妊娠中(妊婦)でもアカムツ(ノドグロ)・クロムツは食べられる?水銀は危険?

妊娠中の食事には食べても良いもの・控えた方が良いものがありますが、“ムツ”は妊婦さんでも食べられる魚です。妊婦さんにとって効果的な栄養素には、何があるのでしょうか?今回は、

  • ムツは妊娠中でも食べられる!
  • ムツが含む主な栄養素
  • 水銀は危険?
  • 妊娠中でも安全おいしいレシピ

これらのテーマについて紹介いたします。

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ムツってどんな魚?

アカムツ

英名 Blackthroat seaperch
別名・和名 アカムツ、喉黒
エネルギー(100gあたり) 193kcal
糖質量(100gあたり) 0.6g

アカムツは『のどぐろ』とも呼ばれているホタルジャコ科の高級魚です。どの季節でも脂がのっており、「白身のトロ」や「海の松坂牛」とも言われています。鱗と目が赤いのが特徴で大きなものは50cmを超えます。

のどぐろと呼ぶのは主に日本海側で、関東地方ではアカムツと呼ばれることが多いです。ノドグロの魅力はなんと言っても脂のノリで、とろけるような味わいをしています。水揚げ量によっても価格は変動しますが、高値で取引される高級食材です。

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アカムツ・クロムツは妊娠中でも食べられる!

アカムツやクロムツは、妊娠中でも食べられる魚です。魚特有のDHA・EPAを持ち、ビタミンB1やB2が多く含まれています。これらの栄養素は、妊娠中にどんな効果をもたらすのでしょうか?

DHA・EPAは脳の発達に欠かせない

DHA(ドコサヘキサエン酸)EPA(エイコサペタエン酸)は、主に魚に含まれている良質な資質です。この2つは 赤ちゃんの脳の発達に欠かせない栄養素 で、体内で合成することができないため食事から摂る必要があります。

妊娠中の必要量

妊娠中は1日1.6gほどDHAを摂ると良いとされる

(※2020年『日本人の食事摂取基準』より)

ママが食べたDHA・EPAは胎盤を通して赤ちゃんに届き、成長を大きくサポートします。

いつから必要?

DHAやEPAは妊娠20週のから胎児の脳で増え、2歳までの成長の脳の成長と共に蓄積する

出産後も継続的にDHAやEPAを摂り、母乳を通して与えることで赤ちゃんの成長を助ける働きがあります。

ビタミンB群の各効果とは?

ビタミンB群の中でも、ムツに含まれるB1・B2には妊婦さんにとってこのような効果があります。

ビタミンB群の働き
  • ビタミンB1…糖質をエネルギーに変える時に必要
  • ビタミンB2…タンパク質の代謝に働き成長を促進

どちらもビタミンBですが、それぞれに異なる働きがあります。

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アカムツやクロムツに多く含まれる主な4つの栄養素

ムツをはじめとする魚類には、DHAEPAといった脳に働きかける栄養素が含まれています。サプリにも使われており、脳の老化防止にも効果があると言われています。また、ビタミンB1やB2も豊富です。

  • DHA(ドコサへキサエン酸):DHA(ドコサヘキサエン酸)は、脳や血管、加えて代謝にも関わる多くの健康効果を持つ栄養素です。脳の栄養素としての働きは特に有名で、脳の発達や神経の機能維持に使われています。眼精疲労の解消や情報伝達にも使用され、疲労を軽減します。血液の脂質を減少させ、脂肪燃焼も助ける栄養素です。
  • IPA/EPA(イコサペンタエン酸):IPA(イコサペンタエン酸)はEPAにとも呼ばれ、人間の血管性の病気を予防する働きが特に強く、ドロドロになっている血液をサラサラにする力が強い脂質です。そのため、心筋梗塞や脳梗塞と言った病気や高血圧の改善効果があります。最近の研究ではアレルギー症状の改善も報告されている栄養素です。
  • ビタミンB1:ビタミンB1は、人間の代謝に関わるビタミンで、炭水化物を糖に分解し、エネルギーを作り出す経路の最初を担います。食べた糖質全般を燃焼させる工程に関わるため、不足すると疲れやすくなります。また脳の神経伝達物質にも関わり、集中力を増やすや手足の痺れにくくすると言った働きがあります。
  • ビタミンB2:ビタミンB2は、たんぱく質、脂質、炭水化物の代謝で、酵素に近い補酵素としての働きます。ビタミンB2は単独では酵素としての働きは持たないものの、体内で特定の分子がつくことで代謝の働きを担います。三大エネルギーの分解の他、体内の活性酸素の除去作用も持っています。

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アカムツやクロムツの水銀量は危険?

魚な種類によって水銀が含まれているものがあります。アカムツ・クロムツもその仲間で、水銀が含まれているので食べ過ぎは禁物です。

水銀は、自然界の食物連鎖により魚の体内に溜まっています。妊娠中に水銀を摂取した場合、胎盤を通じて胎児に届きやすく、摂り過ぎると『中枢神経障害』を起こします。中枢神経障害の主な影響には、感覚障害・運動失調・視野狭窄・聴力障害などがあります。

妊娠中、絶対に水銀を含む魚を食べてはいけないわけではありません。食べ過ぎなければ大きな影響が出ることはないので、摂取量に注意しましょう。

妊娠中でも安全おいしいアカムツ・クロムツのおススメレシピ

妊娠中にアカムツやクロムツを食べるには、どんなレシピがあるのでしょうか?なかなか調理する機会の少ない魚ではありますが、妊婦さんでも安心して食べられるオススメのレシピをご紹介します。

煮付け

煮付けはハードルが高いイメージがありますが、調味料と一緒に煮込むだけなので意外と難しくないんです◎

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妊娠中に食べたい食材・控えたい食材・食べてはいけない食材60選まとめ

妊娠中にどの食材を食べればよいのか?どの食材を控えれば良いのか?というのは非常に気になるところです。代表的な60食材でまとめました。

妊娠中に積極的に摂りたい食材

妊娠中に積極的に摂りたい食材には、どんなものがあるのでしょうか?その食材が含む、妊娠中に摂りたい栄養素とあわせてチェックしてみましょう!

