妊娠中の食事には食べても良いもの・控えた方が良いものがありますが、“ポップコーン”は妊婦さんが食べてもいいおやつなのでしょう?ポップコーンに含まれる栄養素や、妊婦さんが必要な栄養と共に解説いたします。
- ポップコーンは妊娠中でも食べられる?
- ポップコーンが含む主な栄養素
- 妊婦がポップコーンを食べる際の注意点
これらのテーマについて紹介いたします。
スポンサードリンク
目次
|
|
ポップコーンってどんな食べ物?
“ポップコーン”は、トウモロコシを炒って作るお菓子です。ポップコーンに使われるトウモロコシの種類は、爆裂種(ばくれいしゅ)と呼ばれるものです。これ以外のトウモロコシでポップコーンを作ろうとしても、焦げてしまい膨らむことができません。
ポップコーンは味のバリエーションが豊富で、シンプルな塩味、キャラメル、チョコレートなど様々なものがあります。
スポンサードリンク
ポップコーンは妊娠中に食べても大丈夫?
ポップコーンは妊娠中でも食べられるおやつです◎ ポップコーンは少々ジャンクな食べ物ですが、食物繊維やビタミンEなど妊娠中でも嬉しい絵要素がいくつか含まれています。
妊娠中の便秘に食物繊維
ポップコーンはトウモロコシが原料なので、食物繊維が豊富に含まれています。不溶性食物繊維と水溶性食物繊維がどちらも含まれており、便秘解消に効果があります。
妊娠中はホルモンバランスの関係で頑固な便秘になりやすく、便秘薬を飲まないとなかなか排便できないことが多いです。妊娠中でも飲める便秘薬には“酸化マグネシウム”などがあり、かかりつけの産科で処方してくれます。
妊娠中の便秘はなかなか手ごわいものですが、その対処法として 「食物繊維の多い食材を摂ること」 があるので、ポップコーンを食べることで腸内環境を整える効果を期待することができます。
ビタミンEも妊娠中は多めに
ビタミンEは強い抗酸化作用を持ち、細胞膜や脂質を酸化から守る働きがあります。妊娠中のビタミンE摂取は、流産を防ぐ効果があると言われています。
体内に蓄積しにくく、不足すると神経や筋障害が出ることもありますが、通常の食事をしていれば不足することはあまりないと考えられています。妊婦さんにとっては、妊娠前よりも多めに必要な栄養素です。
妊娠中のビタミンE摂取目安量は、1日6.5mg!
厚生労働省の調査(2020年度)によると、18歳〜49歳の女性に推奨されているビタミンE摂取量は1日5.0〜5.5mgです。それが妊娠中となると1日6.5mg、授乳中になると1日7.0mgが必要な目安量と言われています。
ビタミンEには、 βカロテンやビタミンCと一緒に摂ると抗酸化作用が高まる 特徴があります。
スポンサードリンク
ポップコーンに多く含まれる主な4つの栄養素
ポップコーンの原料はトウモロコシです。トウモロコシは食物繊維が豊富で、ポップコーン1袋分の50gあたり4.6gの食物繊維が含まれています。食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類がありますが、ポップコーンに含まれるのは不溶性食物繊維です。
ポップコーンは製造時に油を使っています。油を引いたフライパンで炒ることでトウモロコシが弾け、ポップコーンの形状になります。この時トウモロコシが油を吸っているため、脂質も多く含んでいます。
- 不溶性食物繊維:不溶性食物繊維は、食物繊維の中でも水に溶けることが出来ないため腸内まで届きます。腸まで消化されないため、便として排出されるのが不要性食物繊維です。腸管を適度に刺激をするため、蠕動運動が活発化し食べ物の吸収や消化を助ける働きがあります。善玉菌の栄養にもなるため腸内環境もよくなることが知られています。
- 水溶性食物繊維:水溶性食物繊維は、食物繊維の中で水に溶けやすい分類のもので、主な働きは腸内細菌の餌となり、善玉菌を増やすと同時に酪酸や酢酸と言ったエネルギーの材料になります。腸内環境を整える効果が高く、便秘や下痢と言った不調を改善していきます。免疫力や肌も綺麗にする栄養素です。
