妊娠中(妊婦)でもはちみつレモンは飲める?ボツリヌス菌は危険?大丈夫?

妊娠中の食事には食べても良いもの・控えた方が良いものがありますが、“はちみつレモン”は妊婦さんでも飲めるのでしょうか?はちみつにはボツリヌス菌の危険性があるため、赤ちゃんにはあげてはいけないと言われますが、妊婦さんの場合はどうなのでしょう?妊娠中に必要な栄養素と共に解説いたします。

  • はちみつレモンは妊娠中でも飲める?
  • はつみつ&レモンが含む主な栄養素とは?
  • ボツリヌス菌は妊婦に影響がない?

これらのテーマについて紹介いたします。

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はちみつレモンってどんな飲み物?

“はちみつレモン”は、名前の通りレモンをはちみつに漬けたものです。そのまま食べたり、お湯を注いで飲み物として飲むこともできます。漬けることでレモンにはちみつの味が染み込み、濃厚な甘さになります。飲み物としては体がポカポカになるので、冬のドリンクとして飲まれることが多いです。

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はちみつレモンは妊娠中にオススメの飲み物!

はちみつレモンは妊娠中でも飲めるドリンクです!はちみつとレモン、それぞれには妊娠中に嬉しい栄養素が含まれています。

妊娠中に効果的な栄養素
  • はちみつ…ビタミンB1・B2・B6
  • レモン……ビタミンC・葉酸・カリウム

はちみつとレモンに含まれるこれらの栄養素は、妊娠中に特に必要なものと言われています。各栄養素の妊婦さんへの働きを、詳しく見てみましょう。

葉酸は妊娠前の2倍以上必要

レモンに含まれる葉酸は、ビタミンB群に分類される栄養素の一つで妊娠前から摂取したい栄養素とも言われています。 妊娠初期の活発な細胞分裂のサポートをしたり、DNAの合成など胎児の発育に大きく関係する ためです。

妊娠前の2倍以上の葉酸が必要となるため、サプリでの補給もすすめられています。

ビタミンCは鉄の吸収をサポート

ビタミンCは美肌効果など美容に効果的な栄養素のイメージがありますが、 妊娠中に必要な鉄分の吸収をサポートし、体の免疫力を高める効果 があります。

妊娠中は妊娠前と比べて免疫力が下がり、食中毒や感染症にかかりやすくなるので、免疫力を上げることはとても良いことなのです◎

MEMO

妊娠中のビタミンC摂取目安量は、1日110mg!

厚生労働省の調査(2020年度)によると、18歳〜49歳の女性に推奨されているビタミンC摂取量は1日100mgです。それが妊娠中となると1日110mg授乳中になると1日145mgが必要な目安量と言われています。

ビタミンCは妊娠中だけに限らず、産後の体にとっても大切な栄養素となっています

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カリウムは悪阻(つわり)と関係アリ!

ミネラルの一つであるカリウムは、妊娠すると胎盤や胎児に多く取り込まれるのですが、 体内のカリウム量が減ると、つわりが酷くなる と言われています。

また、カリウムは体内の塩分量を調整して尿と共に排出する働きがあるため、むくみ改善にも効果的です。妊娠後期は特に足や指がむくみやすいので、カリウムを含む食べ物は妊婦さんにオススメなのです◎

ビタミンB群の各効果とは?

ビタミンB群の中でも、はちみつに含まれるB1・B2・B6には、妊婦さんにとってこのような効果があります。

ビタミンB群の働き
  • ビタミンB1…糖質をエネルギーに変える時に必要
  • ビタミンB2…タンパク質の代謝に働き成長を促進
  • ビタミンB6…鉄分の合成を高めてつわりの吐き気を軽減

どれもビタミンBですが、それぞれに異なる働きがあります。

はちみつレモンに多く含まれる主な栄養素

はちみつレモンには、どんな栄養素が含まれているのでしょうか?はちみつとレモン、それぞれに分けて栄養をチェックしてみましょう!