  • 豚肉 …たんぱく質+ビタミンB群
  • 鶏肉 …たんぱく質
  • 牛肉 …たんぱく質+鉄+亜鉛
  • 青魚 …DHA・EPA
  • 鮭       …たんぱく質+ビタミンB6+ビタミンD
  • ぶり …
  • かつお…
  • 白身魚…たんぱく質
  • 貝類 …鉄+亜鉛
  • 桜エビ…カルシウム
  • 卵  …たんぱく質
  • ブロッコリー…葉酸+カリウム
  • 青菜 …葉酸+鉄+カリウム+カルシウム
  • ヨーグルト …たんぱく質+カルシウム
  • 納豆  …葉酸+ビタミンE
  • 大豆(大豆製品) …たんぱく質+鉄+ビタミンE+カルシウム
  • いちご …葉酸
  • アボカド …ビタミンE+カリウム
  • トウモロコシ …葉酸+ビタミンE
  • グリーンアスパラガス …葉酸
  • 枝豆 …葉酸
  • そら豆 …葉酸
  • トマト …カリウム
  • もずく …ミネラル+食物繊維
  • きのこ …食物繊維+ビタミンD
  • 切り干し大根 …食物繊維
  • もち麦 …食物繊維

妊娠前から必要と言われている葉酸やビタミン類、妊娠中に不足しがちな食物繊維やカルシウムなどのミネラル類を補える食材には、上記のようなものがあります。
これらの食材を妊娠中の食事にバランス良く加えることで、ママの体や胎児の発育に良い効果をもたらします。妊娠中は食べ物の嗜好が変化することもありますが、できる範囲で色々な食材を食べるようにしましょう!

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妊娠中に少量に控えたい食材

妊娠中の食事は栄養素のバランスが大切ですが、中には控えておくべき食べ物がいくつかあります。食中毒リスクや、食べると胎盤を通じて胎児に届き、成長に悪影響を及ぼすものなど様々です。妊娠中に控えたい食材について、確認していきましょう。

食中毒や感染症のリスクのあるもの

  • お刺身
  • 生卵
  • ローストビーフ
  • 生ハム
  • ナチュラルチーズ
  • 肉・魚のパテ

メチル水銀を含むもの

  • 金目鯛:1回80gを週に1度まで
  • メカジキ :1回80gを週に1度まで
  • メバチマグロ:1回80gを週に1度まで
  • 本マグロ:1回80gを週に1度まで
  • エッチュウバイ貝:1回80gを週に1度まで
  • くじら:1回80gを週に1度まで
  • きだい:1回80gを週に2度まで
  • インドマグロ:1回80gを週に2度まで
  • マカジキ:1回80gを週に2度まで
  • くろむつ:1回80gを週に2度まで

ヨウ素・ヒ素を含む食べ物

  • 昆布 :1日1回少量
  • ひじき:小鉢2杯程度を週に2度まで

カフェインを含む飲み物

カフェインを含む主な飲み物と、100mlあたりのカフェイン量は下記となります。

  • コーヒー …約60mg
  • 紅茶        …約30mg
  • 緑茶        …約20mg
  • ほうじ茶 …約20mg
  • ウーロン茶 …約20mg
  • ココア    …約10mg

糖分を多く含むお菓子やジュース

糖分を多く含むお菓子や、甘いジュースなども妊娠中には控えたい食べ物です。甘いものを過剰摂取することで、妊娠前は糖尿病を持っていなくても妊娠期間中に糖尿病を発症することがあり、『妊娠糖尿病』と呼ばれています。
より多くの栄養を胎児に与えようとする体の自然な働きと考えられていますが、妊娠糖尿病になると胎児に合併症が出る危険性があります。

ビタミンAを多く含む食べ物(妊娠初期)

“動物性ビタミンA”を妊娠初期に摂取し過ぎると、胎児の形成異常の原因となると言われています。ビタミンAを多く含む食べ物には、下記のようなものがあります。

  • レバー
  • うなぎ
  • あなご

塩分を多く含む食べ物

妊娠中に塩分を過剰摂取すると、『妊娠高血圧症候群』という病気になることもあります。この病気を発症する確率は、妊婦さん20人に対し1人と言われており、妊娠中の食生活が原因で引き起こされます。
妊娠34週(妊娠9ヶ月)未満で引き起こした場合は重症化リスクが高く、胎児発育不全(赤ちゃんが育たない)・常位胎盤早期剥離(赤ちゃんに酸素が届かない)・胎児機能不全(赤ちゃんの状態悪化)となる可能性があります。酷い場合は胎児の命に関わることもあるので、食事には注意が必要なのです。

妊娠中に食べてはいけない食べもの

  • 生肉(ローストビーフ・ユッケ・馬刺し・お刺身・パテなど)
  • アルコール

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まとめ

この記事をまとめると

  • アカムツ・クロムツは妊娠中でも食べられる魚!
  • アカムツ・クロムツに含まれるタンパク質:妊娠中にはより多く必要なエネルギー源!
  • アカムツ・クロムツに含まれるビタミンB類:糖質やタンパク質の代謝に関わる!

アカムツやクロムツはタンパク質量が多く、エネルギー源としてオススメの魚です。高級魚なのでなかなか食べる機会の少ない魚ではありますが、妊娠中でも食べられるので安心してくださいね。

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