妊娠中の食事には食べても良いもの・控えた方が良いものがありますが、“メカジキ”は妊婦さんでも食べられる魚です。しかし、メカジキには水銀が他の魚より多く含まれているため、摂取目安量が決められています。今回は、
- メカジキは妊娠中でも食べられる?
- メカジキが含む主な栄養素
- メカジキの水銀量は安全?
- 摂取目安量はどのくらい?
これらのテーマについて紹介いたします。
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目次
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メカジキってどんな魚?
メカジキ(目梶木)は、全世界の熱帯・温帯海域に広く分布するスズキ目メカジキ科に分類されるカジキ類の魚です。水温5度~27度で幅広く生息し、他のカジキ類が生息できない低温海域にも出現します。
成魚は全長4m、体重300kgを超える大型の魚です。体は紡錘形で上顎が長く、前方へ突出する吻(ふん)を形成しています。メカジキは吻が縦扁(じゅうへん)し、体に比べて非常に長いのが特徴的で他のカジキ類と異なる部分です。
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メカジキは妊娠中でも食べられる?
メカジキは、妊娠中でも食べられる魚です!しかし、 他の魚と比べて水銀を多く含むので、妊娠中には食べ過ぎない方が良い魚 とされています。摂取目安量については次で解説いたします。
水銀を持つメカジキですが、妊婦さんにとって嬉しい”DHA・EPA”、“ビタミンD”、“カリウム”などの栄養素が含まれています。
DHA・EPAは脳の発達に欠かせない
DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペタエン酸)は、主に魚に含まれている良質な資質です。この2つは 赤ちゃんの脳の発達に欠かせない栄養素 で、体内で合成することができないため食事から摂る必要があります。
妊娠中は1日1.6gほどDHAを摂ると良いとされる
(※2020年『日本人の食事摂取基準』より)
ママが食べたDHA・EPAは胎盤を通して赤ちゃんに届き、成長を大きくサポートします。
DHAやEPAは妊娠20週のから胎児の脳で増え、2歳までの成長の脳の成長と共に蓄積する
出産後も継続的にDHAやEPAを摂り、母乳を通して与えることで赤ちゃんの成長を助ける働きがあります。
骨を丈夫にするビタミンD
メカジキに含まれるビタミンDには、カルシウムが吸収されるのをサポートし骨を丈夫にする働きがあります。ビタミンDは不足しがちなもので、太陽の光に当たり紫外線を受けることでも生成される栄養素です。
ビタミンDが不足すると「ビタミンD欠乏症」となり、カルシウムが吸収されにくくなったり、骨粗しょう症や骨軟化の原因となります。また、赤ちゃんの足が曲がってしまう「くる病」という病気になるリスクも上がります。
ビタミンDは妊娠中はもちろんのこと、授乳中にも必要不可欠な栄養素です。妊娠期・授乳期共に1日あたり8.5㎍のビタミンDが必要で、きのこにも多く含まれています。
カリウムは悪阻(つわり)と関係アリ!
ミネラルの一つであるカリウムは、妊娠すると胎盤や胎児に多く取り込まれるのですが、 体内のカリウム量が減ると、つわりが酷くなる と言われています。
また、カリウムは体内の塩分量を調整して尿と共に排出する働きがあるため、むくみ改善にも効果的です。妊娠後期は特に足や指がむくみやすいので、カリウムを含む食べ物は妊婦さんにオススメなのです◎
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水銀に注意!摂取目安量は?
魚な種類によって水銀が含まれているものがあります。 メカジキは他の魚と比べて水銀を多く含んでいるので、妊娠中の食べ過ぎはNG とされています。
妊婦が水銀を摂りすぎるとどうなる?
水銀は、自然界の食物連鎖により魚の体内に溜まっているものです。妊娠中に水銀を摂取した場合、胎盤を通じて胎児に届きやすく、摂り過ぎると『中枢神経障害』を起こします。に
- 感覚障害
- 運動失調
- 視野狭窄
- 聴力障害
妊娠中の摂取上限は?
妊婦さんがメカジキなど水銀量の多い魚を食べるには、量に注意する必要があります。
メカジキは1回80gを週に1度までが摂取目安量!