はちみつの栄養

はちみつには、美肌に効果的なビタミンB1・B2をはじめ、良質なビタミン類が豊富で、他にもビタミンB6やビタミンC、葉酸などが含まれています。

また、ミネラル類も多く、血液に関わるマグネシウム鉄分、骨の発達に関わるカルシウムや、ナトリウムも含まれています。体内で生成することのできない、たんぱく質の元となるアミノ酸9種類や、抗酸化作用を持つポリフェノールなど、蜂蜜は栄養豊富な食材です。

  • ビタミンB1:ビタミンB1は、人間の代謝に関わるビタミンで、炭水化物を糖に分解し、エネルギーを作り出す経路の最初を担います。食べた糖質全般を燃焼させる工程に関わるため、不足すると疲れやすくなります。また脳の神経伝達物質にも関わり、集中力を増やすや手足の痺れにくくすると言った働きがあります。
  • ビタミンB2:ビタミンB2は、たんぱく質、脂質、炭水化物の代謝で、酵素に近い補酵素としての働きます。ビタミンB2は単独では酵素としての働きは持たないものの、体内で特定の分子がつくことで代謝の働きを担います。三大エネルギーの分解の他、体内の活性酸素の除去作用も持っています。
  • 葉酸:葉酸は、細胞分裂の核酸合成に不可欠であり、胎児の発育や妊婦において重要なビタミンです。胎児の場合は、脊椎の正常な分化を促進し先天性の奇形リスクを減らします。赤血球の分化に特に関わっており、貧血予防に効果があります。アミノ酸代謝にも関わるビタミンです。
  • マグネシウム:マグネシウムは、健康な骨を作る上でビタミンDを活性型にする働きや、エネルギー代謝、たんぱく質の合成を担います。マグネシウムは、体内の酵素の要になる触媒や酵素反応を助ける働きを含めると300種類以上サポートしています。血圧の調整機能もあり、片頭痛や冷え性の改善にも効果があるとされています。
  • ナトリウム:ナトリウムは、細胞の水分量及び、体内の水分保持に欠かせないミネラルです。人間の体内の水分を留める働きを持ち、普段は細胞外液に多く存在しています。ナトリウムとカリウムはセットで働き体内の水分調節とともに、老廃物の排出や栄養の取り込み、血圧に関わるミネラルです。
  • 鉄分:鉄分は、人間の血液を運ぶ赤血球に含まれるヘモグロビンの材料として使用されます。加えて、体内に存在する酵素の材料にもなりエネルギー代謝や肝臓での解毒の働きに関わっているミネラルです。

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レモンの栄養

レモンの代表的な栄養成分といえばビタミンCです。ビタミンCには強い抗酸化作用があり、美肌や美白効果が期待できます。酸っぱさの元であるクエン酸や、食物繊維のペクチン・葉酸・カリウムも含まれています。

レモンに多く含まれる「エリオシトリン」という成分には、 肝硬変の原因となる肝脂肪を抑制する効果があることがわかっており、レモンを適量食べることで肝臓機能をアップさせる ことができます。

  • ペクチン(水溶性&不溶性):ペクチンは、植物の細胞壁に含まれている多糖類で、砂糖やさんを加えることでゼリーの様なとろみに変化します。水溶性と不溶性の2種類に分類することができ、主な働きは便秘・下痢の解消、コレステロール値、血糖値を下げる栄養素です。
  • ビタミンC:ビタミンCは、抗酸化効果が高く活性酸素を除去し、過酸化脂質の生成を押さえや動脈硬化含む血管疾患、免疫力を上げるため風邪の予防効果があります。コラーゲンの生成やメラニン生成を抑えるため美肌効果が高いのも大きな特徴です。また、脳を落ち着かせる働きの脳内物質の生成や、ホルモン合成にも関わっています。
  • 葉酸:葉酸は、細胞分裂の核酸合成に不可欠であり、胎児の発育や妊婦において重要なビタミンです。胎児の場合は、脊椎の正常な分化を促進し先天性の奇形リスクを減らします。赤血球の分化に特に関わっており、貧血予防に効果があります。アミノ酸代謝にも関わるビタミンです。
  • カリウム:カリウムは、細胞の水分量及び、体内の水分の排出に関わるミネラルで、細胞の中に主に存在しています。ナトリウムとセットで、体内の水分量を調整し、体内にある過剰な水分の排出を促進させます。むくみや冷え性と言った不調の改善効果があります。
  • クエン酸:クエン酸は人間のエネルギー代謝でクエン酸が作られる過程があります。そのため、エネルギーを作り出す材料になり、疲労解消効果があります。血流を改善させ、冷え性の解消効果や体の不調の原因になる体のHpを戻す働きも持っている栄養素です。

ボツリヌス菌は危険じゃない?

