バターは妊娠中(妊婦が)食べてもいい?危険性はない?1日の摂取量目安は?

妊娠中の食事には食べても良いもの・控えた方が良いものがありますが、“バター”は妊娠中に食べても良いのでしょうか?つわりなどで食欲がない時、甘いものなら食べられそう…!なんていう時もありますよね。そこで今回は、

  • バターは妊娠中食べらてもいい?
  • バターが含む栄養素
  • 妊婦さんがバターを食べる際の注意点
  • 1日の摂取量目安はどれくらい?

これらのテーマについて紹介いたします。

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バターってどんな食べ物?

エネルギー(100gあたり) 745kcal
糖質量(100gあたり) 0.2g

バターとは、牛乳の乳脂肪分を攪拌(かくはん)して固めた乳製品です。製法の違いや、食塩添加の有無によってこちらの4種類に分類ができます。

バターには4種類ある

  • 製法による分類

    ①有塩(加塩)バター
    :家庭で一般的に利用されているのは加塩タイプのバターです。バターを練る工程で1.5%前後の食塩を加えて作ります。食塩を加えることで風味を良くし、保存性も高まります。

    ②無塩バター:生乳由来の成分だけのバターです。主に製菓用や調理用に利用されています。保存期間は有塩バターより短いです。食塩を添加しなくても、生乳由来の塩分が含まれることから、パッケージには「食塩不使用」と書かれています。
  • 食塩添加による分類

    ③発酵バター
    :原料となるクリームを乳酸菌で発酵させてからつくったものです。ヨーロッパでは主流のバターですが、独特の香りがあり、日本でも人気があります。

    ④非発酵バター:非発酵バターは、乳酸菌による発酵をさせないクリームを原料としたものです。クセがなく、日本国内で市販されているものの多くはこのタイプです。
バターの定義とは?
バターは、乳等省令(乳及び乳製品の成分規格等に関する省令)にて「生乳、牛乳又は特別牛乳から得られた脂肪粒を練圧したもの」で「大腸菌群陰性」のものと定義されています。乳脂肪分80.0%以上、水分17.0%以下と定められたものが「バター」と表示されます。

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バターは妊娠中に食べても大丈夫?

バターは妊娠中でも食べることができます◎ パンに塗ったり料理に活用したり、お菓子にも含まれている身近な食材です。

しかし、『バター=脂質』なので食べすぎると太る原因となってしまいます。妊娠中は適度な体重増加が必要になりますが、増えすぎは難産などトラブルの原因となります。

元々の体重に合った増加目安が決められているので、食べ過ぎて太りすぎないよう注意しましょう。

バターのカロリーと糖質

小さじ1杯(4g)のカロリーと糖質は、下記となっています。少量でも高カロリーです。

  • カロリー:31kcal
  • 糖質:92g

バターに含まれる主な栄養素

実は、バターにはカルシウム・ビタミンA、E、Dを多く含み、栄養満点◎なのです。骨や歯を強くするほか、ストレスケアにも効果があると言われています。

特に、ビタミンAは天然油脂中では高い含有率であり、牛乳の13倍以上が含まれます。また、バターの成分の80.0%以上は乳脂肪です。食用の油脂の中でも高い消化性が知られています。

  • カルシウム:カルシウムは骨や歯の主成分のリン酸化カルシウムの材料でもあり、人間の体内の筋肉や臓器の収縮に関わるミネラルです。神経伝達の正常化にも大きな働きを持ち、体の酵素の働きをサポートします。血液凝固やホルモンの分泌等、多用な働きを持ちます。
  • ビタミンA:ビタミンAは、抗酸化作用、皮膚や肌の粘膜を作る、人間の視覚情報の伝達に関わるビタミンです。体内にある活性酸素を協力に除去し、肌の生成にも関わるため美肌作用、体内へのウイルスや細菌の侵入を防ぎます。加えて、視覚情報に関わる神経伝達に不可欠なロドプシンの生成の主成分にもなっています。
  • ビタミンD:ビタミンDは、カルシウムの働きをサポートし主に骨形成を助けます。加えて、筋肉や神経伝達において不可欠なカルシウム濃度の調整も担っています。細菌の研究では、ウイルスや細菌に対する免疫効果の向上する。抗うつ作用も注目されています。
  • ビタミンE:ビタミンEは、強い抗酸化作用、加えてコレステロールの酸化を防ぎ血流を良くする働きを持っています。また、毛細血管の収縮を抑制することで、細くなった血管が広がることで血流の悪化による体の不調改善効果もあるビタミンです。

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妊婦さんへのバターの働き

バターが含む主な栄養素の中でも、ビタミンEビタミンDは特に妊婦さんにとって嬉しい栄養素です。それぞれ妊娠中の体にとってどんな効果があるのでしょうか?

