬を飲まないとなかなか排便できないことが多いです。妊娠中でも飲める便秘薬には“酸化マグネシウム”などがあり、かかりつけの産科で処方してくれます。

妊娠中の便秘はなかなか手ごわいものですが、その対処法として 「食物繊維の多い食材を摂ること」 があります。

また、食物繊維を摂ることで腹持ちを良くし、妊娠中の体重増加を緩和させる効果もあります。食べづわりなどでつい食べ過ぎてしまい、体重が急増してしまった…!という時は、食物繊維たっぷりのライ麦パンを食事に取り入れてみましょう。

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全粒粉パン

全粒粉は、小麦の粒をそのまま挽いて作った穀粉のことをいいます。通常小麦は表皮および胚芽の部分を除いて穀粉を作りますが全粒粉はそれらを含むため、食物繊維やマグネシウム、鉄分、亜鉛、ビタミンを多く含んでいるのが特徴です。

妊娠中はビタミンやミネラル類も摂る必要があるため、通常の小麦で作られたパンよりも全粒粉パンの方が栄養価が高くオススメです◎

妊娠中に食べない方がよいパンの種類

パンには様々な味のバリエーションがありますが、妊娠中に注意したいのが下記のようなパンです

妊娠中注意したいパン
  • 菓子パン
  • クロワッサン
  • バターロール

菓子パンやクロワッサン、バターロールには、糖分や脂質が多く含まれているので妊娠中は食べ過ぎない方が良いパンです。時々食べる分には問題ありませんが、毎日のように食べていると体に影響が出ることもあります。

どんな影響が出る?
  • 妊娠糖尿病
  • 体重増加

妊娠糖尿病とは?

妊娠中に糖質を摂りすぎると、『妊娠糖尿病』と診断されることがあります。妊娠前は糖尿病を持っていなくても妊娠期間中に糖尿病を発症する病気です。

より多くの栄養を胎児に与えようとする体の自然な働きと考えられていますが、妊娠糖尿病になると胎児に合併症が出る危険性があります。

  • 新生児低血糖
  • 新生児高ビリルビン血症
  • 低カルシウム血症
  • 呼吸窮迫症候群

妊娠中の体重増加

また、妊娠中の過度な体重増加は難産などのトラブルを引きおこします。脂質の取りすぎは太りやすくなるため、バターが多く含まれるパンは食べ過ぎないようにしましょう。

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妊娠中にパンを食べる時の注意点

妊娠中でも適度な量や、糖分・脂質の少ないパンであれば毎日パンを食べても問題はありません◎ 妊娠糖尿病や過度な体重増加とならないよう、ライ麦パンや全粒粉パンを選ぶのも、妊娠中健康的にパンを食べ続ける方法の一つです。

主食にはパン以外にも、お米や麺類があるので、バランスよく食べるようにしましょう。お米はパンよりもビタミンやミネラルが多く含まれているので、1日ずつ交互に食べるのもオススメですよ。体に気を遣いつつ、妊婦生活を送るようにしましょう。

妊娠中に食べたい食材・控えたい食材・食べてはいけない食材60選まとめ

妊娠中にどの食材を食べればよいのか?どの食材を控えれば良いのか?というのは非常に気になるところです。代表的な60食材でまとめました。

妊娠中に積極的に摂りたい食材

妊娠中に積極的に摂りたい食材には、どんなものがあるのでしょうか?その食材が含む、妊娠中に摂りたい栄養素とあわせてチェックしてみましょう!

  • 豚肉 …たんぱく質+ビタミンB群
  • 鶏肉 …たんぱく質
  • 牛肉 …たんぱく質+鉄+亜鉛
  • 青魚 …DHA・EPA
  • 鮭       …たんぱく質+ビタミンB6+ビタミンD
  • ぶり …
  • かつお…
  • 白身魚…たんぱく質
  • 貝類 …鉄+亜鉛
  • 桜エビ…カルシウム
  • 卵  …たんぱく質
  • ブロッコリー…葉酸+カリウム
  • 青菜 …葉酸+鉄+カリウム+カルシウム
  • ヨーグルト …たんぱく質+カルシウム
  • 納豆  …葉酸+ビタミンE
  • 大豆(大豆製品) …たんぱく質+鉄+ビタミンE+カルシウム
  • いちご …葉酸
  • アボカド …ビタミンE+カリウム
  • トウモロコシ …葉酸+ビタミンE
  • グリーンアスパラガス …葉酸
  • 枝豆 …葉酸
  • そら豆 …葉酸
  • トマト …カリウム
  • もずく …ミネラル+食物繊維
  • きのこ …食物繊維+ビタミンD
  • 切り干し大根 …食物繊維
  • もち麦 …食物繊維

妊娠前から必要と言われている葉酸やビタミン類、妊娠中に不足しがちな食物繊維やカルシウムなどのミネラル類を補える食材には、上記のようなものがあります。
これらの食材を妊娠中の食事にバランス良く加えることで、ママの体や胎児の発育に良い効果をもたらします。妊娠中は食べ物の嗜好が変化することもありますが、できる範囲で色々な食材を食べるようにしましょう!