ボツリヌス菌とは?

はちみつには「ボツリヌス菌」という菌(芽胞)が含まれており、胃腸が発達していない1歳未満の赤ちゃんに与えるのは絶対禁止とされています。

ボツリヌス菌は120度以上で4分加熱することで消滅しますが、“生はちみつ”は加熱していないので生きた状態で含まれている可能性があります。

ボツリヌス菌を摂ると?

ボツリヌス菌を乳児が食べると、腸内で芽胞が発芽し増殖して”乳児ボツリヌス症”を引き起こす

乳児ボツリヌス症の症状としては、便秘・筋力の低下・表情の喪失・脱力状態となります。死亡例は少ないですが、悪化すると命に関わることがあるので注意が必要です。大人はボツリヌス菌を食べてもこの症状になることはありません。

妊婦さんへの影響

 妊婦さんは、ボツリヌス菌を含む可能性のある生はちみつを食べても問題ありません◎! 万が一ボツリヌス菌を摂取しても、胎盤を通して胎児に届くことはないので安心して食べることができます。

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妊娠中でも安全な蜂蜜レモンの食べ方・飲み方

はつみつレモンには、食べものとして・飲み物としてのアレンジ方法がいくつかあります。妊娠中でも安全で美味しいレシピをいくつかご紹介します!

ドリンクとして

はちみつレモンは、暖かいドリンクとして飲むと体がポカポカになる効果があります。妊娠中の冷えはよくないと言いますが、冷え防止にぴったりの飲み物です。また、妊娠中は甘いものが無性に食べたくなることがあります。

胎児に糖分を送っていることが要因なのですが、洋菓子などカロリーの高いものを食べるより、はちみつレモンで代用できれば低カロリーで体にも良いのでオススメです。

POINT

妊娠中の冷え性予防に効果的!

ヨーグルトにかけて

レモンのはちみつ漬けを作った時は、ヨーグルトにかけるのもオススメです。 ヨーグルトに含まれる乳酸菌にも便秘解消効果があるので、妊娠中の便秘解消効果もありますよ◎

ここがPOINT
  • ヨーグルトの乳酸菌効果で妊娠中の便秘解消!

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妊娠中に食べたい食材・控えたい食材・食べてはいけない食材60選まとめ

妊娠中にどの食材を食べればよいのか?どの食材を控えれば良いのか?というのは非常に気になるところです。代表的な60食材でまとめました。

妊娠中に積極的に摂りたい食材

妊娠中に積極的に摂りたい食材には、どんなものがあるのでしょうか?その食材が含む、妊娠中に摂りたい栄養素とあわせてチェックしてみましょう!

  • 豚肉 …たんぱく質+ビタミンB群
  • 鶏肉 …たんぱく質
  • 牛肉 …たんぱく質+鉄+亜鉛
  • 青魚 …DHA・EPA
  • 鮭       …たんぱく質+ビタミンB6+ビタミンD
  • ぶり …
  • かつお…
  • 白身魚…たんぱく質
  • 貝類 …鉄+亜鉛
  • 桜エビ…カルシウム
  • 卵  …たんぱく質
  • ブロッコリー…葉酸+カリウム
  • 青菜 …葉酸+鉄+カリウム+カルシウム
  • ヨーグルト …たんぱく質+カルシウム
  • 納豆  …葉酸+ビタミンE
  • 大豆(大豆製品) …たんぱく質+鉄+ビタミンE+カルシウム
  • いちご …葉酸
  • アボカド …ビタミンE+カリウム
  • トウモロコシ …葉酸+ビタミンE
  • グリーンアスパラガス …葉酸
  • 枝豆 …葉酸
  • そら豆 …葉酸
  • トマト …カリウム
  • もずく …ミネラル+食物繊維
  • きのこ …食物繊維+ビタミンD
  • 切り干し大根 …食物繊維
  • もち麦 …食物繊維

妊娠前から必要と言われている葉酸やビタミン類、妊娠中に不足しがちな食物繊維やカルシウムなどのミネラル類を補える食材には、上記のようなものがあります。
これらの食材を妊娠中の食事にバランス良く加えることで、ママの体や胎児の発育に良い効果をもたらします。妊娠中は食べ物の嗜好が変化することもありますが、できる範囲で色々な食材を食べるようにしましょう!