厚生労働省では、上記の目安量を規定としています。絶対に食べてはいけないわけではありませんが、毎日継続的に食べたり、一度に沢山食べすぎると赤ちゃんに影響が出る可能性があるので気をつけましょう。
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メカジキに多く含まれる主な4つの栄養素
メカジキをはじめとする魚類には、DHAやEPAといった脳に働きかける栄養素が含まれています。サプリにも使われており、脳の老化防止にも効果があると言われています。また、たんぱく質やカリウム・カルシウムなどのミネラル類も豊富です。
- DHA(ドコサへキサエン酸):DHA(ドコサヘキサエン酸)は、脳や血管、加えて代謝にも関わる多くの健康効果を持つ栄養素です。脳の栄養素としての働きは特に有名で、脳の発達や神経の機能維持に使われています。眼精疲労の解消や情報伝達にも使用され、疲労を軽減します。血液の脂質を減少させ、脂肪燃焼も助ける栄養素です。
- IPA/EPA(イコサペンタエン酸):IPA(イコサペンタエン酸)はEPAにとも呼ばれ、人間の血管性の病気を予防する働きが特に強く、ドロドロになっている血液をサラサラにする力が強い脂質です。そのため、心筋梗塞や脳梗塞と言った病気や高血圧の改善効果があります。最近の研究ではアレルギー症状の改善も報告されている栄養素です。
- ビタミンD:ビタミンDは、カルシウムの働きをサポートし主に骨形成を助けます。加えて、筋肉や神経伝達において不可欠なカルシウム濃度の調整も担っています。細菌の研究では、ウイルスや細菌に対する免疫効果の向上する。抗うつ作用も注目されています。
- カリウム:カリウムは、細胞の水分量及び、体内の水分の排出に関わるミネラルで、細胞の中に主に存在しています。ナトリウムとセットで、体内の水分量を調整し、体内にある過剰な水分の排出を促進させます。むくみや冷え性と言った不調の改善効果があります。
妊娠中でも美味しいメカジキレシピ
妊娠中にメカジキを食べるには、どんなレシピがあるのでしょうか?妊婦さんでも安心して食べられるオススメのメカジキレシピをご紹介!栄養たっぷりなので是非お試しください♩
グリル
メカジキはグリルにすると簡単で美味しく食べることができます。塩コショウやレモン汁など、シンプルな味付けでも美味しく仕上がるのでオススメです。
トマト煮込み
メカジキをトマトで煮込むと、ほっくり柔らかくなり美味しいです。トマトにはβカロテンやビタミンCが含まれているので、栄養面も◎です。
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妊娠中に食べたい食材・控えたい食材・食べてはいけない食材60選まとめ
妊娠中にどの食材を食べればよいのか?どの食材を控えれば良いのか?というのは非常に気になるところです。代表的な60食材でまとめました。
妊娠中に積極的に摂りたい食材
妊娠中に積極的に摂りたい食材には、どんなものがあるのでしょうか?その食材が含む、妊娠中に摂りたい栄養素とあわせてチェックしてみましょう!
- 豚肉 …たんぱく質+ビタミンB群
- 鶏肉 …たんぱく質
- 牛肉 …たんぱく質+鉄+亜鉛
- 青魚 …DHA・EPA
- 鮭 …たんぱく質+ビタミンB6+ビタミンD
- ぶり …鉄
- かつお…鉄
- 白身魚…たんぱく質
- 貝類 …鉄+亜鉛
- 桜エビ…カルシウム
- 卵 …たんぱく質
- ブロッコリー…葉酸+カリウム
- 青菜 …葉酸+鉄+カリウム+カルシウム
- ヨーグルト …たんぱく質+カルシウム
- 納豆 …葉酸+ビタミンE
- 大豆(大豆製品) …たんぱく質+鉄+ビタミンE+カルシウム
- いちご …葉酸
- アボカド …ビタミンE+カリウム
- トウモロコシ …葉酸+ビタミンE
- グリーンアスパラガス …葉酸
- 枝豆 …葉酸
- そら豆 …葉酸
- トマト …カリウム
- もずく …ミネラル+食物繊維
- きのこ …食物繊維+ビタミンD
- 切り干し大根 …食物繊維
- もち麦 …食物繊維
妊娠前から必要と言われている葉酸やビタミン類、妊娠中に不足しがちな食物繊維やカルシウムなどのミネラル類を補える食材には、上記のようなものがあります。
これらの食材を妊娠中の食事にバランス良く加えることで、ママの体や胎児の発育に良い効果をもたらします。妊娠中は食べ物の嗜好が変化することもありますが、できる範囲で色々な食材を食べるようにしましょう!