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妊娠中に少量に控えたい食材

妊娠中の食事は栄養素のバランスが大切ですが、中には控えておくべき食べ物がいくつかあります。食中毒リスクや、食べると胎盤を通じて胎児に届き、成長に悪影響を及ぼすものなど様々です。妊娠中に控えたい食材について、確認していきましょう。

食中毒や感染症のリスクのあるもの

  • お刺身
  • 生卵
  • ローストビーフ
  • 生ハム
  • ナチュラルチーズ
  • 肉・魚のパテ

メチル水銀を含むもの

  • 金目鯛:1回80gを週に1度まで
  • メカジキ :1回80gを週に1度まで
  • メバチマグロ:1回80gを週に1度まで
  • 本マグロ:1回80gを週に1度まで
  • エッチュウバイ貝:1回80gを週に1度まで
  • くじら:1回80gを週に1度まで
  • きだい:1回80gを週に2度まで
  • インドマグロ:1回80gを週に2度まで
  • マカジキ:1回80gを週に2度まで
  • くろむつ:1回80gを週に2度まで

ヨウ素・ヒ素を含む食べ物

  • 昆布 :1日1回少量
  • ひじき:小鉢2杯程度を週に2度まで

カフェインを含む飲み物

カフェインを含む主な飲み物と、100mlあたりのカフェイン量は下記となります。

  • コーヒー …約60mg
  • 紅茶        …約30mg
  • 緑茶        …約20mg
  • ほうじ茶 …約20mg
  • ウーロン茶 …約20mg
  • ココア    …約10mg

糖分を多く含むお菓子やジュース

糖分を多く含むお菓子や、甘いジュースなども妊娠中には控えたい食べ物です。甘いものを過剰摂取することで、妊娠前は糖尿病を持っていなくても妊娠期間中に糖尿病を発症することがあり、『妊娠糖尿病』と呼ばれています。
より多くの栄養を胎児に与えようとする体の自然な働きと考えられていますが、妊娠糖尿病になると胎児に合併症が出る危険性があります。

ビタミンAを多く含む食べ物(妊娠初期)

“動物性ビタミンA”を妊娠初期に摂取し過ぎると、胎児の形成異常の原因となると言われています。ビタミンAを多く含む食べ物には、下記のようなものがあります。

  • レバー
  • うなぎ
  • あなご

塩分を多く含む食べ物

妊娠中に塩分を過剰摂取すると、『妊娠高血圧症候群』という病気になることもあります。この病気を発症する確率は、妊婦さん20人に対し1人と言われており、妊娠中の食生活が原因で引き起こされます。
妊娠34週(妊娠9ヶ月)未満で引き起こした場合は重症化リスクが高く、胎児発育不全(赤ちゃんが育たない)・常位胎盤早期剥離(赤ちゃんに酸素が届かない)・胎児機能不全(赤ちゃんの状態悪化)となる可能性があります。酷い場合は胎児の命に関わることもあるので、食事には注意が必要なのです。

妊娠中に食べてはいけない食べもの

  • 生肉(ローストビーフ・ユッケ・馬刺し・お刺身・パテなど)
  • アルコール

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まとめ

この記事をまとめると

  • 妊娠中に毎日パンを食べても子どもがアレルギーになることはない
  • 妊娠中にオススメのパン: ライ麦パン・全粒粉パン!
  • 控えた方が良いパン: 菓子パン・クロワッサン・バターロールなど
  • 糖分・脂質を多く含むパンは、妊娠糖尿病や体重増加の原因となるので注意!

パンには様々な種類があるので妊娠中でも食べたい食べ物の一つですが、高カロリーや甘すぎるパンはあまり体によくないので適度な量に抑えるようにしましょう!

子どもが小麦アレルギーになるというのは根拠がないので、心配しすぎないようにしましょう。

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