- 脂質:脂質は、1gあたり9kcalのエネルギーを生み出す三大栄養素の中での一番のエネルギー源です。人間の体内では、取り入れた糖質をグリコーゲンとして保存するだけではなくて脂質にすることで、生体維持に必要なエネルギーが無くならないようにしています。細胞膜やホルモンの材料になり、コレステロールや中性脂肪として存在しています。
- 炭水化物:炭水化物はブドウ糖・果糖などから構成されているものを総称です。大きく分類すると体内に吸収されてエネルギー源になる「糖質」、消化吸収されずエネルギーにならない「食物繊維」とに分類できます。
スポンサードリンク
妊娠中にポップコーンを食べる注意点
ポップコーンの食べ過ぎは病気にはなりませんが、高い脂質・カロリー・塩分・食物繊維の摂り過ぎによってこのような症状が出ることがあります。
- 塩分過多による妊娠高血圧症候群
- 食物繊維の摂り過ぎで腹痛や下痢
- 高カロリー高脂質による肥満
妊娠高血圧症候群
塩味のポップコーンは、食べ過ぎると塩分の摂りすぎとなるので注意しましょう。妊娠中に塩分を過剰摂取すると、『妊娠高血圧症候群』という病気になることもあります。この病気を発症する確率は、妊婦さん20人に対し1人と言われており、妊娠中の食生活が原因で引き起こされます。
妊娠34週(妊娠9ヶ月)未満で引き起こした場合は重症化リスクが高く、胎児発育不全(赤ちゃんが育たない)・常位胎盤早期剥離(赤ちゃんに酸素が届かない)・胎児機能不全(赤ちゃんの状態悪化)となる可能性があります。酷い場合は胎児の命に関わることもあるので、食事には注意が必要なのです。
また、キャラメル味やチョコ味など甘いポップコーンの場合「糖分の摂りすぎ」となります。糖分過多は妊娠糖尿病などを引き起こす原因となるので注意しましょう。
肥満
ポップコーンは、脂質とカロリーがそれなりに高いお菓子です。製造過程で油を使用しているため、脂質量・カロリー共に高く、食べ過ぎると太る可能性があります。妊娠中の過度な肥満は難産の原因となることもあるので、体重管理はできるだけしっかり行いましょう。
スポンサードリンク
妊娠中に食べたい食材・控えたい食材・食べてはいけない食材60選まとめ
妊娠中にどの食材を食べればよいのか?どの食材を控えれば良いのか?というのは非常に気になるところです。代表的な60食材でまとめました。
妊娠中に積極的に摂りたい食材
妊娠中に積極的に摂りたい食材には、どんなものがあるのでしょうか?その食材が含む、妊娠中に摂りたい栄養素とあわせてチェックしてみましょう!
- 豚肉 …たんぱく質+ビタミンB群
- 鶏肉 …たんぱく質
- 牛肉 …たんぱく質+鉄+亜鉛
- 青魚 …DHA・EPA
- 鮭 …たんぱく質+ビタミンB6+ビタミンD
- ぶり …鉄
- かつお…鉄
- 白身魚…たんぱく質
- 貝類 …鉄+亜鉛
- 桜エビ…カルシウム
- 卵 …たんぱく質
- ブロッコリー…葉酸+カリウム
- 青菜 …葉酸+鉄+カリウム+カルシウム
- ヨーグルト …たんぱく質+カルシウム
- 納豆 …葉酸+ビタミンE
- 大豆(大豆製品) …たんぱく質+鉄+ビタミンE+カルシウム
- いちご …葉酸
- アボカド …ビタミンE+カリウム
- トウモロコシ …葉酸+ビタミンE
- グリーンアスパラガス …葉酸
- 枝豆 …葉酸
- そら豆 …葉酸
- トマト …カリウム
- もずく …ミネラル+食物繊維
- きのこ …食物繊維+ビタミンD
- 切り干し大根 …食物繊維
- もち麦 …食物繊維
妊娠前から必要と言われている葉酸やビタミン類、妊娠中に不足しがちな食物繊維やカルシウムなどのミネラル類を補える食材には、上記のようなものがあります。
これらの食材を妊娠中の食事にバランス良く加えることで、ママの体や胎児の発育に良い効果をもたらします。妊娠中は食べ物の嗜好が変化することもありますが、できる範囲で色々な食材を食べるようにしましょう!