骨を丈夫にするビタミンD

バターに含まれるビタミンDには、カルシウムが吸収されるのをサポートし骨を丈夫にする働きがあります。ビタミンDは不足しがちなもので、太陽の光に当たり紫外線を受けることでも生成される栄養素です。

ビタミンDが不足すると「ビタミンD欠乏症」となり、カルシウムが吸収されにくくなったり、骨粗しょう症や骨軟化の原因となります。また、赤ちゃんの足が曲がってしまう「くる病」という病気になるリスクも上がります。

ビタミンDは妊娠中はもちろんのこと、授乳中にも必要不可欠な栄養素です。妊娠期・授乳期共に1日あたり8.5㎍のビタミンDが必要で、きのこにも多く含まれています。

ビタミンEも妊娠中は多めに

ビタミンEは強い抗酸化作用を持ち、細胞膜や脂質を酸化から守る働きがあります。妊娠中のビタミンE摂取は、流産を防ぐ効果があると言われています。

体内に蓄積しにくく、不足すると神経や筋障害が出ることもありますが、通常の食事をしていれば不足することはあまりないと考えられています。妊婦さんにとっては、妊娠前よりも多めに必要な栄養素です。

MEMO

妊娠中のビタミンE摂取目安量は、1日6.5mg!

厚生労働省の調査(2020年度)によると、18歳〜49歳の女性に推奨されているビタミンE摂取量は1日5.0〜5.5mgです。それが妊娠中となると1日6.5mg授乳中になると1日7.0mgが必要な目安量と言われています。

ビタミンEには、 βカロテンやビタミンCと一緒に摂ると抗酸化作用が高まる 特徴があります。

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妊娠中にを食べる際の注意点

妊娠中にどうしてもバターを料理に使いたい…!しっとりしたバターたっぷりのお菓子が食べたい…!そんな時に気をつけたいポイントをいくつかご紹介。妊娠中の体調管理は大切なので、参考にしてみてくださいね。

1日の摂取量に気をつける

バターは高カロリーなので食べすぎると太ってしまいます。一度に食べる摂取量の目安は、大さじ1杯(12g)ほどです。ケーキやお菓子などは、1日1個に抑えるようにしましょう。

甘いものの食べ過ぎは妊娠糖尿病に

どんな種類のスイーツやお菓子にも、砂糖が多く含まれています。糖分を多く含む食べ物や飲み物は、妊娠中には控えたいものです。

糖分を過剰摂取することで、妊娠前は糖尿病を持っていなくても妊娠期間中に糖尿病を発症することがあり、『妊娠糖尿病』と呼ばれています。より多くの栄養を胎児に与えようとする体の自然な働きと考えられていますが、妊娠糖尿病になると胎児に合併症が出る危険性があります。

妊娠糖尿病による胎児の合併症
  • 新生児低血糖
  • 新生児高ビリルビン血症
  • 低カルシウム血症
  • 呼吸窮迫症候群

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妊娠中に食べたい食材・控えたい食材・食べてはいけない食材60選まとめ

妊娠中にどの食材を食べればよいのか?どの食材を控えれば良いのか?というのは非常に気になるところです。代表的な60食材でまとめました。

妊娠中に積極的に摂りたい食材

妊娠中に積極的に摂りたい食材には、どんなものがあるのでしょうか?その食材が含む、妊娠中に摂りたい栄養素とあわせてチェックしてみましょう!

  • 豚肉 …たんぱく質+ビタミンB群
  • 鶏肉 …たんぱく質
  • 牛肉 …たんぱく質+鉄+亜鉛
  • 青魚 …DHA・EPA
  • 鮭       …たんぱく質+ビタミンB6+ビタミンD
  • ぶり …
  • かつお…
  • 白身魚…たんぱく質
  • 貝類 …鉄+亜鉛
  • 桜エビ…カルシウム
  • 卵  …たんぱく質
  • ブロッコリー…葉酸+カリウム
  • 青菜 …葉酸+鉄+カリウム+カルシウム
  • ヨーグルト …たんぱく質+カルシウム
  • 納豆  …葉酸+ビタミンE
  • 大豆(大豆製品) …たんぱく質+鉄+ビタミンE+カルシウム
  • いちご …葉酸
  • アボカド …ビタミンE+カリウム
  • トウモロコシ …葉酸+ビタミンE
  • グリーンアスパラガス …葉酸
  • 枝豆 …葉酸
  • そら豆 …葉酸
  • トマト …カリウム
  • もずく …ミネラル+食物繊維
  • きのこ …食物繊維+ビタミンD
  • 切り干し大根 …食物繊維
  • もち麦 …食物繊維