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妊娠中に少量に控えたい食材
妊娠中の食事は栄養素のバランスが大切ですが、中には控えておくべき食べ物がいくつかあります。食中毒リスクや、食べると胎盤を通じて胎児に届き、成長に悪影響を及ぼすものなど様々です。妊娠中に控えたい食材について、確認していきましょう。
食中毒や感染症のリスクのあるもの
- お刺身
- 生卵
- ローストビーフ
- 生ハム
- ナチュラルチーズ
- 肉・魚のパテ
メチル水銀を含むもの
- 金目鯛:1回80gを週に1度まで
- メカジキ :1回80gを週に1度まで
- メバチマグロ:1回80gを週に1度まで
- 本マグロ:1回80gを週に1度まで
- エッチュウバイ貝:1回80gを週に1度まで
- くじら:1回80gを週に1度まで
- きだい:1回80gを週に2度まで
- インドマグロ:1回80gを週に2度まで
- マカジキ:1回80gを週に2度まで
- くろむつ:1回80gを週に2度まで
ヨウ素・ヒ素を含む食べ物
- 昆布 :1日1回少量
- ひじき:小鉢2杯程度を週に2度まで
カフェインを含む飲み物
カフェインを含む主な飲み物と、100mlあたりのカフェイン量は下記となります。
- コーヒー …約60mg
- 紅茶 …約30mg
- 緑茶 …約20mg
- ほうじ茶 …約20mg
- ウーロン茶 …約20mg
- ココア …約10mg
糖分を多く含むお菓子やジュース
糖分を多く含むお菓子や、甘いジュースなども妊娠中には控えたい食べ物です。甘いものを過剰摂取することで、妊娠前は糖尿病を持っていなくても妊娠期間中に糖尿病を発症することがあり、『妊娠糖尿病』と呼ばれています。
より多くの栄養を胎児に与えようとする体の自然な働きと考えられていますが、妊娠糖尿病になると胎児に合併症が出る危険性があります。
ビタミンAを多く含む食べ物(妊娠初期)
“動物性ビタミンA”を妊娠初期に摂取し過ぎると、胎児の形成異常の原因となると言われています。ビタミンAを多く含む食べ物には、下記のようなものがあります。
- レバー
- うなぎ
- あなご
塩分を多く含む食べ物
妊娠中に塩分を過剰摂取すると、『妊娠高血圧症候群』という病気になることもあります。この病気を発症する確率は、妊婦さん20人に対し1人と言われており、妊娠中の食生活が原因で引き起こされます。
妊娠34週(妊娠9ヶ月)未満で引き起こした場合は重症化リスクが高く、胎児発育不全(赤ちゃんが育たない)・常位胎盤早期剥離(赤ちゃんに酸素が届かない)・胎児機能不全(赤ちゃんの状態悪化)となる可能性があります。酷い場合は胎児の命に関わることもあるので、食事には注意が必要なのです。
妊娠中に食べてはいけない食べもの
- 生肉(ローストビーフ・ユッケ・馬刺し・お刺身・パテなど)
- アルコール
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まとめ
この記事をまとめると
- メカジキは妊娠中でも食べられるが、水銀が多いので量には注意!
- 食べて良いのは1回80gを週に1回まで!
- 妊婦が水銀を摂り過ぎると胎児に影響が出る可能性がある
- メカジキにはDHA・EPA・ビタミンDなどの栄養が豊富◎
妊娠中のメカジキは摂取量が決められていますが、絶対に食べてはいけない魚ではありません。食べ過ぎなければ大きな影響が出ることはないので、目安量を超えないよう食事に取り入れてみてくださいね。
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