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妊娠中に少量に控えたい食材

妊娠中の食事は栄養素のバランスが大切ですが、中には控えておくべき食べ物がいくつかあります。食中毒リスクや、食べると胎盤を通じて胎児に届き、成長に悪影響を及ぼすものなど様々です。妊娠中に控えたい食材について、確認していきましょう。

食中毒や感染症のリスクのあるもの

  • お刺身
  • 生卵
  • ローストビーフ
  • 生ハム
  • ナチュラルチーズ
  • 肉・魚のパテ

メチル水銀を含むもの

  • 金目鯛:1回80gを週に1度まで
  • メカジキ :1回80gを週に1度まで
  • メバチマグロ:1回80gを週に1度まで
  • 本マグロ:1回80gを週に1度まで
  • エッチュウバイ貝:1回80gを週に1度まで
  • くじら:1回80gを週に1度まで
  • きだい:1回80gを週に2度まで
  • インドマグロ:1回80gを週に2度まで
  • マカジキ:1回80gを週に2度まで
  • くろむつ:1回80gを週に2度まで

ヨウ素・ヒ素を含む食べ物

  • 昆布 :1日1回少量
  • ひじき:小鉢2杯程度を週に2度まで

カフェインを含む飲み物

カフェインを含む主な飲み物と、100mlあたりのカフェイン量は下記となります。

  • コーヒー …約60mg
  • 紅茶        …約30mg
  • 緑茶        …約20mg
  • ほうじ茶 …約20mg
  • ウーロン茶 …約20mg
  • ココア    …約10mg

糖分を多く含むお菓子やジュース

糖分を多く含むお菓子や、甘いジュースなども妊娠中には控えたい食べ物です。甘いものを過剰摂取することで、妊娠前は糖尿病を持っていなくても妊娠期間中に糖尿病を発症することがあり、『妊娠糖尿病』と呼ばれています。
より多くの栄養を胎児に与えようとする体の自然な働きと考えられていますが、妊娠糖尿病になると胎児に合併症が出る危険性があります。

ビタミンAを多く含む食べ物(妊娠初期)

“動物性ビタミンA”を妊娠初期に摂取し過ぎると、胎児の形成異常の原因となると言われています。ビタミンAを多く含む食べ物には、下記のようなものがあります。

  • レバー
  • うなぎ
  • あなご

塩分を多く含む食べ物

妊娠中に塩分を過剰摂取すると、『妊娠高血圧症候群』という病気になることもあります。この病気を発症する確率は、妊婦さん20人に対し1人と言われており、妊娠中の食生活が原因で引き起こされます。
妊娠34週(妊娠9ヶ月)未満で引き起こした場合は重症化リスクが高く、胎児発育不全(赤ちゃんが育たない)・常位胎盤早期剥離(赤ちゃんに酸素が届かない)・胎児機能不全(赤ちゃんの状態悪化)となる可能性があります。酷い場合は胎児の命に関わることもあるので、食事には注意が必要なのです。

妊娠中に食べてはいけない食べもの

  • 生肉(ローストビーフ・ユッケ・馬刺し・お刺身・パテなど)
  • アルコール

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まとめ

この記事をまとめると

  • 妊娠中でもはちみつレモンは飲めるオススメドリンク!
  • はちみつやレモンに含まれるビタミンB群・葉酸・ビタミンCには妊娠中に嬉しい効果あり!
  • ボツリヌス菌は胎児に届かないので危険性やリスクはない!

はちみつにはボツリヌス菌が含まれることがあるので、食べても大丈夫なの?と疑問に思われることが多いようですが、妊娠中でも安心して食べることのできる食材でした。はちみつレモンは体が温まる飲み物なので、ぜひ寒い時期に取り入れてみてくださいね。

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