スポンサードリンク
妊娠中に少量に控えたい食材
妊娠中の食事は栄養素のバランスが大切ですが、中には控えておくべき食べ物がいくつかあります。食中毒リスクや、食べると胎盤を通じて胎児に届き、成長に悪影響を及ぼすものなど様々です。妊娠中に控えたい食材について、確認していきましょう。
食中毒や感染症のリスクのあるもの
- お刺身
- 生卵
- ローストビーフ
- 生ハム
- ナチュラルチーズ
- 肉・魚のパテ
メチル水銀を含むもの
- 金目鯛:1回80gを週に1度まで
- メカジキ :1回80gを週に1度まで
- メバチマグロ:1回80gを週に1度まで
- 本マグロ:1回80gを週に1度まで
- エッチュウバイ貝:1回80gを週に1度まで
- くじら:1回80gを週に1度まで
- きだい:1回80gを週に2度まで
- インドマグロ:1回80gを週に2度まで
- マカジキ:1回80gを週に2度まで
- くろむつ:1回80gを週に2度まで
ヨウ素・ヒ素を含む食べ物
- 昆布 :1日1回少量
- ひじき:小鉢2杯程度を週に2度まで
カフェインを含む飲み物
カフェインを含む主な飲み物と、100mlあたりのカフェイン量は下記となります。
- コーヒー …約60mg
- 紅茶 …約30mg
- 緑茶 …約20mg
- ほうじ茶 …約20mg
- ウーロン茶 …約20mg
- ココア …約10mg
糖分を多く含むお菓子やジュース
糖分を多く含むお菓子や、甘いジュースなども妊娠中には控えたい食べ物です。甘いものを過剰摂取することで、妊娠前は糖尿病を持っていなくても妊娠期間中に糖尿病を発症することがあり、『妊娠糖尿病』と呼ばれています。
より多くの栄養を胎児に与えようとする体の自然な働きと考えられていますが、妊娠糖尿病になると胎児に合併症が出る危険性があります。
ビタミンAを多く含む食べ物(妊娠初期)
“動物性ビタミンA”を妊娠初期に摂取し過ぎると、胎児の形成異常の原因となると言われています。ビタミンAを多く含む食べ物には、下記のようなものがあります。
- レバー
- うなぎ
- あなご
塩分を多く含む食べ物
妊娠中に塩分を過剰摂取すると、『妊娠高血圧症候群』という病気になることもあります。この病気を発症する確率は、妊婦さん20人に対し1人と言われており、妊娠中の食生活が原因で引き起こされます。
妊娠34週(妊娠9ヶ月)未満で引き起こした場合は重症化リスクが高く、胎児発育不全(赤ちゃんが育たない)・常位胎盤早期剥離(赤ちゃんに酸素が届かない)・胎児機能不全(赤ちゃんの状態悪化)となる可能性があります。酷い場合は胎児の命に関わることもあるので、食事には注意が必要なのです。
妊娠中に食べてはいけない食べもの
- 生肉(ローストビーフ・ユッケ・馬刺し・お刺身・パテなど)
- アルコール
スポンサードリンク
まとめ
この記事をまとめると
- ポップコーンは妊娠中でも食べられるスナック菓子!
- ポップコーンに含まれる食物繊維:妊娠中に起こりやすい便秘解消効果あり◎
- ポップコーンを食べる注意点①:塩分による妊娠高血圧症
- ②:食べ過ぎによる肥満
ポップコーンは妊娠中でも食べられるスナック菓子ですが、食べ過ぎると塩分の摂り過ぎや肥満の原因となるので注意しましょう。食べる際は適量を守り、毎日食べないようにしてくださいね。
スポンサードリンク