妊娠前から必要と言われている葉酸やビタミン類、妊娠中に不足しがちな食物繊維やカルシウムなどのミネラル類を補える食材には、上記のようなものがあります。
これらの食材を妊娠中の食事にバランス良く加えることで、ママの体や胎児の発育に良い効果をもたらします。妊娠中は食べ物の嗜好が変化することもありますが、できる範囲で色々な食材を食べるようにしましょう!

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妊娠中に少量に控えたい食材

妊娠中の食事は栄養素のバランスが大切ですが、中には控えておくべき食べ物がいくつかあります。食中毒リスクや、食べると胎盤を通じて胎児に届き、成長に悪影響を及ぼすものなど様々です。妊娠中に控えたい食材について、確認していきましょう。

食中毒や感染症のリスクのあるもの

  • お刺身
  • 生卵
  • ローストビーフ
  • 生ハム
  • ナチュラルチーズ
  • 肉・魚のパテ

メチル水銀を含むもの

  • 金目鯛:1回80gを週に1度まで
  • メカジキ :1回80gを週に1度まで
  • メバチマグロ:1回80gを週に1度まで
  • 本マグロ:1回80gを週に1度まで
  • エッチュウバイ貝:1回80gを週に1度まで
  • くじら:1回80gを週に1度まで
  • きだい:1回80gを週に2度まで
  • インドマグロ:1回80gを週に2度まで
  • マカジキ:1回80gを週に2度まで
  • くろむつ:1回80gを週に2度まで

ヨウ素・ヒ素を含む食べ物

  • 昆布 :1日1回少量
  • ひじき:小鉢2杯程度を週に2度まで

カフェインを含む飲み物

カフェインを含む主な飲み物と、100mlあたりのカフェイン量は下記となります。

  • コーヒー …約60mg
  • 紅茶        …約30mg
  • 緑茶        …約20mg
  • ほうじ茶 …約20mg
  • ウーロン茶 …約20mg
  • ココア    …約10mg

糖分を多く含むお菓子やジュース

糖分を多く含むお菓子や、甘いジュースなども妊娠中には控えたい食べ物です。甘いものを過剰摂取することで、妊娠前は糖尿病を持っていなくても妊娠期間中に糖尿病を発症することがあり、『妊娠糖尿病』と呼ばれています。
より多くの栄養を胎児に与えようとする体の自然な働きと考えられていますが、妊娠糖尿病になると胎児に合併症が出る危険性があります。

ビタミンAを多く含む食べ物(妊娠初期)

“動物性ビタミンA”を妊娠初期に摂取し過ぎると、胎児の形成異常の原因となると言われています。ビタミンAを多く含む食べ物には、下記のようなものがあります。

  • レバー
  • うなぎ
  • あなご

塩分を多く含む食べ物

妊娠中に塩分を過剰摂取すると、『妊娠高血圧症候群』という病気になることもあります。この病気を発症する確率は、妊婦さん20人に対し1人と言われており、妊娠中の食生活が原因で引き起こされます。
妊娠34週(妊娠9ヶ月)未満で引き起こした場合は重症化リスクが高く、胎児発育不全(赤ちゃんが育たない)・常位胎盤早期剥離(赤ちゃんに酸素が届かない)・胎児機能不全(赤ちゃんの状態悪化)となる可能性があります。酷い場合は胎児の命に関わることもあるので、食事には注意が必要なのです。

妊娠中に食べてはいけない食べもの

  • 生肉(ローストビーフ・ユッケ・馬刺し・お刺身・パテなど)
  • アルコール

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まとめ

この記事をまとめると

  • 妊娠中でもバターは食べられる!食べ過ぎには気をつけて!
  • 妊婦さんがドーナツを食べる際の注意点①:妊娠糖尿病 ②:過度な肥満
  • バターの1日の摂取量目安は大さじ1杯(12g)!ケーキなどは1日1個に抑えて◎

妊娠中でもバターは食べることができる食材です。カロリーや脂質が高いため、食べすぎると肥満の原因となってしまいます。妊娠中の肥満は難産などのトラブルに繋がる可能性があるので、食べ過ぎないよう注意しましょう。

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